黄色・緑色の花

◆白い花  ◆赤・紅・橙色の花  ◆紫色系の花    ※牧野新日本植物図鑑より引用

【ア行 の 花】


アオヤギソウ

アオヤギソウ ゆり科
箱根(210711)


アキノキリンソウ(アワダチソウ)

アキノキリンソウ きく科
日当たりのよい地に最も普通な多年草
茎:直立し細くて強い、下部は紫黒色、上部に短毛があり、時に分枝する
葉:互生し上葉は皮針形、下葉になるにつれ卵形、中下葉は有翼の柄、根葉は長柄で束生し、先が尖る.基部はくさび形か円形、内曲する鋸歯があり、下面は細かい網脈がある
花:晩夏から秋、茎先に穂状の頭花が多数つく.花冠は黄色、広線形の舌状花(雌花)と整正の筒状花(両性)、変化が多く類似種も多い
富士山麓(170806)


アブラチャン(ムラダチ、ズサ、ジシャ)

アブラチャン くすのき科
枝が多く葉が密生する落葉性低木で山地にはえる.樹皮は灰褐色
葉:互生し、卵形あるいは楕円形で先端はだんだん細まって尖り、全縁、基部はくさび形で細長な葉柄があり、なめらかである
花:早春、葉が開くよりも先に淡黄色の小さい花をつける.花には柄のある小形の散形花序につき、つぼみの時は総包の鱗片に包まれている.花序は小枝の元から2個ずつ出て、前年には既に枝上に現れている.花柄にはまばらに毛がある.雌雄異株、がくは深6裂、雄蕊9個、内輪に3個、外輪に6個ある.雌花の外輪のものは小角体となり、内輪のものは腺体となる.雄蕊は1個ある
西丹沢(210411)


イワキンバイ

イワキンバイ ばら科
山地の岩の間にはえる多年生草本.全株に伏毛をかむる.茎の高さ10〜20pくらい
葉:多く根元から生え長い柄をもつ.多くは3小葉からなるが、その下部に1〜2枚の小葉を出すことがある.小葉は倒卵形または斜めにゆがんだ倒卵形、先端は円形または鈍形、基部はくさび形、ふちに鋭い歯牙状の鋸歯がある.両面にやや伏毛を密生し、下面はやや白色をおびる
花:7月頃茎の頂端に集散花序を作って黄色の花が開く.花は細い柄を持ち、がく片は5、卵形、副がく片はがく片とほぼ同形でやや小さい.花弁は5、黄色で倒卵形、先端は凹型、雄蕊は多数あって黄色で、卵形の小さい葯を持つ
※岩間にはえるキンバイソウ(きんぽうげ科)の意味
赤城、掃部ケ岳(180623)


イワベンケイ

イワベンケイ べんけいそう科
高山の岩地に生える多年生草本、根茎は短く太く、分枝は多数の鱗片に被われる
茎:かたまって立ち30cm、多数集まって球状の集団となることがある.葉も茎も著しく白っぽい
葉:茎の上に多数重なり合って互生開出、上半は表面がくぼんで曲がる、倒卵状楕円形で2cm内外、扁平、多肉、先端は鋭頭あるいはやや鈍頭で上半部に鈍鋸歯があり、表面平ら、脈は外面に現れない.茎上端部の葉は包葉に見える
花:7月、茎頂に密集した集散花序をつけ、上面は平らな球状で薄黄色の花を開く.雌雄異株.花弁は細く4〜5、雄花は平開、雌花は短く貧弱、雄花は雄蕊8〜10本、雌花に雌蕊4〜5本
北穂高岳(180717)


ウサギギク(キングルマ)

ウサギギク きく科
高山帯の適度に湿った草地に生える多年草
茎:単立し高さ30p内外、葉とともに毛があり、根茎は長く這う
葉:対生し、下葉はさじ状の倒皮針形、上葉は狭い卵状皮針形でまばらに歯状の鋸歯があり、洋紙質
花:夏、茎頂に黄色の頭花を単生、頭花は周辺に雌性の舌状花があり、花冠の先は浅い3歯牙となり、中心に暗色を帯びた両性、先端5裂の管状花が集まる.全体に毛が多い
※管状花冠が無毛のものをエゾウサギギクといって区別する
涸沢(170817)


ウマノアシガタ

ウマノアシガタ きんぽうげ科
葉:単葉、ほとんど無柄、線形3裂片、直立性の毛、根生葉は叢生、長柄、掌状に3深裂、中央裂片は3尖裂、両側裂片は2尖裂、倒卵形あるいは狭倒卵形、基部くさび形、粗鋸歯、茎葉は無柄で線形3裂片
花:初夏、根葉の中から直立花径、茎先が集散的に分枝、枝端に1個の黄花、がく片5個黄緑色、背面に毛、花弁5個平開、くさび状倒卵形、艶、雄蕊雌蕊多数、そう果は卵形、球状球果、径5〜7mm
三ツ峠(170709)


オオバキスミレ

オオバキスミレ すみれ科
高さ15〜30cm、地下茎は横に這う、細根が節々から出る
根葉:数少なく長柄、心臓形で5〜10cm、先尖、縁に鋸歯、質薄い、支脈は葉の先に向かって湾曲、普通は無毛
茎葉:3〜4個で茎上部に集まり、短葉柄、根生葉より小、最上部は長卵形、切脚またはくさび形で葉柄に移る、托葉は広卵形で先尖で全縁
花:5〜8月、茎上部に2〜3個の黄花を腋生、横向き開出、唇弁と側弁に紫条、唇弁の距は極端に短、側弁内側に毛、雌蕊の先はやや膨らみ両側に微毛、萼片は狭皮針形
北穂高岳(180717)


オオバタケシマラン 花と液果

オオバタケシマラン オオバタケシマラン液果 ゆり科
高山の谷筋にはえる多年生草本.茎中部で2又状に5〜6回分枝し、葉を左右に多数互生している
葉:卵状楕円形、先端は鋭尖形で基部は茎を抱き、表面は黄緑色裏面は蒼白色をおびている.平坦であってそれに5〜7本の縦脈が陥入して走り、ふちは多少の起伏をし、また少しきざみがある
花:7月頃、各葉の下に緑白色の花を一つづつ垂れ下がって開く.長い柄があって途中で1回ひねれている特徴がある.これは腋出した花柄は茎と融着してその上方の葉の下で初めて離れるためである.花被片6個は披針形、下半は鐘形、上半は強く反り返っている.雄蕊は6個、葯は尖って大きい.雌蕊の花柱は長い
※タケシマランとは葉の色と茎を抱えた形、花軸が1回転することなどで区別
遠見尾根(200720)

