【ア行 の 花】
アオイスミレ
すみれ科
山地や路傍の日なたや半日蔭に生える多年生草本
葉:根出、長柄、束生、細毛、心臓状円形、基部心臓形、鈍鋸歯、葉柄に逆向き毛
花:葉腋に花柄、その先に左右相称の淡紫色花を横向き、唇弁に紫の条、距は3〜4mm、側弁の内側に少数の突起毛、花柱は棒状、先が前方へ屈出
真鶴(170409)
アオチドリ(ネムロチドリ)
らん科
亜高山帯の湿地の森林側等に生える多年生草本、20〜40cm
茎:緑色、直立、稜
葉:茎上に4〜5片互生、長楕円形または皮針状長楕円形、鈍頭、上部の葉は次第に尖、表面つや、基部さや
花:5〜6月、茎先に片側性総状花序、汚淡緑色紫色ぼかしの花、包葉は皮針形長大で花より長い、唇弁は紅紫緑色で垂下、先端2裂、距は球形小形
箱根(170618)
アカネスミレ
すみれ科
山地や原野の日当たりのよい場所に生える無茎性の多年生草本、細毛が多い
葉:根元から束生、長柄の上部に翼、長卵形または卵形、時に円形、基部は心臓形、全体的に白味勝ちの淡緑色、帯薄紫色多い、鈍鋸歯
花:葉間から花柄、先に横向き紅紫色の左右相称花、包葉は線形、先尖、細毛、萼片は皮針形、附属体の先は2〜3の歯と毛、花弁に紫のすじが顕著、側弁の内側に突起毛、唇弁の距は8mm、細い円柱形、細毛に覆われる
幕山(220331)
アキギリ
しそ科
北陸地方の山地の木陰にはえる多年草.茎の下部は横にはい、節から根を下ろし、全体に立った腺毛が密生している
葉:対生し、長い柄があり、先は急に長く尖り、基部は心臓形、ふちにはあらい鋸歯があり、表面や裏面の脈上に毛がまばらにある
花:秋、茎の頂の包葉の脇に大形の唇弁花を数段つける.がくは鐘形で脈上に毛がある.花冠の上唇はやや斜めに立ち、下唇は浅く3裂して平らに開き、中央裂片のみ大きい.雄蕊2本、雌蕊1本で花柱は上唇より長く突き出し、先は2裂する
下の廊下(181011)
アキノウナギツカミ(アキノウナギズル)
たで科
溝の近くや湿地あるいは水辺に普通に見られる1年生草本
茎:長く四方に広がり分枝、長伸4稜、逆向き刺
葉:有柄互生、皮針状ヤジリ形、先端鋭、葉裏中脈下部に葉柄と小逆刺、さや状の托葉は短、斜め切形
花:秋、茎先が分枝、枝先に頭状花序、下部が白で上部が紅色、花柄に刺なし、萼5深裂、花弁なし、雄蕊8個、子房に花柱3個
箱根(161010)
アキノタムラソウ
しそ科
山地や野原に普通に見られる多年草
茎:四角、直立、無毛または細毛
葉:対生、長柄、奇数の羽状複葉、3〜7個の小葉、小葉は広卵形、ひし形、鋸歯、表面無毛またはまばらに毛
花:7〜11月、茎上部に分枝し枝先に花穂、淡紫色の唇形花を数段輪生、花冠は1〜1,3cm、上唇直立、下唇3裂、外面に少し毛、花筒の内側に輪状毛、雄蕊2本、花冠の上唇から突き出す
箱根(170924)
イワギキョウ
ききょう科
高山帯または亜高山帯にはえる多年生の小草本で、地下茎は細長く分枝し、その先に苗を生じて盛んに繁殖する
葉:茎葉は狭皮針形またはやや線形で少数、無柄、互生、根葉は多数束生、皮針状倒卵形あるいは倒皮針形、縁に荒い鋸歯
花:花茎の高さは10cm内外、夏に茎先にふつう1個、ときに上葉の葉腋に2〜3個の鮮紫色の花、花冠は先の広い鐘状5裂、無毛、雄蕊5個雌蕊1個、柱頭3裂、萼片5裂、裂片は広線形で粗毛、長さ1cm、縁に少数の鋸歯
立山(180812)
イワシャジン(イワツリガネソウ)
ききょう科
溪畔の岩場に垂れ下がってはえる多年草
茎:細く下垂し、無毛
葉:根葉は卵形または広楕円形、茎葉は互生し線状皮針形または線形、表面はまばらに短毛、ふちは内曲する低い鋸歯があり、先端は尾状にのび、基部は次第に狭くなって短柄に移行する
花:9〜10月頃、茎の頂にまばらに総状花序を成し、紫色の花を1〜12個下向きに開く.花冠は鐘型、先は浅く5裂し、小苞は糸状線形、小形である.がく裂片は開花時は開出し、糸状線形でまばらに腺歯があり、花柱は花冠の中にあって外に突き出ない
畦ヶ丸(201021)
ウツボグサ(カコソウ)
しそ科
日当たりの良い山野の草地に普通に見られる多年草、茎、葉、花序に白色粗毛
茎:四角形、直立または斜め、時にまばらに分枝
葉:対生、1〜3cmの柄、長楕円状皮針形、白色粗毛
花:6〜8月、茎頂に花穂をつけ、紫色唇形花を密集してつける.包葉はゆがんだ心臓形でふちに毛があり、花軸に対生してつき、そのつけねに3個ずつの花をつける.先端は5裂して鋭く尖り、下唇は3裂し中央裂片のふちには鋸歯がある.雄蕊2本は他より長い
箱根(170730)
ウラシマソウ
さといも科
林下、林縁にはえる多年草で、雌雄偽異株で雄株から雌株へと完全に転換する.3〜5月ころ地上に葉と花序を展開する
葉:普通1枚で偽茎部が短く膜状の鞘状葉に囲まれ、葉柄部ははるかに長い.葉身は鳥足状に分裂し、小葉は11〜17枚、狭楕円形で両端が狭まり、濃緑色で光沢があり、ときに白斑がある
花:花茎は短く、花序は地上近くに立ち上がり、仏炎苞は筒部が太い筒状で上にやや開き、舷部は広卵形で先は細く狭まり、舷部の外側では紫褐色、筒部の内側は白味を帯びる.花序付属体は無柄で基部は太く、次第に細く糸状にのび、仏炎苞外で立ち上がり、更に下にたれさがる.まれに結実し、赤熟する
南郷山(210407)
ウルップソウ(ハマレンゲ)
うるっぷそう科
