制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
改訂
2000-09-10
大改訂
2001-01-13
再度改訂
2001-05-02

「とほほのWWW入門」を斬る

とにかく作ってみよう

文書自體が「トンデモHTML」

等々、このhttp://www.tohoho-web.com/wwwbeg1.htmそのものが「トンデモHTML文書」なのはまあ、「とほほ」と呟きつつ、笑つて通り過ぎませう。

それにしてもとほほさん、誰の文章をどこから引用したのでせうね、引用したのならば引用元を明記しなければいけません──等と書くと、「とほほ信者」からは猛反發を喰らひさうです。

しかし、「俺はblockquoteをインデントの意味で使つてゐるんだ」と主張するのは、單なるローカルルールの押しつけにほかなりません。この手の「ローカルルール押しつけ主義者」は、「嫌みを言ふ方が惡い」とか「嫌みを言はれた俺達は被害者だ」とか云ふ被害妄想を持つ事が多いのですが、どう云ふ譯ですかね。あなた達のローカルルールを押しつけないで下さい。

そもそも、「blockquote=インデント」と云ふのは、Netscape等、一部のブラウザのデフォルトスタイルであるのに過ぎません。

ホームページを作成するには

ホームページを作成するには次のような方法があります、と言つてとほほさん、解説をはじめます。

  1. 知人やホームページ作成業者に依頼する
  2. ホームページ作成ソフトで作成する
  3. テキストエディタで作成する

讀者はいきなり脅かされます。業者に依頼したら幾らかかるかわかりませんから。でも、

ホームページはHTMLという言語を用いて記述しますが、パソコンでワープロを使ったことがある人ならすぐに覚えられると思います。

すぐに覚えられると言つてとほほさんは、何もわからない素人を安易に安心させようとします。個人的に「htmlは簡單なものではない」と思つてゐるので、私はとほほさんのかう云ふ言ひ方は危險だと思ひます。

ホームページなるものの説明はナシですが、しかし、素人でもすぐに覚えられると、とほほさんは言つてゐます。ウェブの偉い人であるとほほさんが「大丈夫」と言つて呉れたのですから、初心者は安心してしまふでせう。

「何が何やらさつぱりわからないが、とにかく偉い人が大丈夫だと言つてゐるのだから大丈夫だ」と云ふ思考停止は、安易です。勿論、何も考へず、とほほさんの説明を鵜呑みにして安心する素人の側にも責任があります。一方で、好い加減な素人讀者につけこんで、好い加減な説明をしようとするとほほさんの側にも當然問題がある、と言へるでせう。

ホームページを作成するための準備

ホームページを作成するのに多くのものは要りません。ちょっとした勇気と下記の2つのツールです。

この文章は日本語として妙であるやうな氣がします。また、とほほさんは、勇気と言つて、ホームページを作成しようとしてゐる素人を煽ててゐます。とほほさんには讀者に媚びる傾向があります。閑話休題。

下記の2つのツールに就いて。

  1. ブラウザ
  2. テキストエディタ

これらの2つのツールが必要な理由は、この時點では明かにされません。慥かに、今時これらの2つのツールが搭載されてゐないOSはありませんから、1錢も費用が掛らないと云ふ事は嘘ではありません。

しかし、Frontpage ExpressやNetscapeのComposerのやうなhtmlエディタもただなのですが、なぜとほほさんは素人さんにその事實を隱すのでせうか。

まず、フォルダを作ろう

妙なところで親切です。大きなお世話とも言ひます。

拡張子を表示しておこう

ホームページを作成する上で、ファイルの拡張子は非常に重要なので、こうして、いつでも確認できるようにしておきましょう。

ここでは「擴張子」の説明はナシです。なぜか、次の項目まで説明は持越し。とにかく「言はれた通りやれ」と云ふ態度をとほほさんはとります。

問答無用で擴張子を隠してしまふMicrosoftも親切なのでせうが、問答無用で擴張子を表示させるとほほさんも親切なのでせう。

なほ、ファイルの拡張子が非常に重要な理由は不明です。勿論、その理由が存在しないから、とほほさんは説明しないだけです。

テキストエディタでHTMLを書いてみよう

テキストエディタに次の文章を入力してください。英字はすべて半角文字で入力してください。

<HTML>
<HEAD>
<TITLE>ホームページの練習</TITLE>
</HEAD>
<BODY>
初めてのホームページです。
</BODY>
</HTML>

