土地をどうする?!

家を建てるには、まず土地がないとどうにもなりません。
いろんな形で準備する事ができるのでしょうけど、YAMAの家では、新たに土地を購入してという事になりました。
あちらこちらと土地を探していましたが、探せば探す程現実の厳しさ(特に予算的な事ですが。)に段々とその意欲も薄れていた時に浮上してきたのが今回の土地の話です。


厳しいかも!

市街化調整区域ってご存知ですか?
そうです、農業振興地域等で住宅が自由に建てられない所です。
とはいえ、線引きと言われる年迄にすでに建物があり、宅地として使用されていた土地(航空写真で撮影した物があるらしい。)ならなんの問題もなく建てられるようです。
が、YAMAの家建築予定の土地は線引き後の建物があるという土地でした。
(※法務局で書類を取り、役場で確認してもらったらそういう話でした。)


じゃあどうする?!

まずは最寄の役場に行きます。最終的には県(都・府・道)庁へ行く事になるのですが、そこで建てられるようにする方法を聞く事になります。どうしても無理って場合もあるので、これで必ず建てられるようになる訳ではありません。
幸いにもYAMAの家の場合はなんとか建てられるのではないだろうかという事で、申請の書類を提出する事になります。


土地開発申請

申請とは何ぞやという事ですが、この土地開発申請という、今回なら市街化調整区域に自宅の建築をしたいという場合に、県の方でその可否を審査してもらうというものです。
今回のような自宅建築だけでなく、建物の貸与などについても申請が必要と聞き、本当に市街化調整区域に建築する、その他もろもろは非常にややこしい事です。
この申請を役場(土地のある所の役場だと思う。)に提出することによって最終的には県(都・府・道)の方へ書類が行き、土地開発審査会によって審査され、許可が出ると、本申請を経て建築ができる事になります。
他にも建物がある場合は段階的に進めていく方法等もあるようですが、YAMAの家ではそんなまどろっこしい事をやっていられなかったので直接建てられるように申請をしました。

この申請に当たっては、ある程度建物の設計ができている必要があるというか、建物の設計図面が必要となってきます。つまり、建築の許可が下りるかどうか分からないのに、建物の設計の相談に行かなくてはいけないという事です。
これにはかなりの不安が伴いますが、良心的な業者では必要な書類を無料で作製してくれるようです。ただ、そうなると建てられるとなった時には、その業者に注文しなくてはとなるので、業者の選定は慎重に行った方が良いと思います。
設計図面については、提出した設計図面と全く同じ物を建てなくてはいけないということでは無いので、詰めきった物を付ける必要はないようです。(同じであればいうことはありませんが。)

この他にも、目的の土地の境界がはっきりしていない場合は(このような場所ではそういう場合が多いようです。)、土地家屋調査士に依頼し、立会(りっかい)を経て正式な土地の広さを測定してという事も必要になります。
YAMAの家でもその必要が生じ、設計依頼先関係の土地家屋調査士さんに依頼をしました。
立会とは、目的の土地の周囲に土地を持つ方、土地家屋調査士、県の土木事務所の方(隣接道路の種類による。)、役場の方などを一同に集め、境界を逐一決めていく事です。多くの方々の日程調整が必要な場合等あり、時間がかかる場合があるようです。
費用的には10万円単位での出費となります。その場合によって金額の変動があるようですので決まった金額はありません。

さて、通常、土地開発申請等の申請書類を作成するのは結構面倒な事が多いので、住宅の依頼先や専門の方に依頼する場合がほとんどのようです。
ただ、その場合は結構な出費となるのではないかと思いますが、必然的にというかなんというか、YAMAの家ではいろいろと聞きながら必要書類を作製したり取りに行ったりして揃え、提出にこぎつけました。


予想外の展開

土地だけで見ると土地開発申請のことが予想外の事だったので、審査に通った時はほっとしたものですが、家を建てるという事で考えていくと、土地に関係して予想外の出費を強いられる事があります。

まずは、給水関係で見ると、家が建っている場合はそのまま使用できるから大丈夫と考えがちです。水はパイプで来ている訳で、そのパイプには太さ(径)というものがあります。この径に応じて分担金(権利のような物でしょうか。)を役場に支払う必要があります。
古い家を建て替える場合、同じ径の物を使用すれば、なんにも新たな負担などは無いのですが、太くする場合は分担金の差額を支払わなければなりません。これが結構高いのです。
さらに、これに伴う工事が、掘って、古いパイプを除いて、新しいパイプを入れ埋め戻すという作業になる為非常に高い!! 目が飛び出そうです。

次に排水関係で見ると、下水道があれば初期投資としてはまずまずの金額で収まるのではないかと思います。
それが、予定地には通っているはいるのですが、配管だけで、なんと下水処理施設の運用開始が2年程先(平成16年時点)になるとの事。実質無いと同じ状態。
で、生活排水たれ流し?(これはないと思われますが..。)&汲み取り便所か、浄化槽の使用になる訳です。
YAMAの家では、考えた挙句合併浄化槽(生活排水、トイレ関係を一括で浄化するタイプ。)を選択しました。やっぱり水洗トイレが良かったということがあります。
合併浄化槽を導入するにあたって、市町村から助成金が出ます。(市町村によっては無いかもしれませんので、予め役場に問い合わせしてください。)
YAMAの家の所でも助成金が出るとかいう話を聞いたもので、あてにしていた所、先の下水道の関係で助成金は出ないという結果になりました。(T_T)
また、浄化槽からの最終的な排水は側溝に流すのですが、浄化槽と側溝の高さ(レベル)の関係で、そのままでは側溝へ排水できないということが判明。これに伴なってポンプで汲み上げをして側溝へ排水となり、このポンプの費用が新たに必要となりました。このポンプが結構高価で、10万円単位の出費となります。
これらの事によって給排水関係では通常の場合の倍近くの出費となり、かなり予算を圧迫する結果となりました。
という事が当初の事ですが、最終的には、地元の実際に工事をする水道工事の方が土地を見て、最終排水の場所を変更する事でポンプの必要性は無くなるのではないかという事になり、再調査をした所、やはり必要が無いという結論になりました。今後の維持の事を考えた場合、極力設置しない方が金銭的にもシステム的にも良いようです。
だったら最初の話は何?という事になるのですが、調査が十分でなかったというべきでしょうか。

とりあえず金銭的には助かったという事になりました。


思った事

どういった土地でも良し悪しがある訳で、すんなり建てようと思えば選択する所によって価格が高くはなりますが、団地などの土地が良いかもしれません。もちろんそれ以外の所でも良い土地があるかもしれません。それは時の運とめぐり合わせとお金になるのではないでしょうか。
今回のYAMAの家建築予定地では土地自身の価格は安かった(と思いたい!)のですが、ややこしい事があったり、思いもかけず出費があったりで、トータルすると一般的な団地の土地の価格に近くなってしまったようにも思います。
このような事は、実際その場になってみないと分からない事なので、本当にどんな事があるか分からないというのを前提に、余力を持って日程、予算を計画をしていった方が良いと思います。
また、土地の素性をよく調べた方がいいかとも思います。環境的な事はもちろんですが、場合によっては擁壁の補修にいくらとか、地盤改良にいくらとかお金は幾らでも羽が生えて飛んで行ってしまいます。
もちろん、近所にどの様な方が住んでいるかとか等も大切です。我が家には気持ち良くそしてずっと住みたいですから。
とにかく値段があって無いような高価な買い物ですので慎重にいきましょう。