本州では八ヶ岳と白馬岳の高山の砂礫地にのみ見られる多年草
葉:根際に数枚の大きな葉を付ける.葉は長い柄を持ち、広卵形または腎臓状卵形で、長さ幅とも4〜10cm、先端は円形または鈍形、縁に鈍鋸歯があり、多肉質で表面につやがある.花茎の葉は柄がなく広卵形
花:夏、小形の葉を持つ高さ10〜30cmの花茎を直立し、頂に多数の小さな花を密集した花穂をつける.各花の下に緑色膜質の狭楕円形の包葉がある.がくはへら形で一端が基部までさけ、縁に細かな毛が生える.花冠は紫色で湾曲した長い筒型となり、先端は2裂して唇形となり、下唇は更に2裂、2本の雄蕊を持つ
果実:長楕円形の堅果で、大形の1〜2個の種子を持つ
日本名:得撫草は千島のウルップ島で採集されたから
白馬岳(190724)
エンレイソウ(タチアオイ)
ゆり科
深山からやや低い山地の林内にはえる多年生草本
茎:1〜3条を出し単一で分枝せず、基部は褐色の膜質の鱗片葉で囲まれており17cm内外、先に無柄の3枚の葉を輪生
葉:広卵形で10〜15cm.先端は尖り3〜5の脈がある
花:5〜6月頃其葉心に直立した柄を1本出し、帯紫色の花を横向きに開く.花被片は萼片に相当する3片だけで花弁に相当する他の3片はない.雄蕊6本、葯は細長く内側向き.子房は幅広く球形、3室で3花柱、短い
液果:球形、熟して緑色または紫黒色または緑紫色
※有毒植物
北穂高岳(180716)
オオタチツボスミレ
すみれ科
山野に多い多年生草本
茎:長柄のある根葉とともに束生して直立または斜上し、短柄の茎葉を互生して、花後閉鎖花を腋生する
葉:円状心臓形でへりには低く鈍い鋸歯が多数ある.托葉は茎の上部のものは皮針形だが中途以下のものは卵形または広卵形でくし歯状に羽裂するが、タチツボスミレほどには深く裂けない
花:春にところによっては初夏に葉腋から長い柄を出し、その先に左右相称の淡紫花を横向きに開く.唇弁には濃い紫のすじがあり、距は5〜7mmぐらい.花柱は棒状で曲らぬものや、先端がやや曲るものなどがあり無毛である
南郷山(210407)
オトメアオイ
うまのすずくさ科
フォッサマグナ地域に特産する多年草.ふつうのカンアオイに似て区別が難しいが、葉を隔年に1枚ずつ展開するのが特徴
花:7〜8月頃に開花し、翌年5〜6月頃に熟する.萼筒は淡褐色または緑紫色、丸みを帯びた筒型で上部が軽くくびれる.萼裂片は卵状三角形、萼筒とほぼ同長で平開またはやや斜上して表面はなめらか.萼筒内面は縦に18〜27個、横に6〜8個の隆起したひだを持ち、全体複雑な網目状.子房は上位、萼筒中央に盛り上がり、その上に6個の花柱が直立する.雄蕊は12個、すべての葯が外側を向き、短い花糸で子房壁に付着する
箱根(211024)
オヤマノエンドウ
まめ科
高山の草原や砂れき地にはえる.根は木化して太く長くのびる
葉:数個密につき、葉柄は全長のほぼ半分くらいの長さで白色の毛が散生する.小葉は4〜7対、狭卵形で先は鋭形、両面に軟毛があり、ふちに絹毛がある.托葉は膜質、薄茶色、狭卵形でまばらに毛があり、背面は中ほどまで葉柄に癒合する
花:6〜8月に葉腋から総状花序をだす.花序は長さ2〜6cmの梗があり、その先にふつう1〜2個の花をつける.花の基部に長楕円形の苞があり、小花梗とともに黒色の毛がある.花は紅紫色で、がく裂片はがく筒の約1/3の長さで狭皮針形、白色の長軟毛と黒褐色の剛毛がやや密にはえる.旗弁は他の花弁より著しく大きく、基部に白斑がある.翼弁は旗弁とほぼ同長.竜骨弁は他の花弁より短く、先端は短く尖る
鹿島槍ヶ岳(200717)
オヤマボクチ
きく科
日当たりのよい山野に生える多年草
茎:直立、帯紫色で太い、白色蜘蛛の糸状毛、上部で短く分枝
葉:根葉は下面に白色綿毛を密生、大形三角状卵形、先尖、基部心臓形、互生、短葉柄から無柄
花:秋、枝先に暗紫色の頭花、横向きから下向
三ツ峠(151004)
オヤマリンドウ
りんどう科
高山帯の草地に生える多年草
茎:直立、丸い
葉:下部の数対の葉は短さや状に退化、10〜12対、広皮針形、先やや尖り、基部は茎を抱き、葉は白色帯び3脈が目立つ
花:夏から秋、茎頂または上部の葉腋に1〜7個の無柄の紫色の花、花冠は鐘状5裂、裂片の間に副裂片、雄蕊5本、筒の半ばより下、雌蕊1本、柱頭は2裂
涸沢(170817)
【カ行 の 花】
カタクリ(カタコ)
ゆり科
山中にはえる多年生草本.鱗茎は癒合して筒状となり根茎の先から直立し、皮針形の柱状をして白色で厚みがある.早春に茎を1本出すが下部に1対の葉がある
葉:長柄があり平開し、狭卵形または楕円形で両辺には多少の波曲があり、まれには地にしいているものもある.葉質は厚く柔かく表面は淡緑色で紫色の斑紋がある
花:茎頂に1個、柄の端で紫色の下向きの花をつける.花被片6個は狭い長皮針形、先は尖り強く反り返る.内面基部近くに濃紫色のW字の紋がある.雄蕊6本は長さがやや不同で葯は紫色、広線形、柱頭は短く3裂する
大塚山(170416)
カンアオイ
うまのすずくさ科
山地の樹の下にはえる芳香の強い常緑多年生草本
根茎:地表近くを斜めにはい、多節、多肉でなめらか
茎:非常に短く、しばしば分枝し、茎の先に1個の葉と1個の花をつける.葉柄は汚紫色で長く、円柱形、多肉
葉:葉身は卵状楕円形、あるいは卵円形.葉の先端は鈍形で基部は深い心臓形、表面は平たくて濃緑色、あるいは白斑や泊脈があり、毛はまばらに生えている
