長崎空港の米軍利用数が過去最低に
戦略拠点の位置づけには変化なし

 2007年の米軍の民間空港利用数が国土交通省のまとめた資料から明らかとなりました。ながさき平和委員会が情報開示請求によって入手したもの。

 昨年、米軍の使用した民間空港は22空港に及びますが、その着陸回数は計386回でした。これはこの25年間で最少回数です。同時に長崎空港の利用も過去最低となりました。それでも、04年を除いて、全国で最多となっていることに変わりはありません。とくに長崎と福岡で全体のほぼ半数を占め、依然として佐世保基地の補完空港となっている実態が浮かび上がってきます。

空港別米軍機着陸回数(2007年)
長崎  97 高松 29 新千歳  5 熊本  4 新潟  2 稚内  1
福岡 80 奄美 29 那覇 5 中標津 4 広島 2 青森 1
仙台 45 名古屋 28 釧路 4 旭川 2 東京 1
大阪 31 鹿児島 9 八尾 4 函館 2 稚内 1

 昨年と比較した大きな変化は次のようになっています。
 (急増したもの)仙台 26→45、高松 12→29、名古屋 11→28、大阪 2→31
 (急減したもの)奄美 73→29、熊本 56→4、下地島 9→0、大分 9→0

 ほぼ恒常的な使用の長崎・福岡を除けば、米軍は演習や訓練などで必要な米兵や物資の輸送、給油などで民間空港を使用しています。そのため米軍の運用の都合で大きく変動するわけです。目的などはいっさい公表されず、事実上の基地として利用されているのが実態です。

(2008年3月20日)