銃弾不法投棄の米兵は2名だった!
佐世保署が火薬取締法違反などで書類送検

 12月19日、佐世保署は佐世保港に銃弾を不法投棄した米兵を火薬類取締法違反と器物損壊の疑いで、長崎地検佐世保支部に書類送検したと発表しました。驚くべきことに、投棄事件は警備担当の2等兵曹(31)とその上司の1等兵曹(34)2名の米兵の共謀でした。

 報道によると、2人の米兵が共謀して10月27日午前2時半ごろ、基地内から公用車で約3300もの銃弾を持ち出しました。
 2等兵曹は訓練で使う銃弾を補給したり、不使用の銃弾を倉庫に戻す任務についていました。銃弾は銃所持資格者が射撃場で使用して残ったものでした。基地外に銃弾を持ち出したことは、法定上の除外事由に該当しないため、火薬類取締法違反(不法所持)にあたるとしています。
 その後、同3時から4時すぎにかけて、針尾弾薬庫、前畑弾薬庫及び赤崎貯油所近くの制限水域の海中に銃弾を不法に投棄しました。これは器物損壊(海中投棄)にあたるとしています。

 一方、米軍佐世保基地広報部は「不法投棄したのは2等兵曹で軍法会議にはかけないが処分する。1等兵曹には監督責任を問い軍法会議にかける」としています。また、事件当時は「公務中だった」という証明書を地検に提出しています。しかし本当に、真夜中に針尾・前畑・赤崎を回る公務だったのか、それが日常的な任務なのか、徹底した検証が求められます。

 12月議会で佐世保市は、米兵が公務中だったと米軍の主張を鵜呑みにして「火薬類取締法違反には問えない」という答弁をしていました。これに対して佐世保署は、公務外であることも視野に入れて書類送検し、公務中かどうかの判断は地検に委ねています。米軍の主張を鵜呑みにせず、「銃弾の基地外持ち出し」を問題視して、従来よりも一歩踏み込んだことは評価できます。

 事件発覚からまもなく2ヶ月、共謀して不法投棄した動機はいまだに明らかになっていません。市民生活に大きな不安を与えているにもかかわらず、真相がわからない。地位協定の改定は待ったなしです。

(2008年12月20日)

【関連記事】
米兵が3300発もの銃弾を不法投棄