俺、女の子になれますか?

第十七話「ばいばい、男の子の僕」

(この作品はR18です。18歳未満の方は読まないでね。)
「お。おい…」
 驚いた彼に、優しく微笑む一輝ちゃん。
「じゃあ、お礼したげる」
 そう言って冷たく細く柔らかくなった手で和之のそれを大切そうに両手で持ち、軽く愛撫する一輝ちゃん。
「いいの。そうやったげなさい、優しくしてあげなさいって声が頭の中で聞こえるの…」
「じゃあ、やってみろ」
 一輝ちゃんの言葉に片方の膝にトランクスをひっかけたままベッドの上で大股を広げる和之。
「はい」
 としおらしく返事した一輝ちゃんだけど、やはり少しびくびくしているらしい。
「昨日まで僕男の子だったのに…」
「女の子になっても、こういう事絶対しないと思ってたのに…」
 体が女になり始めた頃のあれは口に入れればいいという勢いだったんだろうか。今は和之のものに顔を近づけつつも、なかなか口に含めない。
 彼は今度は女として、和之のものをなぐさめてあげなければならないと思ってるのだろうけど、それをやったら、一輝ちゃんの頭に微かに残っている男の子の部分は完全に消滅するから、体が最後の拒否反応示しているのだろう。
「あ、でも、なんだか、あ…」
 そういいつつ一輝ちゃんは、私が昨日綺麗なハート型に整えてあげた股間の茂みに右手を伸ばす。その手の指に当たっているはもうすっかり女性のクリトリスに変わった、昨日は今見てる和之のものと同じ位の大きさだった小さな突起物。
「昨日は、こんなだったのにね…」
 独り言みたいにつぶやく一輝ちゃん。そして、
「どうやればいいかわかんないけど」
「やりたい様にすればいいさ」
 和之の言葉に一輝ちゃんはすっかり女の目になった瞳を輝かせる。
「バイバイ、男の子の僕…」
 和之の前でペタン座りのまま、前のめりになって大事そうに彼のものを口にほおばる一輝ちゃんの後ろ姿が一台のモニターに映っている。小さくなった肩と胸部、そして細くなったウエストからぐっと左右にハート型に綺麗に張り出したヒップ。背中にまだうっすらと残るブラジャーの跡。
 しかめっつらっぽかった和之の顔にだんだんと笑顔が浮かび、口から鼻息にも似た声が出て来る。
「おい、お前本当に初めてか?やけに上手いじゃんか?」
 和之の言葉に口に彼のものをほおばったまま、笑みを浮かべて胸元で小さくブイサインを振る一輝ちゃん。そんな一輝ちゃんの、もはやテニスボール位に膨らんで形良くなった二つの膨らみに和之が両手を当てる。
「う、うふん…」
 それを手のひらで転がす様に優しく触ると、嬉しそうな声をあげる一輝ちゃん。そしてとうとうペタン座りのまま大きくなった腰をなまめかしくゆらし始める彼。
「もうすっかり女の子だね…」
 いつの間に私の横に来たのか、聡美ちゃんが正面近くから映している一台のモニターを覗き込みながら独り言。と、
「あー、顔変わってきてる…」
 いきなりの聡美ちゃんの言葉に私も少し驚く。
「え、本当?」
「本当だよ、ほら」
 顔つきは純女ちゃんになってから少しずつ変わるのが一般的だけど、時々身体改造の途中で顔つきが変わってくるケースがある。
「一輝ちゃん、神様に選ばれたんだ」
「そうみたいね」
 モニターを観つつ顔を向け合い微笑む聡美ちゃんと私。
 和之のものを口にほおばる彼の顔は、まず頬がふっくらと丸みを帯び、面長だったボーイッシュな顔が丸顔に変わっていく。額も丸くなりはじめ、私が整えた眉はその形をとどめたまま、薄い眉毛に生え変わっていく。
 目はぱっちりと丸く大きくなり、うるうるきらきらの目に、そして彼の睫毛はまるで
マスカラを引いたみたいに更に長く伸び自然にカールしていく。
 ふっくらした頬は自然なばら色のチークがうっすらかかり、彼のものを含む唇が、だんだん厚ぼったくツンと上を向き始める。髪の毛はいつしか伸び肩にかかっていた。
「わあ、かわいい…」
 自分より可愛くなったと思って気に入らなかったのか、聡美ちゃんが口を尖らせつつも本音の独り言を言った。
と、
「おい、口をはずせ」
 いきなりの和之の言葉に、彼のものを口に入れたまま一輝ちゃんがきょとんとする。
「口はずせ!お前にゃまだ無理だ!」
 彼のその言葉に股間から顔を外し、体を起こして、
(え、なんで?)