花:晩秋から初冬にかけて開花する.花には短い柄があり、点頭または側向し、多くは半ば地にうずもれている.花の径は2p位、暗紫色であるがしばしば緑黄色をおびることがある.がくは多肉で3片に分裂し、無花弁、下部で筒状になり、内部には盛り上がった網目がある.6個の花柱は輪状に並び、先は尖り外側の先端から少し下がったところに点状の柱頭がある.雄蕊は12個で花柱の外側にある
丹沢(210214)
キランソウ(ジゴクノカマノフタ)
しそ科
道端や土手に多く見られる多年草
茎:四方に広がって地面を這い直立せず、全体に多細胞の縮れた毛
葉:対生、根際の葉は放射状、長さ4〜6cm、幅1〜2cm、倒皮針形、先端鈍、縁に粗い鋸歯.緑色時に紫色、上部の葉は長さ1.5〜3cmで小形
花:春、葉の付け根に濃紫色の小花を数個、萼5裂で毛.花冠は長さ1cm、上唇短2裂、下唇大きく3裂し、中央の裂片は他の2片より大きく先は浅2裂.雄蕊4本で2本は長い
果実は4分果
松田山(190331)
クサボタン 花とそう果
きんぽうげ科
山地に生える落葉低木
茎:木質で直立、全体に毛
葉:長柄、対生3出複葉、葉質硬く葉脈が裏面に隆起、小葉は広卵形、先端尖り2〜3に分裂、ふちに粗鋸歯
花:秋、茎先や葉腋に短い集散花序が集まって円錐花穂、多数の紫花を下向き鐘状、下部筒状、上端は外側に反り返る.萼片4個で広い線形、1cm内外、外面は白色の絹毛、内面は紫色.雌雄異株、雌花は雄花よりやや小さい
そう果:卵形、花柱が頂端に宿存、1,5cmくらいの羽毛状
上高地(170817)
クルマアザミ
きく科
ノハラアザミの一変形で、頭花の基部には多数の葉状総包が放射状についている点が異なる.多年草で茎は直立し、下半分には粗毛がある
葉:根葉は輪状になって花時も生存しており、楕円形で縁に欠刻および鋭い歯がある
花:晩秋に茎上部でまばらに分枝し、各枝の頂に大形の頭花を付ける.頭花は直立し、葉状総包は皮針形、縁に刺針があり、大きいものでは6pになるが、内側のものは次第に小さくなり、総包片に移行する.総包片は狭皮針形で粘り気が無い.頭花は管状小花ばかりが多数あって紅紫色である.本品の葉状総包の出現は一時的の変態現象で、毎年その株から一定して出てこないため、一つの変種とは認め難い
箱根外輪山(211024)
クルマバナ
しそ科
山地や野原にはえる多年草
茎:四角で直立あるいは斜めに立ち上がり分枝する
葉:対生し、有柄、卵形または長卵形、先は鈍頭で基は丸く、縁に鋸歯がある
花:夏、枝先に花穂をつけ、淡紅色の唇形花を数段輪生する.包葉は線形.筒状2唇形で紫色を帯び包葉とともに立った毛がある.花冠は8〜10o、上唇は小さく下唇は大形で3裂し外面に細かい毛があり内側に赤い斑点がある.雄蕊4本のうち2本は長い
日本名:車花
金時山(220731)
クロトウヒレン
きく科
本州中北部の高山
茎:狭い翼、上部に短毛密
葉:根出葉は小さく卵形、先端鋭尖、基部は深心形、長柄に狭翼、下面は網脈状に細毛、茎葉は上ほど小さく卵形から皮針形、基部は心形またはくさび形
花:8〜9月、頭花は大きく、2〜3個の無柄、総苞は細毛密、暗紫色、花冠は紫色
涸沢(170817)
クロユリ
ゆり科
高山にはえる多年生草本.高さ凡そ20〜30cm.茎は直立し、中部以上に4〜5枚の葉を2〜3段輪生し、上部には更に2〜3枚の葉が互生する
葉:葉は皮針形または楕円状の皮針形で、漸尖しているが先端は丸く基部は鈍形で葉柄がなく、長さ5〜8cmで質が厚く表面はつやがある
花:7月頃茎先に急に下を向いた花を1花付ける.悪臭があり長さは3cm内外、広鐘形で平開しない.花被片は菱形の楕円形または倒皮針状楕円形で暗紫色、内面は更に濃い色の斑紋がある.雄蕊雌蕊はともに潜在している
日本名:花の姿に基づいてつけた名前だが、ユリ属ではない
八方尾根(190724)
コウモリソウ
きく科
山地の森林内に生える多年草
茎:細く直立
葉:三角状ほこ形、幅が広い、基部は浅心臓形、頂片は最も大きくて鋭、大小不整の歯状鋸歯、茎上部の葉は縦に狭長
花:秋、茎上部で円錐花序状に多数の紫管状花6〜10個の頭花、総包6〜7片、先端に白色の冠毛
村山古道(160826)
コバギボウシ(ミズギボウシ)
ゆり科
湿地にはえる多年生草本
葉:きわめて変異に富むが普通の葉は葉柄10〜20pで時には翼状.葉面は長楕円形または卵状皮針形、先は尖り基部は時折丸く、表裏両面ともに深緑色で多少艶がある.ふちは平らで時折小さい波状をしており、支脈は主脈の各側に4〜5ある
花:8月に入ると葉心から細い茎を直立し、頂に総状花序を出す.花は斜めに下垂し、花被は漏斗状の鐘形をして裂片は長楕円形して反り返って開出する.花冠は薄紫色でまれに白いものがある.雄蕊6個で1本の雌蕊と共に長く花被より突出している
箱根外輪山(210804)
【サ行 の 花】
サクラスミレ
すみれ科
山地に多い多年生草本、日当たりのよい草地を好む、10〜15cm
葉:1株に3〜4枚、卵状長楕円形または狭長卵形、先端は鈍いかやや鋭い、基部は心臓形、裏面脈上に毛、葉柄は葉心よりずっと長く直立、長白毛
花:5月、淡紅紫色の大きい花、花柄は葉とほぼ同じ高さ、長白毛、途中に狭小2枚の包葉、花弁広く先凹む、側弁内側基部に毛、唇弁の距は筒型7〜8mm、花弁の形が桜の弁のように切れ込む
