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財政の記事  1999~2008

【11月市議会】 市立図書館の運営委託方針が固まる
『声と眼』543号 2017/12/17

 市は市立図書館の運営を、現在の直営から民間の指定管理者を定めて委託していく方針を固めました。

 教育委員会が設置した図書館協議会で現在の久喜の図書館運営について検討していましたが、
(1)開館日数は県内最低に近い、
(2)4地区で開館時間が統一されていない、
(3)人口1人あたりの図書貸出冊数が県平均よりも低い、
(4)司書が正職員の半数程度しか確保できていない、
(5)図書館利用者が減少傾向にある、等の問題点が指摘されました。
協議会では現状の職員体制や予算ではこれ以上のサービス向上は困難としています。
これに対し、民間のノウハウを活かして指定管理者に管理運営を委託することによって、「課題が解消もしくは縮小されるのではないか」、さらにコスト削減も図れるとしています。

 しかし、運営を民間に任せれば課題がすべて自動的に解決するわけではありません。
直営から指定管理者の運営に転換する場合には、開館日の増や時間延長、司書の確保など、サービス向上の条件を明確にし、事業者の確約を得た上で進めるべきです。

機構改革で市民の利便はどうなる
『声と眼』542号 2017/12/2

 11月20日に開かれた市議会全員協議会で、来年4月からの市の組織・機構改革の説明がありました。

 おもな変更は、
(1)現在の、10部 3総合支所 67課 179係を、来年度は10部 3総合支所 57課 171係とする 
(2)社会福祉課から、生活保護を担当する「生活支援課」を分離(新設)し、現在の生活保護第1係・2係に加えて第3係を新設
(3)学務課から「学校給食課」を分離(新設)
(4)ごみ処理施設建設推進課に、ごみ処理施設係とし尿処理施設係(新設)を置く
(5)各総合支所の市民課・税務課・福祉課を廃止して、市民生活係・戸籍市民係・社会福祉係・介護保険係・児童福祉係を置き、届け出等はこれまで通り各支所で扱えるようにする、などです。

(6)現在は本庁舎内にある「環境経済部」は来年4月から菖蒲総合支所に移転する計画です。
これに合わせて各支所の環境経済課を廃止し、本庁の庶務課または栗橋・鷲宮総合支所の総務管理課を通して「取り次ぎ」を行うとしています。
しかし本庁や他の支所の環境、商工観光・農業の幅広い業務をなくし、取り次ぎだけにしてしまって、要望や苦情など市民とのスムーズな意思疎通が後退することはないでしょうか。

(8)教育委員会事務局(教育部)は、1月から現在の菖蒲総合支所から理科大跡地に移転します。
各総合支所の「教育委員会分室」は廃止し、本庁の庶務課または支所の総務管理課を通して「取り次ぎ」を行うことになります。
これまで本庁-総合支所方式で住民生活に密着したサービスを保障してきたのですが、本庁機能を菖蒲や理科大跡地などに分散させる一方で、建設課の廃止に続いて、支所の機能を次々と縮小してしまっていいのか、疑問の声も出ています。

【9月市議会】 昨年の一般会計決算に問題あり
『声と眼』539号 2017/10/11

 私は9月27日の市議会最終日、昨年度の一般会計決算認定に反対の討論を行いました。
(1)年度途中で突然、学校給食の大規模センター化を打ち出して、自校調理方式の検討もせずに“センター化ありき”で強引に決めてしまった、
(2)小中学校のエアコン設置工事で、予算措置もなしに追加工事を先行実施してしまったことは予算制度に違反しており認められません。

市役所行政組織の分庁舎化が進む
『声と眼』539号 2017/10/8

 7年前の合併の際には、市民の利便のためにおもな行政機能を市役所本庁舎にまとめて、各地区に総合支所を設置しました。
その後、建設部が1㎞以上離れた「第2庁舎」へ、上下水道部が鷲宮支所へ、教育委員会は菖蒲支所に移転し、1月からは理科大跡地へ移ります。
4月には環境経済部も菖蒲支所に移転させる計画が発表されました。本庁舎の行政機能は5か所に分かれることになって、当初の「本庁舎-総合支所方式」から、なし崩し的に「分庁舎方式」に変えられてきています。

 理科大跡地に生涯学習センター・子育て支援センターと教育委員会をいっしょに置くのは効率的といえます。
しかし利便性からは、他の行政機能はあまり分散させず、できるだけまとめた方がいいのではないでしょうか。

【9月市議会】 2016年度一般会計決算に、反対しました
2017/9/27

 9月27日、9月定例市議会最終日に、議案の討論・採決が行われました。
私は、2016年度一般会計決算について、3点の課題を指摘するとともに、2点については容認できないとして、反対討論を行いました。

【反対討論】 議案50号 2016年度一般会計決算

猪股和雄

 決算審査は、昨年の2月定例市議会において審査され決定した予算が、適正に執行されたか、所期の行政目的にそった成果をあげられたかという観点から評価を行うものです。
 施政方針にもとづいた予算執行自体にはおおむね評価するものです。

事務事業評価の充実を求める

1.事務事業評価は、行政自身が一つ一つの事務事業の目的と成果指標を設定して、進行管理していく、それを公表することによって、行政に対する市民の理解を得ていくものである。
 事務事業評価の意義が各課および職員に浸透してくるにつれて、自己評価は年々改善されてきていると認められます。
 しかし総合評価は多くが「A」、事業の方向性は70%が「現状維持」です。
改善は16%、革新はゼロです。拡大基調は9%です。
評価も前年度を踏襲したと見られるものや、予算の増額されないから現状維持としているのではないかと思われるものもある。
 評価についてです。「評価の判断理由」「今後の課題、改善を要する点」「事業の方向性と内容」など、毎年同じ文章でこと足れりとしているものが多い。
事中評価の導入、総合評価にあたって、有効性と必要性に加えて、効率性の観点を盛り込む工夫、これらは昨年と同じ指摘をせざるを得ない。
事務事業評価の対象事業の選択に当たっては、少しずつ拡大してきていることは評価しますが、もっと対象事業を拡大していただきたい。

財政調整基金の積立額膨張、市民サービス向上に活用を

2.財政調整基金は、合併算定替えの終了による地方交付税の減額に備えて、できるだけ多く積み立てておくという当局の方針で、24年度末積立金現在高45億3900万円から、25年度末53億7900万円、26年度末54億8600万円、27年度末55億1000万円、28年度末58億2000万円と過去最大となって、29年度末には60億を超えるのではないかと推測していることは、議案質疑で指摘した。
 財調だけで、県内40市中8位だそうです。市民の森やごみ処理施設の基金を合わせると80億円、基金全体では100億円を超えるのであって、これはおそらく県内トップレベルの貯金額です。
 基金を貯めることを自己目的化するのではなく、子どもたちのため、市民のために活用することを考えていくべきです。
学校給食センターもそうですが、すべての政策判断を財政効率を中心に考えるという姿勢を改めていただきたい。

職員の異常な時間外勤務の抑制を

3.職員の時間外勤務です。年間966時間、毎月平均で80時間という厚労省の過労死ラインの職員がいることは異常です。市職員平均の174時間の4倍以上、平均の時間外勤務時間500時間を超える部署が17もあるのも異常です。先週、市長を先頭に「イクボス宣言」を行ったと聞いているけれど、形式的宣言に終わらせず、こうした時間外勤務の実態を市全体で是正していく取り組みが求められる。

学校給食センター化の強行をやめるべき

 昨年度の一般会計予算の執行で、容認しがたいものが2点あります。

1.学校給食は、昨年、理科大跡地の久喜市への無償譲渡分の土地に、大規模給食センターを建設する方針を打ち出して、1月に学校給食審議会を設置して、文字通り「センター方式ありきでお願いします」と結論を押しつける審議を強行し、今度は審議会で決まったことをお墨付きとして、センター方式で突っ走っている。
教育委員会も「センター化ありき」であって、自校調理方式は検討対象としているとは認められない。
 審議会でも自校調理方式についてはいっさい検討の対象としていない。
委員さんたちにもいっさいの資料も現場も見せていない。
見せたのは古河の給食センターのみであるから、ほとんどの審議会委員は古河が最高の施設だと受け取っている。
委員の感想として、「古河の給食センターを見学して、こんなすばらしいセンターが久喜にもできたらいいと思っている。これが実現できたら夢のようだ」というのがあった。
しかし実は、久喜市の教育委員会では、決して古河のセンターが久喜のお手本、理想ではないというのだから、審議会委員はだまされたようなものだ。
 2月に行われた食器の選定の会議でも、プラスチックなら20年間のコストが2億5000万円、強化磁器だと4億5000万円という比較表を見せられて、「この金額を見ますとプラスチックがいい」「強化磁器のよいところがあるが、このコストの開きがあると、プラスチックでも仕方がない」と、コストを上げた委員が4人もいる。これも結論の誘導と言わざるを得ない。
 しかしこれまでの食器の更新状況を比較していけば、20年間のコストはPEN樹脂と強化磁器はほとんど変わらないか、むしろ磁器の方がコストが低い可能性がある。
委員会審議で、最後に教育委員会は、子どもにとって重いということよりも、調理員や配膳員さんの作業の祭に食器が重いことが問題だと言い出した。
これも委託料を安くするという目的だと言わざるを得ない。
学校給食は子どものことを第一義的に判断するべきです。
 こうしたやり方で行政の都合による結論を押しつけて、センター化とプラスチック食器への統一、食器の改悪を決めてしまった、審議会の検討過程と、教育委員会の検討・決定過程にもに大いに疑義がある。

小中学校エアコン工事、予算制度に反した追加工事は認められない

2.本決算で、最大の問題は、小中学校エアコン設置事業で、予算措置がないのにもかかわらず、追加工事を実施して、9月議会の補正予算で議会に追認させてしまったことである。
 本来は、追加の支払いが発生する工事が必要になったのであれば、補正予算を組んで、議会の議決を得なければならなかったのだが、市(教育委員会)は補正予算も組まず、事業者と追加の契約も行わずに、追加工事を実施させ、6月には工事を完了させてしまった。この間、市長は追加支出の補正予算を組むこともせず、議会にもいっさいの説明はなかった。
 このことは、明らかに予算制度に反していると言わざるを得ないのであって、それは第1に議会の議決権を侵しているという意味と、第2に、予算の裏付けがない契約行為はできない、無効という二重の意味で、予算制度の根幹を犯すものである。これは違法行為、あるいは違法性の高い行為、あるいは違法行為の疑いがあると言わざるを得ない。
 これを、議会として補正予算を可決したということは、違法の疑いがある行政行為を追認してしまった。
今回の決算は、違法性の高いあるいは違法の疑いのある、この実質的な追加工事と追加契約を含んでいるのであって、それを再度追認する意味を持つ。
 違法性の高い、あるいは違法の疑いのある手続きによって進められたエアコン工事が含まれている決算を追認することはできない。
よって反対する。


【賛成討論】 議案第55号 2016年度集落排水事業会計決算

猪股和雄

 集落排水施設使用料3月検針分2173万円が、事務処理の誤りにより年度内収入未済となり、29年度への滞納繰越として処理されることになった。
 実際には4月中に徴収されていたにもかかわらず、誤って下水道事業会計口座に振り替えてしまい、出納閉鎖期限内に久喜市会計管理者口座に収納できなかったことによるものである。
 上下水道部長が集落排水事業特別会計補正予算の説明で、「3月検針分を28年度の収入とすることができなかったため」と理由も説明せずに、まるでいつの間にかそうなった、自然災害の結果ででもあるかのように、さらっと触れてすませてしまった。
そうした事務処理の誤りを、本会議でみずから説明されなかったことは遺憾である。
しかし、問題は補正予算の誤りではなくて、28年度の決算処理の誤りである。
 職員個人の誤りを、組織として防げなかったという意味で、行政体質に問題があるとも考えられ、問題の根は深いと言わざるを得ない
 本来は、上下水道部の組織的会計ミスとして、正式の場で、ということは市議会本会議で、決算の上程・説明の祭に、進んで明らかにするべきであった。
公式の場所で、行政みずから市民の前にミスをミスとして認めることなくして、今後の改善はない。
 その後の処理は適正に行われ、実質的に市に損害を与えたものではないので、決算認定に賛成はするが、猛省を促しておく。



