俺、女の子になれますか?

第二十六話「翌日は休みのはずなんだけど」

(この作品はR18です。18歳未満の方は読まないでね。)
 翌日遅く起きた私は、イエローのサマードレスにミュール姿で元ホテルだったこの施設のプールサイドに赴き、そこの二階のテラス風のレストランのテーブル前のベンチに座って、先客の同僚の先生達に軽く会釈してから遅い朝食をオーダーする私。
 外はもう夏真っ盛り。外に出るより天井に薄い日よけの張られたこのプールサイドの方がいい。プールでは既に結構な数の女の子達が水着姿で遊んでいた。とはいうもののその大半は昨日のまゆみちゃん達みたいな元男の子だった事は間違いない。
 その中にはつい先日私が女の子にしてあげた子もいた。私に気づいたその子が私の名前を呼んで手を振って来たので私も笑顔で挨拶したげる。順調に女の子として成長しているみたいでよかった。
 その時、新しく水着姿の四人組が私の視界に入ってくる。それを見た私はぷっと吹き出した。
(昨日の四人組じゃん)
 昨日女の子になった、私の担当したまゆみちゃん、そして美樹ちゃん絵里花ちゃん真美ちゃん。おかしかったのは、絵里花ちゃんはグレーのELLEのワンピ、真美ちゃんは鮮やかなエレッセの水色のスカート付のワンピとか比較的地味なのを着込んでいた。
 ところが昨日変身途中であの和之に過剰な程に女というものを教えられた美樹ちゃんは、白のスカート付きのビキニに長い黒髪をポニーテールにして。そしてまゆみちゃんはなんと真赤なビキニ。
(バカねぇ、こんな処でそんなの着ても職員以外男なんてめったに来ないわよ)
 そう思った私のいるテラスの階下に来た四人にたちまち私は見つかってしまう。
「姫先生!おはようございます!」
「先生プール入らないんですか」
 口々に挨拶してくれる四人。
「私はいい、もう昨日疲れたから」
 そう答えた私に笑いながら手を振ってくれる四人に私も笑顔で手を振り替えす。
 そしてふと別の方向を見ると、ちょっと遠くにあるホテルへの階段の影に見慣れた二人がいるのを発見。
(やだ、和之と聡美ちゃんじゃん)
 海パン姿の和之と普段着のショーパンとTシャツ姿の聡美ちゃんが二人が何やらいろいろ言い争ってる様子。プールの喧騒で上手く聞き取れないけど、どうやら聡美ちゃんが昨日他の子にキスした時間分自分にもキスしろと言ってる様子。
(聡美ちゃんらしいわ)
 多分和之が今日の休日、自分の泊まってるホテルから女の子を漁りにのこのことこっちに来たのを運悪く聡美ちゃんに見つかってしまった。どうせそんな所だろう。
 やがて周囲を見回し、しっかりと抱き合って口付けを交わし始める二人。聡美ちゃんの足が崩れ、和之に寄りかかっていくのを見た私。やっぱりあの二人付き合ってたんだ。先日聡美ちゃんが初エッチした相手って、そうだったんだ、和之だったんだ。
 思わず思い出し笑いをする私の元にオーダーした朝食が届く。と、
「姫先生ですよね?」
 清楚なウェイトレス姿の女の子が私に声かける。そう思い出した。この子も確か一年ほど前私が女の子にしてあげた…
「恵子です。覚えてくれてましたか?先週からここでお世話になってます。じゃあごゆっくり」
 忙しいのか、それだけ言い残して去っていく彼女だった。
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