櫛形山(170627)
スミレ
すみれ科
東亜温帯の山野や道端の日当たりの良いところに生える無茎性の多年生草本、高さ7〜11cm
根:茶色
葉:翼のある長柄、株元から多数束生、葉身は皮針形、先鈍、基部は切脚またはやや心脚、縁に低平な鋸歯、花後の葉は長大、脚部に広がり三角状広皮針形
花:春、葉間からほぼ同高の花柄、先に左右相称の濃紫花を横向きに開く.唇弁には紫のすじ、距は円柱形で長さ5〜8mm、白側弁の内側に毛がある
幕山(190224)
セキヤノアキチョウジ
しそ科
関東及び中部地方の山地の木陰にはえる多年草
茎:四角形で直立し、ごく細かい毛がある
葉:対生し、短い柄があり、長楕円形、両端は長く尖り、ふちには低い鋸歯がある.裏面には細かい毛と腺点がある
花:秋、枝先や葉の付け根から花枝を出し、やや総状になって細長い花柄の先に青紫色の唇形花を多数つける.萼は小さくじょうご形で中ほどまで5裂し、裂片は三角状皮針形で尖る.筒部は長く、基部は上側がふくらみ、上唇はそり返って浅く4裂し下唇は舟形で前方に突き出している.雄蕊4本雌蕊1本
丹沢・箱根(211024)
ソバナ
ききょう科
茎:時に上方が分岐
葉:互生、上葉を除いて明らかな葉柄、葉身は卵形または楕円状卵形で尖、あらい鋸歯、質軟らかい
花:茎上部にまばらな円錐花序、紫色5裂の鐘状花を下垂、花冠の先は広がり、裂片の先は尖、花中に雄蕊5個雌蕊1個
涸沢(180818)
【タ行 の 花】
タカネトリカブト
きんぽうげ科
高山帯から亜高山帯の草原や林縁、時に山地帯の林縁や林内にはえる多年草.形態的変異が著しい
茎:草原にはえる時は直立、林縁や林内にはえる時は斜上し、ほとんど無毛で光沢がある
葉:中部の茎葉は腎円形、3深裂ないし3中裂し、裂片は羽裂して終裂片は線形から披針形となり、葉柄は1〜8p、無毛または屈毛がはえる
花:7〜10月、青紫色ないし菫色で光沢がある花を開く.外面は無毛.花序は茎が直立するときは散房状で、斜上するときは総状あるいは円錐状となる.花梗は全体が無毛.かぶとは円錐形または背の低い円錐形で先端は短く尖る.密弁はいちじるしくふくらみ、柄は11〜18mm、距は太くかつ短く屈曲する.雄蕊はふつう無毛であるが、ときに開出毛がまばらにはえる.雌蕊は3〜5個、無毛まれに斜上毛がまばらにはえる
火打山(200822)
タチツボスミレ
すみれ科
普通に見られる有茎性の多年草
茎:長柄のある根葉とともに束生、互生する短柄の茎葉をつける
葉:托葉は広皮針形、くしの歯状に深分裂、葉身は卵円形、三角状卵形、基部は心臓形、先はわずかに尖る.へりには多数の鈍い鋸歯、山地に生えるものは葉が紫色を帯びることがある
花:春、茎下部から長柄、先に左右相称の淡紫色花側向、花弁やや狭、側弁と唇弁には紫の条、唇弁の距5〜7mm、夏、茎上部の葉腋から閉鎖花を多数、さく果を結ぶ
伊豆山稜線(170422) 入笠山(170610)
チシマアザミ
きく科
海岸から高山にかけて、林内、林縁、草原などのさまざまな環境にはえる多年草.日本のアザミの中では最も形態的変異にとむ
茎:分枝するかまたは単純
葉:普通葉の基部が流れてひれ状になるが、ときにヒレが無く、多少とも有毛.茎葉は長楕円形ないし広卵形、全縁ないし鋸歯縁、あるいは羽状に浅裂から深裂して裂片は4〜10対、基部は抱茎し、下面にくも毛があるか無毛
花:頭花は7〜9月に開き、紅紫色、総状または散房状につくか、あるいは単生し、下向き、総苞は球状鐘形ないし椀形、苞片は6列、開出または反曲し、短毛とくも毛があり、粘着しない
火打山(200822)
チシマギキョウ
ききょう科
岩れき性の高山帯を好む多年草
茎:根茎は肥厚し、細長く横に這い、地上に出た部分にロゼット
葉:根葉は10個内外、倒皮針形またはへら形、低く鈍い鋸歯、先端鈍く、基部は葉身と同長の葉柄、質やや厚く光沢
花:7〜8月、5〜10cmの花茎、少数の皮針形または倒皮針形の茎葉、先端に1花、花はややうつむき、花冠は大形、広漏斗状鐘形、外側紫色、内面は淡紫色で白長毛、先は5裂、裂片尖
涸沢(170817)
ツタバウンラン
ごまのはぐさ科
真鶴(190406)
ツリガネニンジン(ツリガネソウ、トトキ)
ききょう科
変化の多い植物、山野の多年草
茎:丸く全体に毛
葉:茎葉は多くは輪生、時に対生または互生、先は尖り鋸歯、長楕円形、卵形または線状皮針形、単鋸歯または重鋸歯など異変が多い
花:秋、枝先に小花序が輪生する円錐花序、花冠は青紫色鐘形、5裂し先はやや広がり下垂、花中に5個の雄蕊、花柱は1本で花冠の外側に突き出る
三ツ峠(170903)
ツルニンジン
ききょう科
林内に生える多年草、蔓、他に絡みつく
葉:対生状の互生、短柄、葉身は皮針形または長楕円形、質は薄く軟弱、無毛
花:夏から秋、測枝の末端に短花柄、短広な鐘状花を下向き、花冠は浅5裂、裂片は尖って反巻、外面白緑色、内面紫褐色斑
箱根(150906)
トリカブト
きんぽうげ科
茎:直立、平滑円柱形、上方に微毛
葉:有柄互生、掌状深裂、裂片に大形鋸歯、先端尖、厚く緑色光沢
花:秋、枝先や葉腋に円錐花序、多数集まる、萼片5花弁状、無毛、花弁2個直立、上部の萼片の中、変形して密腺状、雄蕊多数
西丹沢(170910)
【ナ行 の 花】
ナガバノスミレサイシン
すみれ科
