ノジギク − のじぎく − 野路菊 

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のじ菊とは
のじ菊の分布
のじ菊の育て方 増やし方
兵庫県の野路菊について
六甲山系ののじ菊について
姫路産のノジギクの移植
横尾山のノジギク園
六甲山北地区での新らしい発見
六甲山南地区での新しい発見
イエギクとの交雑はさほどおきるのか
ノジギクのイラスト集

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ノギク(野菊)とノジギク(野路菊)とはよく混同されます。  しかしノギクとは野生の菊類の総称で ノギクという名のキクが存在するわけでは ありません。   つまりノジギクは野菊の一種ということなのですね。

<ノジギクとは?>
  <代表的な野菊であるノジギクとリュウノウギクの違いは?>
キク科キク属 日本固有種。
リュウノウギク等と並んで 日本を代表するキク科キク属の野菊です。  
草丈が50ー100センチくらいで 多く枝分かれし 径2.5−4センチ程の花を数多く咲かせる可憐な野菊です。
ほとんどが白色で 咲き終わりに微かに赤みを帯びます。
数は少ないですが黄色いノジギクもあります − キバナノジギク。
葉は互生し広卵型で3−5裂し イラストにあるように 多くは基部が水平です。  
リュウノウギクは山間部に咲きます。 ノジギクは海岸寄りの斜面に自生することが多いのですが 生育に必ずしも 潮風が必要というわけでもないようで  内陸部でもとてもたくましく育つ例は数多くあります。

のじ菊の葉 両者は見分け難いほど似た花を咲かせますが  葉の形の違いで簡単に区別できます。   右欄のイラストにあるように  ノジギクは基部が水平ですが リュウノウギクの葉はくさび型です。
ただし野路菊の場合 葉の形にはかなり変異の幅があり 基部が内側に切れ込んでいる場合もあります。  リュウノウギクの 場合は変異は少ないようです。  

またノジギクは 花下部の 総苞(そうほう) という部分が三重で 最外のものがやや小さくて白い毛が生えています。   これはノジギクにしかない特徴で同定の基本になっているようです。 (下のイラスト参照)。 
リュウノウギクは総苞の長さはみな同じですっきりした形をしています。

またノジギクは先端の茎に花(頭花)が3個など複数つきますが リュウノウギクの場合は多くは1個だけしか つきません。  これも両者の違いを見分ける大きなポイントです。    これも右欄のイラストを参照してください。
従って株全体としてノジギクは花数が多くとても華やかですが リュウノウギクの場合は花数がややまばらなので やや寂しい 感じと言えます。

のじぎくの総苞 のじぎく

また両者の違いとして リュウノウギクは葉をすりつぶすと 樟脳に似た ”芳香” を発するのに対し ノジギクはさほど香りを出しません。 

ノジギクは変異の幅が大きいのも特徴で 近くに自生するものでも日照の良し悪しなどで かなり違ったものに見えることがしばしばです。
キク科は植物の中で地球上では最新の植物で最も進化しているとされ 現在でもかなりの速さで進化ないし変異を遂げつつあることと関連しているのかも しれません。


<野路菊の分布>

西日本の瀬戸内海沿岸ぞいに分布し 主なノジギクの分布地の県名は
本州    兵庫 広島 山口
四国    高知 愛媛
九州    大分 宮崎 鹿児島(南西諸島を含む) 
うち兵庫県西南部の 播州姫路地区 では 分布密度が最も高いといわれています。
実際の分布の東限は兵庫県南東部の神戸市となります。
正確には最近の調査により神戸市東灘区の岡本あたりです。  もしくは神戸市北区の多聞寺付近ないし有馬温泉地区という見方もできます。 
なお兵庫と広島にはさまれた 岡山県 でほとんど生育が無いのは謎とされています。


<のじぎくの育て方 増やし方> <栽培のヒント>

ノジギクはこの国土で数千年以上も自分の力で生きてきた野草です。  生命力旺盛で繁殖力も強く育て方は容易で植えっぱなしで十分といえます。  
ノジギクの育て方 増やし方 については別のページでイラストを添えて詳しく説明しています。
    → <ノジギクの育て方>


<日本での分布の 東の限界点の 兵庫県での状況>

ノジギクは神戸の六甲山系ではほとんど見かけなくなった  と言われています。   しかしろくに分布の調査などなされたことなど無く 単に風評 にすぎないようです。
ノジギクに的を絞って開花期に 注意深く調査すれば 六甲山系でもかなり見つかると思われます。