【9月市議会】 久喜市のふるさと納税がほぼ半減
『声と眼』538号 2017/9/23

 久喜市へのふるさと納税寄付額は目標の1000万円に対して2016年度は382万円で、前年のほぼ半分でした。
返礼品やコンサルタントへの手数料を除くと市の収入は約150万円です。前年からのリピーターは25%、3年連続は2%しかいないのは、久喜市からの返礼品に魅力が感じられていない(?)ということです。
一方、他市に寄付した市民の市民税控除額が5474万円ですから、久喜市の収支は“大赤字”となりました。

 ふるさと納税の制度そのものに問題もありますが、なぜ久喜市の取り組みの成果が上がらないのか、分析するように求めました。

埼玉県内40市のふるさと納税ランキング
金額は四捨五入
2016年 2015年
金額は四捨五入 金額 寄付件数 金額 寄付件数
鶴ヶ島市 3億0952万 1万1588 2億7515万 1万2337
深谷市 2億9601万 1万0968 1億7308万 3066
秩父市 2億1496万 1774 1億2545万 678
戸田市 2億1370万 1640 5048万 21
飯能市 1億6751万 7440 397万 46
上尾市 1億1097万 1347 7987万 1080
坂戸市 1億0100万 3797 5687万 2558
日高市 1億0061万 4039 4545万 2698
白岡市 9256万 5827 6364万 4059
草加市 7672万 2632 4597万 1976
春日部市 6912万 3582 1901万 1437
川越市 4820万 698 357万 121
富士見市 4162万 815 1719万 1214
行田市 3772万 1570 250万 173
所沢市 3508万 401 3695万 376
吉川市 3416万 1478 864万 376
熊谷市 2935万 1202 5090万 1927
さいたま市 2492万 361 579万 275
和光市 2267万 677 1035万 620
鴻巣市 2255万 829 1170万 701
羽生市 1874万 1748 2777万 2602
狭山市 1825万 480 436万 15
蕨市 1814万 531 18万 7
東松山市 1437万 40 1460万 65
川口市 1377万 42 520万 46
八潮市 1293万 471 216万 5
本庄市 1057万 156 893万 214
幸手市 1005万 871 3052万 2891
蓮田市 925万 763 915万 747
加須市 775万 259 1281万 47
越谷市 627万 299 702万 427
志木市 573万 122 1008万 123
桶川市 417万 122 33万 8
久喜市 382万 287 670万 656
三郷市 336万 135 187万 73
北本市 295万 40 298万 50
新座市 294万 19 45万 12
入間市 197万 97 1655万 239
ふじみ野市 187万 133 155万 2
朝霞市 76万 15 55万 13
参考/宮代町 1億1331万 6656 1億1766万 9765

★私は、ふるさと納税で全国から久喜市に寄付してくれた人との絆を強めるために、「特別住民票」の発行や、久喜マラソン・提灯祭りの招待券を贈ることなども提案しているのですが…。★


【9月市議会】 職員の超過勤務、最長は年966時間
『声と眼』538号 2017/9/18

 2016年度久喜市一般会計の決算審査で、職員の時間外勤務の実態が明らかになりました。
職員全体の年間超過勤務時間は平均173時間ですが、17の部署がその4倍を超える年間500時間を超えていて、大きなアンバランスがあります。
各部署の業務量に職員の配置が合っていないと考えられます。

 時間外勤務時間が最も長い職員は年間966時間で、月平均で80時間を超えていることになります。
厚生労働省では月80時間を「過労死ライン」としていますから、この超過勤務の実態は明らかに異常と言わざるをえません。
さらに3つの部署で年間700時間を超える職員がいました。
市は超過勤務が多い理由を『市民と対応するのに夜間や土日に出なければならない』『新規事業があった』などと説明していますが、特定の職員に負担がかかる場合には業務を分けたり、臨時職員を入れたりして職員配置を見直すべきです。市職員は課長による“超過勤務命令”がなければ、個人の判断で勝手に残業はできないことになっています。
課長は、特定の職員の時間外勤務が過労死ラインであるのを知っていて、超過勤務を命じたのでしょうか。

 久喜市はノー残業デーを設けるなどして超勤を減らそうとしてきましたが、職員や課長の判断に任せているだけではいっこうに改善されません。
2015年に1000時間を超える職員がいたのに比べれば少しはよくなっていますが、平均の超過勤務時間数はむしろ長くなっています。
超過勤務の削減というタテマエが職員に浸透していないのではないでしょうか。


【9月市議会】 2016年度一般会計決算に対する質疑通告
2017/9/11

  9月定例市議会で、2016年度一般会計決算審査が行われています。
 14日の本会議で議案質疑が行われます。
 私は、5項目の質疑通告を提出しました。


1.久喜市の財政調整基金が増え続けている

 久喜市の財政調整基金の積立金残高が、毎年の「中期財政計画」で今後は減る、来年度からは減るとされてきたのとは裏腹に急激に増え続けていることを指摘してきた。
24年度末積立金現在高45億3900万円から、25年度末53億7900万円、26年度末54億8600万円、27年度末55億1000万円、28年度末58億2000万円と過去最大を記録した。
昨年9月、今年3月の議会で、当局から今後は実績を踏まえた計画としていくという答弁があって、今年3月に策定されて中期財政計画では、29年度末お積立額を53億とした。
これは計画の策定方法そのものを見直したと言うことで評価します。

ア.しかしこの9月補正予算で財政調整基金からの取り崩し額を4億6000万円削減していて、毎年年度末の最終補正で3億円とか4億円とかをさらに削減、摘み戻していることからすると、今年度末には逆に60億円にまで増額されるのではないかと、私は推測しています。認識、見解を聞きたい。
イ.以前は標準財政規模の10%を目標というか基準にしていたが、その後、基準はなく、いわば「多ければ多いほどよい」ということになっていますが、そういう考え方ですか。
 財調が標準財政規模の20%というのは、県内最高レベルであると考えていますが、いかがですか。認識と見解を聞きたい。
 一般的に財調は「将来の財政需要に備える」とされていますが、久喜市では、将来の予測できる財政需要として、市民の森やごみ処理施設整備のために、財調とは別に20億円が積み立てられている。
久喜市ではこれらを合わせると80億円に達しようとしている。
基金全体では100億円、市民サービスの水準や市民要望が山積している中で、これは多すぎるのではないかという認識を持ちませんか。


2.職員の時間外勤務が多すぎるのではないか

ア.まず、突出して時間外勤務の多い職員と部所の問題です。
 市全体で時間外勤務の最高時間者は900時間を超えた部所が1つ、700時間を超えたのが3つ、600時間を超えたのが8つである。最高額の方は年間の時間外勤務960時間、ということは、月に80時間の時間外勤務というのは多すぎないか。
なぜこのような勤務になったか。
 この課は平均でも500時間を超えているから、部所全体が時間外勤務が多いと思われる。認識と見解を問う。
イ.次に、部所間のアンバランスの問題です。
 職員の平均時間外勤務時間数173時間であるが、17の部所でその4倍を超える年間500時間を超える職員がいる。これは前年よりも増えている。部所内の職員平均が400時間を超える課は3課で前年と変わらない。
昨年の質疑で、超過勤務の多い部所から聞き取りをしている、職員配置を増やしている、ノー残業デーを徹底していくと、答弁があったが、結果として、改善されていない、効果が上がっていないのはなぜか。
ウ.全体的な問題です。
 職員の平均時間外勤務時間数は、26年度151時間、27年度165時間、28年度173時間と、年々増加している。
全体的にも改善されていないことについて、認識と見解を問う。
 昨年の答弁で、職員個人の意向や適性の問題もある、ノー残業デーの徹底ですとか所属長による適正な労務管理、職員の意識醸成などを進めていくという答弁があったが、職員個人や所属長個人の責任で対応するということでは改善されないことは明らかである。いかがか。
 時間外に市民に対応せざるを得ないとか、土日のイベントがあるとかいうのは、言い訳にならない。
日常的な時間外勤務の削減が実現できていないことが問題であるから、結局は、業務過多、あるいは職員個人でなく部所としての能力の欠如あるいは業務過多、職員配置の問題になってくるが、見解と改善方針を問う。


3.市の公共施設の電気を、新電力と契約を促進すべき

 これまで市の公共施設の内、比較的大規模の高圧施設では、Fパワーと2015年度から3か年の契約を締結して、東電との契約に比べて1年間で5700万円約30%の電気料金を節減することができた。
 昨年から新たに電力小売り自由化が本格スタートして、久喜市では低圧の公共施設111か所の内、6か所を新電力に切り替えてきた。
年間の電気料金はいくらで、東電との契約に比して節減効果がいくらだったか、明らかにされたい。比較を表として配布されたい。
 残りの公共施設についても、新電力との契約を拡大することについては、どのように進めてきたか。


4.久喜市のふるさと納税が減り続けている

 久喜市へのふるさと納税による寄付額は、目標の1000万円に対して27年度が670万円、28年度は382万円とほとんど半減した。
市への収入は150万円くらいにすぎないことになる。
一方、市民税控除影響額が5474万円である。
ふるさと納税に関わる収支は、久喜市は大きく「損」をしていることになる。

ア.28年度からふるさと納税を増やすために、いくつかの改善も行ったはずだが、逆に半減したことについて、このような結果になった原因に対する見解を問う。
イ.2年連続してのリピーターが25%しかいないことをどう見ているか。
ウ.久喜市のふるさと納税の取り組み、募集を、このまま続けていくか、寄附を増やすための改善を図るか、返礼品を出すこと自体の是非を含めて取り組みを見直すか。


5.久喜市の遺失物管理の方法を改善するべき

 市の各公共施設の管理全体に関わることであるので、本会議で質疑する。
 久喜市遺失物取り扱い要綱によると、「遺失物取り扱い責任者」は本庁舎が管財課長、第2庁舎は建設管理課長、支所は総務管理課長、他の施設は各施設の所管課長または施設の長となっているので、全体的な遺失物の把握を行う体制はない。
また、本庁舎などではそれぞれ取り扱い要綱に従って処理していることを確認しているが、他の各施設の管理状態について、どのように扱われているかの把握もできていない。

 その結果、昨年、たとえば「くりむ」や鷲宮東コミセンの遺失物等は窓口の前の箱にまとめて入れられ、「ご自由にお持ちください」状態になっていた。
その他にも、きわめて不適切な扱いが行われているケースがあるのではないかと推測される。

ア.市のすべての公共施設で、要綱に定める「遺失物一覧簿」が策定されているか。
 遺失物の管理、保管、返還はどのように行われているか、適正に行われているかどうかの点検、確認はどのようにされているか、確認されたい。
イ.28年度中に、遺失物の件数、現金の金額、その中で、現金の遺失物(拾得)の件数、金額を明らかにされたい。それらの返還、保管、警察への届け、市への返還、処分などの状況を明らかにされたい。
ウ.市の公共施設全体の遺失物管理が適正に行われているかを、全体的に把握する必要があると考えるが、いかがか。
 各部所でそれぞれ扱っている現状で、各施設の遺失物一覧簿を集約し、適切な管理が行われているかどうかの検証を行うべきだが、いかがか。
 そうした全体的な監督指導はどこで行うか。
エ.各施設の遺失物管理を一元化するべきではないか。
特に、警察への届け出、権利の放棄、還付の請求、処分については、市で一元管理するべきであると考えるが、いかがか。