山地の樹林下にはえる多年草で根は長く、根茎は太く、節があって横に延びる
葉:普通、長い葉柄のある小葉の根葉が束生し、葉身は長三角状卵形で先が尖り、基部は心臓形、へりは鈍鋸歯があり、全体に毛がほとんどなく、質はやや柔らかである.托葉はほとんど離生し、卵状皮針形で先が尖り、株もとに鱗片状に着くのはスミレサイシンやアケボノスミレと同じである
花:春に葉の高さとほとんど同じの少数の長い花柄を出し、その先にかなり大きい左右相称の淡紫花を横向きに開く.花弁には紫のすじがあるが、唇弁のものは特に著しい.距は短大な袋状で左右から押しつぶれている.側弁に毛はない.花柱の先は倒三角状で柱頭部は鋭く前方へ尖っている
箱根(210402)
ナギナタコウジュ
しそ科
山地や道端に多く見られる一年草
茎:四角で分枝し、まばらに軟毛があり、全体に強い香がある
葉:対生し、長卵形で先は尖り、ふちには鋸歯があり、両面にまばらに毛がある
花:秋、枝先に太い花穂をだし、淡紫色の小形の唇弁花を一方向きに密生する.花の下に着く包葉は扁円形でがくより少し長く、萼は5裂し裂片の先は尖り、毛がある.花冠は4裂し唇形で毛がある.葉と花穂を陰干ししたものは漢方に用いられる
稲取細野高原(211021)
ナンテンハギ(タニワタシ、フタバハギ)
まめ科
山麓地帯あるいは原野にはえる多年生草本.根は丈夫
茎:束生して直立あるいは斜上して30〜60cm
葉:互生して短葉柄、1対の斜に開出下小葉をつける.巻きひげはない.小葉は長楕円形あるいは広皮針形、革質または洋紙質で緑色、3〜7cm.先端は鋭尖形、基部は鋭形でごく短い柄.縁は全縁で毛がある.托葉は緑色腎臓形、1側方は鋭尖形の、他方は尖った荒い鋸歯
花:夏から秋にかけて、葉腋から花軸を出し、上部に短い2〜4cmの総状花序をつけ、小柄を持った紅紫色の蝶形花を開く.花は12mmくらい.がくは短筒形、先端の5裂片は線形、旗弁は倒卵形
三ツ峠(170903)
ナンバンギセル(オモイグサ)
はまうつぼ科
草地にはえる一年生の寄生植物で、ススキ、ミョウガ、サトウキビなどの根に寄生する
茎:ごく短くほとんど地上に出ず、赤褐色で数枚の鱗片状の葉が互生する
花:秋、葉の脇から長い花柄を直立し、頂に淡紫色の大型花を開く.萼は赤褐色の舟形で一方が深く裂け、先端が尖り淡紫色の条がある.花冠は筒状でヘリは浅く5裂して唇形となる.花冠に癒着して2本づつ長さの異なる4本の雄蕊がある
稲取細野高原(211021)
ニオイタチツボスミレ
すみれ科
山や丘の陽当りの良い草地を好む有茎性の多年草
茎:長柄の根葉と共に束生または単生し、直立して普通短細毛を密生
葉:花期の葉は小さく質が軟弱で心臓状卵円形、先は丸くなって尖らず、ヘリも鈍鋸歯が並ぶ
花:春まだ茎が伸びない頃、束生する葉むらの間から花柄を高く出し、先に微かな香のある左右相称の紅紫花を横向きに開くが、しばし下向きかげんの時もある.花弁は広卵形で紫の筋が多く、基部1/3ほどは白く抜けていて他首都の区別になる.また5枚の花弁が集まっている.唇弁の距も白く、やや上向きかげんである
幕山(220423)
ノコンギク
きく科
山野に多い多年草、変化多い
茎:直立、やせ長、縦に線、ざらつき、分枝
葉:多数茎に互生、広皮針形または長楕円形、あらい鋸歯、ざらついて両面に毛、下部3脈明瞭
花:晩夏から秋、多数の頭花を散房状、紫色舌状花冠、管状花は黄色、緑色の総包片の上部は暗紅紫色
※ヨメナとの違いは、そう果に4〜6mmの長冠毛
三ツ峠(170903)
ノジスミレ
すみれ科
道端や田畑のなど人家の近くで粘土地に多く見られる無茎性多年生草本、全体に白色短毛が密
根:深く、白色で数本に分かれる
葉:束生して斜に立つ、葉身は長楕円形または線状広皮針形、葉柄と合わせて5cm、先端鈍、基部は切形かわずかに心臓形、縁に低鋸歯、質やや厚く、青緑色
花:3〜4月頃、スミレより先に開花、花柄10cm、線形包葉2枚、スミレよりやや小形、淡青紫色、横向き、がく緑色先尖、附属体ほぼ四角、側弁無毛、唇弁の距は無毛5〜6mm
※スミレとの見分け:側弁内無毛、花色は青に近寄った紫
真鶴(170409)
【ハ行 の 花】
ハクサンシャジン(タカネツリガネニンジン)
ききょう科
亜高山帯に分布し、草原や砂礫地にはえる多年草
茎:群がって立ち、稜があり無毛.茎の各節に4〜6枚づつ葉を輪生し、節間は短くつまる
葉:倒卵状披針形、広楕円形、倒卵形など変化が多く、先は鋭形または鋭尖形、ふちには基部をのぞいて鋭い鋸歯があり、基部はくさび状に狭くなり、柄はない
花:7〜8月頃、茎上部の2〜4節に淡紫色または紫色、時に白色の花を2〜6個づつ輪生し、斜め下向きに開く.花冠は広鐘形、浅く5裂し、先は広がる.包葉は披針形でふちには外曲する鋸歯がある.がく裂片は線形、全縁またはまばらに鋸歯がある.花柱と花冠はほぼ長さは等しく、または少し長く花冠の外へ突き出る
※花柄が短く花は接近して固まって咲くので、ツリガネニンジンと区別できる
雨飾山(200823)
ハシリドコロ 花と果実
なす科
谷あいの湿った木陰に生える多年草
茎:直立、まばらに分枝、高さ30〜60cm
葉:柔らかく互生、有柄、楕円状卵形、先尖、10〜20cm、全縁、下部の葉は粗鋸歯
花:春、葉の脇から1個の花を下垂、萼片緑色鐘形、先浅5裂、花冠は鐘形、外面暗紫色、内面淡緑黄色、先浅5裂、2cm、雄蕊5本、花後萼片が大きくなり果実を包む