六甲山系に少なからず生育するという前提で 兵庫県のノジギクは 次の二つに大別して考えるべきではないでしょうか。
(1)西部の姫路を中心とする播州地区のもの ・・・ 大半はセトノジギクとよばれるもの。
(2)神戸の六甲山系のもの ・・・ 大部分は西日本で一般的なノジギクないしその六甲神戸形変種。
ただし神戸でも瀬戸内海に近い西部ではセトノジギクないし セトノジギクと一般的なノジギクの交雑種の生育があるとみられます。

セトノジギクとノジギクの違いについて。
播州姫路地区のノジギクと神戸のものとでは葉の形態に違いがあります。    3裂5裂なのは同じでも姫路のものは鋸葉が尖り気味 でこれはセトノジギクと言われるものの特徴です。   セトノジギクは瀬戸内海沿岸部に固有のノジギクです。
神戸のものの多くは一般的なノジギクないしその変種と思われ 大半は葉の周囲な全体的に丸みを帯びています。   
現在は両者はどちらもノジギクと総称されますが厳密には違いがあるということです。

写真は神戸のノジギクの一典型  − 須磨浦公園近くのもの。
3裂する葉の輪郭がなだらかに丸いことに注目してください。 神戸のノジギクの半数ほどはこうした極端な丸みを帯びています。
これはセトノジギクでなく 一般的なノジギクないしその神戸六甲型の変種 の特徴とみられます。


県西部の大塩など姫路地域では自治体や住民によって大事にされて繁栄し 毎年見事な花を咲かせています。  
殊に兵庫県の姫路市の 大塩、的形、日笠山地区 のノジギク (厳密にはセトノジギク) の群落は有名です。  折あれば晩秋に訪れてみてください。     日本の野菊というものはこれほどまでも素晴らしいものか ときっと驚嘆されると思います。

ただし姫路地区では純然たる自生ノジギクは開発などで姿を消しつつあります。  見事な群落も人々によって手厚く保護 された結果のものばかり ということになりつつあるなら残念な気がします。
いっぽう神戸地区人々の関心の低さから全く調査や保護がなされておらず そのため他の様々な野草と争いながら入り混じって生育している という野菊というものの ”本来の自生の姿を保っている” といえるとしたら少し皮肉ですね。

<播州のノジギクの神戸などへの移植>
六甲山系の分布は疎らなのですから 全く分布のない場所に播州のものを持ち込みしっかり管理したうえで 野路菊園 をつくるのは問題はないと 思われます。
(先に述べたように厳密には播州姫路のものはセトノジギクであり 神戸で広範に自生する大半がセトノジギクではなく西日本で 一般的なノジギクないしその神戸六甲型の変種という区別はありますが)
移植の一例として

神戸市須磨区 横尾山の野路菊園  
があります。  ここはかなり大規模な山野でのノジギク園です。 
ノジギクには関心の薄い神戸地区の人達に その素晴らしさを伝える役割を果たしているいます。
管理もしっかりしているはずなので  逸出して六甲山系のものと交雑する心配はないと思われます。
コスモス など外来種の多年草の草花を山野に持ち込み 大群落を作って人目を引こうとするあまり感心できないケースが少なからずあります。   外来種の動植物を用いる場合 よほど厳重な管理が必要ですが 安易でずさんなケースが少なくないようで 周囲の山野への侵食が懸念されます。
「外来生物防止に関する法律」 などもある今日 なぜこんな生環境を歪める行為が野放しなのか理解に苦しむところです。   中には自治体が音頭をとっているケースもあるので驚いてしまいます。 
そうしたことに対抗する意味でも 日本固有の美しい花々で山野を飾ろうとする動きは大きく評価できるのではないでしょうか。   その意味でも 横尾山の野路菊園は大きな存在価値があります。
正式の名称は 「よこお野路菊の丘」 ということです。  神戸市北区横尾 の啓明学園の裏手にあります。
開花する11ー12月頃に訪れてみられてはいかがでしょうか。
その他の小規模な移植例として 灘区の灘浜サイエンススクエア 北区の唐櫃高校などがあります。
以上のすべては厳密にはセトノジギクということになります。




  <神戸 六甲山系のノジギク と問題点など>

人々に大切に守られ見事な群落がある播州地区と違って 分布限界点に当たる県東部の神戸では 人々の関心がきわめて薄く 保護どころか調査すらもろくに行われていません。 
しかし神戸および周辺地区は 日本での分布限界点というとても重要な意味を持つのです。
そしてノジギクの分布の日本における 最東端および最北端は 
   神戸市東灘区の 住吉川上流あたり 
と主張される方々が多いようです。   しかしこれは風聞によるもので 十分調査されてのことではないようです。  神戸 では 関心の低さから調査しようとする人などいなかったようです。 

