山梨まんまだより11号
                                     2005年5月7日

新緑の5月。目に映る緑がまぶしい季節となりました。花の時期の桜もいいけれど、緑まぶしい葉桜もまた格別です。木立全体が花で覆われ、それが終わってから新緑の葉がでる梅や桜、桃は不思議ですね。自然の驚異を感じます。
 さて、先日マイクロサージャリーによる乳房再建術に関する患者同士のオリエンテーションに参加するために、横浜市立大学付属市民総合医療センターへ行ってきました。ここは横浜市の市立病院にあたるわけですが甲府市とは規模が違う。建物の大きさや設備がぜんぜん違いました。今回オリエンテーションに参加した形成外科では、5名の医師が外来に所属していました。自治体の規模が違うので致し方ないとは思いますが、住んでいるところによる医療環境の格差はどうしようもないのでしょうか?医療水準の平均化が測られるといいですね。そのときの感想を中心に今回のまんまだよりをお届けいたします。
                

マイクロサージャリーによる乳房再建のオリエンテーション

 4月7日・金曜日・快晴・桜はほぼ満開。が、27メートルの強風の中マイクロサージャリーを使って乳房再建を手がける『横浜市立大学医学部付属市民総合医療センター』形成外科・佐武 利彦Drの患者同士のオリエンテーションに参加した。Kさんの予約に私がついて行ったのだ。そのときの様子を報告する。
 横浜フリー切符4080円を使いあずさで甲府を出発。特急券を八王子まで(800円)まで求め、八王子で横浜線に乗り換える。JR桜木町の近く横浜市営地下鉄「坂東坂」で降り、徒歩5分。屋上にヘリポートを設備し、救命救急棟を合わせ持つ15階建ての巨大な建物が目指す病院だ。出迎えてくれたボランティアスタッフに我々の名前を告げると、既に山梨から来ることが伝えられていたようで、なんとなくほっとした気持ちで受け付け手続きを終えた。形成外科は2階。待合のベンチは5人がけが10台ほどあるが、立ってる人がいるほどの混雑振り。外来診察室隣にカンファレンスルームがあり、そこを提供してもらった。4人がけのソファーが2台とテーブル。補助の椅子が4台。4人の再建経験者と8人の再建手術待機者が集まって、経験談や質疑応答を行った。

―再建経験者の内訳―
マイクロサージャリーによる深下腹壁動脈穿視通枝皮弁乳房再建術3名
腹直筋皮弁形成術1名

 実際にそれぞれの傷痕を見たが、見た目は私が行った腹直筋皮弁形成がきれいだった。個人差があるので一概には言えないが、手術時間と移植に使える部分との兼ね合いを充分に検討することが大切なのだろう。全身麻酔で行う手術なので、脳への侵襲を考慮するといたずらに手術時間を延ばすわけにはいかない。手術を受ける者が何を望んで選択するか、その判断が難しい。しかし、選択するにもいろいろな条件がわからないことにはお話にならない。今回のミーティングでさらに患者が知識を持つことの必要性を感じた。手術をする際の大きな選択肢を紹介する。

用語の説明

深下腹壁動脈穿通枝皮弁乳房再建術
  簡単に説明すると、おなかの脂肪を太い血管をつけたまま取り、それを胸に移植する。その際、血管同士を顕微鏡下で縫い合わせる。その作業をマイクロサージャリーと呼ぶ。手術時間は個人差が大きいがかなり長時間に及ぶ。今回の例では15時間くらいかかったようだ。おなかには右から左の腰骨くらいまで傷ができる。しかし、移植するのは脂肪だけなので、定着させるのが難しいが、定着してしまうと術後の経過は早い。

腹直筋皮弁形成乳房再建術
  おなかの脂肪を腹直筋につけたまま皮下をくぐらせて乳房の位置に移動し、縫合する。栄養供給しながらの移植になるので無理なくできるが、術後の安静が必要。手術時間は5時間くらい。おなかには右から左の腰骨くらいまで直線の傷ができる。


乳がん自体の手術に関して決めなければならない二者択一(迷う余地がない場合もある)

乳房全摘・・・初期の場合は正常な部分まで大きくとるので放射線治療の必要がないことが多い。したがって皮膚のダメージが少なく再建がしやすい。
乳房温存・・・部分的に切除、または残す手術。現在は主流になりつつある。しかし個人的な感想だが、外見的なQOLを考えると温存にこだわった場合、あとの形成が難しくなることがある。具体的に言うと、放射線治療後の皮膚はダメージが大きい。また、摘出の場所やサイズによっては温存の意味がない場合がある。

手術前に知っておきたかったことだが知識として整理してみた。

山梨まんまくらぶ

400-0031 山梨県甲府市丸の内2-35-1
山梨県ボランティアセンター内
:055-224-2941/Fax:055-232-4087
email : yamanashi_mamma@ybb.ne.jp

山梨まんまだより10号
                                  2005年4月2日

まんまくらぶ』も2年目を迎えました。まだまだ駆け出しで足取りが安定していませんが、息の長いいよいよ4月。新しい年度の幕開けです。気のせいか日差しも明るく、草木も輝いて見えます。『山梨活動にしていきたいと思っています。皆様のご協力をお願いいたします。さて、前にも書きましたが、乳がん検診の必要性を啓蒙するための寸劇を取り入れてみたいと思っています。まだ発表の場が決定しているわけではありませんが世間への乳がん検診の大切さ啓蒙のためと、自分の解放のために参加してみませんか。初めは照れくさくて、気恥ずかしくて、なんとなく乗る気がしないかもしれませんが、きっと楽しくなると思います。ちょっとした女優気分を味わうのもおつなものかも・・・。いつでも結構ですので参加してみたい方は若尾までご連絡ください。        
 今回の『まんまだより』は東京で活躍する「イデアフォー」のアンケート結果をお知らせいたします。乳がんの手術に関し、日本全体を見渡すとどのような状況になっているのかがわかると思います。ここ山梨においても患者主体の医療体制が少しでも前進することを目指したいと思います。                                 山梨まんまくらぶ   若尾 直子
                    
 東京で活動する乳がん患者団体『イデアフォー』が行った2003年のアンケート調査によると、乳がん治療法は施設によりかなりばらつきがあることがわかった。以下、朝日新聞に掲載された情報をピックアップしてお知らせいたします。(掲載日2005年1月31日)
 アンケートは全国383施設を対象とし、回答が得られたのは171施設。そのうち公表に同意した156施設の回答を掲載した。

 以下その結果
 2003年1〜12月の新規患者  約16500人
 1施設の手術件数 0〜785人

 乳房温存療法を実施した割合 平均53%
 島根大病院では100%
 60%を超える施設は30施設、20〜30%台は46施設

 リンパ節への転移が疑われなくても切除する施設 41%
 転移がないかを確認するセンチネルリンパ節生検を実施している施設 63%
 そのうち年間手術300人以上の施設では100%の実施率