【9月市議会】 財政調整基金が58億円にまで膨張
『声と眼』537号 2017/9/9

 久喜市の2016年度決算が確定し、9月定例市議会で決算審査が行われています。
市が“将来の財政需要に備えるため”として積み立てている財政調整基金が、今年3月で58億円にまで膨張していることが明らかになりました。

 財政課では合併後の2014年3月から毎年、「中期財政計画」を策定しています。
それによると、市の貯金である財政調整基金は毎年急減していって、2016年度末には28億1400万円にまで減少すると想定していました。
しかし実際の財政状況はそれとはまったく違って、2012(H24)年度末の45億3900万円から、13年度末53億7900万円、14年度末54億8600万円、16年度末58億2300万円にまで膨張し続けています。

 2016年3月に改定された計画では、当年度末の積み立て残高が39億円になると書かれていましたが、半年後に明らかにされた決算で実際には20億円も多い58億円に達していたことがわかりました。
これではとても「財政計画」とは言えず、久喜市の財政状況を苦しく見せかけて市民サービスを抑制するために、意図的に低く設定された数字だと批判されても仕方ないのではないでしょうか。

 今年3月に策定された計画では、来年3月には53億2900万円に減少すると言っています。
しかし実際には積立金の増額や、年度内に取り崩す予定だった金額を圧縮したりして、逆にさらに増えて60億円を超過するのではないかと考えられています。

 久喜市中期財政計画による財政調整基金の推移

2014/3策定 2016/3改定 2017/3改定
2011年度末 35億4200万 35億4200万 35億4200万
2012年度末 45億3900万 45億3900万 45億3900万
2013年度末 54億8900万 53億8000万 53億8000万
2014年度末 40億2500万 54億8600万 54億8600万
2015年度末 37億9500万 55億1000万 55億1000万
2016年度末 28億1400万 39億6500万 58億2300万
2017年度末 15億1900万 28億4400万 53億2900万
2018年度末 10億7700万 47億9900万
2019年度末 42億0200万

ゴシック数字は積立額の実績。細字は当該年度以降の「計画」金額。2014年3月に策定された計画では13年度をピークに急激に減少していくという予測で、2016年3月の改訂版でも15年度がピークとされていた。昨年の決算審査で、このような事実と著しく異なる「予測」をやめて、実際の数値に即して財政計画を作るように求めた。今年3月の改定では少しは改善されたが、それでも2017年度末以降の計画金額はかなり低めに算定されていると見られる。

 市では以前は、財政調整基金は標準財政規模(地方税と地方交付税などの合計額)の1割=30億円程度を目標として積み立てるとしていました。
その後、久喜市の実際の積立額がそれを大幅に上回ってしまったため、現在では“多ければ多いほどいい”という考え方です。
しかしそれでは貯金を増やすために市民サービスを抑制することにつながりかねません。これまで、計画的な財政運営のために財政調整基金とは別に、市民の森整備基金11億円、ごみ処理施設整備基金10億円なども積み立ててきており、これらを合わせると将来の財政需要に備えた基金積立額は80億円にも達します。
目標もなしに基金積立金が増えればいいという財政運営は転換するべきです。


上下水道部で、市民から集金したお金の振込先を間違えたあり得ないミス
2017/7/1

  6月議会最終日前日の27日、上下水道部長から、会計処理上のミスがあったので各会派の代表者に説明をしたいと連絡がありました。
 その日の夕方に部長と水道・下水道の2人の課長が私の自宅へ来て説明したのですが、翌日の本会議終了後に、改めて市民の政治を進める会の他の議員にも説明してもらいました。


 久喜市では下水道使用料、集落排水事業(農村下水)の使用料は、水道料金といっしょに民間委託して徴収しています。
 水道料金、下水道料金、集落配水施設使用料は、すべていったん水道事業会計(口座)の収入として収納した後に、下水道使用料は下水道事業会計へ、集落排水使用料は集落排水会計に繰り出して、それぞれの会計(口座)の収入として確定しなければなりません。

 ところが、2016年度最終の3月検針分の使用料をそれぞれの会計口座に移す際に、下水道使用料と集落排水の使用料を、いっしょに下水道事業会計の口座に振り込んでしまいました。
 3月検針分が市民から納入されてくるのは4月になってからで、それらを集計して5月31日に、水道事業会計の口座から、本来なら下水道使用料は下水道事業会計の口座へ、集落排水使用料は集落排水会計の口座に分けて振り込まなければならなかったのですが、その振込先の口座を間違えて、両方とも下水道事業会計の口座に入れてしまったのでした。
 その結果、市民から徴収した集落排水使用料の3月検針分の2173万円が、集落排水会計の口座には納入されなかったので、会計処理上は「未納」の状態になってしまったわけです。

 翌日の6月1日になって、集落排水会計に振り込まれていないことがわかって、あわてて、下水道事業会計に間違って入ってしまった2173万円を水道事業会計に戻し、あらためて集落排水会計に振り込んだのですが、もう取り返しはつきませんでした。
 行政の会計手続きは各年度の最終的な締め切りを5月31日としています。
 5月末日まででしたら間違った入金をやり直せば、ミスは表に出ないですんだのですが、6月になってしまうと、2016年度の会計処理を完全に締め切った後でしたので、修正はきかないのです。
 したがって、2016年度の集落排水特別会計は、使用料収入が本来なら1億6377万円のはずが、決算処理上は1億4203万円となってしまい、使用料収納率は例年だと98%の高率になるはずが、85%しか収納されなかった、未納が15%も出たことになってなってしまいました。(この分は2017年度の会計に「過年度滞納分の収入」として記載されることになります。)
 もちろん、市民からの使用料徴収は問題なく、市に収入として入っていたのですから、実際に市に損失を与えたわけではありません。
 その意味では、会計処理の帳簿上でのミスに過ぎないのですが、問題はもっと根深いものがあります。

市の隠蔽体質、市役所組織の無責任体制

 第1の問題は、市当局はこの問題を議会に隠し通そうとしたらしい隠蔽体質です。
 市の内部でミスが判明したのは6月1日で、その後、市内部および県と協議して、会計処理を何とか修正できないかを検討したようですが、最終的に糊塗できないで、6月中旬にはミスをミスとして公表せざるを得ないという結論が出ていました。
 にもかかわらず、議員に最初に報告されたのが6月27日だったのですから、当局は半月以上も議会に秘密にしていたわけです。
 ちょうど6月定例議会が開かれていたのですから、すぐに議会に報告する機会はあったはずなのに、議会が終わるのをひたすら待って、最終日の前日になって、各会派の代表者にだけ報告して済ませようとしたのです。
 このタイミングでは、仮に議会側から全員協議会で説明するよう求めても、もはや日程が取れないから仕方ないとして、各会派ごとに部長が説明して済ませてしまったのでした。

 第2の問題は、久喜市役所の組織が、組織として無責任体制になっているのではないかということです。
 今回、上下水道部では、下水道使用料および集落排水の使用料を水道事業会計の口座から、それぞれの口座に振り込むに際して、担当者が起案文書を作成して、上司の決済(許可)を得て振り込み手続きを進めましたが、その起案文書が間違っていたのです。
 その文書には、担当者の他、担当係長、水道業務課長、上下水道部副部長、部長の5名が印鑑を押しているのですが、誰1人として間違いに気付かなかったというのです。
 職員も人間ですから、当然、間違いはありますが、役所は個人として仕事をしているのではありません。
 個人のミスが、組織としての決定的な間違いにつながらないように、一見するとムダなお役所仕事と批判されるこんなめんどうなシステムになっています。
 しかし久喜市役所の組織体制は、結局、仕事も責任も個人まかせになっていて、組織として誤りを正せない、責任が果たせないような体質になってしまっているのではないでしょうか。

 昨年は教育委員会で、小中学校のエアコン設置の工事を進めた際に、追加工事と補正予算措置が必要だっったのに、そうした手続きを取らないで、予算がないのに担当者が独断で業者に追加工事を指示してしまった事件がありました。
 これも、教育委員会の組織としてのチェック機能が働かずに、あり得ないミスが起こってしまったのでした。
 その時にも、原因は「職員個人が仕事を抱え込んでしまった」「組織として共有していなかった」と言われていましたが、その反省はまったくなかった、今回のミスもまったく同じ体質の表れと言うしかありません。

市長はどう考えているのかがまったく見えない

 第3の問題は、今回の上下水道部の会計処理上のミスを、市全体で原因を明らかにして、全体で責任を取るような対応がまったくなされていないことです。
 市の組織の外部から見ると、このような問題が起こってしまった背景と根本的原因は、久喜市役所の組織全体の緩み、無責任体制ともたれ合いがあると考えられるます。
 しかし久喜市当局にとっては、単に、上下水道部の一職員のミスで、上下水道部の課長や部長がミスを発見できなかっただけだと考えているようです。
 だから、市当局はどうやら、上下水道部の部長らが各会派をまわって説明し謝罪すれば、これで終わり、一件落着と思っているらしのです。
 いまだに市長からは、この件について、議会に対して何らの説明も、釈明もありません。
 当局は、どうせ議会からは根本的責任を追求するような声は出てこないだろうと、高をくくっているのだと考える他ないではありませんか。
 実際、議会で過半数を占める最大会派や第2会派からは、いまだに何の声も聞こえてきません。


久喜市へのふるさと納税が激減、位置づけの見直しを提案
2017/4/18

 2016年度1年間の、久喜市へのふるさと納税の実績は、目標の1000件、1000万円にはほど遠い結果に終わったことが明らかになりました。
 2015年度の年間寄附件数が656件、金額にして670万円だったのに比べると、件数では285件で半分以下(6割減)となりました。
 金額では382万円で前年度実績の57%を確保しましたが、これは1件あたりの寄付金額が増えたためです。

ふるさと納税寄附状況の実績
  2016年度 2015年度
申込件数
(件)
寄付件数
(件)
寄付金額
(円)
申込件数
(件)
寄付件数
(件)
寄付金額
(円)
4月 12 18 180,000 91 11 110,000
5月 11 12 130,000 61 75 770,000
6月 19 14 140,000 66 66 660,000
7月 29 21 220,000 30 59 605,000
8月 30 25 250,000 132 30 301,000
9月 17 25 250,000 46 121 1,212,000
10月 22 19 200,000 54 50 500,000
11月 30 26 260,000 62 55 561,000
12月 86 59 991,000 109 56 570,000
1月 9 50 830,000 16 95 1,012,000
2月 9 8 110,000 10 15 150,000
3月 11 10 260,000 19 10 101,000
合計 285 287 3,821,000 695 656 6,702,000

 返礼品の希望では、米が97件、梨が36件で、前年度実績(米300件、梨80件)に比べて大幅減でした。
 久喜市の返礼品の目玉として掲げた米や梨が、寄付者にとっては魅力とは受け止められていないということです。

 久喜市への寄付額は382万円ですが、返礼品やコンサルタントの手数料等をの経費を除くと、市の収入は約200万円に過ぎません。
 一方、 久喜市民で他市にふるさと納税をしている人の住民税控除額は2015年度で1100万円に上っています。
 これを差し引きすると、市のふるさと納税に関わる収支は「大幅赤字」になっています。

 久喜市の方策としては、(1)久喜市のふるさと納税はますますじり貧になるのを仕方がないとあきらめる、(2)返礼品を多彩かつ豪華にして寄付を呼び込むという2つの方策がありますが、現状からすればいずれにしても効果は望めません。