液果:後で卵状球形の液果を懸垂し、8月に紅熟する
火打山(200822)


オオバミゾホオズキ(サワホオズキ)

オオバミゾホオズキ ごまのはぐさ科
亜高山帯の湿地にはえる多年草.細長い地下茎を伸ばして繁殖し群生を作る
茎:柔らかく四角で分枝せず、直立
葉:無柄で対生、長卵形または広卵形で先は尖り、縁に大形の尖った鋸歯、3〜5本の目立つ脈を持ち、長さ3〜6cm、幅1,5〜3,5cm
花:夏、上部の葉腋に細長い花柄を出し1花をつける.萼は筒型で長さ8〜13mm、5個の稜があり、稜には狭いひれがある.がくの先は尖った5裂片.花冠は黄色で長さ2,5〜3cm、筒の先は5裂唇形.2本づつ長さの違う4本の雄蕊
果実:長楕円形、長さ1cmでがくの中に包まれている
栂池(190720)


オオハンゴンソウ

オオハンゴンソウ きく科
北アメリカ原産の長大な多年草
茎:上部で分枝
葉:下葉は有柄で羽状に5〜7裂し、上部の葉は3〜5深裂し、最上の葉は全縁
花:夏から秋、長花茎の先端に黄色頭状花、長く下垂する舌状花
箱根(170730)


オトギリソウ

オトギリソウ おとぎりそう科
山野に生える無毛の多年生草本
茎:円柱形緑色
葉:対生、茎を抱く、皮針形、先端丸い、黒色油点が散在
花:夏から秋、茎頂部が分枝、短柄黄花、がく片緑色5個、花弁5個倒卵形、子房に花柱3本
蓼科山(170802)


オニシバリ(ナツボウズ)

オニシバリ じんちょうげ科
山地にはえる有毒で毛のない落葉低木、雌雄異株、高さ1m内外
茎:直立分枝、灰茶色、ひどく丈夫で容易に切れない
葉:互生、軟らかい、倒皮針形、全縁、短葉柄、枝先に集まる、秋に伸びて冬越し、夏は落葉
花:早春に黄緑色の花が葉腋に集まって咲く、がくは筒状4裂、花弁なし、雄蕊8、雌蕊1、雌花は雄花より小さい
※樹皮は日本紙の材料になる
南郷山(190224)


オミナエシ(オミナメシ)

オミナエシ おみなえし科
山野の多年草、株側で新苗が分かれて繁殖
茎:直立、やや太く、下部に多少粗毛
葉:対生、羽状に分裂、裂片は狭尖
花:茎上部で分枝、枝先に黄色い細花を多数つけて散房状、花冠5裂、筒部は短、雄蕊4個雌蕊1本
箱根外輪山(170924)


【カ行 の 花】


カキラン(スズラン)

カキラン らん科
山野や谷筋の多湿の地にはえる多年生草本.地下に根茎があって横にはい多数のひげ状の根を出している.茎下部は紫色、その他は緑色無毛円柱形で強く、中辺に7〜8葉を規則正しく2列に互生
葉:卵状皮針形で平開し、先端は漸尖形で基部は鈍形で鞘となり茎を抱く.質厚く深緑色、脈がはっきりして低いが隆起して見える.中部の葉は最大で下部のものは鞘状葉、上部のものは縮小して包葉となる
花:7月頃茎端に総状花序を出して10花内外を開く.包葉は葉状で皮針形で柄がなく、花後にも残存平開する.花は少し尖り、有柄で側向し、花冠は広鐘形、外花被片は厚い膜質で鮮明な橙褐色.内花被片と唇弁は白い.唇弁は内面に紅紫点があり、上下2唇の間ではやや関節し、上唇の内部には縦のうねが3本あり、下唇は内面が陥入している
金時山(230712)


キオン(ヒゴオミナエシ)

キオン きく科
深山の日当たりのよい場所に生える多年草
茎:90cm、直立して太い
葉:互生、広皮針形、浅い鋸歯、先端鋭尖、基部くさび形、短柄、両面に縮れ毛
花:夏、茎上部で分枝、多数の黄色頭花を散房状、周辺に1列の舌状花5個、中心に管状花10個内外
富士山麓(170827)


キケマン

キケマン けし科
低地や海岸地方にはえる越年草.茎や葉が大きくよく枝を張り出す.全体が白っぽい緑色
葉:柄をもち粗大、3〜4回羽状に分裂し、各裂片は卵状くさび形で深いきれこみがある
花:春、茎に長い総状花序をつけ、黄色の花をたくさん咲かせる.包は小さく長さは花柄とほぼ同じ皮針形、花冠は長さ15mm位で、一方がくちびる状に開き、他方はやや短めの鈍頭の距となっている.花の中には6本の雄蕊が両体を成す
丹沢(210411)


キツネノボタン

キツネノボタン きんぽうげ科
道端、溝の脇、山すそ、流れのそばなどの湿地に生える越年草
茎:直立して分枝、中空円柱形無毛
葉:根生葉は長柄、3小葉、2裂あるいは3裂、不規則な鋸歯、茎葉は互生で短柄、3つに全裂、柄の元はさや
花:春夏秋、各枝先に黄花、花弁5個平開、つや、倒卵状長楕円形、雄蕊雌蕊多数、そう果は楕円形金平糖状、径7〜10mm
箱根(170730)


キツリフネ

キツリフネ つりふねそう科
茎:直立分枝、多汁質、無毛柔らか、節膨らむ
葉:有柄互生、細長い楕円形、短く尖り基部鋭形、荒い鋸歯、薄質、柔らかい
花:葉腋から細い花柄、3〜4個の黄花、左右に大きな花弁、距は膨れて後ろに突き出し湾曲、5本の雄蕊の葯は連なる、雌蕊1本
上高地(170818)


キバナアキギリ

キバナアキギリ しそ科
低山地の木陰に生える多年草
茎:四角形、直立、長毛
葉:対生、長柄、ほこ形、先端鋭尖、基部心臓型、両端三角に突き出す、鋸歯、長毛
花:秋、茎頂に花穂、花茎の抱葉の脇に短柄黄色の唇形花を数段、包葉は卵形、がくは唇形、長毛、花冠上唇立ち上がり下唇3裂して前に突き出す、雄蕊2本、花柱は上唇より長く花冠より飛び出す
十二ヶ岳(180913)


キバナノアツモリソウ(コクマガイソウ)