コピー&ペーストは禁止のやうです。素人讀者は素直(或は無知)ですから、とほほさんの提示したソースを默つて入力します。

とほほさんはここで素人讀者をして、body要素直下に文字列を書かせしめます。html 4.01 Strictで禁止されてゐる行爲を、とほほさんは素人讀者にさせようとします。

とほほさんのこのソースにはDOCTYPE宣言がありません。とほほさんはhtml 2.0を教へてゐるのかも知れません。html 2.0準據の文書を作らせるのがとほほさんの目的であるならば、このソースは「誤り」ではありません。

とは言へ、このやうな「HTML文書」がSGML的に望ましくないものであるのは明かです。この「骨組み」は、我が「W3C信者」連でさへも屡々安易に持出すものですが、有害なものです。htmlもheadもbodyも、html 4.01 Strictでは明示する事が必須の要素ではありません。

html 4.01 Strictは現時點でベストの仕樣であり、仕樣書にはW3Cの思想が暗示されてゐると言へます。html 4.01 Strictの仕樣に基いて考へると、htmlの基本の骨組みと言へるべきもの、或は本當に教へるべきなのは、以下のやうな記述の仕方となります。

以下の例文も良くないやうな氣がしてきた。

<title>htmlの試作品</title>
<h1>試作品</h1>
<h2>何をしたいのか?</h2>
<p>ウェブサイトを作りたいのだ。</p>
<h2>では、どうしようか?</h2>
<p>取敢へずHTML文書を作つてみた。</p>

「HTML文書の書き方」を教へるとは、構造化文書の書き方を教へる事です。即ち、或文書に題名を附ける事、文書の見出しや本文の部分を文書の要素として認識し、要素を明示する爲にマークアップする事、を「html講座」の解説者は初心者に教へなければならないのであります。

とほほさんの解説は、SGML的な觀點から、或は「マークアップ言語としてのhtml」と云ふ觀點から、根本的に間違つてゐると言へます。

これを test.html というファイル名で保存してください。test の部分はなんでも構いませんが、.html の部分は必ず .html か .htm にしてください。.html や .gif や .jpg などのファイルの末尾(最後のドット以降)の部分を拡張子と呼びます。

何故「必ず」なのかは不明です。「必ず」の説明をする代りに、とほほさんは擴張子の説明をしてごまかします。今更、親切な話です。とほほさんは、必ずと云ふ言ひ方を、屡々根據ナシに用ゐます。

HTML文書の拡張子は通常 .html なのですが、Windows 3.1など古いシステムでは拡張子に3文字までしか使用できなかったため、Windows系では未だに .html の代わりに .htm と記述するケースが多いようです。

HTML文書の擴張子は不定です。仕樣書のどこにも「HTML文書の擴張子は*.htm/*.htmlでなければならない」等とは書かれてゐません。例へば、cgiの吐出すHTML文書に擴張子は附いてゐません。それでもcgiの吐く文書は立派なHTML文書です。サーヴァからhttp應答ヘッダにContent-type:text/htmlを附けられて送信された文書は皆HTML文書です。

擴張子が*.htmlの文書を「HTML文書」と看做すのは、擴張子で文書の種類を判斷するWindows(や、Windowsの使用に合はせて擴張子でも文書の種類を判斷するMac)だけです。とほほさん、さう云ふ事も知らないで、解説をしてゐるのでせうか。


いやいや、とほほさんの解説してゐる對象は、一般的なHTML文書ではなく、とほほさんの定めるところの「ホームページ」なるものである、と云ふ事なのでせう。それならばとほほさんの一見好い加減な解説も、ひよつとしたら間違ひではないのでせう。とほほさんの所謂「ホームページ」の擴張子はhtmかhtmlでないとならないのかもしれません。

もつとも、そんな事を定めた仕樣書がこの世に存在する等と云ふ話はきいた事がありません。とほほさんは、ただ出たら目を言つてゐるのです。

ブラウザで表示してみよう

なぜか先程の文書をブラウザで表示するやう、とほほさんは素人讀者に命令します。なぜさうしなければならないのか、理由は不明です。とほほさんの命令は屡々問答無用です。

ひよつとすると、とほほさんはこれで先程の文書が「ブラウザで見るページ」になつたから「ホームページ」の出來上りだ、と言ひたいのかも知れません。とほほさんの言ふ事は、根本的に何かが間違つてゐるものの、それ自體一貫してゐます。