ふるさと納税の位置づけから見直すべき

 寄付者が激減しているとはいえ、それでも久喜市にふるさと納税をしてくれている人は、単に返礼品目当ての寄付ではなくて、久喜市に何らかのつながりがあって、「久喜市を応援しよう」という気持ちを持ってくれている人々です。
 だとすれば、久喜市のふるさと納税の取り組みを根本から見直す必要があります。
 私は2月議会で、寄付者の大幅増が見込めないとすれば、その位置づけを見直していくよう提案しました。
 それは、単に返礼品目当てに一過性の寄付を増やすことをめざすのでなく、久喜市に積極的な応援をしてくれる人と位置づけて、その人々と継続的なつながりを作っていくことの方が、長い目で見て、久喜市の活性化に役立っていくのではないでしょうか。
 たとえば、多くの市ではふるさと納税の応募者に対して継続的に年1回ずつ広報紙や観光案内を送っていますし、四国のある村では、寄付者に【特別住民票】を発行して村との絆を持ち続ける取り組みをしています。
 久喜市もふるさと納税サイトのコンサルタントにおまかせでなくて、久喜市としての取り組みを考えてみてはいかがでしょうか。
 提灯祭りや久喜マラソンへの招待状を送るなんていうアイデアもあります。


【2月市議会】 基金積立金は膨張し続けている
『声と眼』526号 2017/2/16

 久喜市の貯金である財政調整基金積立額が毎年増え続け、2016年度末で58億円に上ることが明らかになりました。
この金額は県内40市中で5~6位に入っていると見られます。
下表の【見込額】というのは前年度末の段階での見通しの金額です。
昨年3月時点では、2016年度末に39億円にまで減ると説明されていたのですが、実際には1年後の現在、逆に58億を超えるまでに増えたことになります。
財政課では毎年「来年は減る減る」と言っているのですが1年経ってみると結果は増え続けています。
今はまた、来年3月には42億円にまで減る見込みだと言っていますが、信用できるかどうか…。
「財政が厳しい」というのは市民の要求を抑えるための言い訳に過ぎないようです。

 当局は“これまでは合併特例が適用されて地方交付税が維持されてきた。
今後は交付金額が減少していくのでそれに備えて基金を積み立てている”と説明しています。
しかしそれを口実にして、必要な市民サービスを抑制するとしたら本末転倒です。
 さらに、市民の森整備基金11億円、ごみ処理施設整備基金9億円、ボートピア環境整備基金2億8000万円など、特定の目的のために積み立てている基金も多額に上っています。
基金総額は87億円を超え、3年間だけで20億円の増、合併時からは3倍近くになっています。

  【1年前の見込額】⇒ 財政調整基金 基金総額
2009年度末 19億1182万 31億1121万
  2010年3月に合併した段階での基金積立額
2014年度末 【39億1197万】 ⇒ 55億0154万 69億1566万
2015年度末 【35億7746万】 ⇒ 55億1062万 78億8192万
2016年度末 【39億4850万】 ⇒ 58億2294万 87億8957万
2017年度末 【42億0867万】 ⇒

【2月市議会】 久喜市の2017年度予算の主な事業
『声と眼』526号 2017/2/12

◇菖蒲地区に新たなごみ処理施設を整備するために、用地買収費など 2億5848万円
◇地球温暖化対策として、市民が再生可能エネルギーや省エネルギー機器を設置する場合の補助金 1500万円(昨年度の申請が多かったため5割増)
◇済生会栗橋病院に対する運営費補助金として 4791万円
◇妊娠・出産・子育ての相談に応じる子育て世代包括支援センターを中央保健センターに設置 235万円
◇大規模学校給食センターの建設へ基本計画、設計費 7322万円
◇市内循環バスやデマンドバスなどの公共交通の検討 1057万円
◇東停車場線(久喜駅東口大通り)の突き当たり交差点から200m位の路盤整備 1億602万円
◇菖蒲運動公園の整備工事 1億250万円
◇菖蒲地区の市民の森公園用地買収と基本設計 9億2542万円
◇防犯灯LED化の推進 4597万円
◇交通安全施設整備工事 2887万円 久喜駅西口広場の2か所の横断歩道にエスコートゾーン(車道用点字ブロック)を設置も
◇理科大校舎改修事業、1期・2期工事 3億959万円

歳入  単位/千円
平成29年度 平成28年度 増減  増減率
1 市税 22,018,273 21,424,150 594,123 2.8%
2 地方譲与税 433,000 419,000 14,000 3.3%
3 利子割交付金 22,000 34,000 ▲ 12,000 ▲ 35.3%
4 配当割交付金 120,000 156,000 ▲ 36,000 ▲ 23.1%
5 株式等譲渡所得割交付金 123,000 97,000 26,000 26.8%
6 地方消費税交付金 2,297,000 2,100,000 197,000 9.4%
7 自動車取得税交付金 127,000 94,000 33,000 35.1%
8 地方特例交付金 99,000 94,000 5,000 5.3%
9 地方交付税 4,180,000 4,595,175 ▲ 415,175 ▲ 9.0%
10 交通安全対策特別交付金 23,843 24,606 ▲ 763 ▲ 3.1%
11 分担金及び負担金 437,074 441,662 ▲ 4,588 ▲ 1.0%
12 使用料及び手数料 321,284 319,439 1,845 0.6%
13 国庫支出金 6,637,652 6,971,363 ▲ 333,711 ▲ 4.8%
14 県支出金 2,871,565 2,775,106 96,459 3.5%
15 財産収入 13,278 14,710 ▲ 1,432 ▲ 9.7%
16 寄附金 12,102 12,102 0 0.0%
17 繰入金 3,069,102 2,207,527 861,575 39.0%
18 繰越金 400,000 400,000 0 0.0%
19 諸収入 1,164,327 1,149,560 14,767 1.3%
20 市債 4,780,500 3,544,600 1,235,900 34.9%
合計 49,150,000 46,874,000 2,276,000 4.9%

歳出
平成29年度 平成28年度 増減 増減率 
1 議会費 357,953 356,641 1,312 0.4%
2 総務費 5,743,139 5,265,800 477,339 9.1%
3 民生費 18,824,120 18,980,750 ▲ 156,630 ▲ 0.8%
4 衛生費 4,247,644 3,763,977 483,667 12.8%
5 労働費 12,514 14,636 ▲ 2,122 ▲ 14.5%
6 農林水産業費 723,625 706,894 16,731 2.4%
7 商工費 471,407 447,730 23,677 5.3%
8 土木費 6,085,587 5,229,141 856,446 16.4%
9 消防費 2,861,261 2,446,492 414,769 17.0%
10 教育費 4,427,685 4,442,318 ▲ 14,633 ▲ 0.3%
11 災害復旧費 4 4 0 0.0%
12 公債費 5,173,802 4,935,311 238,491 4.8%
13 諸支出金 121,259 184,306 ▲ 63,047 ▲ 34.2%
14 予備費 100,000 100,000 0 0.0%
合計 49,150,000 46,874,000 2,276,000 4.9%


久喜市のホームページ/新年度予算の概要へのリンク

久喜市へのふるさと納税寄付金は昨年の半分以下
2017/1/23

 12月の記事で、4月~10月までのふるさと納税寄付金が昨年度に比べて3分の1に激減したと書きました。
 その後、11月、12月で少し盛り返して、件数は219件、金額は262万円となったものの、2015年の4~12月の523件529万円と比較してみると件数で6割減、金額では2分の1弱にとどまっていることがわかりました。
 返礼品の希望は2015年度は米だけで300件以上、なしは80件ありましたが、今年度は米72件、なし41件に激減しました。
 これは久喜市のふるさと納税の目玉的な地場産品である米や梨のリピーターがほとんどいなかったという現実が如実に表れています。
 原因が何なのかを分析した上で、来年のふるさと納税の取り組みをどう変えていかなければならないか、反省が必要です。
 私は、いちばんの問題は、久喜市行政がふるさと納税の取り組みを企画から返礼品の扱いまですべてコンサルタントに丸投げで、行政が責任を持っていないこと、ふるさと納税をしてくれた人を、単に返礼品目当てに応募してきた人としか受け止めていないことが、一過性の寄付に終わってしまっている根本原因ではないかと考えています。
 寄付者を久喜市に対する応援団として位置づけて、継続的に引きつける仕組みが求められていると思うのですが、いかがでしょうか。
 それとも、もともとふるさと納税は、返礼品目当ての一過性の寄付でかまわないと思っているのでしょうか。


久喜市へのふるさと納税寄付金が激減!?
2016/12/6

 久喜市のふるさと納税の寄付状況は、4月~10月で134件(137万円)にとどまっています。
 昨年の同時期のふるさと納税は412件(415万円)でしたから、それに比べて何と3分の1に落ち込んでしまったことが明らかになりました。
 久喜市のふるさと納税の募集事業は一昨年からコンサルタントに委託して、返礼品を大幅に拡充して、昨年は寄附件数が大幅に増えたのですが、それでも目標の1000万円に対して、670万円にとどまっていました。
 それが今年はさらに大幅減で、なぜこんなに減ったのか、真摯に分析してみる必要があるのではないでしょうか。
 昨年の「返礼品」の内容は、米だけで300件以上、梨は80件あったのですが、今年の返礼品の希望は、米も梨も30件に減っています。

状況の実績
  2016年度 2015年度
申込件数
(件)
寄付件数
(件)
寄付金額
(円)
申込件数
(件)
寄付件数
(件)
寄付金額
(円)
4月 12 18 180,000 91 11 110,000
5月 11 12 130,000 61 75 770,000
6月 19 14 140,000 66 66 660,000
7月 29 21 220,000 30 59 605,000
8月 30 25 250,000 132 30 301,000
9月 17 25 250,000 46 121 1,212,000
10月 22 19 200,000 54 50 500,000
11月 62 55 561,000
12月 109 56 570,000
1月 16 95 1,012,000
2月 10 15 150,000
3月 19 10 101,000
合計 140 134 1,370,000 695 656 6,702,000

返礼品は米と梨が人気ですが(申込数)
1 草加割れせんべい  19
2 埼玉県産コシヒカリ(11㎏)みずほ農協 12
3 生パスタ・ボロネーズセット 11
4 米 彩のかがやき(15㎏)南彩農協 9
5   米 彩のかがやき(15㎏)宮野農園 8
6   梨(5㎏)宮野農園 8
7   梨(5㎏)宮野農園 8
8   梨(5㎏)南彩農協 7
9   6
10 梨カレー 5
  以下省略
4月~10月 合計 134

 近隣自治体の昨年の実績は、加須市1000万円、幸手市3000万円、白岡市6000万円、宮代町1億1000万円で、その多くはリピーターと新規の寄付者で、多くは年々増加しています。
 久喜市へのふるさと納税は、米や梨などの返礼品が拡充されたので一時的に増えたのですが、昨年の返礼品を受け取った人たちが、今年はほとんど応募してこない、つまり「リピーター」がほとんどいなかったということになります。
 市長はかつて、「人口減少社会で生きぬくために、都市間競争に勝ち抜く」と大見得を切っていました。
 しかしふるさと納税の実情を見る限り、久喜市のPRも低調で、久喜市応援団(寄付者)も集まらない、むしろ減っているというのでは、とても勝ち抜けない・・・?



