4月25日付の地元新聞各紙は銃弾を不法投棄した佐世保米兵の上官が軍法会議で無罪となったことを報道しています。
昨年(08年)10月27日未明に、佐世保基地警備部の2等兵曹が公用車で針尾弾薬庫、前畑弾薬庫及び赤崎貯油所近くの制限水域に、3300発もの銃弾を捨てるという事件が起こりました。
事態を重く見た佐世保署は火薬取締法違反の疑いで、投棄した2等兵曹とその上司の1等兵曹を長崎地検佐世保支部に書類送検しました。しかし、長崎地検は米兵の行為を「公務中」だったと判断し、第一次裁判権は米側にあるとして不起訴処分にしていました。
4月24日、米海軍佐世保基地広報は、投棄した2等兵曹を基地司令官が処分、また監督責任を問われた1等兵曹は特別軍法会議で無罪となったことを明らかにしました。2等兵曹は懲罰会議で投棄を認め、先週から罰を伴わない拘束を受けているといいます。
また再発防止策として、使用した銃弾数を確認する担当を置いたといいます。
しかし2等兵曹の処分内容、1等兵曹が無罪判決となった理由について「基地内部の問題」として明らかにされていません。しかも、不法投棄の動機は何だったのか、なぜ持ち出せたのか、また上官と共謀して投棄したという報道もありましたが、事実はどうだったのか、真相は全く闇の中です。
長崎地検が米軍の主張を鵜呑みにして、米兵が「公務中」だったと判断して、日本側の取り調べの機会を放棄したツケはあまりに大きい。
(2009年4月25日)
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