果実:球形
特徴:猛毒
茅ヶ岳(180528)
ハナイバナ
むらさき科
キュウリグサに似ているが根際の葉は長柄がなく、葉の表面にしわがある、葉内花の意
茎:群がって生え、基部は短く地を這う
葉:長楕円形または楕円形、基部は次第に細くなる
花:春から秋、枝上部と葉と葉の間に短柄でるり色の小花を開く.花冠5裂
入笠山(170610)
ヒキオコシ(エンメイソウ)
しそ科
山野にはえる多年草.茎は四角形で直立し、下向の毛が密生する
葉:対生し、広卵形で先は尖り、基部は急に狭くなり、ひれのある柄となる.ふちにあらい鋸歯があり、脈上には短い軟毛がある
花:秋、枝先や葉の脇に大きい円錐形の花穂をだし、淡紫色で小形の唇形花を多数つける.萼は5裂し、細かい毛が密生し灰白色をおびる.花冠の上唇はそり返って直立し、浅く4裂して紫色の斑点があり、下唇は舟形で前方に突き出している.雄蕊4本のうち2本は長く、株によって雄蕊が長く花柱が短いものと、雄蕊が短く花柱が長いものとがある
高座山(201016)
ヒナスミレ
すみれ科
中部以北、太平洋寄りの本州山地、林下の腐食地に多い.多年草で無茎種である
葉:束生、少数、長柄があって斜に立ち、上部はやや平く開いている.葉身は三角形を帯びた狭長な卵形で上半部はやや尖り、基部は円耳形の深い心臓形となる.ヘリには低いがやや目立つ波状の鈍鋸歯がある.葉の表面は淡緑色、無光沢、平たく、裏面は多くの場合紫色をおび、最初の葉は無毛であるが、後から出るものはしだいに白毛がはえてくる
花:4〜5月頃に開き、淡紅色.がくは5個、皮針形または広皮針形で先が尖り、紫色をおびる.花弁片は楕円形で先は円いか、いくぶんへこむ.側弁の内側は無毛あるいはわずかに突起毛がある.花柱の先は倒三角形にふくらみ、下に紫のまだら模様のある子房がある.花柄は葉上に高く出て、紫の細点がある.花柄の中途には細い2枚の包葉がある
西丹沢(220407)
ヒメエンゴサク
けし科
山地の樹林中にはえる多年草.地下に球形の塊茎、それからただ1個の花径
花茎:10〜20cm
葉:基部に1個の鱗片葉、中部に2個の普通葉.普通葉は有柄、葉身は長柄の3個の小葉、小葉は更に2または3個の小葉に分裂.小葉は広楕円形、あるいは線状楕円形、先は鈍形または円形、基部は円形あるいは切形、長さ5〜8mm、幅3〜5mm
花:花径の先に総状、4〜5月に咲き、基部に葉状の苞.苞は先が欠刻状に2または3裂、2または3の歯状の鋸歯.花は青紫色で花序にまばらに付き、長さ1,5〜2,5cm
両神山(190509)
ヒメオドリコソウ
しそ科
小形の1〜2年草
茎:基部から分れ高さ10〜25cm、四角形で短毛
葉:太く軟い、対生、長柄、丸みのある卵形、長さ2cm.基部心臓形で縁に鈍鋸歯.上面は葉脈が網状にくぼみ縮んで見え、両面に軟毛が密生.茎上部の葉は短柄で密に集まり暗紅色
花:早春から開花、上部の葉の脇に暗紅色の小さい唇形花を1〜3個輪状に付ける.がくは長さ5mm、針状に尖った5片、縁に毛.花冠は長さ8〜10mm.果実は4個の分果
松田山(190331)
ヒメクワガタ
ごまのはぐさ科
高山に生える小さい多年草
茎:基部で分枝、細かい毛、上部斜上して7〜18cm
葉:対生、短柄、卵状楕円形、先鈍形、鈍い小さな鋸歯
花:夏、茎先に総状花序、数個の淡紫色の小花、花柄は細かい毛、花冠は皿形で深4裂、短筒、径5〜7mm、雄蕊2本、果実は平たい楕円形さく果で先端凹む
櫛形山(170627)
ヒメハギ
ひめはぎ科
全国の山野に普通にはえる常緑の小形多年草
茎:硬くて鉄線状で、根もとから束生
葉:小さく、互生、卵形または長楕円形、先端は尖って短い葉柄があり、茎と共に細かい毛がはえている
花:春、茎の上に短い総状花序を作って紫色の蝶形の花を開く.がく片は5個、花弁状の両側の二つのがく片は大きく、翼状を呈する.花弁の下部は合体して一方に裂け目がある.前面に当たる花弁の背中に切れ込んだ裂片がある.雄蕊8本、花糸は基部で合生
箱根外輪山(220526)
ヒメヤブラン
ゆり科
原野の日当たりの芝地にはえる小形の多年生草本.ジャノヒゲよりも小形
葉:みな根から出て線形、根もと近くから外方に向かっていることが多い
花:夏、葉より短い花茎をまっすぐ出し、その上部に総状に淡紫色またはたまに白い小花が咲く.花柄は短く膜質の小葉から一つづつ出る.その先に花が上向きに咲き花被は6で平開し、各々長楕円形である.雄蕊6、葯は長形で黄色.花柱は円柱形で柱頭は小形
※ジャノヒゲより葉が柔らかく、花序は曲らないし、花被は基部が漏斗状に狭まらず鐘形に開出する.種子は黒い
箱根外輪山(210804)
フジアザミ
きく科
山中の砂礫地に生える巨大な多年草
茎:1m内外、分枝
葉:長大で基部に集まって根生、狭楕円形、羽状中裂、裂片狭楕円形5〜6対、刺針、先鋭尖、両面白毛、茎葉は互生、無柄、基部は耳状で茎を抱く
花:秋、細い管状花の紫大形頭花、枝頂に横向き
富士山(170827)
フデリンドウ
りんどう科
山野の日当たりのよい場所に生える二年生の小さな草
茎:直立し、6〜9cm
葉:半ばから上に密生対生した葉、卵円形短く尖、葉質やや厚く、下面の主脈に稜、緑色
花:春、茎頂に数個の青紫色の花を集まってつける、萼は緑色5裂、花冠は長鐘状で5裂、裂片の間に副裂片、日中に開く、雄蕊5本雌蕊1本、柱頭は2裂