キバナアツモリソウ らん科
亜高山に生える多年生草本、20cm内外
茎:緑色直立、円柱状で粗い毛、脚部さや状葉
葉:2、茎頂に向き合い、広楕円形
花:7月、葉間から有毛緑色の花柄、頂に1花を懸垂、淡黄緑色、紫褐色の斑点
三ツ峠山(210610) 入笠山(170610)


キバナガンクビソウ(ガンクビソウ)

キバナガンクビソウ きく科
山林内に多い多年草.茎葉直立して30〜60cm、上方の葉腋で小枝を分ける
葉:茎を通じて互生し、下葉は長柄、しばしば基部が心臓形となる.卵状楕円形、縁に不整の鋸歯があって、茎とともに軟毛がある.上葉に移るにつれて葉柄は短くなり、葉身もまた狭くなる.葉の下面に腺点がある
花:秋、茎上部の枝先に黄色の頭花を1個つけ、側向あるいは下向きに開く.頭花は径6〜8mm、2〜3の包葉があり、総包は鱗片状に重なり、外片は短く広く、内片は狭い
芦ノ湖遊歩道(190825)


キバナノコマノツメ

キバナノコマノツメ すみれ科
北半球の高山、亜高山、寒冷地に広く分布する有茎性の多年生草本で、日当りの良い草地、林縁などを好む.軟弱な少数の茎は長柄のある2枚の葉とともに株元から群がってはえる.地下茎は地中深く入る
葉:茎葉は鮮緑色、薄くしなやかで数少ない.葉身は腎臓形で鋸歯があり、縁に白い微毛が並んではえている.ふつう葉面、特に脈上にも微毛が散生するが、平坦で光沢がない.托葉は小さく、先が尖った卵形、縁に低鋸歯がある
花:初夏から夏、茎先に花柄を腋生し、左右対称の小さな花を横向きに開く.花は縦長で1cmくらい、花弁は黄色で各弁片には褐紫色のすじ.唇弁は一番大きく低く垂れており先端が短く急に尖る.側弁は無毛
八ヶ岳(190620)


キンミズヒキ

キンミズヒキ ばら科
道端や原野に多く生える多年生草本、全株に密に毛をかむる
葉:互生、奇数羽状複葉、小葉は大小不揃い、側小葉は数対、大形のものは長楕円状皮針形、両面とも粗毛を密生、荒い歯牙状の鋸歯、頂小葉は大形の側小葉とほぼ同形、無柄、托葉は半心臓形、不揃いの鋸歯
花:夏から秋、茎の末端が分枝、小枝の先に多数の黄花を穂状に見える総状花序、短柄、花弁5、倒卵形または楕円形、雄蕊12本
大岳山(170916)


キンラン

キンラン らん科
低地の山林中にはえる多年生草本.高さ50cm
葉:10個内外、鮮緑色、長楕円形で基部は茎を抱き、先端は尖る.縦に荒いしわ、質は薄いが丈夫
花:春にギンランと同時期に黄花を10個内外付けた総状花序に開き、花下には短い包葉をともなう.花は直立して全開せず、長さ1,5cmで広楕円形.花被片は卵状皮針形をして鈍頭、狭脚.唇弁に距があり、3裂し側裂片は大きく低平な広卵形、内に赤橙色の縦のうねが数本ある.ずい柱の先端に円大な葯がある
箱根外輪山(190607)


キンロバイ

キンロバイ ばら科
高山に自生する落葉性小低木
茎:分枝多い、樹皮褐色
葉:互生、奇数羽状複葉3〜7枚小葉、小葉は長楕円形あるいは卵状長楕円形、先端鋭または鈍形、基部くさび形、両面に褐色の長い絹毛、葉柄の基部に拓葉
花:夏、茎頂に1〜3個の鮮黄色の花、花柄はやや短く絹毛を密生、萼5片、三角状卵形、副萼片5、線状楕円形、花弁5、円形、雄蕊雌蕊多数
坪庭(160730)


クモリキソウ

クモキリソウ らん科
山地の林内にはえる多年生草本.地上部は年々枯れる.高さ15〜30cm
葉:2枚づつ前年の茎の側方に出て、そろぞれが反対の方向に斜開し、楕円形または卵状楕円形で鈍頭5〜10cm、質は少し厚く鮮緑色、縁は多くは細かく縮れ、基部は翼のある柄となって互いに抱いている
花:5〜6月頃、葉間から稜のある緑の茎を出し、上部に総状花序が出て10個内外の淡緑色花(アオグモ)、または淡暗紫色花(クログモ)を付け、花径は1cm、花下の包葉は微細.外花被片は開出し線状皮針形で鈍頭、内花被片は更に細く背後に垂れる.唇弁には爪があり、倒卵円形で少し頭部が突出し、中程からとよく外に反り返り、前から見ると倒三角形の唇弁の周りに5花被片の先端がはみ出して見える.花柱は腹がふくれ、中途から前方へ屈み腹面上部に柱頭がある
扇沢(190724)


クロモジ

クロモジ くすのき科
山地に多くはえる落葉低木.高さ2〜3mほどで枝が多い.樹皮は平滑で元来緑色であるが普通黒い斑点が見られる
葉:枝の上に互生し、葉柄があり、狭楕円形で両端は尖り、全縁で葉質は薄く下面は帯白色で、時には平たく伏した軟毛がまばらにはえている
花:春、葉よりも早くまたは新葉とともに淡黄色あるいは淡黄緑色の小花を開く.花は散形花序につき葉腋に三々五々群がる.花柄には軟毛がある.雌雄異株で、雄花は雌花より少し大きく数が多い.花被は6片に深く裂け、各片は楕円形.雄蕊9個.花が終わると雌の木には小さい球状の実が成り、10月頃熟して液果となる
樹皮に良い香りがあるのでつまようじを作り、また樹皮の油を香水の原料に用いる
伊東アルプス(240407)


コウゾリナ

コウゾリナ きく科
山野の道端などに咲く普通の多年草、全体に淡褐色または赤褐色の剛毛多
茎:円柱形直立、多少分枝
葉:根葉はロゼット状束生、下葉と根葉は倒皮針形、上葉は小形皮針形、基部は茎を抱く、不整の歯状鋸歯
花:初夏〜10月、茎上部の葉腋から分枝、先端に舌状花が集まる黄色の頭花、冠毛は羽毛状
三ツ峠(170903)、箱根


