俺、女の子になれますか?

第十四話「身悶えしつつ、女の体に」

(この作品はR18です。18歳未満の方は読まないでね。)
 そんな一輝ちゃんの抵抗もつかの間、次第に動作がおとなしくなっていく。頭の中が女の子になりはじめた頃だと思う。
 うつぶせのまま、
「うーん…」
 とうめく様な声を上げ下半身を揺らし始める。ふと、彼の着ているワンピースの白とピンクのラインに少し変化が現れているのが私にはわかった。
「お尻、大きくなってきてない?」
「さっきからだよ」
 聡美ちゃんは既に彼の体の変化に気づいていたらしい。
 まだ性的な部分は男性なんだろうか、ゆっくりと腰を前後に動かし始める彼。ワンピースのお尻の部分に目立ち始めた、小さいけど丸いヒップライン。そのうち腰の部分がだんだん横に広がり、ウエストも彼のひじのあたりで切り換えが出来始めたのが白とピンクのツートンのワンピの線の変化でわかる。
「…お尻…重い…」
 うつぶせのまま体を弓なりに起こして顔を上げてそうつぶやいた彼の表情は、さっきまでの苦しそうなものではなく、可愛くなった目を閉じ、口をうっすらと開け、何か寝言を言ってる女の子の表情になっている。
 ウエストのくびれはだんだんはっきりとわかる様になり、そこにおおきな関節が出来たみたいに前後左右に腰を動かし始める。ヒップは丸みと可愛さを残したまま次第に大きくなり、とうとうワンピースの裾から可愛い白の花柄のショーツが見え隠れし始める。そこから覗く太股は大きく成長していく彼のヒップに追従する様にボリュームアップしはじめ、むっちりとしていく。
 ようやく自分でもワンピのスカートからパンツが覗いている事がわかったみたい。彼の頭の中に出来始めた恥じらいの気持ちなのか、片手でぎこちなくワンピの裾を直そうとする一輝ちゃん。でも初めての女の子の服なのか、なかなかうまくいかない。
 そうしているうちに今度は、見え隠れしている彼が触っているヒップを包むショーツの裾から、柔らかくなったヒップの肉がどんどんはみ出していく。
「や、やだ…」
 パンツが覗いている事の恥じらいなのか、それとも女の形になっていく自分の恥じらいなのか、腰を前後にゆらしながらやだやだを繰り返しつぶやく一輝ちゃん。そして暫くもぞもぞした後、
「や、やーーーーーん!」
 初めて女の子のヒップの重みを感じた彼は、とうとう初めて女の子の悲鳴をあげ、初めて感じたお尻の重さに耐え切れないのか、くるっと仰向けになった。
 仰向けになってもはっきりとわかる胸の膨らみ、女としてはまだまだだけどはっきりとひょうたん形になった体。彼の体に出来上がってきた卵巣と子宮を守る為の皮下脂肪が下腹部をふっくらとさせ、女性のビーナスラインが出来始める。ワンピのスカート部にはもう男性器の膨らみは見当たらず、お腹と太股が膨らんできたためか、女性特有のY字型の線が出来初めている。
「や、やだ…」
 もう一度女の悲鳴を上げた一輝ちゃんは、もう女の体にされているという恥じらいはなくなったのか、口からは女のよがり声が出始める。と同時に胸元を両手でしっかりと抱き、腰は前後中心の男の子の性衝動から次第に腰で円を描く女の悶えた時の動きになっていく。
 ようやくワンピの裾を引っ張って覗いていたパンツを隠そうとした彼。だがその手は胸に戻す途中で自分の股間の場所で止まり、さっきまではっきりと付いている感覚があった自分の男性器をまさぐる様な仕草を始める。
「無い…もう、無い…」
 独り言を言った彼は、片手でワンピの上から自分の股間を探る様な仕草から、まさぐる手付きになり、もう片方の手で胸元をさわり始める。と一瞬彼の手が止まり、驚いた様に両手を自分の顔に近づける。
 一輝ちゃんの手の指はさっきまでの半分の細さになり、爪の部分は長く延び、白くすべすべになり、そして、柔らかく冷たくなっていた。