 て顔をしている一輝ちゃんの胸元に、和之の股間からぴゅっという感じで白い物が飛んでいく。それは一輝ちゃんの大きく膨らんだ胸にべっとりとかかってしまう。
「きゃっ」
 一輝ちゃんの口から今まで聞いた事のない甲高い女の短い悲鳴。そしてそれが何なのか、どういう事なのか、指でそれを触りながら呆然としていた一輝ちゃんは、それがわかったのか、嬉しそうな顔で和之をじっと見つめた。
「和之さん、僕で女を感じてくれたんだ…」
 そう言いかけた一輝ちゃんは大きく丸くなった目を開け、驚いた様子で口に手を当てた。
「ぼ、僕の、声が…」
 和之の物をオーラルエッチしてあげた彼の声は、彼の知らないうちに二オクターブ位上がっていた。それはまるでアニメの女の子みたいな、ロリっぽい声。
「うそっうそーっ」
 ロリ声になってしまった一輝ちゃんが口に手を当てたまま、周囲をきょろきょろと見渡す仕草を見せ、口に当てた手で唇を触り、次に両手を頬に当てた。
「な、何この唇、ほっぺた…」
 怖い物でも触るかの様な表情の一輝ちゃんに、
「お前、顔変わってるぜ」
 意地悪そうな笑みを浮かべて言う和之。
「まじ?うそー!うそー!」
 可愛いロリ声でそう叫び、重くなったお尻をもぞもぞさせてベッドから降り、傍らのシャワールームの中の鏡の前に行く一輝ちゃん。
その途中、
「何この体!走りにくい!」
 と言ってたのが小声だけどモニターのスピーカーからはっきり聞こえた。
 鏡の前に立つと再び目を大きくして口に手を当てて声にならない声を上げる。
「どうしたんだよ、可愛くなったじゃないか。声もすっげーロリ声になったし」
 トランクスをはき直した和之が頭を掻きながらシャワールームに入っていく。
「お、お姉ちゃん…」
「は、なんだ?」
 そう言って両手を胸元で組み怯える顔つきでじっと鏡を見つめる一輝ちゃん。
「ねえ、どうしよう…」
「どうしたんだよ一体さ!」
 一輝ちゃんは大きくため息をついてぼそっと言う。
「お姉ちゃんそっくりになっちゃった」
「えーそうなのか?」
「声は違うけど、どうしよう…お姉ちゃんに怒られる…」
 その言葉を聞いて大声で笑う和之。私もつられてぷっと吹き出してしまう
「なんだよ、お前のお姉ちゃんもそんなに可愛いのかよ」
「う、うん…」
 そしてようやく彼は和之に胸元に白い液体をかけられた事に気づいた。もう一度それを指で触り、そして興味深げにそれを鼻に持っていく。
「この匂いって、こんなにいい匂いだったっけ?」
「はあ?俺にはそうは思わないがな」
「なんだろ…花の香りみたい」
「お前も昨日までは、それを出せる体だっただろ?変なにおいだって思わなかったか?」
「多分、昨日まではね。でも…」
 傍らのティッシュの箱からペーパーを取り出し、それをふき取ってもう一度その匂いを嗅ぐ一輝ちゃん。
「なんか、じーんとする匂い」
 ほっぺたふっくらの丸顔の可愛い女の子になった一輝ちゃん。特に薄かった唇はさっき和之とのオーラルエッチのせいなのか知らないけど、ふっくらぽちゃっとして厚ぼったく、そして、
「これ、アヒル口って言うんだっけ…」
 ツンと上を向いたその上唇は、可愛げのあるアヒル口に変わっていた。だんだん鏡の中の一輝ちゃんの顔に笑顔が戻り、ぷくぷくになったほっぺたとか、女として魅力的になった唇とかを指で触り始める。
「あ、ひょっとして、お姉ちゃんより可愛くなったかも…」
 洗面台の前で片手を着き、お尻を突き出す様な格好で鏡の中の自分とにらめっこする一輝ちゃん。どうみても女の子というか、昨日まではとっぽい兄ちゃんだったのが、もう男受け要素満載の女の子になってしまった一輝ちゃんに、和之の男の部分がむくむくと再び反応し始めたらしい。
「それでいいんだよ、女はいつも自分が一番と思っときゃいい」
 和之の言葉が聞こえてるのかどうか、相変わらず体をそらして鏡を見つめている一輝ちゃん。本人は気づいてないだろうけど、無意識といったその格好、そして細くくびれたウエストから始まる綺麗で大きなヒップライン。
 和之はそっと一輝ちゃんの後ろに近づき、背中越しに可愛く大きく膨らんだ胸を両手でしっかりと包みこみ、肩にあごを乗せてつぶやく様に話す。
「すげー可愛い女になったな。俺、お前と一発やりたくなっちゃった…」
「な、何よ、その一発って…」
「ばっくれんなよ、わかってんだろ…」
 そう言って和之は一輝ちゃんのお尻に当てた下半身をくねらす様に動かし始める。
「ち、ちょっと和之さん…」
 和之に抱きしめられたまま鏡を見つめる一輝ちゃんの目元がだんだんトロンとなって、とうとう口からかすかな喘ぎ声まで。
「な、ちゃんとした女になったらさ、連絡くれよ…」
 一輝ちゃんも嫌がってなかった。洗面台からくるっと和之の方を向いた彼は、大きくなった目をぱちぱちさせなかせ、和之の顔をじっと見つめた。
「僕でいいなら、いい…」
 と和之にしなだれかかって言おうとした時、
「和之!」
 私の横でマイクに向かって大声を出す聡美ちゃん。
「和之!聞こえてるよ!もうあんたの仕事終わったんでしょ!早く出なよ!」
「るせーな、冗談だよ」
 大声でやり返す和之だった。
 びっくりしている私の横で聡美ちゃんが続ける。
「一輝ちゃん!次あるんだから早く出なよ!それと女の名前早く決めてよ!性別と戸籍の変更書類作んなきゃいけないんだからさ!」
 明らかにいつもの聡美ちゃんとは違ってなんかすごく怒りっぽい。
でも、私は
(あ、まさか…)
 とある事を想像してしまった。
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