コオトギリ

コオトギリ おとぎりそう科
箱根、丹沢の湿った日の当たる場所に多く生える多年生草本
茎:細長い円柱形で群をなしてはえ、直立し、梢は分枝し、下部はしばしば紅色に染まる
葉:薄弱で多数が茎に対生し小形、線状長楕円形あるいは線形、先端は丸く、基部は細いくさび形、非常に短い葉柄があり、全縁で表面は緑色で裏面は多少薄い緑色で、明るい点が一面に分布する
花:夏、茎の頂上に散房集散花序をつけ、短い小花柄のある小さな黄花を開く.花弁5個、細い皮針形で長さはがく片の2倍.多数の雄蕊は黄色で花弁より短い.がく片は5個で緑色長楕円形で先端は丸い.子房は卵形で3本の花柱がある
※オトギリソウよりずっと小形、葉は基部で狭いくさび形、黒点なし、で区別
箱根(210711)


コガネネコノメソウ

コガネネコノメソウ ゆきのした科
山地や谷川のへりにはえる多年生の小草本、白く軟らかい毛
花茎:3〜10cm
葉:1対の扇形、鈍鋸歯の小さい葉、花が終わってから伸び横に広がり、腎臓円形で円い鋸歯の葉を対生
花:頂部に集散花序の小形黄色花が密に集まる、早春に開花、萼片4個、丸くて目立ち、鮮やかな黄色、花弁状で2〜3mm、花が済むと緑色になる.雄蕊8本、萼片より少し短く、葯は鮮やかな黄色
両神山(190509)


コケイラン(ササエビネ)

コケイラン らん科
深山の木陰の地にはえる多年生草本.地下には卵球形の偽鱗茎を具え、頂から1〜2葉、側方から1花茎を出す
葉:倒狭皮針形または線状倒皮針形でひだがある.下部は葉柄状に尖っている
花:夏、茎の頂部は総状花序をして褐色をおびた黄色花を10〜25つけ開花する.花は側向、径1p、花被片は線状倒皮針形、先端は少し鈍頭、唇弁は淡色、倒卵形、3裂、側裂片は小形で立ち、中裂片は大きく爪があり、卵形円頭、内面の基部には縦の隆起2個を並列.花柱は花被片より短く、花粉塊は4個が接し、細長い小柄を具えている
白山(200703)


コチャルメルソウ

コチャルメルソウ ゆきのした科
山地や谷川附近の湿地にはえる多年生小草本で、ほふく枝を出して繁殖する
葉:根生葉は長い柄があり、まばらに腺毛がある.葉身は心臓状円形で、幅も長さもほぼ同じ、基部は深い心臓形、ふちは浅く裂け、更に不正の鋸歯がある
花:4〜5月頃、高さ10〜20p位の花茎を出し、少数の花をつける.がくは5つに裂け、裂片はほぼ三角状で開出する.花弁は5個、淡黄緑色で羽状に細かく裂け、裂片は線形で普通7個ある.雄蕊5本、花弁と対生し、ごく短く、花糸は花盤につく.子房はがくに付着し、花柱は2個で短い
箱根(210402)


コナスビ

コナスビ さくらそう科
原野、路ばたに普通に見られる小さな多年草
茎:柔毛、初め斜めに立つ、伸長し地上を這い、四方に広がる
葉:対生、卵形または広卵形、先端鈍または鋭形、基部円形、有柄
花:夏、葉脇ごとに黄花1個、萼深5裂、裂片は線形で尖、花冠5片深裂、裂片は三角状卵形、雄蕊5本雌蕊1本
箱根(170618)


【サ行 の 花】


サルトリイバラ(カンダチイバラ、カカラ)

サルトリイバラ ゆり科
山野にはえて木質のつるでよじのぼる低木
茎:硬く節ごとに曲り、まばらにとげがある
葉:互生し、円形または広楕円形で短い葉柄があり、3〜5の脈を持ち更に網状脈になる.丈夫な皮質で表面につやがある.葉柄の下部両側に沿着した托葉があって先が巻きひげになっていて他物に強くからまる
花:初夏の新葉の出る頃、葉腋に花柄を出して黄緑色の小花を多数散形花序に開く.雌雄異株.花被は6に分かれ反転する.雄花には雄蕊6本、雌花には3室の子房があり、花柱は3本.開花後7mm前後の美しい紅色の丸い実を結び中には黄褐色の硬い種子が入っている
南郷山(210407)


サワギク(ボロギク)

サワギク きく科
深山のやや湿り気のある林内にはえる越年草で、全体が柔らかく、一種の臭気がある.茎は直立し、多角形で下の方にだけ白毛がまばらに生えている
葉:初めはロゼット状、根生し、柄があり、葉身は深く羽裂して裂片は広く、先端は鈍い円形、微毛があり、茎葉はまばらに互生して淡緑色で薄く、羽状に全裂し、裂片は線状披針形または長楕円形で1〜2の低い鋸歯がある
花:6〜7月頃、茎上端で多数の長枝が分かれて、やや散房状に頭花が着く.頭花は小形で、総包は緑色で楕円中形、総包片は乾皮質で長皮針形のものが1列に並び、基部に微小な総包片はない.舌状花は7〜10個、黄色で細い.管状花は多数.冠毛は白色で絹糸のような光沢がある
越前岳(210526)


ジシバリ(イワニガナ)

ジシバリ きく科
田畑や道端に咲く多年草
葉:卵形または楕円形、基部に長柄
花:4〜7月、花茎は10cm、単一または1〜2回分枝、枝先に黄色頭状花、舌状花は20〜25個
小倉山(170511)


シナノオトギリ

シナノオトギリ おとぎりそう科
高山帯に生える無毛の多年生草本
茎:数本が群がって生え直立、梢は短く分枝、円柱形、かすかな線
葉:無柄、対生、基部は茎を抱く、卵状長楕円形、先端丸、縁に黒点
花:夏、茎頂上部に有柄の黄花、緑色萼片5個、花弁5個、雄蕊黄色多数、花柱3本
※イワオトギリと酷似、葉に明るい点、花柱が多少長いことで区別
坪庭(160730)


シナノキンバイ

シナノキンバイ きんぽうげ科
高山地帯に生える多年生草本、30cm、全体無毛、根茎は短く直立して太い
根生葉:2〜3枚、長柄、全体円形、掌状5全裂、基部は深い心臓形、各裂片は広倒卵形、基部くさび形、欠刻状の尖鋸歯、葉質やや厚く深緑色、茎は葉より高い、無柄の茎葉を2〜3枚
花:8月頃、茎の先に黄金色の花、花径4cm、萼片5〜7個、花弁状で美しい、花弁は非常に小さく雄蕊の外に接しているが雄蕊より短く、線状倒皮針形、雄蕊雌蕊多数
北穂高岳(180717)鹿島槍ヶ岳(200717)


