8月23日

「奄美夢島」という雑誌を空港でもらっていたので、そこに出ている「ウニ丼」を食べようと思い、北上するのをやめ南下した。ところが、目的の店が閉まっていた。準備中の札があったので、2時15分という時間から休憩に入ったようだ。仕方ないので、今更最北上する気になれず、太平洋を左に見ながらバイクを進めた。23日に最初通った道だが、気持ちが惹かれるところがあり、そこで泳ぐことにした。

トイレのそばにバイクを置いて海岸の方に向かう。少しずつ足を進めるにつれ、見えてくる景色に驚いた。「参ったなあ。この美しさには。。。」言葉を失った。今まで、回ってきた奄美大島の海岸はどこも美しかっtが、この土盛海岸の海の色は、今回の旅で最高だった。何枚か写真に景色を納めた後、我慢できなくなって、早速入水・・・・。

 いよいよ今回の旅行も最終日になった。例年のことながら、特別な面持ちになるまだまだ帰りたくないよという気持ちになる。
 最終日、どうしようか、またもや悩んでしまった。天候の関係で、行きたかったところがいけなかったので、瀬戸内を回ろうかと悩んだ。一方、海に入る時間を多くするために、東シナ海の海を昨日のようにいくつか回ろうかとと思った。
 気持ちが固まらないうちに、ホテルのレストランで朝食を取った。そのまま部屋に引き上げて、荷物整理に入った。冷蔵庫の中のバナナとヨーグルトを食べ、残っていたカップラーメンも平らげた。部屋の片付けが終わる頃までに、やはり荷物を空港のロッカーに預けることが先決だと思うようになった。
 フロントに荷物を預けることをやめ、いつものようにガソリンスタンドで給油した後、国道58号線を空港に向かってバイクを進めた。いい天気だった。本当に帰るのが惜しい気持ちだ。

地図を見ると、トイレやシャワーマークがなかったが、ここも美しい海岸と聞いていたので、今回の旅の泳ぎ納めの場所として、倉崎海岸を選んだ。笠利湾の左側にある海岸だ。途中狭い道を通ったり、リゾートホテルのそばを通ったりしていくところだ。美しい海の景色を楽しみながら、時速30kmの風になって、目的の場所までバイクを走らせた。

少し泳いでいたが、たまたま足をおろした岩にウニがいて、なんとサンダルを突き抜け足にずぶり・・・。ガンカゼでないことを確認し、砂浜まで泳いでいき、そこでウニのとげを抜く。足には刺さったが、足の中で針が運良く折れてはいなかったので、、一安心。おそらくタワシウニだろう。
 昼御飯を抜くつもりでいたが、おなじみの「エブリーワン」が近かったので、そこで、写真のような「ポークサンドライス」のセットとカレーパン、ブラックコーヒーを購入。今回、この「ポークサンドライス」が気に入って、旅行中2回も食べてしまった。

この愛らしい魚は、言うまでもなく、「クマノミ」だ。カメラを向けると、カメラの方に顔を向けてくる。つまり警戒状態だ。クマノミを見ていると、時間がたつのを忘れてしまい、ずっとにらめっこしている感じだ。少し手を伸ばしたり、波に体が流されると、クマノミはサンゴイソギンチャクの中に身を隠してしまう。そして、すぐに様子をうかがうように顔を出してくる。大きいクマノミが小さな仲間を守っているような感じがして、本当に愛らしい。また、サンゴの種類も多く、目を楽しませてもらった。

最初、大瀬海岸に行ったが、干潮のため岩が露出していて、海に入りたいという気持ちにならなかった。そこで、次に、土盛海岸に行った。ここは、大浜と並んで、人気が高い浜だ。よく美しい海岸も写真に載る。昨年はここをパスして、あやまる岬の方に行ってしまったので、今年は行ってみることにした。

土盛海岸

沖縄本島をドライブしていると、海の美しさに心が洗われる。しかし、実際にシュノーケリングとゴーグルをつけて海に入ってみると、砂が舞ってしまい、透明度が無く、今ひとつと言うことがある。今回、最初に海面に顔をつけたとき、正直言って少々がっかりした。砂底にあるゴミに目がいってしまったからだ。早めにあがって、違う場所に行こうかなと思った。しかし、茶色く見える珊瑚の岩に沿って、陸地から離れれば、もっときれいな海と対面できるし、たくさんの生物と遭遇できるだろうという期待があった。そこで、水中で使える2台のカメラを首にかけ、海中散歩を楽しむことにした。
 案の定というか、期待通りというか、たくさんの魚と美しい珊瑚に出会うことができた。

前方には、緑に輝く美しい海が広がり、私を限りなくいざなった。誘惑に負けて、三角形をした岩まで行くことにした。たくさんの種類の魚と出会ったが、50cmを優に超えるものもいた。この魚(モンガラカワハギ)が凶暴で、襲われてしまった。

遠くから見るのとは違い、この岩の周りの海の引きは強かった。白波が立っていることからわかるように、強いうねりがこの岩をめがけて外洋からはいってくる。この岩に上陸した記念にと、岩の上に立ち上がって陸の方に手を振った。陸はかなり遠くに見える。何となく人らしきものがわかる程度だ。途中、黒い雲が立ちこめてきたが、いつの間にかどこかに消え去ってしまった。

Good-by
土盛海岸

やはり干潮のため、岩の露出部分が大きく、今回は海の展望のみにした。

8月24日
8月24日
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土盛海岸
土盛海岸
土盛海岸

 飛行機の出発まで2時間を切った。真っ直ぐ空港に行くか、奄美大島北端の笠利崎の灯台を見て空港に行くか迷ったが、後者を選んだ。海に入った関係で、シャツもズボンも海水で濡れている。どうにか塩だけは落としたかったが、うまくいけば服も乾かしたい。そこで、笠利湾を左に見ながらシャワーを使える場所を探した。シャワーこそ無かったが、嘉瀬漁港の公園で塩を落とすことができた。夕方とはいえ、奄美大島の気温はまだ高い。着替えを持っていたが、よく絞って、ぬれた服とズボンを身につけ、バイクに乗りながら乾かすことを選択した。
 送り盆の日のためか、集落を通ると提灯を持った人々に出会った。いつも以上にスピードを落とし、バイクを走らせる。墓地のそばでは、お線香の香りがした。「命のリレー」という言葉を聞いたことがあるが、今我々がこうして地上で生を受けていられるのは、ご先祖様が家々や家族を大事にし、我々に引き継いでくださったからだと、考えながら運転した。この美しい海は、何百年何千年という悠久の時間を超えて我々の目の前に横たわっている。それを思えば、人間は何ってちっぽけなんだろうと思った。自分の子孫を後世に残すため、自分の家を後世に残すため、いろいろな喜びや苦しみ越え、一生懸命生きている。台風という自然の脅威と戦う奄美大島の人々にとって、この海の美しさは、どんなにすばらしい勇気と安らぎになっただろう。
 私は、今夜の飛行機で奄美大島を旅立つ、いや東京に帰る。わずか4泊5日の短い島旅だが、多くの安らぎと力をもらった。

また来年、奄美大島に行きます。
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8月24日
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