【9月市議会】 2015年度一般会計決算に、要望を付して賛成しました
2016/9/30

 9月29日、9月定例市議会最終日に、議案の討論・採決が行われました。
私は、2015年度一般会計決算について、特に事務事業評価や財政調整基金の積み立て、財政方針など、7項目の要望をつけて賛成しました。

【議案16号 2016年度一般会計予算 賛成討論】

猪股和雄

【賛成討論】 議案第98号 2015年度一般会計決算認定

 決算審査は、昨年の2月定例市議会において審査され決定した予算が、適正に執行されたか、所期の行政目的にそった成果をあげられたかという観点から評価を行うものです。
 施政方針にもとづいた予算執行自体にはおおむね評価し、課題を指摘し、改善を求めて賛成討論をします。

1.事務事業評価は、行政自身が一つ一つの事務事業の目的と成果指標を設定して、進行管理していく、それを公表することによって、行政に対する市民の理解を得ていくものである。
 事務事業評価の意義が各課および職員に浸透してくるにつれて、自己評価は年々改善されてきていると認められます。
 しかし総合評価は多くが「A」、事業の方向性は多くが「現状維持」となっています。改善は33%、革新はゼロです。事業内容も評価も前年度を踏襲したと見られるものや、予算の増額されないから現状維持としているのではないかと思われるものもある。
 予算の見通しに縛られるのはある程度はやむを得ないとしても、当該の事務事業の必要性があるものであれば拡大基調をめざすべきである。そうした大胆な改善、改革、拡大の発想を生み出すような評価方法、記載方法を工夫していただきたい。事中評価の導入、総合評価にあたって、有効性と必要性に加えて、効率性の観点を盛り込む工夫、これらについては以前から指摘してきていますが、さらに検討していただきたい。事務事業評価の対象事業の選択に当たっては、各所属所ごとに最大5事業としていますが、もっと対象事業を拡大するべきです。

2.財政調整基金は、合併算定替えの終了による地方交付税の減額に備えて、できるだけ多く積み立てておくという当局の方針で、24年度末積立金現在高45億3900万円から、25年度末53億7900万円、26年度末54億8600万円、27年度末55億1000万円と増え続けている。ちなみに28年度末は56億2000万円の見込み。
 26年3月時点の中期財政計画では26年度末40億円、27年度末38億円、28年度末28億円であったが、今年3月の財政計画では現実に合わせて数値を変更して26末54億、27末55億、28末39億としたが、この計画数値をも大幅に上回ることとなった。
 財産に関する調書で算定すると、久喜市の財調+減債基金は24年度末46億円から、27年度末は56億円と大幅に増額となった。さらに今後の大きな財政需要に備えるために、財調から分割して新たな基金を設置し、市民の森整備基金、ごみ処理施設整備基金に18億円を積み立て、これらを合わせると「将来の財政需要」に備えるために75億円もの基金を保有していることになる。
 中期財政「計画」がまったく信用できない数字となっている。
 毎年の計画で、「27年度以降、基金残高が減少すると見込んでいる」「その結果、28年度には、「標準財政規模の10パーセント(本市においては約30億円)を割り込む厳しい状況となる」と明記しながら、毎年上方修正している。中期財政計画を策定した3月時点ではすでにこの見通しが実態と異なることがわかっている。
「計画」と言うからには、単なる見込みでなく、いくらくらいの財調積立金を確保するのかという文字通りの財政「計画」を策定し、明らかにするべきである。
 そうでなければ、久喜市の中期財政計画は税制が厳しいと宣伝して市民を脅かすための宣伝計画の意味しか持たない。

3.職員の時間外勤務の部署間のアンバランス、非常に長い部署も見られる。単に季節的、一時的要因だけとは考えられず、業務量の把握と人員配置に問題があるのではないかと指摘せざるを得ない。改善を図るべきである。

4.環境保全率先実行計画で、温室効果ガス排出量の削減目標を、平成28年度までにCO2を平成22年度比4.9%削減して1万1223トン以下とするとなっている。しかし実際にはすでに目標を達成している。今年度に計画の見直しを進めることになっているけれども、これまでの削減実績を踏まえた新たな積極的な削減目標の設定が不可欠である。
 環境マネジメントシステムでは、すでに達成しているにもかかわらず、「率先実行計画における平成28年度の目標値1万1223トン以下を達成するよう、引き続き抑制に取り組む」と書いているが、昨年の評価とまったく同じで、今後の方向性は「現状維持」である。これでは毎年、しんけんに評価を行っているのかと疑問を抱かざるを得ない。前例踏襲、マンネリ主義でなく、積極的な取り組みを求める。

5.学童保育は、特に東鷲宮小学校、桜田小学校が、児童数の急増により、対応できなくなりつつある。青葉小学校の学校内への移設、小林小学校と江面第2小学校の学童保育施設をどうするかの検討、栗橋南小学校など、定員を大幅に超える学校が増えてきているので、施設の拡充などの対応を求める。

6.学校給食についてです。
 栗橋南小学校の学校給食を自校調理方式へ移行することが課題であったにもかかわらず、今度は全小中学校の給食を提供する大規模給食センターの整備計画が公表された。久喜市の給食は、一部であれ、自校調方式と、直営・中小規模の給食センターと、大規模民間委託センター方式に比べて、給食の質をより重視した方式が続けられてきた。全部を一括して大規模センター方式への移行は、給食の質を犠牲にして効率性を重視することになりかねない。
 財政的観点はもちろん必要だが、政策的観点、つまり子どもたちの安心安全な学校給食を守るという観点から、直営・自校調理方式が優れていることは明らかであり、政策的に自校調理方式への計画策定を求める。さいたま市では市長の政治的判断によって全部の学校で自校調理方式を実現した。久喜市ではなぜできないか。
 給食食材の久喜産、県内産を増やしていく取り組みが前進しているとは思えない。久喜産、県内産の割合を増やすべきである。

7.市立図書館の1人あたり図書購入費は県内平均を上回っているものの、1人あたり蔵書冊数、1人あたり貸し出し冊数、ともに県内平均を下回っている。事務事業評価で、事業の方向性は「改善」とされているが、当然「拡大基調」とすべきである。資料整備の予算は年々減らされているが、逆に財政的に拡大を考慮するべきだ。

ふるさと納税寄付金の収支は“赤字”
『声と眼』517号 2016/9/10

 2015年度の久喜市のふるさと納税寄付金は1年間で656人670万円でした。
市は一昨年からふるさと納税の返礼品を一新して目標額を1000万円としていたのですが、結果は残念ながらきわめて低調でした。
しかも企画や寄付の受け付けなどいっさいをコンサルタントに委託した事務費や返礼品の費用などを差し引くと、久喜市に入るお金は250万円足らずです。

 ふるさと納税は所得税や住民税の控除対象になります。久喜市民が市外に寄付したことによる15年度分の市民税控除額は1160万にのぼっています。
久喜市への寄付額と市民税の控除額の差し引きでは900万円程度の赤字だったことになります。

 隣接自治体のふるさと納税寄付金は、宮代町が1億1766万円、白岡市6363万円、幸手市3052万円、加須市1281万円、蓮田市914万円に達しています。
同じように返礼品も用意し、ホームページでのPRもしているのになぜこんなに違うのでしょうか。
他市町はふるさと納税を「わがまちへの応援団」と位置づけて、特色あるまちづくりのPRに力を入れています。
久喜市は“返礼品と引き替えの寄付”という印象が強く、他市と同じような返礼品では寄付も伸びないということではないでしょうか。

【一般質問】 清久大池・西池を公園に位置づけるべき
2016年6月議会 猪股の一般質問 『声と眼』514号 2016/7/11

 4月から清久の市民釣場が閉鎖されてしまいました。
市ではこれから4000万円をかけて施設の撤去や立ち入り禁止のための工事を行う計画ですが、市民の憩いの場を奪うために市民釣場の過去4年分の収益をつぎ込むのはあまりにもばかげています。昨秋に放流したヘラブナも繁殖しています。

 現在は“調整池”の位置づけですが、「公園」に変更して市民が自由に散策や釣りを楽しめる場にするよう求めました。
残念ながら、市はまったく検討する考えもないようです。

【参照Blogへのリンク】
2016/4/24 清久釣場は今どうなっているか

【一般質問】 市税等の口座“再振り替え”をすべき
2016年6月議会 猪股の一般質問 『声と眼』513号 2016/6/25

 市では安全・確実で便利な納付方法として市税等の口座振替(自動引き落とし)を推奨しています。
納期限は市県民税と固定資産税は年間4期、国保税は9期などとばらばらですから、納期が重なったりして口座の残高が足りずに引き落としができないこともあります。
その場合には督促状が送られてきて、同封の納付書で直接に金融機関から支払わなければなりません。
特にひとり暮らしの高齢者などが『後でついでの時に』と思っている内に延滞金が発生してしまって、そうなると市役所まで行かなければならなくなってしまいます。

 残高不足で引き落としができなかった場合に、納税者の利便を考慮して“再振り替え”を行っている自治体もあります。
千歳市や桑名市は約2週間後、彦根市や美作市は翌月中旬、金沢市や八千代市は翌月末日などです。
久喜市も納税者の利便性のために、残高不足で引き落としができなかった場合に、1回は再振り替えを行うよう提案しました。

財政部長は「市税は納期限内に自主納付するのが原則なので、引き落としができなかった場合は自分で銀行等で納めてもらう」と答弁しました。
これではまるで振り替えができなかった人に対する罰則のようです。
たとえば15日後に再振り替えをすれば延滞金も発生せずに確実に納税してもらえます。
市と銀行とで手続きを変更すればいいだけなのに、なぜ市民の利便を向上させようとしないのでしょうか。

【一般質問】 ふるさと納税、なぜこんなに低調か
2016年2月議会 猪股の一般質問 『声と眼』508号 2016/3/25

 久喜市のふるさと納税寄付金は1月末までで633件、645万円でした。
近隣自治体では幸手市が2778件、2938万円、宮代町は8736件、1億1111万円、白岡市は3739件、6038万円に達しています。
同じように返礼品も用意し、ホームページでのPRもしているのになぜこんなに違うのか、市がどのように分析しているのかを質問しました。
当局は「実績のある自治体と同様の手法で行っているが、伸び悩んでいる。他市町ではより魅力のある返礼品を取り扱っていることやPRに経費をかけているのではないか」と答弁したのですが、はたしてそうでしょうか。

 宮代や幸手はともに企画や受け付け、返礼品の事務などを基本的に市や町の職員が行っていて、ふるさと納税のホームページは手作り感満載です。
白岡市も一つ一つの返礼品に詳しい紹介が書かれていて、「全国の人々に自分のまちを知ってほしい、まちづくりを応援してほしい」という熱意が伝わってきます。
-久喜市は“返礼品と引き替えに寄付してください”という単なる寄付金集めの手段になっているのではないでしょうか。
しかも、ふるさと納税の企画やホームページ、受け付け、返礼品などの事務をすべてコンサルタントに委託していて、1万円の寄付の内、市に入る収入は3500円足らずです。
ふるさと納税を、特色あるまちづくりの応援団を募る仕組みとして位置づけて、久喜市の取り組みの見直しを進めるよう求めました。

【参考】

【2月市議会】 2016年度一般会計予算に、要望を付して賛成しました
2016/3/18

 3月18日、2月定例市議会最終日に、議案の討論・採決が行われました。
一般会計、国民健康保険会計、介護保険会計、水道事業会計に対して、共産党が修正案を提出しましたが、いずれも共産党だけの賛成で否決、市長提出の原案が、共産党以外の賛成で可決されました。