【タ行 の 花】


ダイコンソウ

ダイコンソウ ばら科
山野に生える多年生草本、全株粗毛散生
茎:60〜100cm、粗毛多い
葉:根出葉は羽状複葉、頂小葉が特に大形、卵状円形または心臓型、先端鈍形、基部は心臓形3裂、側小葉は小形、楕円形、楕円状円形、頂小葉は2〜3裂、小葉は両面に短毛、鈍形の歯牙状鋸歯、茎出葉は卵形、先端鋭形または鈍形、基部は心臓形またはくさび形、浅3裂、深3裂、托葉は葉状で粗い歯牙状鋸歯
花:初夏、小枝先に数個の黄花、花弁円形、水平に開く、雄蕊雌蕊多数
箱根(150816)


タカネスミレ

タカネスミレ すみれ科
高山地帯の石ころの多い日当たりの強いところに孤立してはえる多年生草本、キバナノコマノツメに全体がそっくり
茎葉:厚く強壮で赤味があり、葉身はずっと大きく光沢があり、脈も著しく目立つ
花:一つの茎に1〜3個でキバナノコマノツメよりやや大きく、7〜8月に咲く
葉:無毛であることで区別
※自生地では石ころに埋まって全体が低く見えるが、茎を掘ると長い、高嶺スミレの意
唐松岳(190722)、鳳凰三山(180626)


タマガワホトトギス

タマガワホトトギス ゆり科
深山や谷筋の湿ったところにはえる多年生草本で30〜50cm位あり、花柄の他は全株に全く毛がない
茎:斜めに出て多少曲り、緑色
葉:互生して広い楕円形、6cm内外で先は急に鋭尖形をし、基部は深い心臓形をして強く茎を抱き、表面は鮮緑色で非常に平坦
花:7月に茎に散房花序を頂生して数花を開く.花径は25mm、花被は正開しない.色は鮮やかな黄色で内面に紫褐色の細かい点をつけている.内外の花被片は6個で皮針形、外花被片の下のほうは袋状となる.雄蕊6個で花糸は寄り添って立ち、上のほうは反り返って末端に葯をつけている.子房は細長く、花柱の上部は3つに分れ、分枝は更に2裂し、粒状の毛が多く、紫の斑点がある
焼岳(190807)


ダンコウバイ(ウコンバナ、シロジシャ)

ダンコウバイ くすのき科
山地に生える落葉低木で、高さは3m内外.枝はやや太くまばら
葉:有柄で互生、広楕円形あるいは円状卵形で葉質はやや厚い.普通浅く3裂し、各裂片は先端が鈍形で全縁.枝のもとの葉はしばしば裂けずに卵形をしていることもある.裏面には淡褐色の長い毛があり、樹によって多いものと少ないものがある
花:早春、2〜3月頃、葉より早く、あるいは殆ど同時に、軟毛のある鱗片状の総包片の中から黄色の小花が散形状花序をなして密に開き、花柄には絹毛がある.雌雄異株.花被は6深裂し、各裂片は長さ2.5mmくらい.雄蕊9個、雌蕊1個
丹沢(220321)


ツクバネソウ

ツクバネソウ ゆり科
やや深い山林内に生える多年生草本
茎:先端から緑色円柱形の茎1本出して直立、高さ13〜40cm
葉:茎上端に4(5)個輪生、無葉柄、広楕円形または長楕円形、先端尖、3主脈
花:5〜6月、葉心に直立した柄1本、先に淡黄緑色花を上向きに1個、外花被片4個1〜2cm、皮針形、内花被片無し、雄蕊8個、花糸は長く線形で長葯.子房は球形で雄蕊より長い線形の4花柱がある
明神ヶ岳(190519)


ツチアケビ(ヤマノカミノシャクジョウ)

ツチアケビ花 ツチアケビ らん科
深山の木陰、多年生無葉蘭で黄褐色
花:6月頃枝先に総状花序を出し多数の花をつけ、全体に大きな円錐状花穂となる.花は半開で淡黄色、先端に淡紅色のぼかしを帯び、短柄があって長い下位子房に連なり長柄があるように見える.花被片は長楕円形または狭皮針形で上片すなわち後片は卵状を帯びている.唇弁は円形でふちは細裂し黄色.心柱は長く立ち少し前に曲る
箱根(220630)
果実:肉質で赤色のバナナ型
箱根(180805)


ツルキジムシロ

ツルキジムシロ ばら科
山地にはえる多年草.短い根茎があり、そこから細長いほふく枝を出して増える
根性葉:長い柄、奇数羽状複葉、頂小葉と3または4対の側小葉からなる.葉柄には開出毛があり、赤味を帯びる.頂小葉は倒広卵形または円形で、先鈍形、基部くさび形、長さ1〜2.5cm、幅0.7〜1.5cm、基部を除き縁に鋭鋸歯
茎葉:3小葉で根性葉より小さい.托葉は小さく葉柄に合着
花:4〜7月、茎の先端に数個の黄花.径1.5〜2cm.萼片は狭卵形、先鋭、長さ6〜8cm、副がくは皮針形または線形で萼片と同長.花弁は広倒卵形.花柱は7〜10mm、幅6〜8mm.雄蕊多数、葯は楕円形
松田山(190331)


ツルキンバイ

ツルキンバイ ばら科
山中の半ば日の当たる所に生える多年生草本、根茎短、全草に伏毛を密生
葉:長柄、根元から束生、3出葉、小葉は無柄卵形、先端鈍形、基部くさび形、やや粗大な鋭鋸歯、白色伏毛
花:花序は10〜15cm、2〜3分枝、短柄小形葉、鮮黄色、萼片5、三角状のみ形、副萼片5、狭皮針形、花弁5、広倒心臓形、先端凹、萼片より長く平開、雄蕊多数
※ミツバツチグリとの違い:根茎が短太、硬くない.全株に目立たない伏毛、葉下面に白色伏毛、花は濃黄色
檜洞丸(180505)


トウゴクサバノオ

トウゴクサバノオ きんぽうげ科
各地の山中の湿ったところにはえる多年草で高さは10p内外、草全体は柔軟で無毛
葉:根元から生え、葉柄のもとには軟骨状の鞘があり、卵形で夏まで残っている.葉片は3出あるいは鳥足状5出、小葉は円卵形、ふちに鈍鋸歯がある.茎は1株から3〜4本出て、葉よりも高くなり、4稜があり、汚紅色をしており、上部に2個の包葉が対生し、柄は短くて3出する
花:4月頃茎の先に淡黄緑色の花を開き、細い花柄がある.がく片は5個で花弁状である.花弁は黄色の密槽状となり、がく片よりも短い.雄蕊は15個内外
丹沢(210328)


トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウ りんどう科
高山にはえる多年草.茎葉円く細長くて立ち、8〜15cm
葉:根出葉は倒皮針形で長く、花茎の脇に多数集まって立ち、下の1対は下部がさや状の筒となり、他の葉を包んでいる.花茎の葉は対生し、広皮針形または皮針形で短く、全縁、基部は合着して短いさや状となる
花:夏、茎頂に鐘状の花を2〜3個つけ、花は淡黄色で緑色の細点を散布し、日光を受けて開く.がくは5裂し、裂片は筒より少し短い.花冠も5裂し、裂片の間に小さい副裂片がある.雄蕊5本、雌蕊1本でともに花筒の中にある
槍ケ岳登山道(190818)


トモエソウ

トモエソウ おとぎりそう科
山野の日当たりの良い草地に生える無毛の多年生草本、60〜90cm
茎:直立して分枝、4稜、上部緑色、下部木質、淡褐色
葉:薄い、対生、無柄、茎を抱く、皮針形、先端尖、全縁
花:夏から秋、枝頂部に大きい黄花、1日花、緑色萼片5個で卵形、花弁5個でゆがんだ形、巴状にねじれ、多数の黄色い雄蕊は5つの束、中央の子房に1本の花柱、長端部5分し、その先端に柱頭
上高地(180718)


トンボソウ(コトンボソウ)

トンボソウ らん科
山林下に生える多年生草本
茎:単一直立15〜30cm
葉:中部以上に小形の針状葉が4〜5片互生、茎下部に2片互生、接近して対生に見える、倒皮針状長楕円形、先端尖、深緑色、軟らかく光沢なし
花:夏、茎先に総状花序、淡緑色小花、花下の針状包葉は細く尖る、花被片は小形、外花被の背片は卵円形で立ち、側片は線形で反り返り草質、内花被片と唇弁は肉質、唇弁は舌状、下部両側に各1個の歯状小突起、距は細く垂れる
箱根(150816)


【ナ行 の 花】


ナツトウダイ

ナツトウダイ とうだいぐさ科
山地に生える多年生草本、30cm
茎:細長い円柱形で直立し、滑らかで無毛、緑色で帯紅紫
葉:互生、無柄、細長い楕円形または倒皮針形、先端は丸く基部は細い、茎先に4輪生、傘型に分枝
花:4〜5月、小花序は一つの花に見える、小総包癒着して壺状赤褐色、1本の雌蕊からなる雌花、1本の雄蕊からなる雄花数個が入る、小総包の腺体は紅紫色三日月形
茅ヶ岳(180528)


ニガナ

ニガナ きく科
明るい草地、高山帯から暖温帯低地、変異に富み多数の変種・亜種が多い
葉:根出葉は2〜4枚、粗い鋸歯、羽状に切れこむ
花:舌状花は5個内外、花冠黄色、まれに白色、冠毛は汚白色50本内外
箱根(170618)


ニッコウキスゲ(正式名:ゼンテイカ)

ニッコウキスゲ ゆり科
山地にはえる多年生草本で、草原に群生することがよくある.高さ50cm内外で概形はカンゾウより小さい 葉:2列に扇形に出て、鮮緑色、幅1,5cmで上半部は湾曲して垂れている
花:7月頃葉心から花径を1本出し、先に短い枝を付け、互いに接して3〜4の花を付け下から順に開く.花色は濃い橙黄色で、昼間だけ開き、漏斗状の鐘形で径7cmくらい.花被片6個、ほとんど同形の倒卵状皮針形で上部はわずかに反り返る.雄蕊6個は花被より短く、花柱は雄蕊より長い
八方尾根(190724)


ネコノメソウ

ネコノメソウ ゆきのした科
各地の山中やふもとの湿った地にはえる多年生草本で、全体は薄緑色
茎:横に伏し節から根を下ろす
葉:対生、葉柄があり、卵形で鈍鋸歯がある.花に近い葉は特に黄色をおびる
花:3〜4月頃、茎頂に薄黄色の小花が集まってつく.がく片4個、やや四角で先端は円く、直立し内側はくぼむ.花弁は無い.雄蕊4本、がく片と対生し、それより短く、葯は黄色.花柱はごく短い
大山南尾根(210328)


ネバリノギラン

ネバリノギラン ゆり科
高山にはえる多年生草本
葉:根生葉はロゼット状に平開し、細長く皮針形で先は尖り、黄緑色で茎より短い
花:8月頃、葉間から20〜30cmの直立した茎を出し、少しの小形葉を互生し、茎の上部には多くの緑がかった黄色の花が細長い穂状につく.どの花も無柄に近い.花被片6、花糸は短く花筒の上部につく
八方尾根(190724)


【ハ行 の 花】


ハクサンタイゲキ

ハクサンタイゲキ とうだいぐさ科
白山、戸隠山など本州中部の山地に生える多年生草本.茎は直立し毛はない
葉:互生、薄質で全縁.長楕円状皮針形で先は鈍くなっているか凹んでおり無柄.茎先で数個の葉が輪生.総包は側枝の先に2〜3個輪生して花序を包み、三角状広卵形を示す.小総包は鐘形で外面が平たく滑らか、腺体は4個、半月状腎形
花:小総包は内に1本の雄蕊を持つ雄花数個と、雌花1個を含む.また基部が裂けた鱗片包葉も含んでいる.子房は柄を持ち柱頭は深3裂、子房は低いこぶ状の突起があり、幼い時には毛がある
白山(200703)


ハナイカリ

ハナイカリ りんどう科
山地の日当たりのよい草原に生える二年草
茎:直立分枝12〜30cm、緑色の細い陵がある
葉:ごく短い柄をもち、対生し長楕円形または卵状皮針形でやや鋭頭、3主脈明瞭で質は柔らかい
花:8〜9月、葉腋に細い花柄数本立て、淡黄色で帯緑色花を多数つける.萼は緑色深4裂、裂片は尖る.花冠は深4裂、裂片下部は線形の距になり、内側に曲がる、雄蕊4本雌蕊1本花冠の中にある
三ツ峠(170903)