「…おんな…おんな…」
 そうつぶやいて、ぐっと目をつぶる彼、そして、
「女の匂い…」
 一輝ちゃんの体は早くも女のフェロモンを出し始めているらしい。
とうとう女として男を魅了する準備が出来たんだ。
「わーーーん!」
 一声叫んだ彼は、いつのまにか肩まで伸びた髪をぎこちない手付きで掻き揚げ、鼻まで伸びた前髪を手で払い、再び冷たく細く柔らかくなった手でワンピースの上から自分の胸をつかみ、そしてもう片方の手をワンピの裾の中に入れ、自分の股の間をまさぐりはじめる。
「ぼ、僕…おんな…オンナ…女なんだ!」
 自分に言い聞かせてるんだろうか。可愛いけど、嬉しいのか悲しいのか判らない声を上げながら彼は荒々しく膨らんだ胸を揉みしだき、履かされた可愛いショーツ越しに女に変わりつつある自分の股間を確かめる様に愛撫し始める。
「あ、あそこ…くちゅくちゅになってる…」
 卵巣と子宮の源細胞を挿入された彼の股間は、その傷口が細長く延びて浅い割れ目の様になり、その片方は男性器の根元に達するとそれを出来た割れ目の中に閉じ込めていく。
 そしてその割れ目の中で赤ちゃんのそれの大きさになった包茎状態の男性器は、次第に皮が消え中身は綺麗なつるつるの薄いピンク色の突起に変わり、尿道が閉じとうとう男性器としての役割が消え、女性としては大きいけどクリトリスに変わりつつあった。
 最初は激しく胸と股間を両手で触っていた一輝ちゃんの手付きは、だんだんおとなしく優雅になり一人エッチをする女の子らしくなっていく。とその時、
「あ、足が変…」
 仰向けの状態で足を突然ばたつかせる一輝ちゃん。既に年頃の女の子として必要最低限の骨盤の大きさと股間の広さを得た彼。股間には女の子の秘部を形成するに十分な柔らかな脂肪が集まり、とうとう今度は両足が内側にぐっとねじれ始める。
 それに伴って既に女性サイズに小さくなっていた足の甲は内股に固定され、両膝もだんだん閉じた状態で固まっていく。
「あ…あ…」
 膝を閉じたまま体を左右に揺らしながら喘ぎ続ける一輝ちゃんの片方の手はワンピの裾からショーツの中に入っていく。
「こ、これ、なに、なんなの?」
 彼の片手はクリトリスに変わりつつある小さくなった自分の男性器を探り当てたらしい。と同時に自分の股間に出来た、ぺちゃんこになった精巣が入っていた袋の奥に出来た浅い割れ目の中が湿っていくのを感じているはず。
 そこはほどなく粘膜で覆われ、やがて尿道と繋がる小さな孔が開くだろう。
 最初はぎこちなかった一輝ちゃん動きは、とうとう一人エッチする女の子の姿と変わらなくなっていく。そして、
「ポーン」
 と体の改造を終了するチャイムの音が部屋中に響く。
 女性生殖器の源細胞移植から、一輝ちゃんの体の改造まで四十分経過。残された時間はあと二十分。全体としては遅れ気味だけど、各プロセスは概ね時間通り。
 あと二十分で一輝ちゃんを女として覚醒させなければならない。
 カプセル中の全ての機械が止まったのを計器と音で確認してその中に飛び込み、一輝ちゃんの乱れた服を直す私。
 すぐさま待機していた和之が、背も縮み一回りも二周りも小さくなって、ヒップだけが大きくなって放心状態になっている一輝ちゃんをお姫様だっこで抱きかかえる。だけど、
「和之!言ったでしょ!一輝ちゃんを女の子として扱えって!」
「聞いたよ」
「何よその格好!パンツ一枚じゃない!」
「暑いし、仕方ねーだろ!」
 トランクス一枚の姿で一輝ちゃんを抱きかかえる彼に私はもう呆れて怒鳴ったけど、彼は全然動じない。
「それにさ、イケメンのこの格好の方が女は嬉しがるんだぜ」
 その言葉にあきれ返って両手を腰にあてる私。
「わかったわよ和之!もう何も言わないから、あとお願いね!」
「わーったよ姫(私)さん」
Page Top