 腫瘍内科医(抗がん剤の専門医)がいる施設 28%
 緩和ケア病棟がある施設 19%

 この調査の中に山梨県の医療施設が含まれているのかはわかりませんが、日本の乳がん治療の現況として知っておくことは、自分の受けている治療法を他と比較する上での目安になるものと思います。

山梨まんまだより9号
                               2005年3月5日

春一番も吹きいよいよ春。ひな祭りの季節となりました。ふと気づけば足元にチューリップの芽。新しい芽吹きをあちらこちらで見つけることができます。
 今回のまんまだよりは、2月26日(土)に県立文学館で行われたPETに関する市民公開講座を中心にお届けしたいと思います。講座の内容は若尾個人のレポートですが右のページでご覧ください。
 ここではそのときに感じた諸々を記したいと思います。まず受講者の多さに驚きました。県立文学館の講堂がほぼいっぱいでした。比較的若い方から少し足元がふらふらしている高齢の方まで多くの人が熱心に聞いていました。こんなに関心を持っている人がいるのだと思いました。皆さん自分や身近な人の健康を心配し、少しでも納得する診断や治療を受けるため、また、下された診断の重さを受け止めるために一生懸命なんだと思いました。最後に行われた質疑応答でそのことはもっとはっきりしました。今回はPETと言う核医学を利用したがん診断の有効性や注意事項などを一般の人にわかりやすく説明するための講座だったのですが、質疑応答で出された質問はほとんどが個人的な質問でした。例えば「私は○○歳の男です。5年前に手術をしたのですが現在めまい、立ちくらみ、振るえ・・・等々あります。これは何でしょう」とか、「腫瘍マーカーが高い値を示しているのですが、PETを受けるべきでしょうか?保険は利きまか?」など、まだまだ続きます。これは開催者に言わせるとピンとはずれな質問なのですが、会場に来た人たちは誰に聞いていいかわからないことを思いきってぶつけてみたのだと思います。たとえピンとはずれでもこのような機会が開催され、それに参加し、いろいろな意見をぶつけ合うことは必要なのだと思いました。
                                 山梨まんまくらぶ   若尾 直子

 第4回市民健康講座「PETが変えるがん治療」
                                           2005年2月26日
                                            県立文学館
講師:東京女子医科大学 放射線科教授 日下部 きよ子

【はじめに】 
 がんはなぜ怖いか?
 自分の細胞であるにもかかわらずがん細胞が恐ろしいのは、無限に増殖し、転移・浸潤するところにある。
 それを少しでも早く、また適切な方法で発見し治療に結びつけることが大切。その方法のひとつにPETによる検査がある。

【PETとは】
 がん細胞が栄養として使うブドウ糖に放射性同位元素で目印をつけ体内に入れると、がん細胞は分裂するために栄養としてこのブドウ糖を取り込む。その際、γ線を放出するが、それを特殊なカメラで捕らえた写真がPET診断で目にする画像。

【PETの利用】
 PETをがんの診断や治療にどう利用するか
金銭的なことを無視できれば、定期的にPET画像を撮影しておけば体内のブドウ糖の取り込みの変化が時系列的に記録できる。しかし一回の検査に10万円前後かかる事を考えるとすべての人が行えることではない。では、どうするか???
 現在の日本の保険制度の中で実行可能な方法は、定期的な検診と腫瘍マーカー・超音波・CT・MRIによる基礎検査を受けた上で、それに基づいた医師の紹介によるPET検査ということであろう。
 また、予防医学、つまり『転移があるかもしれない』とか『抗がん剤の効果がどの程度あるか』と言う理由では保険は利かないが、いろいろな検査の結果、転移や浸潤が疑われるとき、医師の紹介によってEPTを受けることは保険適用になる。気になる人や該当する人は医師に相談してみるといい。

【まとめ】
 このように、便利で有効な核医学の発達により様々な情報が手に取るようにわかる時代になってきたが、せっかく撮影されたPET画像もそれを読影できる医師がいなければなんにもならない。その点はいま性急に取り組まなければいけない課題のようだ。ここ山梨県においては、PETを持つ甲府脳外科病院と山梨大学医学部のドクターが提携し、PET画像の読み取りの精度を上げているという。

【参考】
 甲府脳外科病院による報告では2004年9月からPET検査を受けた人は約600人。
そのうち、がん発見率は2.1%。
 一般の人間ドックでのがんの発見率が 0,15%くらい。CT・MRI併用でも  0.79%くらいであることを考えると確かに有益な検査だと思われる

山梨まんまだより8号
                                  2005年2月5日


                

節分が過ぎ、立春。
 まだまだ寒い日が続きますが、春の足音が聞こえてくる季節となりました。
 『山梨まんまくらぶ』も春の芽吹きにあやかり、2005年は新しい活動に取り組んでみたいと思っています。くらぶの宣伝を兼ねた演劇活動です。劇に出演する人、準備に協力する人、裏方で支える人・・。いろいろな形での参加ができると思います。一緒にやってみませんか!定例会のおりに申し込んでいただくか、若尾まで連絡をお願いいたします。
                      

 『山梨まんまくらぶ』の新しいポスターができました。ピンクが基調のきれいなポスターです。掲示してくださるところがありましたらお願いしてください。乳がんの情報が必要な方や、ちょっと相談したい人にくらぶの存在をお知らせしていきたいと思います。       
                  


 最近の話題からピックアップした薀蓄

混合診療について

 最近新聞紙上などに頻繁に取り上げられている話題のひとつに『混合診療』があります。この混合診療は、我々診療を受ける側にとって多くの場面で関係してきます。
 では、どんな場面が想定できるでしょうか・・・

 乳がんと診断され、乳房全的手術を受ける。その際の費用が保険適用され30万円とする(自己負担3割で計算したので、総額は100万円)。その時同時に乳房再建術を受ける。この行為は自由診療なので全額自己負担となり、50万円とする。この場合の総支払額は乳がんの手術も保険適用からはずされるので150万円 となる。

 このほか、未承認の薬を使った場合などにもこのようなことが起こります。

 混合診療が完全に解禁されると、無制限に未承認の医療行為が横行し、患者の安全を確保できないと言う意見や、貧富の差によって医療の質が大きく変わるなど、反対理由もたくさんあります。

 厚生労働省が最終的に決定するわけですが、医療を受ける側の意見をもっともっといろいろな形で伝えなければいけないと思っています。

 レストランで食事をするときは、メニューを見て金額や食材を検討し注文するのに、自分の命にかかわる手術の時にはその費用さえ払うときまで判らないなんていけませんよね。
もっと自分の受ける医療に対し、関心を持たなければと反省しました。
 これからも皆さんと勉強していきましょう。