【議案16号 2016年度一般会計予算 賛成討論】

猪股和雄

1.予算編成過程の公開をいっそう進めるよう求める。
 昨年の討論と同じことを指摘せざるをえないのははなはだ残念なのですが、現在の予算編成過程の公開方法では、各課からそれぞれの事業が予算要求としてあがってきて、各課では当然、必要な事業としてあげたはずですが、最終的にそれがなぜ減額されたのかについては説明されていません。
 まず、公表対象事業が200あまりにすぎなくて、本来なら全ての要求項目を公表するべきです。
その他の要求はなかったのか、担当課で最初から要求を出さないのか、部の段階で絞り込まれてしまっているのかも明らかにするべきだ。
 もし課や部の段階で要求項目を絞り込んでしまっているのだとしたら、その段階でなぜ絞り込んだのか、新規事業をなぜ要求しなかったのかを明らかにしなければならない。
 しかも、公表されている予算編成過程では、「義務的経費の積算内容を精査した結果、減額とします」「事業費の積算内容を精査した結果、減額とします」「事業の一部を先送りします」「事業の一部を前倒しします」、等々
 これらの内容も理由も判断も、まったく書いてなくて、これでは市民に予算編成についての理解を求める、市民にわかってもらおうという公開ではなく、きわめておざなり、いかにもお役所的な公開だなと思わざるをえません。
 予算編成過程を公開する意味は、それぞれの事業を増額、あるいは減額、事業を先送りした理由を説明することによって、市民の理解を得ることにあるはずです。
公表対象事業をさらに広げること、さらに市民にわかりやすく、内容の公開にまで踏み込むよう求める。

2.一般会計予算は468億円で、実質は▲3%でほとんど事業量は変わらないと言うことができる。
 個別の事業のいくつかについて、特に要望事項を述べておきます。

3.現在の久喜市の出生率1.13から、2025年1.45、2045年2.07をめざすというのは、目標が過大にすぎます。
日本全体が人口減少が進んでいるわけで、その現実を真摯に見つめ、久喜市が特に若い世代から「住みたいまち」としては選ばれていないという、現実を謙虚に受け止めなければならない。
 人口減少、財政も必然的に縮減へと向かう中で、見せかけだけの過大な出生率の目標を掲げるよりも、保育園の待機児童ゼロ、完全学童保育をさらに推し進める、介護施設も特養の待機者ゼロへ進めていく、障害者の施設待機ゼロをめざしていく、子どもたちも高齢者も障害者も地域で暮らしていけるまちをめざしていく、市民の生活の質をこそ高めていくことをめざすべきではないか。
子供の貧困対策の視点から対策指標を早急に検討し、子ども子育て支援事業計画を補完させるべきです。

4.地球温暖化防止へ、久喜市で私たちが何ができるのか、温室効果ガスの削減へ、環境基本計画の見直しを前倒しして、地域施策編の策定を大胆に進めていただきたい。
 トキとコウノトリの舞うまちづくりです。新年度は調査研究、検討ということで、久喜市内におけるふゆみず田んぼなど、実質的な事業の推進はまだ先になるようです。積極的な取り組みを求めます。

5.手話言語条例の制定へ向けた取り組み、エスコートゾーンの設置、あおばっ子学童クラブの施設整備、新年度中に1歩も2歩も前進させるよう求めます。
 臨時福祉交付金 国のバラマキ事業だから評価しないけれど、それでも、申請しないで知らずに「辞退」とされてしまっているような辞退はなくさなければならない

6.地域会議事業は、それぞれの地区、支所における商工観光事業と二重の予算計上になっています。中身はそれぞれ異なるようですが、わかりやすく一本化して掲載すべきです。予算は本来、年間事業計画を市民に知らせるという意味もあるのです。

7.清久釣場については、交流人口の拡大という観点から考えていただきたい。
昨年でも入場者が2万人にて、その内の市内在住者は2割しかいないといわれるが、逆に言えば、8割もの人が年間を通じて市外から久喜を訪れているということです。
こうした市外から久喜に来る人たちを大事にしていかないとダメですね。
フェンスを張り巡らして、立ち入り禁止にして、せっかくのファンを閉め出すために4000万円も使うのではなくて、愛好会の人たちが提案しているように、清久大池、西池を公園として位置づけ直して、自由釣場として市内外の釣りファンに開放していくことを、積極的に検討していただきたい。

8.ごみ処理検討委員会で提案された「基本方針」の原案は、これまでの生ごみ全量堆肥化、できるだけ燃やさない、できるだけ埋めないごみ処理という基本を放棄する危険をはらんでいます。
市は、「堆肥化を含めてその他の資源化の方策を検討するというのだけれど、やっぱり堆肥化はその根幹にあると思う。「減量化・原料化」のごみ処理の大原則を維持していただきたい。

要望書 「清久大池・西池の釣場を残してほしい」
『声と眼』507号 2016/3/11

 清久の市営釣場は3月いっぱいで廃止される予定です。10年前には年間入場者4万人、収入3500万円で収益が1000万円以上にものぼり、シルバー人材センターの就労先であると同時に市の大切な財源でした。
しかし一昨年には入場者数2万人弱、収入1200万円にまで激減、年間赤字は500万円以上になり、シルバー人材センターが赤字補填と市への納付金を負担する状態に陥りました。
議会で私たちは施設や経営の改善対策を求めてきましたが、市は昨年9月議会に市営釣場の廃止議案を提出、反対したのは7議員だけで、賛成多数で可決されてしまいました。

 市は釣り人口が減ったためとしていますが、かつては関東屈指の良好な釣場と言われていたのに、釣れなくなって入場者が減ったことが赤字の最大の原因です。20年間も浮き桟橋を改修していない、網も補修してこなかったのでヘラブナが逃げ出し、さらにはブラックバスなどの外来魚が増えるなど、市は管理にほとんど金をかけてきませんでした。

 2月17日には、釣りファンで作る“清久大池愛好会・湖舟 根っ子の会”の会員たちが市長あてに『要望書/清久大池・西池を一般開放釣場として残してください』(署名582名)を提出、商工観光課長と話し合いを行いました。
要望書には「市営釣場に集い、釣りの楽しみ喜びを得、釣りを愛してきた釣りファン一同は、市営釣場を廃止しても、清久大池及び西池における釣りそのものは禁止しないで自由な釣りを認めていただきたい」「清久大池及び西池は周りに緑も多く、自然の景観に囲まれて釣りができる大変良好な環境を作っています。
自由な釣場として残して頂ければ、これまで以上に市内外の釣りファンの交流の場となると思われます」とも述べています。入場者の内の7~8割は市外から訪れる人たちです。
この交流人口をもっと大切にしていくべきです。
 市は市営釣場廃止後は施設を全て撤去し、フェンスをはって立ち入り禁止にする方針で、新年度予算にはそのための工事費4400万円も計上されています。近隣では、白岡の柴山沼、宮代の笠原沼、鴻巣や北本、行田にも自由釣場があります。清久大池・西池も、経費をかけて立ち入り禁止にするよりも、市内外の愛好家たちが集える自由な釣場として残すべきではないでしょうか。

【2月市議会】 新年度予算のおもな新規事業
『声と眼』506号 2016/2/18

 市民の創意で「魅力あるまちづくり」を進めようと、各地区ごとにそれぞれ500万円の予算を付けて独自事業を企画しました。
久喜地区は総合運動公園の花いっぱい運動、菖蒲総合支所周辺のアヤメとラベンダーの整備、鷲宮コスモスロードの整備、栗橋宿まち歩き観光活性化事業などです。
しかし多くは従来の事業の延長で、新規事業と言えるのかどうか…。

 久喜市は「コウノトリとトキの舞うまちづくり」を進める自治体ネットワークに加入しています。
鴻巣市や野田市などでは里山や湿地、ふゆみず田んぼなどの自然生態系の再生に取り組んでいます。
久喜市でもようやく取り組みを始めることになりましたが、予算は図書購入費と研究費にわずか1万円だけ!?本当にやる気があるのか、疑われます。

 その他に、
◇小中学校の全教室に空調設備を設置するリース料 1億5556万円。これに合わせて夏休みが4日間短縮(8月28日から2学期開始)されます。
◇青葉小学校のプール改修費 2億2534万円。
◇老朽化した鷲宮学校給食センターの更新の検討 250万円。
◇久喜駅西口広場にドライミストを設置 1500万円。来年6月に工事完了。◇防犯灯をすべてLED化します。市内全域の9700基でリース料 1058万円。来年3月までに完了予定。
◇東京理科大の跡地整備で建物改修などに4124万円。「2016年度中に何らかの活用」を図るとしています。

⇒久喜市のホームページ 2016年度予算へのリンク
⇒「久喜市の予算の概要」へのリンク
歳 入   
2016年度 構成比 % 2015年度 構成比 % 増減 増減率 %
1 市税 214億2415万 45.7 211億0643万 37.3 3億1772万 1.5
2 地方譲与税 4億1900万 0.9 4億1000万 0.7 9000万 2.2
3 利子割交付金 3400万 0.1 3600万 0.1 ▲2000万 ▲5.6
4 配当割交付金 1億5600万 0.3 1億3600万 0.2 2000万 14.7
5 株式等譲渡所得割交付金 9700万 0.2 1億3800万 0.2 ▲4100万 ▲29.7
6 地方消費税交付金 21億0000万 4.5 18億0000万 3.2 3億0000万 16.7
7 自動車取得税交付金 9400万 2.5 8200万 2.2 1200万 14.6
8 地方特例交付金 9400万 0.2 9100万 0.2 300万 3.3
9 地方交付税 45億9518万 9.8 52億9638万 9.4 ▲7億0121万 ▲13.2
10 交通安全対策特別交付金 2461万 0.1 2577万 0.0 ▲1160万 ▲4.5
11 分担金及び負担金 4億4166万 0.9 4億1948万 0.7 2219万 5.3
12 使用料及び手数料 3億1944万 0.7 3億0922万 0.5 1022万 3.3
13 国庫支出金 69億7136万 14.9 99億1729万 17.5 ▲29億453万9 ▲29.7
14 県支出金 27億7511万 5.9 30億4121万 5.4 ▲2億6611万 ▲8.8
15 財産収入 1471万 0.0 1311万 0.0 160万 12.2
16 寄附金 1210万 0.0 1210万 0.0 ▲0.1万 ▲0.0
17 繰入金 22億0753万 4.7 68億9031万 12.2 ▲46億8278万 ▲68.0
18 繰越金 4億0000万 0.9 4億0000万 0.7 0 0.0
19 諸収入 11億4956万 2.5 11億7770万 2.1 ▲2814万 ▲2.4
20 市債 35億4460万 7.6 52億9200万 9.4 ▲17億4740万 ▲33.0
合  計 468億7400万 100.0 565億9400万 100.0 ▲97億2000万 ▲17.2
歳 出   
2016年度 構成比 % 2015年度 構成比 % 増減 増減率 %
1 議会費 3億5664万 0.8 3億7859万 0.7 ▲2195万 ▲5.8
2 総務費 52億6580万 11.2 62億3445万 11.0 ▲9億6865万 ▲15.5
3 民生費 189億8075万 40.5 183億5958万 32.4 億2117万 3.4
4 衛生費 37億6398万 8.0 36億6519万 6.5 9879万 2.7
5 労働費 1464万 0.0 2533万 0.0 ▲1069万 ▲42.2
6 農林水産業費 7億0689万 1.5 7億5599万 1.3 ▲4910万 ▲6.5
7 商工費 4億4773万 1.0 4億3101万 0.8 1672万 3.9
8 土木費 52億2914万 11.2 97億3024万 17.2 ▲45億0110万 ▲46.3
9 消防費 24億4649万 5.2 23億2291万 4.1 1億2358万 5.3
10 教育費 44億4232万 9.5 44億3705万 7.8 526万 0.1
11 災害復旧費 0.4万 0.0 0.4万 0.0 0 0.0
12 公債費 49億3531万 10.5 54億2899万 9.6 ▲4億9368万 ▲9.1
13 諸支出金 1億8431万 0.4 47億2467万 8.3 ▲45億4036万 ▲96.1
14 予備費 1億0000万 0.2 1億0000万 0.2 0 0.0
合 計 468億7400万 100.0 565億9400万 100.0 ▲97億2000万 ▲17.2