金時山(170507)
ホタルカズラ(ホタルソウ、ホタルカラクサ、ルリソウ)
むらさき科
日当たりの良い山野の乾燥地や林中の班日陰の草地に生える多年草
枝:新枝は直立、15〜20cm、開花後その基部から横に這う無花枝
茎:細く強く粗毛、先端は根を下ろし新株
葉:無柄2〜6cm、倒皮針形で互生、先端鈍形、下部は細くなり濃緑色、冬枯れず両面粗毛
花:春、葉の付け根にるり色花、がく緑色5深裂、裂片は線形で鋭尖6〜7mm、粗毛、花冠は下部筒状、上部5裂平開、径15mm、裂片楕円形、中央に縦の白色隆起、雄蕊5本花筒内部、葯は淡黄色、花柱は直立
三浦アルプス(180408)
【マ行 の 花】
マツムシソウ
まつむしそう科
日当たりのよい山地に生える越年草
茎:60〜90cm、やや硬く、対生して分枝
葉:対生、羽状分裂、羽片は根葉で幅広く、上葉で皮針形、下面緑白色
花:夏から秋、紫色の頭状花、下に緑色の総包、やや湾曲する長柄、花冠は花序の周囲にあるものは5裂、外側の裂片が発達する唇状で大、内部のものはやや整正で4裂小、雄蕊4個、花冠の上部について花外へ突出し、花柱は1本で柱頭は葯より低位置
三ツ峠(170903)、箱根
ミソガワソウ
しそ科
深山の河原に見られる多年草、群生を作る
茎:四角、直立、分枝しない
葉:対生、無柄、狭卵形、先細く尖、鈍頭の鋸歯、両面まばらに毛
花:夏から秋、上部葉の脇ごとに数個の紫色の唇形花、多数集まって花穂、花冠は筒長、上部は短上唇と下唇に分かれ、上唇の先凹み、下唇は3裂して中央片大、紫色点、2本づつ長さの異なる4本の雄蕊
涸沢(170817)
ミヤマオダマキ
きんぽうげ科
高山帯にはえる多年生草本で太い根茎がある
葉:4〜5個根生し、柄は長く、1回3出あるいは2回3出の複葉で、小葉は3全裂し、裂片は広いくさび形で先は鈍形、更に鈍頭の裂片に細裂する.葉の色は帯紫緑色で白霜を帯び下面には軟毛がまばらに生え、葉質は厚い
花:真夏に直立した1本の茎を葉よりも高くぬき出し、高さ10〜20cm、茎上にしばしば1個の小形の葉がある.茎頂に大きい鮮紫色の美しい花を下向きに開き、花の径は3cmくらい.萼片は5個で広く開き、各片は広卵状皮針形をしている.花弁は5個で萼片より短く、長方形で黄色を帯び基部には長い距が直立しており、その先端は内側に巻き込み、萼片とともに鮮紫色である.雄蕊は多数、雌蕊は5個
袋果:5個で並立し、ほとんど無毛
天狗山荘(190722)
ミヤマクワガタ
ごまのはぐさ科
中部地方の高山に分布し、砂礫地にはえる多年草.茎葉ほとんど枝分かれせず、直立して高さ10〜25cm
葉:対生し根際に多く集まり、長い柄を持ち、卵状長楕円形で先は尖り、不揃いな尖った鋸歯を持ち、長さ2〜4cm、幅1〜1,5cm
花:夏、茎の先に総状花序を付け、10〜20個の花をまばらに開く.花柄は5〜15mm、腺毛がまばらに見える.がくは深く4裂し、裂片は線状皮針形で先は尖る.花冠は淡紫色で紫色または紅紫色の条があり、短い筒部の先は深4裂して広く開き、径10〜12mm.上裂片は円形で大きく、下裂片は倒卵形で小さい.雄蕊2本、雌蕊とともに花の外に長く飛び出している
遠見尾根(200720)
ミヤマトリカブト
きんぽうげ科
高山帯から産地帯の草原、林縁や林内に生える多年草
茎:直立、斜上、湾曲、分枝して枝葉伸長、上部に屈毛
葉:中部の茎葉の葉身は腎円形、3中裂ないし3浅裂、裂片羽裂、終裂片は卵形から皮針形
花:青紫色、外面に屈毛、花序は散房状から円錐花状、花梗は開出し下向きの屈毛が密生、雌蕊3〜5個
涸沢(180817)
ミヤマハンショウヅル
きんぽうげ科
高山にはえる落葉木質のつる植物で、茎葉細長
葉:有柄で対生、2回3出複葉で各々の3出用に柄があり、小葉は卵形または卵状皮針形で葉質は薄く、粗鋸歯
花:7〜8月頃、叢生した葉の間から長い花柄を出し柄の先に大きい濃紫色の美しい花を1個つける.花は鐘形で半開.萼片4個で狭卵形、先端は鋭尖形、長さ2,5cm.無花弁.葯は小形、花は扁平、外部の花糸には葯がなくへら形.雌蕊多数
そう果:広卵形、花柱は宿存し、長く伸びて尾状、やや褐色を帯びた羽毛状
※日本名:深山半鐘蔓
富士山(170723)
ミヤマリンドウ
りんどう科
高山帯の草地にはえる日本特産の多年草
茎:細く、下部はほふく分枝、上部は立ち上がって3〜10cm
葉:小形で対生、やや密、ほとんど無柄、広皮針形ないし狭卵形、葉質厚く無毛、葉縁は少し外巻、基部に近いほど小形、上に行くにしたがって大形
花:7〜8月頃、茎頂に1〜3個の集散花序、濃青紫色、径1.5cmの花を上向き、萼片緑色5裂、裂片皮針形で尖、花冠の筒はがくより長く、先5裂平開、裂片卵状楕円形、先やや丸い、副裂片は三角形尖、少数の鋸歯、まれに全縁、雄蕊5本、花筒の中部に付き、柱頭2裂
立山(180812)
ミヤマヨメナ
きく科
山地林内にはえる多年草
茎:高さ20〜60で緑色
葉:互生し、基脚の葉は翼のある長柄があり、卵形または倒卵形で上葉は次第に無柄となり、狭く長く、ヘリに少数のあらい鋸歯がある.上面は濃い緑色で両面に短毛がある
花:初夏、茎の先端でまばらに分枝し、少数の紫色またはほとんど白色の頭状花をつける.花径3p、緑色の総包片は皮針形で尖り、舌状花は1列.管状花は黄色、ふつう冠毛が無い