 混合診療とは
 医療行為を受けたときの医療費請求の仕組み。
一般的に医療費は健康保険でまかなえる範囲で請求されています。しかし、保険適用外の治療を受けたとき請求される医療費が、保険適用されるはずの分も含めて自己負担になる仕組みが今の混合診療です。例えば、乳がんの手術を受けたとき、乳房再建(保険適用されず、基本的には自由診療としてすべて自己負担)を同時に受けると本来保険適用されるはずの乳がん手術の費用も自己負担になると言うことです。患者の選択肢を広げるか、医療の平等と安全性を重視するかで議論が分かれています。

山梨まんまだより7号
                                2005年1月8日

あけましておめでとうございます。
   2005年もよろしくお願いいたします。



2005年イベント第一弾

 今年も定例会を含め、さまざまな活動を通して親睦を深めたいと思います。
みなさまのアイデアをお寄せください。
 親睦会第一弾として下記の行事を予定しています。
みんなでプールに飛び込みましょう!!!
 

¨場所 :甲府富士屋ホテル
¨日時 :3月13日(日)14日(月)            
¨内容 :プールデビュー・温泉・豪華夕食
¨費用 :おおむね12000円

また、大まかな予定ですが今年は下記のような年間スケジュールを予定しています。
2005年山梨まんまくらぶ年間スケジュール           
1月
2月Pet講習会聴講
3月お泊り親睦会
4月
5月
6月演劇準備
7月
8月
9月
10月市民公開講座(演劇で参加)
11月ふれあい交流広場 フリーマーケット開催
12月河口湖マラソン参加(3km)


       お願い
計画したいイベントがあったらご提案ください。

 2004年12月4日 定例会の報告
                     ボランティアセンター学習室3
2004年最後の定例会の報告をいたします。
 8名のメンバーでのピアカウンセリングとなりました。新規の会員さん2名を迎えてのピアカウンセリングはとても有意義な内容でした。皆さんそれぞれドラマを持っていて、お互いに話し合うことにより、自分の人生に生きるヒントを与えてもらったように思いました。
ここに少し紹介いたします。

 乳がん宣告から手術を終え治療中の現在に至るまで、思春期の息子さんに伝えることができず悩むYさん。全部自分の中に抱えてしまい精神的にとてもまいっている。すると、同じような家庭環境を持つSさんが、自分の体験を話してくれた。

 Sさんの話:手術の前日、息子に「お母さん明日胸の手術に行ってくるね」と多くを語らず伝える。手術に立ち会ってほしい気もしたが、いつも自分勝手に遊び歩いている息子はその日、試験日だったのだ。いつも親の言うことを聞いてくれない息子に少し手を焼いていた。親の気持ちなんかわかってくれてないと勝手に思っていた。ところが翌朝、自分の携帯電話の下にその息子からの手紙がはさまれていた。内容は「おれが心配ばかりかけさせたから母さんがこんな病気になってしまったのかもしれない。俺も試験がんばるから、母さんも手術がんばれよ」・・・親子として気持ちが通じ合っていることに気づき、精神的にとても楽になった。今でもその手紙は私の宝物です。

 それぞれの人が、それぞれの立場を持ち、それぞれに悩みを抱えていますが、障害や病気が新しい環境へのきっかけになることも多いと思います。ちょっとした意識の持ち方や、新しい仲間との出会いが人生を前向きに進む手助けになっていきます。まさに、『一人で悩んでないで!きっと仲間がささえてくれる』ではないでしょうか。

 つらいことや、どうしていいか考えあぐねていることをお互いにピアカウうせリングして1度しかない人生を、楽しく有意義なものとしていきましょう。いろいろなアドバイスをお願いいたします。

山梨まんまだより6号
                                      2004年12月4日

寒くなってきました。みなさんいかがお過ごしですか?
ちょっと遅くなりましたが、10月1日に有楽町で開催された『ピンクリボン・シンポジュウム』の報告をいたします。中村 清吾ドクターの講演を聴くと、いつも元気がわいてきます。多少過誤があるかもしれませんが、参考になれば幸いです。

 2004ピンクリボンシンポジウム
「ピンクリボン あなたの笑顔のために 〜乳がんに負けない〜」
                            2004年10月2日(金)有楽町朝日ホール  
                     特別講演 「乳がんの最新治療戦略―2004−
                        中村 清吾Dr 聖路加国際病院外科医長
要約
 乳がんにかかる日本人は比較的少ないといわれています。確かに、アメリカの女性と比べると1/6くらいかもしれません。でもこれは日本人だから少ないのではなく、食生活の質の違いによるもののようです。なぜなら、ハワイなどアメリカに住む日本の人種でみてみると、やはり高い罹患率を示すようです。日本の食生活は確実に欧米化しているので、乳がんの罹患率も右肩上がりになっているものと思われます。

 乳がんは成長の遅いガンで、しこりとして触れるまでに5〜10年かかることが多い。あわてる必要はないが、無症状で大きくなることも知っておきたい。
 ホルモン感受性の乳がんは全体の6〜7割 これにはホルモン療法が有効。

◆タモキシフェンの2面性
¨乳房では抗エストロゲン作用・・・乳がんの増殖を抑える
¨肝臓ではエストロゲン作用・・・コレステロールを低下させる
¨骨ではエストロゲン作用・・・骨密度の維持
この働きは、今のところ、女性にとって理想的と言える。
◆イソフラボンはこの2面性を持つが、どこで、どちらの働きをするか確定されていない。よって、通常の摂取を勧める。乳がんに対し抑制的に働くのか、増殖を促進するのか分かっていない。
 また、この術後補助療法において、アロマターゼ阻害剤(アリミデックスなど)の方が有効との見方も出ているが、今はまだ整理されていない。あと1年くらいではっきりするのではないか・・・
◆今まで、ノルバディクスを使用していた人に関して、途中からアロマターゼ阻害剤に切り替える事はbetterではない。なぜなら、ノルバディクスは5年の服用が最良とのデータが出ている。今の段階では、現在ノルバディクスを服用している人はこのまま5年までのみ続けることが良いようです。そして、その後、アロマターゼ阻害剤を使うことに関しては有効なデータは出ていない。

 骨転移に関して
 乳がん細胞は、破骨細胞を活発化させるので骨がもろくなる。この、活性化を抑える薬が開発されている。来年には認可される見通し。その他、つぶれた骨を骨セメントで補強する方法もある。しかし、これは自費診療。