<六甲山北側地域に かなりノジギクが・・・?>
六甲山を北に下ったふもとに当る地域(北区 神戸電鉄沿線 唐櫃大池地区)で 
「これが ノジギク でないなら いったい何ギク?」
というような ノジギクの特徴を濃くそなえた野菊が存在するのに気ずき  当ブログ筆者が2010年から調査を始めています。
もしノジギクなら 日本での最北端のノジギクの自生 となり貴重な存在となります。







≪追記≫

以下は兵庫県内でのノジギク探索に関する記述です。   兵庫県の状況に興味のある方のみお読みください。  

<2010年以後 まず六甲山北側地域でノジギクの調査を開始。>
古老に訊ねるとノジギクかもしれない野菊は 以前は北区の唐櫃大池あたりでよく見かけたが 草刈器が広く使われだしてからほとんど見かけなくなった ということでした。

そんなみじめな状況のうちでも 朗報もあります。
「神鉄六甲駅」近くで見つけた野菊を 野路菊展の開かれている姫路市に持参し ノジギクに詳しい研究者に鑑定をしてもらった結果 まぎれもなく ノジギク と断定されました。
これで北六甲のノジギクに似た野菊は ノジギクであることが確認されました。

その後 一度発見すると北区の唐櫃地区だけでも 小群落を次々と発見することができました。 

また唐櫃の別の地点で20−30株程の キバナノジギク(黄色いのじぎく)をも見つけました。  
なおノジギクの北限(日本最北点)は 北区唐櫃の「多聞寺」 付近 なのを突き止めました。   (その後の調査で 有馬温泉地区の可能性 も出てきました。  なお有馬地区は分布の東限の可能性もあります。)
いずれにしても神戸市北区は分布限界の重要な地区となります。
以後の探索については六甲山系北と南に分けて別のブログを作成していますので 興味のある方はご閲覧ください。  (ページ下部 参照)

神戸市北区唐櫃地区で発見されたノジギク。  日本の北限に咲くノジギクの可能性

ノジギク ノジギク

神戸六甲山系では 十分調査をされないまま 絶滅状態と主張する方々は多いようです。   しかし実際に足を運んで調査をしてみると 実際はかなり存在することが判明したわけです。
六甲南面にも見逃されているものの かなり存在しているはずです。

「神戸の六甲山系のノジギク」 は人々の無関心により 全く保護されていないことです。 手厚く保護されている姫路地区と違ってみじめな状況ですが  同じく兵庫県の県花に変わりはないのです。
雑草と見なされ 伐採されている現状では遠からず絶滅してしまいます。  何らかの保護の手だてを講じる必要があります。



<追記2>南六甲での探索。
北六甲とは違い 南六甲ですが・・・。

<特記 ー  最近の発見   2017年秋>
驚き!!  こんなところにノジギクが!    生田川の最先端河口部。
  (中央区脇浜海岸通4)
この辺りは神戸港の中にあり あらゆる場所がびっしりとコンクリートで造成されています。
その中で生田川の最先端の河口部東側に まるで奇蹟のように200平米ほどの土壌部分が残っています。
そこにノジギクが生き残っていることが分かりました。


3−10株ほどの集まりが10か所ほどあり合計するとかなりの数になります。 
葉の形状は 5裂で切れ込み部がなだらかに丸みを帯び典型的な神戸六甲タイプのノジギクです。
明治以降 神戸港が造成される以前から自生していたものの生き残りと考えられます。   明治以前には この海岸付近はノジギクの大群落が形成されていたのではないでしょうか。

姫路市の大塩地区あたりには海辺にノジギクが多く自生していますが 神戸では海水の直近に自生するノジギクが見つけられたのはここだけで とても 貴重です。   なんとしても 奇蹟のように生き残った健気なノジギク達に いつまでも咲きつずけてほしいものです。
しかし・・・
まわりは外来植物のセイタカアワダチソウが濃密に跋扈し 健気なノジギク達を取り囲んで圧迫しています。
セイタカアワダチソウは根から他の植物を枯らす化学物質を放出し自分だけが生き残る悪魔のような外来種です。     このままではノジギク達は圧倒されて 遠からず消滅する恐れがあります。