今年のふるさと納税寄付金の申し込みと寄附の実績
相変わらず低調
2016/12/21

 久喜市のふるさと納税の寄付状況は、4月~12月で500件あまりで、年間目標の1000件(1000万円)には届きそうもありません。
 以前、近隣自治体に問い合わせたところ、すでに半年間で、幸手市は1900万円、宮代町はでで4000万円、白岡市は2000万円などとなっていますが、久喜市はどうしてこんなに少ないのでしょうか。
 ふるさと納税制度は、他の自治体に寄附をすれば返礼品がもらえて、さらに自分の住んでいる自治体の税金が控除されるという制度で、かなり変則的な制度ですが、各自治体がいかに全国にアピールして応援してもらえるかを競う場になっています。
 そのために各自治体の担当者は創意工夫して宣伝して成果を上げているのですが、久喜市の場合にはその効果が上がっていないということになります。
 近隣自治体の取り組みと、久喜市がどう違うのか、点検してみる必要があるのではないでしょうか。
 ふるさと納税の宣伝自体を、コンサルタントにおまかせでいる、担当課の姿勢にも疑問を感じます。


 
久喜市の寄付状況の実績
申込件数(件) 寄付件数(件) 寄付金額(円)
4月 91 11 110,000
5月 61 75 770,000
6月 66 66 660,000
7月 30 59 605,000
8月 132 30 301,000
9月 46 121 1,212,000
10月 54 50 500,000
11月 62 55 561,000
12月 109 56 570,000
合計 651 523 5,289,000

返礼品は米と梨が人気ですが(申込数)
1 埼玉県産コシヒカリ(11㎏)みずほ農協  182
2 草加割れせんべい 93
3 久喜産米彩のかがやき(15㎏)南彩農協 80
4   梨(10㎏)宮野農園 51
5   生パスタ・ボロネーズセット 39
6 米 彩のかがやき(15㎏)宮野農園 30
7 米 コシヒカリ(12㎏)宮野農園 28
8 人気の4種冷凍総菜セット 27
10 手焼きせんべい詰め合わせ 13
9 梨(5㎏)小林農園 12
  以下省略
合計 649


【一般質問】 コンビニ交付は便利だけれど
2015年11月議会 猪股の一般質問 『声と眼』503号 2015/12/28

 1月から、コンビニエンスストアで個人番号カードを使って住民票等の交付ができるようになります。
便利になるのは確かですが、1年に1回使うかどうかもわからない手続きのために、わざわざ個人番号カードを作る必要はないと思っています。
個人番号カードには自分の12桁の番号が印字されていて、個人情報漏洩の危険がつきまといます。

 一般質問で、コンビニ交付を実施するために市でどれくらいの経費がかかるのかを聞きました。
2015年度に、システム構築費の初期費用として5648万、システム保守費46万、負担金125万など、合計で5820万円。来年度からはシステム保守料に337万、負担金500万、データ更新料102万など、合計で939万円が毎年かかり、この他に証明書等の交付ごとに、市からコンビニ事業者に対して1件あたり123円の手数料の支払いが上乗せされます。
これらの経費から試算して、住民票、印鑑登録証明書、戸籍証明書の交付では、1件につき885円、所得証明書、課税証明書、非課税証明書の交付には1件1157円の経費がかかると見込まれています。

 市民が負担する手数料は1件あたり300円(戸籍の一部は450円)ですから、市民がコンビニ交付を利用すればするほど市の持ち出しが増えて、いずれは手数料の値上げにもつながりかねません。
市のホームページや『広報くき』にはコンビニ交付のお知らせが掲載されていますが、市民のみなさんには、どうしても役所などに行ってる時間がないという方はやむを得ませんが、できるだけコンビニ交付は使わないでもらった方がいい…というのは皮肉な話です。

★住民票は、今まで通りに市役所・支所の窓口や市民カードで自動交付機を使っていただければ、市の財政負担はより少なくてすむー。皆さんはどう考えますか。★

【一般質問】 参院選で、モラージュと久喜駅周辺に期日前投票所を設置
2015年11月議会 猪股の一般質問 2015/12/9

  11月8日(火)の午後に、市政に対する一般質問を行いました。
 これまでの選挙では久喜市内の期日前投票所は、市役所本庁舎と各総合支所に設置してきました。
 最近では各地で、駅周辺や大規模商業施設などに設置することで投票率を向上させてきています。
 久喜市でも来年の参議院選挙に向けて、2か所の期日前投票所を増設する計画です。
 (1)モラージュ菖蒲の2階会議室(54㎡)
 (2)久喜駅周辺の民間施設に設置する予定です。
 久喜駅周辺の施設は、面積や設置期間などを協議している段階ですが、さらに積極的に進めるよう求めました。

今年のふるさと納税寄付金の申し込みと寄附の実績
近隣自治体に比べてどうしてこんなに低調か?
2015/11/13

 久喜市のふるさと納税の寄付状況は、近隣自治体に比べると残念ながら相変わらずの低調と言わざるを得ません。
 新年度に入って、返礼品に梨や新米を加えて、大幅増が期待されたのですが、8月末までの241件(2,44万6,000円)に対して、9月は121件(121万2000円)増えたものの、半年間の合計で362件(356万8000円)にとどまっています。

 近隣自治体の問い合わせたところ、
・幸手市…4月から9月までで1877件、寄付金額は1911万円(返礼品は幸手市産新米)
・宮代町…9月までで3607件、寄付金額は4290万円(返礼品の一番人気は巨峰)
 10月の1か月だけで400件、500万円を超える寄付があって、合計で4018件、4800万円を超えているそうです。
・白岡市…9月までで1541件、寄付金額は2143万円(返礼品の人気は米と梨)
 10月の1か月だけで1600万円を超える寄付があり、合計では4000万円を超えているそうです。
 久喜市と近隣自治体とで、なぜこんなに差が付いてしまうのでしょうか。


 
久喜市の寄付状況の実績
申込件数(件) 寄付件数(件) 寄付金額(円)
4月 91 11 110,000
5月 61 75 770,000
6月 66 66 660,000
7月 30 59 605,000
8月 132 30 301,000
9月 46 121 1,212,000
合計 426 362 3,658,000

返礼品は米と梨が人気ですが(申込数)
1 埼玉県産コシヒカリ(11㎏)みずほ農協  147
2 草加割れせんべい 52
3   梨(10㎏)宮野農園 51
4   米 彩のかがやき(15㎏)宮野農園 30
5   生パスタ・ボロネーズセット 26
6 米 コシヒカリ(12㎏)宮野農園 19
7 人気の4種冷凍総菜セット 15
8 梨(5㎏)小林農園 12
9   手焼きせんべい詰め合わせ 9
10 久喜産米彩のかがやき(15㎏)南彩農協 8
  以下省略
合計 425


【反対討論】 市営釣場をいきなり廃止でなく、経営改善すべき 
2015/10/01

 定例市議会最終日に、市営釣場の廃止に反対する討論を行いました。
 本会議の質疑は、市民の政治の猪股・川辺、無会派の田中、共産党の渡辺、公明党岡崎、新政の成田、討論に立ったのは猪股、川辺、渡辺、新政の富沢、採決では、賛成は公明党と新政、反対が市民の政治、共産党、無会派の7名で、賛成多数で可決されました。

議案第85号 市営釣場条例の廃止に反対します

猪股和雄

 26年度の利用料金収入は1240万円で、前年度の1290万円から5%減だが、ほぼ同水準とみていい。

 これに対して、支出はどうか。人件費が前年度の1180万円から1210万円と増額で、事業費、これはヘラブナ放流などの費用ですが、これも前年の317万円から531万円に大幅増しているので、釣場管理事業にかかった費用は1740万円である。
 利用料金収入を含む収入合計が1270万円しかないのに、経費が1740万円で、赤字は約500万円ということになる。

 第1には、収入が増えないことがわかっているはずなのに、人件費も事業費も増額させて、漫然と赤字幅を拡大させたことになる。

 収入が増えないことは当初からわかっているのであるから、支出を抑制する努力をするべきなのに、抑制どころか前年以上に、また予算額以上に支出を拡大して、赤字を拡大させてきたのはどうしてでしょう。
シルバー人材センターが間事業主体でありながら、実態は市からの補助金を受けて運営しているから、1600万円も持ち出しになってもできたことである。

 第2には、収入が1200万円、支出が市への納付金を除いて1740万円となっている。
本来なら、1200万円の範囲内で運営するべきものであった。

 この5年間、シルバー人材センターに指定管理委託をしてきた過程で、いや実はそれ以前から、市営釣場の施設の老朽化や釣り人口の減少などの厳しい条件はわかっていたはずであって、当然その過程において、市は市営釣場の施設や事業のあり方、運営のあり方について、改善方策を策定するべきであった。
議会でも何度も指摘してきたにもかかわらず、施設を改善するでもなく、まったく同じ経営を続け、漫然と支出を拡大してきたことからすると、これは作られた赤字と言わざるを得ない。

 第3に、ここまで赤字を放置しておいて、いよいよ経営が成り立たないことがわかったのだから、本来ならこれから、施設を改善するか、あるいは逆に施設を取り壊して、収入の範囲内で運営する方策を打ち出すべきであったけれど、それもしない。

 利用者と話し合いもしないで、赤字だから廃止というきわめて短絡的な方策は理解できない。

『釣場があるから農家に被害が出ている』ってホント?

 なお、委員会審議で、本来なら調整池だから降雨時などに流量調整をしなければならないのに、釣場として利用しているので調整ができなかったということが平然と述べられていた。

 しかし釣り場であったが故に、調整池の役割を果たすことができないで、周辺の農家に迷惑をかけていたという。
もしもこれが本当であれば論外ですね。
市が、釣場の収益金、指定管理にしてからは納付金ほしさに、周辺農家への被害を放置してきた、それを環境経済部長が認めたということです。
行政の怠慢を、周辺農家に謝罪、場合によっては補償しなければなりませんね。事実ならば、赤字黒字という前に、とっくに廃止していなければならなかったことになる。

 しかし実際には、釣場として使っていたがために、多量降雨時などに1mほどの水位調整もできなくて、農家に被害を与えてきたなどとは、今まで語られたこともない、廃止を打ち出してからとってつけたように持ち出した理由であると言わざるを得ない。 


【9月市議会】 一般会計決算に賛成討論をしました
2015年9月30日

 定例市議会は9月20日に討論・採決を行い、閉会しました。
 私は、一般会計決算に体の議案など4議案に討論を行いました。
 下記は、決算に対する賛成討論の全文です。(実際の討論は、語尾や言い回しなど、少し違っているところもあります)。

 【賛成討論】 議案第63号 2014年度一般会計決算認定

猪股和雄

 決算審査は、昨年の2月定例市議会において審査され決定した予算が、適正に執行されたか、所期の行政目的にそった成果をあげられたかという観点から評価を行うものです。

 その意味で、2014年度当初予算の編成方針に示された、「安全・安心なまちづくり」、防災対策、耐震工事の推進、「子どもや高齢者等にやさしいまちづくり」、子ども・子育て支援新制度の実施に向けた体制づくり、「さくら保育園」を開所、学童保育所の施設整備の充実、高齢者の健康長寿埼玉プロジェクトのモデル事業、障がい福祉計画の策定、東鷲宮駅のバリアフリー化、小中学校の3学期制の復活、久喜市の一体化の促進、久喜駅東口大通りの延伸、シティプロモーション事業の推進、行政のあり方の見直しを含めた「おもてなし力UP~接遇力向上」の取り組み、公共施設の老朽化対策とアセットマネジメントなど、諸課題について、おおむね当初に掲げられた政策方針に沿って執行されたと認識しています。

 ここでは特に充実や見直しを求める政策課題、事業の7項目について、課題を指摘し、改善を求めて賛成討論をします。

1.事務事業評価は、行政自身が一つ一つの事務事業の目的と成果指標を設定して、進行管理していく、それを公表することによって、行政に対する市民の理解を得ていくものである。