 石灰化について
 多くはミルク由来の石灰 母乳が作られたときの名残。これは心配のない石灰化。一般的に形が均一で丸い
 がん細胞の石灰化
 増殖したがん細胞が重なり合って中心部の栄養補給が絶たれ、死滅した細胞が石灰化として残ることがある。これががん細胞由来の石灰化で、形が不ぞろいで、針状や枝分かれしたものが多い。
 両者の違いは、経験をつんだ読影医ならある程度映像から判別できる。
以上個人的な要約ですが、参考になるところがあれば幸いです。
乳がん治療は日進月歩。本当に日々変わってきています。私たち患者も多くの情報や知識を集め、より良い明日のために努力することが必要だと思います。これからも一緒に勉強していきましょう。

 次に、山梨県のPET事情について報告いたします。
 甲府脳外科にPETが導入され、その説明会がありました。レポートしてきたので参考にしてください。
               PETによる検診
                                2004年9月11日 10:03〜12:00
                                         ベルクラシック
 東京女子医科大学 放射線科教授  日下部 きよ子 
                                 座長  甲府脳外科 宮沢Dr
●PET検査の実用・・院内サイクロンの開発で実用化
半減期が短いアイソトープを使うので、検査当日にポジトロン薬剤を合成しなければならない。
東京女子医での費用     ***** 保険適用― 75,000円  ***** 自由診療―130,000円
¨保険適用されるもの------鑑別 再発 転移など
¨適用外      ------治療効果の判定 早期発見 術後・予後の推定など
術後の定期検査においては、怪しいエピソードがあれば保険適用となる
●甲府脳外科では9/28からPET・CTを1台追加予定
10/1から、2台で稼動。1日約20名くらい対応できる。
●被爆量の問題
1.1回あたりの胸部X線・・・0,03mSV
2.自然界からの被爆・・・・・2,4mSV
3.PETによる被爆・・・・・・3,5mSV
4.その他核医学検査による被爆はもっと多い。
5.PETを受ける被験者に付き添っていて受ける被爆量は0,03mSVくい
6.この被爆量を多いとするか、少ないとするか、それは個人の判断
●PET検査の特徴
¨ブドウ糖の取り込みの強さでガンの性質が推測できる。活発に活動し、増殖している悪性度の高いガンは、濃い影像として写る。
¨ブドウ糖の取り込みの程度は[SUV]という単位で表す。 SUV2を境界とし、これ以上だと要注意。(SUV1.7などは微妙)
¨ただし、早期胃がん、肝細胞ガンなどはもともとブドウ糖の取り込みが少ないガンなので、PETによる検査では、判別が難しい。
●影像の読影
¨正常なブドウ糖の取り込みと、異常な取り込みを判別。その根拠をレポートとして検討するので、システムとして、見落としや誤読は少ないと思う。
¨正常なブドウ糖の取り込みの影像とは、組織としてブドウ糖を必要とする臓器や、膀胱などに写るもの。
●注意
¨検査に当たり、血糖値を正常化に近づける(糖尿病の人は注意)
¨血糖値として200くらいにコントロールしておく、当日のインシュリンは打たないなど、Drとの打ち合わせが必要。そうでない人も検査前5時間は糖の摂取を避ける。
¨検査後は他人への被爆を避けるために、人ごみに行かない。特に妊産婦や小児のそばには近づかない。
●他の検査(血液検査、MRI、胃カメラなど)との併用で、選りすぐれた結果が得られる。さて、あなたはこの検査をどう受け取るか、この値段をどう受け止めるか・・・

 いずれにしても、患者である我々の選択肢が増える事は、喜ばしいことだと思います。

  山梨まんまだより5号                                                            2004年11月6日

第1回乳がん市民公開講座を終えて
                                           若尾 直子
 10月2日(土)県立文学館で上記公開講座が開催されました。山梨県で行われた初めての乳腺疾患に関する講演とパネルディスカッションです。山梨県の「乳腺疾患研究会」のドクターが中心になって計画してくれた公開講座です。このドクターたちの気持ちは、私たち患者にとってとても心強いものに感じられました。また、医療を受ける側と提供する側が、同じステージ上で話ができたことにとても大きな意義があったと思います。研究熱心なドクターたちに「山梨まんまくらぶ」の存在を知ってもらったことも大きな収穫だったと思います。今回は初めてということもあり、いろいろな面で反省点もありましたが、その点を踏まえ、次回の開催に繋げていきたいと思います。今回のまんまだよりはこの公開講座の報告を中心にお伝えいたします。

 第1回乳がん市民公開講座
  ―― 乳がんの検診方法を学びましょう ――
  日   時  :平成16年10月2日(土) 14:00〜16:00
  場   所  :山梨県立文学館 講堂
  総合司会 :加藤 邦隆 Dr(市立甲府病院・外科)
  開会のあいさつ:今村 公一 Dr 

 市民公開講座の役割の1つは、医療を受ける側の人間の声が医療を良い方向に動かす原動力になっていくきっかけになることにある。今日、乳房温存手術が広く取り入れられるようになったきっかけは、イタリアのあるDrが、乳がん手術の後遺症に悩む女性たちの声を聞き、何とかしてあげようと思ったことがきっかけだったようです。こういった講座や、それぞれの意識の持ち方でよりよい医療環境にしていきましょう。

¨腰塚 浩三(山梨大学医学部・第2外科) 乳がんてどんな病気
¨井上 慎吾(山梨大学医学部・第1外科) どのような検査方法がよいのか
¨柚本 俊一(山梨厚生病院・外科)    乳がんの精密検査はどうするか

要   約
 マンモグラフィなど画像検診の実施率は、山梨県の場合約67%(石川・富山は100%)
受診率になるとH14年度の統計上の数字では13.3%
  他県に比べ、検診内容の貧困さも気になるところだが、受診率の低さはもっと重大。
  バリウムで胃がん検診をした際胃がんがみつかる率より(1000人に1人くらい)、エコーやマンモで乳がんが見つかる率(1000人に2〜3人)のほうが高い。だから乳がん検診をもっと広く浸透させたい。また、確かに乳がんの罹患率は増えているが、いたずらに受診を怖がる必要はない。柚本Drのデータでは、マンモを受けた人の90%はセーフ。残り要精検10%のうち乳がんと思われる人は数%。それに、乳がんの10年生存率は他のガンに比べとても高い(90%)ので、早期発見、早期治療が非常に有意義と言える。
 40台〜60歳くらいまでの女性に限って言うと、胃がんの罹患率より乳がんの罹患率のほうがはるかに高い。この事実を正確に受け止めなければならない。
 25人に1人が乳がんになるといわれている現在、乳がん患者の80%は自己検診で異常に気づき、受診している。個人が自分の体を知る事は、乳がんに関しとても重要と言える。