日本名:深山嫁菜
花屋ではアズマギク、ミヤコワスレ
箱根(230601)
ムサシアブミ
さといも科
沿岸地域に分布する多年草、高さ50cm、雌雄偽異株、雄株から雌株に完全転換、球茎上に腋芽がほぼ2裂に並び、内数個は子球に発達、2〜4月頃地上に葉と花序
葉:2個で同大、偽茎部は短、葉柄部は長、葉身は無柄の3小葉、小葉はひし状楕円形で先細尖、やや尾状で全縁、裏面は粉白色
花:花茎は短、花序は偽茎部のすぐ上、仏炎苞は筒部が淡緑色、舷部は緑色または黒紫色、内面光沢、あぶみ状に巻き込み、基部は横に張り出す、花序付属体は白色、有柄棒状、緩やかに前傾
三浦アルプス(180408)
ムラサキケマン(ヤブケマン)
けし科
山麓地帯や路ばた、畑地の近くなどにはえる柔らかな感じの越年生草本.秋にはえる
茎:直立し高さ17〜50cm、稜がある
葉:長柄、根生と茎生がある.2〜3回羽状に細かく裂け、裂片はくさび形で深い切れ込み、軟らかい
花:春の終わりから夏の初めに梢が分枝して多数の紅紫色の花を総状花序につける.包はくさび形楕円形で切れ込み.花冠は筒状唇型で一方が開き一方が距.雄蕊3本づつ両体
松田山(190331)
ムラサキセンブリ
りんどう科
日当たりの良い草地にはえる二年草で、センブリに似ている
茎:直立し、上の方で分枝し、四角形、黒紫色で細長い
葉:やや密に対生、皮針形で両端は尖り、ほとんど無柄に近い
花:10月頃、茎頂および葉腋に、円錐状に花をつけ、上から順次開く.花は濃青紫色.萼は5片に深く裂け、裂片は緑色で細長く尖る.花冠は深く5裂し、裂片はやや広くほとんど全開し、花弁の基部近くにある腺体は長毛でおおわれているが、センブリよりも毛が少ない.雄蕊は5本で花冠よりも短く、葯は暗紫色、子房は細長く緑色、花柱は短く、柱頭は2裂する
高座山(211016)
ムラサキモメンヅル
まめ科
高山、特に富士山
茎:根元から束生して広がり、やや蔓状
葉:互生、短柄、奇数羽状複葉、白緑色、小葉は5〜10対、長楕円形
花:葉腋から花柄出し総状花序、紫色蝶形花を密集
富士山麓(170723)
【ヤ行 の 花】
ヤマハギ
まめ科
山地に広く分布、落葉低木
枝:多くの細い枝を分枝、短い微毛
葉:互生、細長い柄、3出複葉、小葉は広楕円形または広頭卵形、先端円形〜鈍形、あるいは多少凹む、基部円形、ごく短い柄
花:梢の頂部から多数の長い総状花序、紅紫色の花
パノラマ台(150826)
ヤマハッカ
しそ科
山地に普通に見られる多年草
茎:四角、直立分枝、多少毛がある
葉:対生、卵形、鈍鋸歯、葉柄両側ひれあり
花:秋、枝先に長花穂、紫色小形唇形花を数個ずつ何段も、花冠上唇は反り返って直立し浅4裂、内面に紫色斑点、下唇は舟形で水平に前方に突き出す、雄蕊4本のうち2本は長く、雌蕊1本とともに下唇の中に隠れている
三ツ峠(170903)
ヤマフジ(ノフジ)
まめ科
山野に自生する蔓性落葉低木
茎:左巻き
葉:互生、有柄奇数羽状複葉、小葉4〜6対、卵形あるいは卵状長楕円形、先端尖、基部円形で短柄、両面細毛裏面著しい、葉質やや厚い
花:4月頃、10〜20cmの総状花序、多数の紫色蝶形花、花20〜30mm
※フジより花序が短く花はやや大型、葉は厚質で裏面に多毛、茎が左巻き、花がフジより早い、白花品種あり
畦ヶ丸(180520)
ヤマラッキョウ
ゆり科
山地に生える多年生草本、冬期は枯死
葉:茎の下部に2〜3立ち、薄い青緑色、三つの稜、下葉は鞘
花:晩秋、葉間から緑色の茎を1本、円柱形で質強い、茎先に多数の紅紫色花を束生、球状の散形花序
八子ヶ峰(160825)
ヤマルリソウ
むらさき科
山地の木陰に生える多年草、根出葉は根際に数枚群がってつく、12〜15cm幅3cm、倒皮針形で縁は多少波状、全体に毛が多い
茎:花茎状で根出葉の中から数本立ち、7〜20cm、基は倒れ上部は斜上、皮針形の茎葉をまばらに互生
花:春、茎頂に総状花序、初め淡紅色、後るり色、がくは緑色5裂、花冠は約1cm、下部は短筒、上部は5裂平開、筒上端に凹頭の小突起5個、雄蕊5本筒の中
果実:4個の分果、円形扁平
三浦アルプス(180408)
【ラ行 の 花】
リンドウ
りんどう科
山野に普通に見られる多年草
茎:直立または斜上
葉:対生、無柄で茎抱く、皮針形で先尖、3条の縦脈明瞭
花:秋、茎頂または上部の葉腋に紫色の花、茎頂は5〜6個かたまって咲く、花冠は鐘状5裂、副裂片、雄蕊5本雌蕊1本
北八ツ坪庭(160730)
レイジンソウ
きんぽうげ科
山中に生える多年生草本、40〜60cm
茎:直立、帯紫色、陵あり、上部に短毛が密生
葉:根生葉は長柄、掌状に5〜7裂、各裂片に鋭頭の欠刻または歯牙、上部の葉は短柄
花:茎先や葉腋に2〜3の総状花序を直立、まばらに淡紫色の花、萼片5個は花弁状で粗毛が密生、花弁2個は密槽状、先が反り返って曲がり長柄、上部萼片の頭部に入る、雄蕊多数
三ツ峠(170903)
レンゲショウマ
きんぽうげ科
山中の樹下に生える大形無毛多年生草本
茎:直立
葉:大型、互生、根生葉、茎葉ともに有柄、2回3出、3回3出、4回3出複葉、小葉は卵形、先端鋭尖形、鋭尖形の粗大不規則な鋸歯、茎葉は上部ほど小形簡単
花:夏、茎上部に長い花枝を分枝、上部はまばらな総状花序、有柄の大きい淡紫色の花を下向き
御岳山(170917)
|