こいのぼり

 

ペトロ 岩橋 淳一

今年は聖霊を意識させる時期が「こいのぼり」と重なります。
キリスト教の最も短い信仰内容のひとつである「イエス・キリスト・神の御子・救い主」のそれぞれの頭文字(ギリシャ語)をつなげますと、「さかな」という意味のことばになります。
迫害期にあったローマ帝国内にすむ信徒たちは、そのことから魚の絵をかいて、お互いにキリスト教徒同志であることを無言のうちに確認していたと言われています。
また、神の霊(聖霊)について聖書では、よく「風」にたとえられています。
風自体は目に見えなくても、樹々の葉の音やゆれる花々の姿を通して風を示しており、霊を風と見立てたのにも納得ができます。

「さかな」と「風」・・・・。
この組み合わせを日本流に考えると「こいのぼり」を私は想像してしまいます。
信仰流にとらえると、吹く風によってこいのぼりが雄々しく泳ぐように、聖霊の息吹きによって私は「イエス・キリスト・神の子・救い主」と堂々と信仰宣言できるのだと思います。
風に泳ぐこいのぼりを見上げるたびに、キリスト者としての自分に思いを致す五月なのです。

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