 市民と医師のパネルディスカッション
¨司  会  : 野方 尚(社会保険山梨病院・外科)
¨医  師  : 村松 昭(県成人病検診 乳がん部会 会長)
l: 飯塚 恒(甲府共立病院・外科)
l: 中込 博(県立中央病院・外科) 
¨武川村保健師:中嶋 登美子
¨市民代表  :青木 道子(増穂町 さくらの会)
l:田中 宏昌(甲府市 さくらの会)
l:若尾 直子(山梨まんまくらぶ)

 武川村は検診車で乳がん検診を勧めている。受診率は県下ベスト2(1位:明野村・・3位:早川町)。このように受診に対して個別の情報提供ができれば受診率はもっとアップし、早期発見に寄与できるが、多くはどこで受診してよいか?いつ、どんなときに受診すべきかわからない。受診環境の整備が必要と思われる。また、女性にとってとてもデリケートな部分であるだけに、女性の医療従事者に診てもらいたい。
 そして基本的なことだが、検診はあくまで何もない人が受けるもの。しこりや痛み、腫れなど気になる症状がある場合は、必ず外科、特に乳腺外科を受診すること。しこりに気づいているのに検診で異常がないと言われ、安心してしまうのはとても危険。受診と精密検査の違いを知ってもらいたい。
 ともあれ、このように医療を受ける側と与える側が同じフロアで意見交換できる事はとても重要と思われます。それぞれの立場でしか見えないことも多く、両者が同じ目的のために情報を出し合えば、よりよい乳がん治療の医療環境になると思います。これを第1歩に、かれらかこの公開講座を定例の行事と位置づけてもらいたい。
 現在、マンモグラフィ導入を予定している病院もいくつかあります。マンモグラフィ精度管理中央委員会で認定する読影医師、放射線技師の育成もすすんでいます。それらをふまえて、近い将来、適当な検診施設、精検施設が指定されることと思います。

 「第1回乳がん市民公開講座」に思う
                                          三井 眞由美
 この日の来るのをとても心待ちにしていました。―『第1回乳がん市民公開講座』―県内の優秀な乳腺外科の先生方が集まっての公開講座です。そして、その日集まったドクターの中に、10年前に私の乳がんを見つけてくれた井上先生の顔もあり、講演を聴くこともできました。
講演を聴きながら、10年前の自分自身のことを思い出していました。当時、乳がんの情報などほとんど手にすることができず、患者自体も少なかったように思います。もちろん、公開講座などという情報の場もありません。その中での治療はとても不安でした。乳がん検診では異常なしでしたが、痛みが出てきたので病院を受診すると「乳がんです」とのこと。私自身に知識がなく、どうしていいかわらない中での通院でした。
 今、こうして元気に過ごしている私からの一言を聞いてください。乳がんは、自分自身の手で見つけられる唯一のガンです。正しい知識を多くの女性に知ってもらい、関心をもっともってほしいと思います。そして、その情報の場として、このような勉強会はとても有意義だと思います。
また、乳がんを経験した人たちが多く集まる《山梨まんまくらぶ》は、絶対に必要な会です。一人でも多くの人に乳がんのことをもっと知ってほしいと思います。たとえ乳がんであっても元気に明るく暮らせます!
 「一人で悩んでいる人の力になりたいです」そんな気持ちにさせてくれた公開講座でした。

 第1回乳がん市民公開講座に寄せて
                                                山中淑子
 なにしろ感動ものでした。だって、定例会で話題になっていた先生方が舞台にズラリ。M先生って権威ありそ、N先生って結構イケメン、I先生って真面目そう、な〜んて品定めも。あんまり何回も聞いたお名前だったので、つい錯覚をおこして、ご挨拶しに行きそうになっちゃった。こんなこと「まんまだより」に書いたら顰蹙買いそう。まっ、いいか。でも、大切なことはしっかり聞いてきました。「毎月1回自己触診、2年に1回マンモで検診、症状あったら病院受診。」但し、マンモグラフィーも万能ではないとか。いつも触診して自分の体をよ〜く知っていることが大切なのですね。

 山梨まんまだより4号               2004年10月2日    

私の自慢のドクター
                                           佐野 久美
 昨年(2003年)10月、町の検診で右乳房にしこりがあると指摘されたとき、心臓の持病がある私は、何の迷いもなく病院を訪れた。
 職業柄(私は看護師)すぐに乳がんと思い、早い時期に早い処置を望んだ。12月の細胞診で「がん」とはっきりしたとき、主治医は私の職業を知らなかったせいか、詳しく説明してくれた。そのとき「この先生に私の体を預けよう」と決心した。先生は、自信に満ち、輝いていた。
12月24日手術、1月9日退院と順調にすすんだ。抗がん剤治療は1月22日から始まり、3月下旬まで続いた。この間、副作用として体のだるさ、寒気、精神的落ち込み、そして脱毛が私を襲った。とうとう、知人のドクターをたずね、うつ病の治療薬を処方してもらい、飲んだ。髪の毛は洗髪するたびに抜けていき、3月に入るとほとんどなくなってきた。これが私にとっては一番つらく悲しかった。手術より、放射線治療より、私を痛めつけた。泥沼に入ってしまい、もがいていた時期を、うつ病の薬を内服することによって乗り切った。
私にとって、主治医は「光」だった。診察に行き、先生の顔を見て、会話をするだけでとても救われた。ところが、その主治医が、治療が落ち着いていたある日、何の前ぶりもなく「新たに抗がん剤による追加治療をしたい!!」と私と目も合わせず言った。入院治療の日程まで組んであった。使用するタキセルという薬はリンパ節転移のある人には良い結果が期待できるということらしい。
 頭が真っ白になり、先生の言う事は耳に入らず、ただただガックリとしてしまった。すべてのつらい治療は終わり、後は一ヶ月に一度の定期健診と、ホルモン療法で社会復帰できるとわくわくしていたのに・・・急に不信感がめばえ、「私の抗がん剤による副作用が軽く見え、体力があるので新しい治療法の実験台にされるのでは?」とまで考えた。もう主治医が信用できなくなり、セカンドオピニオンを考えた。脱毛、苦しかった抗がん剤治療はもういやだった。思い切って知人の医師にセカンドオピニオンをお願いし、病院の変更を決意した。ぎりぎりの選択だった。「窮鼠猫をかむ」ではないが、気持ち的に吹っ切れた私は、本来の主治医に、思っていることのすべてをとことん話してみた。先生は、私の話をよく聞いてくれた。そして言った。「僕の言葉がそんなに佐野さん傷つけてしまったのか・・・佐野さんはまだ若い。長生きしてほしいからね。でも、これは選択肢の問題だからいやならやめよう。わるかったね。」ペコリm(__)m
 私は、主治医が私を思ってくれていた気持に感謝し、思い切って話してよかったと思った。そして、患者に対し頭を下げたドクターに感動した。患者の上に立ち、命令口調の医者ばかり見てきた私はとても驚いた。謝ってくれた先生に初めて会った。何でも率直に話すことの重要さに改めて気がついた。
 これからの人生も、この主治医と向き合って生きていきたい。
 私はとても幸せな気持でいっぱいになり、主治医に感謝した。

