骨髄移植
造血幹細胞移植とは、正常な血液が作ることが困難となる疾病(白血病、リンパ腫など)の患者に対して、提供者(ドナー)の造血幹細胞を移植して正常な血液を作るようにできるようにする治療です。
造血幹細胞移植は、①骨髄移植、②臍帯血移植、③末梢血幹細胞移植に分けられます。
それぞれの移植方法に特徴がありますので、自分の病状に合った移植方法を主治医の先生と相談して決めていきます。
骨髄移植を成功させるには、患者の白血球の型(HLA型)の一致するドナーから提供してもらわなければなりません。
HLA型が一致する確率は兄弟姉妹で4人に1人、それ以外では数百から数万人に1人と言われています。
このHLAの遺伝には法則があり、現在は、赤の他人でありながらHLAが一致するということは、大昔に兄弟であった人の子孫が巡り巡って同じ型に生まれついたということで、患者の家族とドナーの家族は、時空を超えた親戚同士ということになります。
私の場合は、HLAが完全一致するドナーが見つからなったため、一座不一致のドナーさんからの骨髄提供を受けました。
ドナーさんには感謝しきれない気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
免疫抑制剤
骨髄移植とはドナーさんの造血幹細胞を患者の体内に入れることであり、何もしなければドナーさんの細胞が患者の細胞を敵とみなし攻撃してしまいます。そうさせないために患者は免疫抑制剤により自身の免疫力を低下させドナーさんの細胞との衝突を防ぐようにするのです。免疫抑制剤は移植の数日前から適用し、移植後もGVHD対策のため暫くの期間は適用します。
免疫抑制剤は点滴でも内服でも取り入れることが可能です。
免疫抑制剤(タクロニムス)は血中濃度が重要です。
点滴で薬を入れていたときはタクロニムスの血中濃度をほぼ一定にできますが、内服に変えると口から入れた薬が体内にどれだけ吸収するのか不安定要素が加わります。特に移植直後はGVHDの副作用で下痢が続いたりします。つまり、口から薬を飲んでもほとんど体内で吸収されずに体外に出てしまうため、タクロニムスの血中濃度が期待値より低くなる場合があります。
内服に切り替えて暫くの間は、薬の血中濃度を調べながら内服の量を決めていました。
あと、免疫抑制剤を飲んでた頃、グレーブフルーツ・ジュースは飲まないように薬剤師さんから注意を受けました。理由は、グレープフルーツ・ジュースに含まれる成分(成分名は忘れました)の影響で免疫抑制剤(タクロニムス)の血中濃度が高くなってしまうようです。なお、グレープフルーツ・ジュースとグレープフルーツ(くだもの単体)の違いですが、ジュースの方が液汁を濃縮しているため影響度が高いようです。
GVHD
Graft Versus Host Disease(移植片対宿主病)とは、造血幹細胞移植をした後にドナーのリンパ球が患者の内臓などを異物とみなし攻撃する現象です。HLA(白血球の型)がすべて一致している場合や血縁間での移植の場合は発生する頻度や確率は低くなると言われています。
GVHDの主な症状としては、下痢、発熱、発疹、粘膜生涯、多臓器障害、肺炎、ドライアイなどがあります。重度のGVHDの場合は命にかかわる事もあります。
私の場合、非血縁間の同種骨髄移植であり、更にHLAも一座不一致という決して安心できる条件ではありませんでしたが、幸いにも軽いGVHD症状で済んだようです。
しかしながら移植後1年を過ぎた後(退院してかなり経ってから)、GVHDが原因と思われる発熱が続いたため、数か月間プレドニン(ステロイド)や免疫抑制剤を飲むことになりました。
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