ハンゴンソウ

ハンゴンソウ きく科
深山に生える大形多年草
茎:太く1〜2m、帯紫色、根茎は横に節太い
葉:互生、有柄、羽状3〜7深裂、裂片は狭く長い、側裂片は葉の先端に向かって狭角、鋭い鋸歯をもち先端は鋭く尖る.基部は葉柄に流れる.下面に縮れ毛がある
花:7〜9月、茎上端で散房状に多数の黄色頭花が密集し、緑色円筒形の総包の上に1列の舌状花4〜5個と中心に多数の管状花がある、頂に黄白色冠毛
箱根(170924)


ヒメガンクビソウ

ヒメガンクビソウ きく科
やや乾いた山林内に生える多年草
茎:細く全体に短軟毛が密生
葉:基部に多くロゼット状、先は鈍い倒皮針形、不整の浅切れ込みがまばらにあり、茎葉は狭小でまばら
花:夏から秋、茎先で分枝し、枝頂に管状花からなる淡黄色の小頭花を下向きに開く、頭花は円柱形4mm、頭花の基部には1〜2の包状葉がある
金時山(160906)


ヒメキンミズヒキ

ヒメキンミズヒキ ばら科
丘陵地や山地の樹陰や沢筋にはえる.多年草で貧弱な根茎がある
茎:細くまばらに分枝し、全体に毛がはえる
葉:奇数羽状複葉で3〜5個、まれに7個の小葉からなり互生するが、茎の基部に集まる傾向があり、上〜中部にはまばらにつく.小葉は薄い草質で楕円形または倒卵形、先は鈍形または円形、基部はくさび形で、ふちには全体にわたり円みのある粗い鋸歯があり、裏面には半透明の腺点がある
花:夏に頂生の総状花序を出す.花は黄色、萼筒は小さい.花弁は5、長楕円形、雄蕊は5〜8本
箱根外輪山(210804)


フジオトギリ

フジオトギリ おとぎりそう科
富士山および乗鞍岳付近に生える無毛の多年生草本
茎:丸く、稜線不明瞭
葉:対生し、細い線状楕円形、無柄で基部は茎を抱く、黒色油点、縁にも黒点
花:夏、枝の梢が上方でわずかに分枝し、5花弁の黄花を数個、萼片5個、長楕円状皮針形、先端はやや尖る、黒点黒線、花弁9mm、雄蕊多数雌蕊1本
富士山六合目(170806)


【マ行 の 花】


マルバダケブキ(マルバノチョウリョウソウ)

マルバダケブキ きく科
深山の草地に生える大形多年草
葉:互生、下葉は長柄、腎臓状円形、基部は深心臓形、多数の鋸歯があり洋紙質、茎葉は2個
花:夏、茎頂で密に毛のある枝を分け、散房状に大きな黄色い頭花をつけ、大型の舌状花が10個内外、中心に管状花が多数集まる
西丹沢(170910)


ミツバツチグリ

ミツバツチグリ ばら科
山地や原野に生える多年生草本
茎:根茎は短いが肥大して硬い、ひげ根を密生、先端から根生葉、花茎およびほふく枝を束生、全体に粗毛
葉:長柄の3出複葉、小葉は倒卵状楕円形または楕円形、先端は円形または鈍形、基部はくさび形、ふちには鈍鋸歯がある.ほとんど無毛であるが、下面脈上に粗毛がある.托葉は卵形で全縁
花:春、15cmくらいの花茎を出し、淡黄色花を集散状につける.がく片は披針形、先端は鋭尖形、副がく片は線形でがく片より短いが、ともに外面の下部には粗毛が多い.花弁は倒卵状円形、先端は凹形
金時山(170507)


ミツマタ

ミツマタ じんちょうげ科
中国から日本に渡ってきた落葉低木で広く各地に栽培される.高さ1〜2m位、幹は直立し、枝は3本ずつに分かれ黄褐色、若い枝は緑色で毛を帯びる
葉:薄く、葉柄があり互生、広皮針形全縁で鮮やかな緑色.秋の終わり頃、落葉する時には既に枝先に1〜2群のつぼみが垂れ下がってついており、早落性の葉状の包葉がある
花:春、新しい葉に先だって黄色の頭状花を開き、ハチの巣に似ている.がくは筒状で4裂、外面に白く柔かい細毛が密生し、内面は濃い黄色で毛はない.雄蕊8本、雌蕊1本
樹皮の繊維は強く良質で、製紙の原料として有名
日本名三叉は、枝が3本に分かれていることから
丹沢不動尻(210314)


ミヤマオトコヨモギ

ミヤマオトコヨモギ きく科
高山帯の砂礫地または岩壁などに生える多年草
茎:著しく分岐する地下茎から多数の茎が斜上または直立、若いときは絹毛
葉:花を付けない枝の葉はロゼット状、有翼の柄、倒卵状へら形で先鋭、欠刻状の鋭鋸歯、洋紙質、上面緑色、下面軟毛、のち無毛、花茎上葉は互生、無柄の倒皮針状へら形
花:夏、茎先に総状または複総状に頭花、長小柄の先に下向き、黄色の管状花のみ、総包片は楕円形、先鈍い、背部黄緑色
富士山麓(170806)


ミヤマキケマン(フウロケマン)

ミヤマキケマン けし科
山中の陽地に見られる二年生草本.陰地にもはえ、大形にならない
葉:葉柄あり、やや白っぽい緑色で紫褐色を帯びる.再羽状に裂け、最終裂片は卵形で各々が更に1〜2回羽状に深裂、各々線状長楕円形
茎:1株で多数の茎
花:4月頃各枝先に、多数の黄色やや大型の花を持った総状花序をつける.包は皮針状卵形または卵形で先端尖、時に深い歯状に切れる.花冠は長さ17mm、一方に大きく唇状に開き、他方はややふくれた鈍形の距.6本の雄蕊は両体
両神山(190509)


ミヤマキンバイ

ミヤマキンバイ ばら科
高山の日当たりの良い多少湿った地にはえる多年生草本で10〜20cmくらい
葉:根元から束生する長柄をもった3出複葉で小葉は倒卵形または斜卵形、先端は円形、基部はくさび形、縁に8〜10個の大形の歯牙鋸歯がある.上面はやや無毛、下面に細毛をまばらに生ずる
花:8月、茎頂に径2cmくらいの黄花が数個つく.萼片は卵状皮針形、先端はやや鋭形.副萼片は楕円形、萼片とほぼ同長で幅はやや広いことがある.ともに外面に粗毛を生ずる.花弁5、鮮黄色で基部は濃色、倒卵状円形、先端は凹む
日本名:深山金梅
富士山麓(190702)