定例会の報告(9月4日)

☆「健康日本21」ブース出展について

日時    9月17日 (金)10:00〜16:30
場所    県民文化ホール
内容    健康づくりに関する活動、啓発、研究発表等の紹介や展示

上記イベントに「山梨まんまくらぶ」も参加しました。イラストで我がくらぶを紹介したのです。荒川さんが下絵を描いてくれました。それを小澤さん、佐野さん、三井さん、山中さんが色付けしてくれました。このパネルはこれからのイベントにも使っていきたいと思います。見たい方は定例会の折にでもお申し出ください。


☆「地域おこし交流広場」参加について
日時   11月6日(土) 7日(日)
場所   小瀬スポーツ公園
 ボランティア・NPOが一同に集まり、それぞれの活動状況の発表や、各団体、県民相互の交流を図ります。その際、活動資金の調達をしてもよいそうなので、「山梨まんまくらぶ」としては、フリーマーケットを開きたいと思います。つきましては皆様の献品をお願いします。品物提供と販売参加どちらも募集します。多くのご協力を待っています。献品・販売参加についての問い合わせなどの連絡は若尾携帯もしくはE-mailまでお願いします。
E-mail:  yamanashi_mamma@ybb.ne.jp
山梨まんまくらぶ定例会も4回行われ、メンバーとの繋がりがだんだん深くなっていくように思います。ただの愚痴や不満を言い合うだけの集まりではなく(それも大いに結構なんだけれど)、お互いが困ったとき同じ立場でアドバイスを受けたり、今、山梨県で悩んでいる人がアクセスできる会にしていきたいと思います。
一時的に相談したいという立場での参加・・・クライアント
資金・活動面での協力者・・・賛助会員
イベントなどの運営への参加・協力者・・・協力スタッフ
どの立場でも結構です。長いお付き合いをお願いいたします。m(__)m


9月17日(金)文化ホールにて上記イベントが行われなした。「山梨まんまくらぶ」もブース出展し会の存在をアピールしてきました。その際、両隣のボランティアグループと交流がもてたのでお知らせいたします。
☆「山梨はあとの会」傾聴ボランティア
 活動内容・・・・・病院・福祉施設などに出向きお話を聴きます。 
連 絡 先
山梨ボランティアセンター
TEL 055−224−2941
e-mail kazuo1953@sage.ocn.ne.jp
☆AA甲府グループ
活動内容・・・・・アルコール依存から立ち直るための手助けをしています。
その他健康に関することのさまざまな活動が行われていました。知らないことのいくつかを知ることができ、実りある1日でした。


山梨まんまだより3号
                                       2004年9月4日

まんまくらぶはこころのサプリメント
                                   ペンネーム:ミスブープ
 まんまだより創刊号若尾さんの記事「どっちがいい?」に対抗して私も自慢します。「えへん、えへん!」私は温存ではありますが、若尾さんに負けずきれいな傷痕だと思います。毎日多くの傷痕を見ているであろう医大の放射線技師が私の胸を「あア〜綺麗だ!よく見せてください」と言うほどです。私は立って「さあ〜どうぞ」と見せてやりました。今なら・・・ちょっと見せられませんね。何故って、どっちが前か後ろか分かりませんから(・_・;)
自慢はこれくらいにして・・・
 告知・手術から2年半。明るく見える私ですがそれなりに色々ありました。最大のトラブルは1000人に1人というBoop肺炎になってしまったことでしょう。凄〜くショックでした(・_・;)!!放射線治療による副作用とわかるまでに長い時間がかかり、そのため肺炎自体の治療がなかなかすすまなかったのですから・・・こんなにつらい経験があるのは私だけだと思っていたけど、まんまくらぶに出席してみて「おなじ乳がんでも悩みは人それぞれ。みんないろんなことで困っていたんだ。」と思いました。
 でも共通する事が1つあるように思います。それは告知から手術までの1ヶ月間のこころの不安です。多分皆さん同じ気持ちだったと思いますが、この間が一番つらかった! がんという病気を知っているようで知らない。そこで本を買い込み、インターネットにアクセス。そして死について考え、がんを受け入れざるを得ない。その間毎日夜な夜なシクシクしていたと思います。中には心臓に毛が生えている方もいるかもしれませんが、  私は心臓が小さいみたいでシクシク組(・_・;)。
 そんな私が、死の恐怖から救われるきっかけになった本を紹介します。江原 啓之(最近よくテレビに出ています)著「スピリチュアル・ブック」です。今は3冊出ています。乳がんは終わりがない病気。いつ再発、転移するかわかりません。だから「人生とはどれだけ長く生きたかが大切なのではなく、どれだけ充実した生き方ができたかが大切なのです。いたずらに明日を思い煩うより、今このときを充実させることが大切です。あなたの人生はあなたがつくっています。あなたの運命もあなたが決めているのです。」(ちょっと先生の本から拝借して紹介しました。)
 乳がんになり、私の生き方も少し、すこ〜し変ってきました(゜-゜)・・・
誰にでも起こりえる乳がん。でも、乗り越えられるものであることをまんまくらぶを通して悩んでいる人たちに伝えてあげたいと思います。そして、少しでもお役に立てたらと思っています。また、まんまくらぶが心の愛の電池を充電しあえる場所になれればとも思っています。

            今回協賛してくださった企業を紹介いたします
                    医も食も元は同じ
                 明日につながる「食」を大切に
             安心して使える食材を、厳選してお届けする企業

     いちやまマート

                URL http://www.ichiyamamart.com

広告掲載のお知らせと協賛金のお願い

 協賛していただける個人・団体・企業様をひろく募集しております。会の趣旨をご理解いただいた上、ご協力賜りますようお願い申し上げます。
 山梨まんまくらぶの趣旨にご賛同いただいた法人会員様の広告を『山梨まんまだより』に掲載します。また各イベントにおいても広告掲載をします。

 協賛金     個人     1口    3000円/年間
          団体・企業  1口   10000円/年間
 振込先 
  山梨中央銀行 武田通支店 普通 637705
  山梨まんまくらぶ 代表 若尾 直子
 お問い合わせ
      yamanashi_mamma@ybb.ne.jp