修正してみよう

とほほさんは、Internet Explorer/Netscape Navigatorで画面を更新するやり方を説明します。とほほさんはお節介です。

改行してみよう

「私の」と「初めてのホームページです」の間に改行を入れてみましょう。

私の
初めてのホームページです。

ところが、これをブラウザで再表示しても、うまく改行できていません。「私の 初めてのホームページです。」のように、隙間があくだけです。

改行を行うには次のように修正して保存、再表示してください。

私の<BR>初めてのホームページです。

今度はちゃんと改行されるはずです。

「隙間があく」のは、ブラウザの實裝が甘いからに過ぎません。よく出來たブラウザならば、日本語の文章の途中に改行が挾まつてゐた場合、その改行を空白文字扱ひしない可能性があります。

それにしても、こんな所に改行を入れたくなるのは、どう云ふ人なのか、相變はらずわかりません。そもそも、強制改行をいきなり教へる意圖が不明です。はつきり言つて、brを最初に教へるhtml講座は當てになりません。なぜなら、本質的にbrはHTML文書を書く上で必要のない要素だからです。

html 4.01 Strictの文法によれば、HTML文書では全ての要素がブロック要素に收まつてゐる筈であり、さうあるべきであります。そして、ブロック要素に收まつてゐる文字列をブラウザは前後に改行を入れて整形する筈です。すると、わざわざbrで強制改行させる必要はないのです。

ブロック要素或はインライン要素と云つた概念は、全てのhtml制作者が最初に理解すべきものであります。とほほさんは、必要な解説をせず、手拔きの解説をしてゐます。

とほほさんの言ふ通りにすると、ブラウザでは確かに改行されます。とほほさんは間違つた事を言つてはゐません。しかし、物事の本質を教へず、瑣末な事柄を教へて、結果として素人讀者を誤つた理會に誘導してゐます。

太字にしてみよう

なぜ太字にせねばならないのか、相變らず根據が不明です。或は、とほほさんには、問答無用で素人讀者に命令する癖があります。

色を変えてみよう

なぜ色を變へねばならないのか(以下略)。

まとめ

とほほさんはhtmlの事を理解してゐない

とほほさんは肝腎の事を説明しません。そして、説明出來ない事を、問答無用で素人讀者にやらせます。さう云ふやり方は大變に危險です。htmlの本質とは外れた方向に、素人讀者をいつの間にか連れて行つてしまふからです。

結論を申しますと、素人讀者と同樣、とほほさん自身がhtmlについて、何も知らないし、何も理解してゐないのであります。とほほさんは、根據なしに思ひ込んでゐる或「ホームページ」のありやうを、素人讀者に押付けてゐるのであります。

善意によつて無知を蔽ふとほほさん

とほほさんは自分の言動が危險であるとは、少しも思つてゐません。却つて、自分に對する批判は不當だと思つてゐます。

とほほさんの善意は疑へません。とほほさんは「善意」に基いて、己の信ずるところを初心者に教へ込んでゐます。とほほさんの「ホームページ作成入門」は善意に基いて作られてゐます。確かにとほほさんは良い人です。

だが、それゆゑ、とほほさんの「ホームページ作成入門」は危險です。或は、厄介なのです。良かれと思つてやつてゐるから、とほほさんは危險なのです。とほほさんは、善意に基いて誤つたhtmlの觀念を普及させ續けてゐます。

善意であれ惡意であれ、間違ひを普及させるのは非常に迷惑な事です。しかも善意に基いた言動は、明白なデマゴーグよりも人口に膾炙し易いし、何より本人が善い事と思ひ込んでゐるので、單なるデマゴーグよりも始末におへません。

この手の「善意の人」には困つた癖があります。自分の行爲は善意に基いてゐるのだから、誰も止める權利がない、と「善意の人」は主張します。そして、「正しいとか間違つてゐるとか云ふ事は存在しない」と云ふ、俗耳に入り易い主張をします。しかしながら、さう言ふ人に限つて、自分の信念だけは正しいと信じてゐるものです。

善意を言ひ譯に、とほほさんは誤つた知識を廣めて平氣なのです。自分は良い事をしてゐるのだから、間違つた事を言つても構はないと思つてゐるのです。そして、間違ひを指摘する事と、善意を否定する事とは同義だと、とほほさんは勘違ひしてゐます。


「スタイルシート論爭」でとほほさんは、批判者の意見を全て感情的に却下し捲り、自分の信念を他人に押付けようとしました。しかし論理的に批判されると、とほほさんは全く反論出來ません。出來ないから、感情的に相手を逆恨みします。

とほほさんの「スタイルシート論争について」には、未だに嫌みたらしい記述が殘つてゐます。

目次

  1. ホームページ作成入門を斬る
  2. とにかく作ってみよう
  3. タグに関する基礎知識
  4. とほほのスタイルシート入門