えくこの子育て相談室

プロフィール
名前：松林　恵(え)公子(くこ)　　年齢：51歳　　居住地：青森県青森市

抱っこ法との出会い～現在
　私には25歳と19歳の2人の息子がいます。長男が小4頃から不登校になり、2年間いろんな所に相談に歩きました。しかし状況は変わらず、これは自分でなんとかしなければいけないと思い、まず親業を学びました。その時初めて自分はコミュニケーションの取り方を何も知らずに子育てをしていた事に気づきました。親業を教えてくれた先生が言葉のコミュニケーションで足りない場合は体のコミュニケーションの方法として『抱っこ法』というのがあるよと教えてくれて、先生がご自分の体験を話してくれました。これが私と『抱っこ法』の出会いです。はじめは『抱っこ法』がどんなものか全く分からず、なりふり構わず暴れる息子をまるで羽交い絞めにしていました。親業と抱っこ法的関わりを続けて半年経つ頃には息子の気持ちが分かるようになりました。ある日、同じように抱き続けていたら息子が「お母さん助けて！自分は学校へ行きたい。でも、一人では行けないから、無理やりにでも学校に連れて行って欲しい。」と泣きながら言ったのです。それから息子と2人で放課後登校を始めました。2年間全く学校に行っていなかった息子はリハビリ期間が必要だったようで、中学は相談室登校、高校は通信制の高校へ進みました。私は抱っこの会のお手伝いをきっかけにどんどん『抱っこ法』にはまり本格的に勉強を始め、2008年に上級・公認を取りました。現在は『抱っこ法』を使って自宅で子育て相談をしています。

Qどのような方を対象に、どのような活動をされていますか？

A自宅で『えくこの子育て相談室』を開催し、抱っこのセッションを通して親子さんの絆がより深まるようにお手伝いしたり、ママのための育ち直しのワークやハンディのある親子さん向けの心のケアをしています。また、癒しのネットワーク青森を主宰し、大人のためのハッピータイム（天心のワークショップ）や子育て支援者向けに人材育成講座、保護者向けに子どもの気持ちを感じてもらいながら関わり方を学んでもらうような子育て講座や親子対象に「遊びのパーティー」を開催しています。また、昨年からホームスタート（訪問型支援）のビジターやＮＰＯ法人ココネットあおもりでやっている「ココかれ」（青森保健大学の１室を月３回ひろばとして親子さんに無料開放している）にﾎﾞﾗﾝﾃｲｱとして参加しています。 青森市内で青森抱っこの会を月１回開催。抱っこ法の体験会という形でやっています。また、保育園や子育て支援センターから依頼され、親子向け（就学前の子ども・・0~3歳くらい）で「遊びのパーティー」や「オムツ替え講座」等を開催しています。 青森県内では青森・七戸・むつの３ヶ所で抱っこの会を開催しておりますが、平成21年から３つの抱っこの会を「日本抱っこ法協会あおもり支部」として活動するようになりました。「あおもり支部」では昨年から基礎Ⅱ講座を開催しています。また、今年は「はぐさぽベーシィック講座」を開催することが出来とても嬉しく思っています。私は「青森抱っこの会」と「あおもり支部」の事務局を兼任しています。そして、あおもり支部のみなさんと情報共有が出来るようにと『抱っこ法　あおもり支部』の会報を発行しています。

Q活動の中で、面白い楽しいうれしいなと思うところ、難しいなと思うところを教えてください。

A私がうれしいと思うところは抱っこのセッション後の親子の様子の変化と親子さんの笑顔ですね。「うちの子何を考えているのかわかりません」とか「どんな風に接したらよいのか・・・」と悩まれて相談に来る親御さんでもセッションが終わって帰るころには親子共どもとても良い笑顔になって帰られます。その笑顔を見ているとこちらの方がエネルギーをもらっている感じです。本当にやめられませんね～！我が家に来てくれている親子さんは結構何年も通ってきてくださる方がいて、その子ども達の成長を見るのがとても楽しいです。 一方で、一緒に学ぶ仲間や活動を共にしながら、青森を盛り上げてくれる人たちを増やしていくことには難しさを感じます。青森県は昭和59年から川村美奈子さんが抱っこ法の勉強をされてきました。全国から見てもとても早くに抱っこ法をご自分のお仕事に使われてきたと思います。川村美奈子さんがずっとこつこつと勉強を続け「抱っこの会」を続けてこられたからこそ現在の私達がここにいれると感謝しています。私も先輩方に習って、あとに続く仲間を育てていける存在になれたらと思っています。

Q今後していきたいことや、課題、目標があれば教えてください。

A私は、今の世の中が子育てしやすい環境になっていくことを願っています。子どもが泣いていても優しく見守ってくれる人をたくさん増やしていきたいです。今年、「はぐさぽベーシック講座」を青森でやりましたが、たくさんの方に受けてもらいたいと思いました。石田先生や西川さんが言う「いい意味でのおせっかいおばさん、おじさん」を増やしたいと私も思いました。抱っこ法的関わりをみんなが出来るようになったり、見守ってもらえる安心感が持てるとかなり子育ての環境が変わるし、やさしい社会になるのでは？と思います。自分たちからの発信も今後多くしていきたいと思ってます。 「抱っこ法」はとても素敵です。たくさんの方に「抱っこ法」のよさを伝えていけたらいいなと思っています。いろんな意味でみんなと繋がっていきたいと思います。

Q抱っこ法の魅力

A体で触れ合う事で本音が伝わり易くなる事を自分自身が体験しました。我が子の気持ちの変化や行動の変化を目の当たりにし、「抱っこ法」って本当にすごいと思いました。長男の不登校がきっかけでしたが、実は「抱っこ法」に出会って一番変わったのは私自身だと思います。抱っこのセッションを通して学んだこともたくさんありますが、なにより自分と向き合い、自分の育ち直しができるようになったのは大きな収穫でした。今でも現在進行形でいろんな想いと向き合っています。いつまで続くのかな・・と思うこともありますが・・、宝物がたくさん見つかるので大変ですが楽しいです。 抱っこ法の魅力はたくさんあって言い尽くせない感じですが、幸せのおすそわけをたくさんもらえるのが私は好きです。