関連死者 1600名

 

セバスチャン 西川 哲彌

安倍内閣が誕生して間もない頃、ある官僚が「危うい危ういと言われているが、原子力発電から放出された放射能で死んだ人は一人もいません」と発言し、あっと驚かされました。
総理大臣をはじめ、野党の議員から叱責を受けて発言を撤回しましたが、それ位の認識だったのかと再認識させられました。
今月(2013年12月)に入って原発事故の関連死者が1,600人に達しているとマスコミで報じられ、その人数に愕然とさせられました。
仮設住宅に入った家族の中で七十歳を超えた高齢者が、半年もしないうちに、寝た切りになり、介護付きのホームに移され、何カ月か後に静かに息を引き取るというケースが、あちこちで起きているのですが、福島ではそれが顕著です。
何十年と住み慣れた家。
畑や動物の世話をしながら、広い所で季節の恵みを精一杯頂きながらの暮らしが一変して、身動きの取れない仮設住宅で日常の動きもままならず、じっと息を殺すような生活に入ったのです。
弱い者から生命を縮めてゆくのは当たり前です。
国としては、その実態を知っていても手が打てず、結果三年もたたないうちに、関連死者1,600余名という結果をつきつけられたという所でしょう。
シーンと静まりかえった仮設住宅の中を歩くとやりきれない気にさせられます。
暑い夏からすぐに寒い冬がやってきました。
三度目の冬です。
ボランティアの方々や、行政から正月に向けての暖かいプレゼントが用意されているようです。
又、仮設毎に行事が組まれていて、ホッとするようなニュースが入って来ております。
掛け声だけでも「新年あけましておめでとうございます」と申し上げ、今、頂いている元気を分かち合いたいと思います。
と同時に、関連死が増えないことを祈っています。

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