< 謎の野菊を発見!! >
ノジギクではありませんが・・・

 新発見の神戸固有種??    新種の可能性も
謎の野菊

市内の或る川の河口部で神戸には存在しないはずの野菊がみつかりました。
高知県と和歌山県の一部の南岸に自生する ”シオギク”  という野菊に酷似しておりその近縁とみられます。 
しかしシオギクが筒状花 (真中の黄色い部分)だけで形成されているのに対して、 神戸で発見されたものは写真のように外側に花びら(正しくは舌状花) を持っているのです。

つまり他の自生地にない独特な形態をしており 状況からみて他地域から移植されたものとは思えません。   シオギクと酷似して いることからその仲間に違いなく 外来種ではありえません。
神戸の海岸部のみに誰にも気ずかれないまま昔から自生していたものの生き残りのように見えます。   花径2ー2.5センチ程と小ぶりですが なかなか美しい野菊です。

神戸市の南岸はほぼ100パーセントはコンクリートその他で人工化されてしまっており、 奇跡的に残った狭い土地にかろうじて少数が 生き残ったと考えるのが妥当と思われます。  野草など生態系に関心が薄かった時代に神戸市南岸部の土地が人工化され 古い植生が壊滅し誰にも 気ずかれないままだったのではないでしょうか。

もし太古から自生していたのに誰も気ずかなったものが今回発見されたとするととても貴重です。
和歌山県に存在するキノクニシオギクは 高知県のシオギクの変種とみられ 染色体数は共に72であるところから 神戸で発見のものも同じと考えられ るので  ”シオギクの神戸型変種”  と見なすべきでしょうか。  ないしは ”新種” の可能性もあります。
いずれにしろ神戸固有種として貴重です。
とりあえず コウベシオギク  と仮の和名をつけておきます。
より詳しい関連サイトを作成しています。
   → 
 <ここをクリックしてください>

この野菊に関してご興味やご見解のある方はこ連絡をお待ちします。




「六甲ケーブル下」駅 の近くでノジギクを発見!!!
六甲ケーブル下駅 から北東に約300M地点でノジギクの群落を見つけました。
 (六甲翠光園奥。 油コブシ台登山口と思われる地点)。
 
明治40年 牧野博士(又は山鳥吉五郎氏)が初めて発見された地点の近くかもしれません。   キバナノジギクを含む生育の良い数十株ほどのかなりな群落です。
しかし 今は生き残っていても そのうちに伐採駆除される心配があります。   なんとか守りたいものです。 

以上を含めて日本東限 六甲山系のノジギク に限定して 別のブログを作成しましたので 興味のある方はご覧ください。 (下記参照)

   − − − − − − 

  
<*>  <ノジギク他のキク科との交雑はさほど起きるのか? > 

** <エギクとの交雑について>
ノジギクはイエギクと交雑したものが多い という見解が多いようです。
どちらも 染色体数が54であることもこの見解を強めます。
しかし時にはこの見解に疑問を持ってみることがあってもいいのではないでしょうか。
これは誰か有力な研究者の意見がオーバーに伝播し 十分な検証もなされないまま多くの人達の見解になってしまっている と考えられなくもありません。

山野の膨大な数のノジギクに交雑が起きるには それなりの環境がそろう必要があります。
    ハナアブなどの花粉媒介昆虫の移動距離内にイエギクが多数存在すること
    そのイエギクが色や花径などノジギクと形態がかなり近いこと
が必要です。    しかし 
    イエギクは人家 施設 墓地など限られた狭い範囲にしか存在しない
    歴史的にイエギクが一般に栽培され始めてからさほど長い年月がたっていない
ということがあります。 
さらに 長い年月イエギクとノジギクがそばで栽培されていても交雑するケースは少ない ということもポイントになります。

もし交雑が多くおきるものなら ノジギクの咲く山野は 今とは比較にならない程ほど原種とかけ離れて 色とりどり 大きさとりどり 七重八重とりどり  のさまざまな交雑ノジギクでにぎにぎしく飾られるはずではないでしょうか?
また イエギクに対しても多大な影響をもたらすことになります。  膨大な数の ノジギクと交雑したイエギク が生まれることになるからです。     イエギクの起源は中国から移入されたものに限られ 日本の野菊に起源がない と主張される人達の論理に水をさす という結果につながりますね。

イエギクとの交雑は起きても極めて限定された数にとどまる   とすのが妥当ではないでしょうか?  