ミヤマキンポウゲ

ミヤマキンポウゲ きんぽうげ科
亜高山、高山の湿った草地にはえる多年草で、渓流沿いや雪田の周辺でしばしば大群生をつくる.代表的な日本の高山植物の一つで、著しく幅の広い形態的変異を示す
葉:根生葉は3〜5個あり、葉柄は長く、腎円形で掌状に3深裂し、裂片は倒卵形、円頭でさらに切れ込み、終裂片は披針形.茎葉は根生葉と同形だがより小さく柄が短い
花:7〜8月、花茎の先端や葉腋に集散状に黄色い花をつける.花弁も5個で平開し、くさび状広倒卵形、強い光沢があり、ほとんど無柄.内面の基部に倒台形の鱗片があって、この鱗片と花弁の間に密腺がある.がく片は黄緑色で5個、有毛.雄蕊雌蕊多数.集合果は球形
そう果:花柱がくちばし状になって残り、かぎ状に外曲する
※ウマノアシガタ(キンポウゲ)よりも深山にはえるから
富士山麓(170806)


ミヤマコウゾリナ

ミヤマコウゾリナ きく科
高山帯の草原などにはえる多年草で、茎や葉に赤褐色の短い腺毛と汚褐色の長い粗毛が多く、茎の高さ30cm内外
葉:互生し、長い倒卵形で、基部はやや茎を抱き、へりにはまばらで低い鋸歯がある.根葉は花時にも生存し、下葉と同じく大形
花:8月頃、茎の先端に数個の頭花が着き、花径は1,5〜2cmくらい、黄色の舌状花だけが着く.総包は黒っぽい緑色で7mm、外片は内片の半分以下、線形で鋭く、背面には茎や葉と同じ毛がある
日本名:深山コウゾリナ.コウゾリナとは別属
槍ケ岳登山道(190818)


ミヤマダイコンソウ

ミヤマダイコンソウ ばら科
高山にはえる多年生草本.根茎は肥大して斜上し、全株に粗毛がはえる
葉:根生葉には長柄があり、頂小葉の大きい羽状複葉で粗毛をかむる.頂小葉は円形、径10cmくらい、まったく切れ込まないか、またはやや3裂し、不揃いの歯牙状の鋸歯があり、基部は浅いかあるいは深い心臓形.側小葉は小形で多くは目立たないし関節がない.茎上葉は円形、基部は心臓形で無柄、托葉はほとんど葉柄にゆ着する
花:花径は高さ20cm、多くはまばらに分枝.花は鮮黄色で夏に開き、径2cmくらい、茎頂に1個または数個つく.萼片は5、三角状広皮針形.花弁は倒卵状円形、わずかに先端がくぼみ、萼片よりやや長い.雄蕊多数、花柱は直立
八ヶ岳(190620)


ミヤマネコノメソウ(イワボタン、ヨツバユキノシタ)

ミヤマネコノメソウ ゆきのした科
山地谷川の縁などに生える多年生小草本
茎:帯紫色
葉:対生、長柄、下部およびほふく枝先端の葉は大形、対生葉明瞭、卵形あるいは広卵形、鋸歯、緑紫色、葉面に汚れた白斑、花序の葉は細長い
花:4月頃、茎頂に枝、淡黄緑色の小花、萼片4、卵形平開、花弁なし、雄蕊8本、萼片より長い、葯は黄色または黒紫色
箱根(210423)


ムカゴネコノメソウ

ムカゴネコノメソウ ゆきのした科
箱根(210423)


メタカラコウ

メタカラコウ きく科
深山の湿地に生える多年草
茎:直立、分枝せず無毛、帯赤紫色
葉:根葉は長柄、心臓状三角形、角は鋭尖短い尾状、両側の広がりはやはず形、不整歯状の鋸歯、茎葉3個、上部は小さく葉柄の基部は葉鞘
花:秋、茎先に短柄の長い総状黄色頭花、1〜3個の雌性舌状花、中に6〜7個の両性管状花、花軸に縮れ毛密
涸沢(170818)


【ヤ行 の 花】


ヤブヘビイチゴ

ヤブヘビイチゴ ばら科
山地の林の縁などに生える多年生のほふく草本
茎:地上を這って長く伸び、全体に絹毛
葉:長柄の葉をまばらに互生、濃緑色、小葉も大きく3〜4cm、側小葉は更に2裂、小葉は卵形、先端やや鈍形、基部は鋭尖形、支脈は斜めに並行して縁に届く、縁に鋸歯、葉柄基部に先尖の卵形膜質托葉
花:春、葉腋から出る有毛の花柄上に1個、黄色.萼片副萼片は5、目立って大きい.萼片は卵状皮針形で尖り、副萼片は広い倒卵形で浅5裂で緑色.花弁5、水平開出、長楕円形.雄蕊多数黄色
花後:花托は球状にふくらみ光沢のある真紅色、径2cm無毛
三浦アルプス(180408)


ヤマオダマキ

ヤマオダマキ きんぽうげ科
山地に生える多年生草本
茎:直立、まばらに分枝、しばしば褐紫色
葉:根葉は長柄、2回3出の複葉、小葉は広くさび形または切形状くさび形2〜3深裂、あるいは尖裂、裂片くさび形で2〜3の鈍頭歯牙、上面緑色、下面やや粉白色
花:5〜6月、上方で分枝、下向き大型花、萼5個褐紫色、半開、卵状皮針形、先端狭鈍形、花弁5個、直立して萼片と互生、長楕円形で萼片より短、上部淡黄色、基部褐紫色やせた距、内側に曲がり花外に突き出す、雄蕊多数雌蕊5個
三つ峠(170709)


ヤマネコノメソウ

ヤマネコノメソウ ゆきのした科
人家附近の日陰、石垣の間などにはえる多年生草本
葉:3〜4枚の根生葉は円形、基部心臓形、長柄、縁に低い鈍鋸歯
茎:高さ10〜15cm、3〜4の鋭い稜、小形の葉を2〜3枚互生
花:早春に茎先に花弁のない細かい緑色の花、花下に倒卵形あるいは卵円形の葉状の包葉.萼片4個、広卵形、先端鈍形、開出して緑色.雄蕊8本、花糸短い.2個の花柱は平板状の子房上壁に互に反り返って立つ
さく果:初めは2角状、5月頃開裂、低く平らな4個の小片が開き杯状、底に暗褐色の小さい種子
※日本では本属の種類は多いが、ほとんど対生葉で、互生の種類は少ない
丹沢(220321)


ヨゴレネコノメ

ヨゴレネコノメ ゆきのした科
箱根(210402)


◇表紙   ◆白い花  ◆赤・紅・橙色の花  ◆紫色系の花   ◇ページTOP