定例会(8月7日)報告
 超暑い日が続いていますが、さすがに秋を感ずる風になってきました。遅くなりましたが、定例会の報告をいたします。
◎まんまくらぶにおける各メンバーの位置づけ
山梨まんまくらぶの構成
・クライアント・・・乳がんなどの相談を希望する方。電話・メール・ピアカウンセリングを利用。
・賛助会員・・・会の趣旨に賛同し、資金面で協力。個人・団体・企業。年会費を納める。
・設立スタッフ・・・会の設立当時のスタッフ。
・協力スタッフ・・・会の運営に関わるスタッフ。
上記のような構成とし、それぞれの立場での協力と参加を確認する。
◎9月17日 県民文化ホールで開催される「健康日本21」に山梨のボランティア団体の代表として参加する。内容(予定):山梨まんまくらぶ設立ストーリーとそれに関わった人たちの心の動きを漫画仕立て展開する。パワーポイントで会の趣旨を説明する。協力スタッフが趣味の一環として製作しているビーズ作品を展示する。参加希望者は若尾まで連絡ください。
◎まんまだよりへの原稿募集  聞いてほしいこと、伝えたいこと、お勧めの本、したいこと、いきたい所、などなど・・・内容は問いません。まんまだよりに載せたいことがあったら、メールでも定例会のときに持ってくる方法でもなんでもかまいません。まんまだより作りに参加してくだい。
◎その他それぞれのメンバーが、元患者として、現患者として、色々な立場で感じたこと、思ったことなどを口にだしてみました。病に対する不安や周りの理解のなさに涙した人、家族の支えに感謝した人、主治医の自慢、不満・・・そうやって話し合ううちに、より深い情報が集まっているように思います。つまらないと思ったような愚痴の中にも、医療に対する基本的な問題が内蔵されていたり、ちょっとした思い付きが実現可能な提案だったりします。これからの「山梨まんまくらぶ」をより充実したものとするために、皆様のご協力をお願いいたします。

若尾お勧めの本
 以降、わたしのアパルトマンは、マンモグラフィはじめ、エコグラフィ、骨シンチグラフィ、スキャナー、血液検査など、私自身の医療情報でいっぱいになる。自分の手元でデータを管理できるわけだ。この点が日本と大きく違う。医師の顔色など気にせずにセカンド・オピニオンを求めるために別の医師を訪れることだって簡単だ。なによりも心理的なストレスを受けずに済む。当然といえば当然のことであるが、医療情報は患者に属する、という大前提に立っているからだ。カルテなど、医師のもとに集積される情報は、医師を介在して閲覧するが、そのカルテとて、医師の個人財産ではない。血液検査などは最寄の専門ラボで行うことも多いが、検査結果を、その場で直接、本人に手渡せないときは、検査を指示した医師へ送ったのと同じコピーが患者の自宅に届く。場合によってはあまり知りたくもない情報が頼みもしないのに自宅に届くわけで、患者は日頃からそれなりの心理的準備をしいられる。
中略
 ちなみに乳房再建術は美容整形とは見なされず、そのため健康保険から100%払い戻しされる。女性のガンでいちばん精神的打撃を受けるのが乳がんだといわれる。乳房を切除すると明らかに外観が変わるからである。クオリティ・オブ・ライフを高めるためにも再建手術は必要なのである。「乳房切除をするにしても、イブニングドレスが着られるように切るから安心して」と言われた。ふっと安堵感に包まれた。
 以上の文章は『パリのおっぱい 日本のおっぱい』木立(きだち)玲子著 集英社be文庫からの抜粋です。パリに活動の場をおく日本人ジャーナリスト木立玲子さんがパリで乳がんに気づき、乳がん治療先進国と言われているパリで治療をしながら(現在進行形)書いた本です。簡潔な文章。うなづく内容。手の届きそうな理想。いろいろな場面で胸にストンと落ちてくるものがあります。ぜひ読んでみてください。そして感想をまんまだよりに投稿してください。 若尾 直子



山梨まんまだより2号

2004年8月7日

プチ成形は痛い!!! 文・若尾 2004年5月25日  
腹直筋皮弁で同時再建した後のおなかの傷をプチ成形してきました。おなかの脂肪を縦幅で15cmくらい取ったので、そこを縫い合わせた両脇にとんがった部分ができていたのです。気にしなくてもいいのですが、欲張りな私は気になる。私 「写真集をだせるくらいにきれいにしてください!」  Dr「どこまでいっても傷は傷」 そんなことを言いながらもDrは局所麻酔をして、なるべく、とんがりができないよう、修正してくれました。帰りに銀行に寄ったり、市役所に寄ったりしたせいか、 だいぶ出血。でも、抜糸までの辛抱。抜糸が終わればお風 呂もプールもOKです。ああ、1週間!  右側の脂肪突出は結構大きかったせいで、切った部分も 大きくなる。5センチほどの傷で、たて3センチ横9センチの範囲は皮下出血!!! あまり薬は飲まない主義だが、今回はロキソニン(痛み止め)を飲む。 「今日は飲まないでいよう。」晩酌はなしにしようと思っていたけれど「何飲む?」その言葉を聞いたとたん、私の意志は脆くも崩れ赤ワインを一杯、二杯、もう少し・・・まっい いか。おいしければ、楽しければ。 5月31日 抜糸。 皮下出血はまだまだあるが、そのうち消えるでしょう。 3Mマイクロポアという傷口に貼るテープで直接傷をおさ え、その日は仕事へ。翌日はプールへ行ってきました。週 2回くらいは泳ぐようにしているのですが、抜糸がすまない間は禁止だったので、うずうずしていたのです。皮下出血も 1ヶ月もすればとれるはず・・・今年の夏はプール遊びが楽しくなりそうです。 追伸  ほぼ1ヶ月で両脇の皮下出血は消え、痛みやしこりもほとんど気にならなくなりました。傷のためにテープは当分の間、貼っておきます。



マンモグラフィ初体験記  文・荒川
 先日の人間ドックで、初めてマンモグラフィー体験しました。検査室も、検査の流れも、レントゲン撮影と同じ感じ。脇の下近くのお肉から乳房を、2枚の板に挟み、ぎゅーっと挟んで平べったくして撮影します。心配だった「貧乳でも挟まるかな〜」は見事にクリアー。挟まれたときの痛みはあまり感じませんでした。
 結果は、良性の石灰があるとのこと。どういうことか? と聞いたところ、「私は内科医だから良くはわからない」と言う回答。????やっぱ、専門医じゃなきゃダメか。この会に入ったのをきっかけにこれからもマンモグラフィ、続けたいと思います。

今回協賛していただいた企業様を紹介いたします。

               新築・リフォームおまかせください
     佐 野 建 築
                      055−262−1535
            東八代郡石和町河内465−5
                       代表 佐野 寿彦


定例会のお知らせ
                   (H16.7.3 10:00〜12:00 山梨県ボランティアセンター)
      
