ごあいさつ 成見和總
『生活科を語る会』の発足 平成元年「新学習指導要領」が公示され、移行期に向っていました。ところが初めての試み、どの学校・どの研究担当者も「これでいいのか、我が校の生活科?」と鹿児島の生活科産みの苦悩の日々だった様子で、直接・間接の相談が多くなり始めました。当時私は「鹿児島県総合教育センター」に在職し、「新設教科:生活科基礎調査研究部会」の一員でした。又「生活科産みの親:本県出身の文部省中野重人教科調査官」から貴重な資料を頂き感謝しつつも創設の宿題をも頂いていました。しかし、私も理科教育担当をはじめ他にいくつかの業務を担当していました ので、勤務時間内だけでじっくり対応するには時間不足でした。そこで、「みんな同じような悩みのようなので、一同に会して少し語り合いましょうか。」という誘いをかけ、関係者の先生方をまとめて対応することにしました。その方が相互の研究の進め方を含めて、切磋琢磨できると考えたのです。その時集まった7名の同志が「何かしら光明が出てきた」と満足した様子で、「今後も月1回は継続して語り合いたい!」との要望があって、“毎月第3土曜日の午後3時”(私の大好きな数字3)から集まることになったのです。これが平成元年『鹿児島生活科を語る会』の発足でした。
鹿児島の、自校の、自分の生活科を! 本会は、小学校の1・2年生に設置された『生活科』と小学校3年生以降に設置された『総合的な学習の時間』に関する教育活動に関心を持つ人々が集う鹿児島県中心の自主研修会です。そのスタートは、前述のとおり平成元年「鹿児島県総合教育センターでの『鹿児島県生活科を語る会』」です。その後、年々会員も広がりを見せ(一時70名)「鹿児島県生活科教育研究協議会」~平成20年改訂「総合的な学習の時間」創設で「鹿児島県生活科・総合的学習教育研究協議会」と改名しながら26年の年月を経て現在に至っています。全国でも伝統ある『生活科・総合的学習教育研究会』の一つとして自負しています。
本会の目的・目標は、生活科と総合的な学習の実践や教育研究を行うと共に会員相互の連絡と協力を促し、教育研究の成果を県内中心に広く社会に発信することによって、生活科と総合的な学習の充実発展と普及に努めることにあります。
当会の創立当時の合言葉、
“鹿児島・自校・自分の生活科を!”
“何事も子どもを中心に据えた実践優先!子どもの変容で評価を!”
“誰にも分かり・出来る易しい生活科を!”
の精神は、今尚引き継がれています。
関心のある同志は誰でも歓迎! 本会の会員は、「関心のある同志は誰でも歓迎!」と門戸を開いています故に、会員層の多様性が見られます。創設当時を中心に一時は、保護者等の一般の方や中学校・高校の先生方もいましたが、現在は幼稚園・小学校の教育実践者やその管理職・教育行政職・大学等研究機関・学部学生・出版に関わる人などが中心です。特質すべきは、そうした多彩な分野の各人の特性を生かしつつ、協同して実践と知の創造に切磋琢磨して取り組んでいることです。
主な活動としては、①26年間毎月継続実施している「月例会」です。毎回のテーマ究明はもちろんですが、「会員一人一話」と担当者によるコメントは目玉、②「夏季研修会」(年によっては合宿)・「秋季研修会」(野外学習:実技研修会)・冬季研修会(「九州生活科・総合的学習教育指導者佐賀県研修会」)、③「生活科・総合的学習教育実践フォーラム」刊行(現在隔年、現在Vol,15)などがあります。
この念願の「ホームページ」開設を好機に! 今一度、創設期、そして2009年度「日本生活科・総合的学習教育学会鹿児島大会」に原点回帰し、正に“今こそ薩摩で温故知新!マグマ・黒潮・大宇宙の郷で、生きる力を!”発揮し合いたいものだと願っている昨今です。この念願の「ホームページ」開設を好機に!
(極楽トンボ)
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