**  <他の野菊との交雑について>
また山野に現存するノジギクは他の野菊類と交雑したものばかりである という見解を述べる方々もいます。
そうした方々はこれこれと交雑したものであるという根拠を述べられることはありません。  つまり想像や類推によるものではっきりした根拠がない 見解なのです。
ノジギクが自生する西日本に存在し交雑を起こす可能性を持つ野菊は リュウノウギク、 シマカンギク(アブラギク)、 稀にシオギク類くらいしか ありません。  しかしそれらは西日本では勢力が弱くノジギクと交雑など影響を及ぼすほど多く存在しません。 
つまりノジギクと交雑する相手の数は極めて乏しく 交雑する可能性はゼロではなくてもきわめて低いわけです。 

** <キク科の変異は生育環境の違いによることがより大きい> 
ノジギクを含めてキク科の形態の変異は 交雑よりも生育環境の違いが最も大きな要因なのではないでしょうか? 
キク科は地球上では最新の植物群で、 現在もかなりのスピードで変化や進歩を遂げつつあるのです。  他の植物群には考えられないほど、 生育環境の違いで簡単に変異を起こしてしまう  という事実を忘れるべきではありません。


<※>  < 当サイトの記述内容に関する否定的見解の例 >
当サイトのノジギク探索の内容について否定的な意見を述べられる方々がおられ その内容を紹介します。

(1) 神戸(六甲山系)でのノジギク と称されるものは播州姫路地区のものと形態に違いがみられる。  従って ノジギクとはいえないのではないか?
という意見が主体です。   また
(2) 神戸のノジギクの大部分は山野のものも含め 総て播州姫路から移植されたものである。
というものもあます。
上の二つはノジギクの形態について相反することなのが興味深いところです。

(1)について
姫路地区のノジギクと神戸のものと形態に違いがあるのは当然なのです。
次のことを認識していただく必要があります。

姫路付近は瀬戸内海に面しており 生育しているものはノジギクといっても厳密には ”セトノジキク” です。  瀬戸内海沿岸のみに分布するのものです。
特に葉の形態に特徴があり 3裂5裂し かなり特徴的に鋸葉が尖り気味となっています。
いっぽう神戸は瀬戸内海に面しておらず大阪湾に面しその先は大平洋つながります。   同じ兵庫県でも舞子地区を境として 姫路とは沿海部の植物の生態系が違ってきます。  生育するもののほとんどは 西日本では ”一般的なノジギク” ないし その”神戸六甲タイプの変種”です。
葉は3裂5裂するのは同じでも 葉の輪郭はなだらかな丸みを帯びます。  
(<註> ただし神戸のものはセトノジギクの神戸形変種の可能性も考えられます)。
両者は葉だけを観察するとかなり目立ったな違いがありますが そのほか頭花や総苞にも微妙な違いがあるはずです。

同じノジギクといっても 姫路付近のものと神戸付近のものとは系統が違うため些細な差異があるのは当然です。
現在ではセトノジギクと一般的なノジギクとは区別せずノジギクとして語られますが 厳密には形態には微妙な違いがあるのを 認識されるべきなのです。
ですから姫路地区のものを ノジギクの標準  として比較するのは正しい見解ではありません。

(2)について
確かに播州から移植されたらしい箇所を見かけますがごく一部にとどまります。

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長々とした当ブログを最後までお読みいただき有難うございます。
野路菊は兵庫県以外では関心が薄いせいもあり 兵庫県の野路菊ばかりについて記述してしまい 他地域の方々には申し訳ありません。    自生各地 全般の野路菊についてのサイトを立ち上げる予定ではあるのですが 資料収集が難しいので出来ないままとなっております。 



当サイト ノジギク関連ページ  ↓ ckick

→六甲山系ノジギク探索記 −北六甲

→六甲山系ノジギク探索記 −南六甲

→→ノジギクの育て方 

→神戸のじぎくマップ

→イラスト集 − ノジギク以外の野菊など 

→ 有馬温泉  ノジギク自生地

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<筆者profile>
貿易関係のビジネスマンを退職後 現在はイラストレーター。
そのかたわら市井の野草研究家です。


ノジギクのイラスト集 ↓

典型的なノジギクの形態  (特に葉の形は神戸六甲形)
茎の先端部が三つほどに分かれそれぞれ花をつける。
イラスト
そのためリュウノウギクなど他の野菊にくらべると先端につく花の数が多く   そのぶん他の野菊類よりも華やかに見えるのが特徴です。

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ノジギク ノジギク

これは単にイラストです。
しかし 野路菊の自生地にはイノシシが出るところもあるのです。