    参加者7名+スタッフ4名で定例会が開催されました。ボランティアセンターに
 冷房設備がないため、甲府の厳しい夏には、少しつらい感があります。また、駐車場
 が少ないこともあり、利用者が多いときには大変困ります。会場については、検討が
 必要かも知れません。  さて、定例会の内容をまとめました。

 ★ 新しい参加者の紹介。
 ★ 山梨県の乳がんに関するデータベースを作るために、参加者へフォーム記入のお願いをした。氏
  名・住所などは会員名簿として使用し、医療データは名前なしでデータベースに入れる。
 ★ 個人会員の会費は無料とする。会の趣旨に賛同し協力してくれる団体・企業からの寄付金および年会費でまかなう。協賛金を提供してくれた団体・企業は「まんまだより」やホームページにその旨報告する。
 ★ 7月24日甲府市民会館で行われる「市民公開講座 PETによる成人病検査」聴講希望者に入場券を渡す。(18:30開催)
 ★ 9月17日県民文化ホールにて行われる「健康日本21」に参加する。内閣府主催で、今年は山梨県において全国大会が行われる。内容は、健康づくりに関する活動、啓発、研究発表等の紹介や作品の展示等。7月中旬に明細決定。皆さん一緒にやりましょう。
 ★ 定例会は毎月第1土曜日を予定しているが、2005年1月は元旦に重なるので、8日の第2土曜日に新年会のような形で行う。
 ★ 「まんまだより」創刊号配布。言いたいこと、伝えたいこと、お知らせなど会員さんの投稿を募集します。投稿してくれる方は、定例会に持ってきてくれるか、メールで送ってください。

          PET講習会         文・山中

7月24日(土)甲府市総合市民会館で開催された「PET講習会」に行ってきました。
講師は、山中湖クリニックの井出満先生。PETといっても犬猫のことではありません。Positron Emission Tomographyの略で、CT装置と同じような形をした新しい癌検査装置です。癌細胞が、ブドウ糖を好んで取り込む性質があることを利用して、FDG(ブドウ糖)を注射し、これをPET装置で検査します。ブドウ糖が集まるところに癌細胞があるというわけです。この検査方法は、従来法の20倍の癌発見率を誇っています。さらにPETには、次のような長所があります。
1.検査に苦痛がない。 2.短時間で検査できる。 3.一度に全身を検査できる。 4.癌の進行度も検査できる。 5.転移や再発も検証できる。 6.副作用はほとんどない。
PETで見分けにくい癌もありますが、女性特有の乳癌、子宮癌、卵巣癌の発見には大変効果的です。原則、自由診療ですが、保険が効く場合もあるそうです。山中湖クリニックは会員制で、入会金が450万円とおっしゃっていましたから、検査を希望される方は費用をよく確認してください。尚、山梨県では、山中湖クリニックと甲府脳神経外科病院の二つでPET検査を行っています。

山梨まんまだより創刊号
                                    2004年7月3日

 スタッフ紹介編

どっちがいい? 代表 若尾 直子
 下の絵を見てください。どちらの線がかっこいいと思います? これはちょっとオーバーですが、手術による縫合の跡を絵にしたつもりです。
 一生お付き合いする傷痕なら、少しでもかっこいいほうがいいじゃないですか!!  こんなことが手術前に、ドクターと笑いながら相談できたらいいと思いませんか?!
 自慢じゃないけど、私の傷は左の直線タイプに近いのです。(えへん!)
体質がいいからじゃないんです。ドクターがきれいになるように縫ってくれたのです。縫い方ひとつ、選んだ糸の種類によって、傷痕はドラマティックにかわるんです。
 まんまだより第1号は、こんな意識の持ち方を提案してみました。縫い方によって傷痕はぜんぜん違うということを知ってください。そして、右のような傷痕でも、左のように形成できることを知ってください。写真集を出す予定がなくても、ヌードを披露するつもりがなくてもいいじゃないですか。自分のためにきれいな体にしませんか!!!
  ここには傷痕のイラストが入るはずでしたがうまくコピーできませんでした。
  図はきれいな直線の傷痕と、色素沈着しミミズ腫れになった傷痕が描いてあると想像してください。

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
会計 山中 淑子
甲府市女性市民会議の会員として、共に学んだ若尾さんが、「山梨まんまくらぶ」を立ち上げることになり、助っ人として参加しました。
男女共同参画の骨子のひとつに、1994年国際人口開発会議で提唱された「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」という概念があります。これは、女性の身体的・精神的・社会的健康を女性の生涯における権利として捉えていこうというもので、日本では、「女性の生涯における健康と権利」と訳されています。乳がんをリプロの概念の中で考えると、例えば、乳房再建は、贅沢ではなく女性の権利であって、故に、その手術は、美容整形ではなく、医療として健康保険の範囲で行われなければなりません。
「まんまくらぶ」は、ピア・カウンセリングを通して情報交換することにより、互いに学習し、支え合い、結果として、山梨の医療水準を高めることを目指しています。

前向きに!!
        理事 佐野 久美
 私は右乳癌の手術をして、現在、放射線の治療中です。友人達が支えてくれ、がんばっています。
 治療後も、再発、転移といろいろ不安がありますが、前向きにがんばっていこうと思っています。
 さあ〜!一人で悩んでいないで、共に考え、語り合い、悩みを分かち合いましょう!

野菜の気持ち!
      監事 荒川 佳子
 野菜達は伝え上手。「お腹空いた」「暑い」と、私に一生懸命伝えようとしています。まだ、どうにかしてやる技術もない私だけれど、まずは、聞く耳を持ってやらなきゃいかんなあ、と思うんです。
「山梨まんまくらぶ」は、伝える側と聞く側との、よりよい関係をサポートするくらぶになることでしょう。
  特技:絵を描く。歌う。遊ぶ。寝る。
  ニックネーム:金ちゃん

★ 「山梨まんまくらぶ」これまでの経緯
 ・平成16年3月以降、若尾 直子さんが発起人、若尾 哲さん・甲府市女性市民会議の同期
  (山中さん、荒川さん)・ボランティアセンター等が協力者として準備を進める。
 ・平成16年5月15日(土):「準備会」開催。佐野さんスタッフに加わる。
・平成16年6月12日(土):「特別会」開催。9名の参加者。様々な話を聞くことができた。

★7月より、毎月第1土曜日に、定例会が行われます。
      ざっくばらんな雰囲気で「ピアカウンセリング」を行います。
               (山梨県ボランティアセンター 10:00〜12:00)

★ 創刊号ということで、スタッフの紹介をしました。この季節、元気に育つ野菜達のパワー
  をいただき「山梨まんまくらぶ」の出発を彩ってみました。

         



山梨まんまだより