 事務事業評価の意義が各課および職員に浸透してくるにつれて、自己評価は年々改善されてきていると認められます。評価の対象事業も拡大されてきています。

 しかし総合評価は多くが「A」、事業の方向性は多くが「現状維持」となっている。
全部がとは言いませんが、事業内容も評価も前年度を踏襲したものと見られるものや、予算の増額が見込めないから、現状維持としているのではないかと思われるフシもある。

 予算の見通しに縛られるのはある程度はやむを得ないとしても、当該の事務事業の必要性があるものであれば拡大基調をめざすべきであるし、あるいは予算が増やしてもらえないのだとすれば「改善」や「革新」をめざすべきと思われるものもある。
そうした発想を生み出すような評価方法、記載方法を工夫していただきたい。事中評価を導入することと、総合評価にあたって、有効性と必要性に加えて、効率性の観点を盛り込む工夫、これらについては昨年度も指摘しておきましたが、今後、検討していただきたい。
事務事業評価の対象事業の選択に当たっては、各所属所ごとに5事業を基本としていますが、たとえばデマンド交通や介護保険の認定事業、歩行喫煙防止事業等々、等々の事業は評価対象事業になっていない。
全事業と言いたいところですが、もっと対象事業を拡大するべきです。
学校給食の地産地消を進める取り組みなどは給食事業の評価でもほとんど触れられていないなどの問題もあります。

2.財政調整基金は、合併算定替えの終了による地方交付税の減額に備えて、できるだけ多く積み立てておくという当局の方針で、26年度末54億円と毎年増え続けている。財政計画の数値と乖離が多すぎる。
積み立てのための積み立て、市民サービスを置き去りにしての安易な積み立てにならないように、目標額を明確にして基金管理していく、基金管理方針の見直しを求める。

3.職員の時間外勤務の部署間のアンバランス、非常に長い部署も見られる。単に季節的、一時的要因だけとは考えられず、業務量の把握と人員配置に問題があるのではないかと指摘せざるを得ない。改善を図るべきである。

4.環境保全率先実行計画で、温室効果ガス排出量の削減目標を、平成28年度までにCO2を平成22年度比4.9%削減して1万1223トン以下とするとなっている。
しかし実際にはすでに26年度は1万0576トンで10.4%削減している。他の取り組み目標も、電機使用量、公用車の燃料使用量、水道使用量、ごみの減量などの目標値をすべて達成しているのであって、当然、24年度に設定した低めの削減目標をそのままにしておくのではなく、これまでの削減実績を踏まえた新たな積極的な削減目標の設定が不可欠である。
環境マネジメントシステムでは、すでに達成しているにもかかわらず、「率先実行計画における平成28年度の目標値1万1223トン以下を達成するよう、引き続き抑制に取り組む」と書いていて、今後の方向性は「現状維持」である。こうした前例踏襲、マンネリ主義でなく、積極的な取り組みを求める。

5.学童保育は、老朽施設の改修、立て替えが着実に進められてきたことを評価する。今後、青葉小学校の立て替えを計画的に実施していただきたい。
小林小学校と江面第2小学校の学童保育施設をどうするかの検討と、久喜地区以外の保護者の経営参加、つまり学童保育運営協議会への参加も進めるべきだと申し上げたい。

6.学校給食についてです。
 栗橋南小学校の学校給食を自校調理方式へ移行する計画を早急に作るべきです。
財政的観点はもちろん必要だが、政策的観点、つまり子どもたちの安心安全な学校給食を守るという観点からは、自校調理方式が優れていることは明らかであり、政策的に自校調理方式への計画策定を求める。

 給食食材の久喜産の割合は、昨年度から全体的に増えてきているが、菖蒲地区は逆に減少した。
栗橋地区は5.3%で、全体の16%に比べても極端に低いから、久喜産の野菜を大幅に増やす余地がある。
久喜地区は県内産が5%で、全体の13%の半分以下である。これも県内産の割合を増やすべきである。
全農食品給食センターへの全面委託そのものを見直していくべきである。

7.市立図書館の1人あたり図書購入費は県内平均を上回っているものの、1人あたり蔵書冊数、1人あたり貸し出し冊数、ともに県内平均を下回っている。
事務事業評価で、事業の方向性は「改善」とされているが、当然「拡大基調」とすべきである。
資料整備の予算は年々減らされているが、逆に財政的に拡大を考慮するべきだ。 

今年のふるさと納税寄付金の申し込みと寄附の実績
久喜のふるさと納税は見直しが必要では

『声と眼』497号 2015/9/11

よその自治体に寄附をすると特産品などの返礼品がもらえて税金も控除される、「ふるさと納税」が人気を集めています。
久喜市へのふるさと納税寄付金は、昨年12月から“豪華景品”にリニューアルして、2014年度分は234件(334万円)の寄附がありました。
15年度分は4~8月までの5か月間で241件(244万円)でした。
久喜市では今年度分のふるさと納税寄付金の目標額を1000万円としていますが、このままではちょっと厳しい…?
 お隣の幸手市は返礼品はお米だけですが、昨年度1年間で4715件(4787万円)、今年は4~7月だけで1397件(1418万円)に達しました。
白岡市では梨を返礼品の中心にすえて、8月までで1249件(1310万円)にのぼっています。
久喜の返礼品もお米と梨が中心なのですが、どうしてこんなに寄付件数に差があるのでしょうか。
また、久喜市では寄付金の受付や返礼品の事務をすべて委託しているので、寄付金1万円の内の4000円しか市の収入にはなりません。
これも見直しが必要ではないでしょうか。

 
申込件数(件) 寄付件数(件) 寄付金額(円)
4月 91 11 110,000
5月 61 75 770,000
6月 66 66 660,000
7月 30 59 605,000
8月 132 30 301,000
合計 380 241 2,446,000

返礼品は米と梨が人気ですが
1 埼玉県産コシヒカリ(11㎏)みずほ農協  139
2 梨(10㎏)宮野農園 50
3   草加割れせんべい 46
4   米 彩のかがやき(15㎏)宮野農園 27
5   生パスタ・ボロネーズセット 25
6 梨(5㎏)小林農園 12
7   人気の4種冷凍総菜セット 11
8 米 コシヒカリ(12㎏)宮野農園 10
9   手焼きせんべい詰め合わせ 8
10 久喜市の特産梨(5㎏)南彩農協 7
11   ちーずけーき・どら焼きセット 6
12   中山道宿生麺セット 5
13 梨(5㎏)宮野農園 5
14 梨(5㎏)矢野農園 5
15   久喜市の特産梨(5㎏)南彩農協 4
 16   愛宕最中 4
17   商工会オリジナルセット 4
18   ケーキの店モニカ オリジナル銘菓詰め合わせセット 3
19   特産の梨を使った梨カレー 3
20   つむぎうどん・つゆ・無添加だし2種セット 2
21   特産農産物の手作りジャムセット 2
22   タイムズ駐車場・本格イタリアンランチ 1
  380


市営釣場が「赤字」だからって、いきなり「廃止」は乱暴では?
2015/8/29

  9月定例市議会に、「市営釣場の廃止」が提案されました。
 久喜市では、清久工業団地内の清久大池(昭和62年開設)と清久西池(平成8年開設)に有料の市営釣場を設置しています。
 かつては大型のヘラブナが釣れて釣果もいいと、関東一円の評判も高く、へら釣りファンが集まっていました。
 しかし5年前にシルバー人材センターに指定管理で運営を委託した頃から、次第に釣り客が減少してきていました。
 最初のころは運営も黒字で、シルバー人材センターは利益の内から1000万円以上を市に納付していた“貴重な財源”でもあったのですが、現在では赤字経営で、運営経費と市への納付金もシルバー人材センターの持ち出しになるなど、経営的に行き詰まっていました。
 そこで市では、来年の3月末で釣場そのものを廃止することを決定し、「廃止条例」が提案されました。
 市は廃止の理由として、(1)釣り客がピーク時の半分にまで減っている、(2)赤字経営である、(3)大池の桟橋が老朽化しているが、更新には多額の経費がかかる、(4)へら釣りの人口そのものが減っている、ことなどをあげています。

 しかし今年度末で釣場そのものを廃止してしまうのには疑問もあります。
(1)へら釣りの根強い愛好者はまだまだ多く、特に自然の池に近い状態で楽しめる西池には人気もあります。
(2)大池の桟橋が狭くて老朽化しているのは確かですが、むしろ桟橋や釣場を囲っている網を撤去して、岸から釣るようにすれば、施設の更新は必要ありません。
(3)現在は入り口の窓口で入場料を徴収していますが、これも撤去して、釣り人をまわって徴収する方法もあります。
 そうすれば人件費や施設管理費等の経費をほとんどかけないで、釣場を維持することはできるのではないでしょうか。

 西池の釣場開設以前は、西池は「立ち入り禁止」でしたが、釣り人は勝手に入り込んでいました。
 そのためにかえって危険だったり、ごみが散乱していましたが、当時の釣り人たちがごみを片付けたり、釣り座を整備したりして、その後に市営釣場として整備されました。

 市では来年3月で市営釣場を廃止して、2つの池に釣り人が立ち入れなくしてしまう考えのようですが、いくら禁止しても釣り人は入り込むでしょうし、以前の西池のようにごみが散乱して荒れていってしまうだろうことは目に見えています。
 いきなり、釣場を廃止してしまうのではなくて、できるだけ市の金をかけないで市民の楽しみの場所を維持する方法を検討するべきではないでしょうか。
 あるいは、愛好者たちの“自主管理”という方法も考えられるのではないでしょうか。
 私は昨年の議会で、市営釣場の経営改善を求めた際にも提案したのですが、廃止の前に、へら釣りの愛好者やファンと協議の場を設けるべきです。

【参照⇒市営釣場の運営改善を求める記事(2014年3月20日)へのリンク

 今年のふるさと納税寄付金、出足は?
2015/8/7

  久喜市では昨年の12月から、ふるさと納税の企画・実施をコンサルに委託して全面的にリニューアルしました。
 一昨年までは記念品の贈呈もなく、積極的なPRもしていませんでしたから年間寄付者は数件にとどまっていましたが、昨年度分の寄付は234件、334万円になりました。
 今年度分は4~7月の4か月間で211件214万円に上っています。
 久喜市の年間目標1000件(1000万円)にとどくかどうかは、微妙なところです。
 もっとも寄付金の内の60%は返礼品とコンサル会社への手数料で消えてしまうので、その効果については改めて検証が必要ですが…。

2014年度分の実績
寄付件数(件) 寄付金額(円)
7月 2 510,000
9月 1 10,000
10月 1 12,000
12月 5 240,000
1月 155 1,866,000
2月 25 250,000
3月 19 193,000
4月 26 260,000
年計 234 3,341,000

返礼品の人気トップはお米

 寄付者への返礼品で人気が高いのはコシヒカリ11kg、次は草加割れ煎餅、生パスタ&ポロネーゼセットなどです。
 一方で、ゆるキャラやアニメのオリジナルグッズは昨年が2件、今年もまだ3件で、もっと人気が集中するのではないかと思われていましたが、そうでもないようです。

上位4位まで(10件以上) 今年度(件) 昨年度(件)
埼玉県産コシヒカリ(11kg)[みずほ農協] 139 111
草加割れせんべい 40 38
生パスタ&ボロネーゼセット 24 17
人気の4種・冷凍惣菜セット 11 16

 この他の返礼品は、10件以下、3件とか4件というものが多くなっています。
 最近になって、コシヒカリ12kg、彩のかがやき(米)15kg、梨5kgも取り入れるなど工夫がされているようですが、それらの発送は秋以降ということなので、まだその効果は現れていません。


幸手市では?

 幸手市ではコンサルタントに委託しないで、返礼品は幸手産コシヒカリ特別栽培米の新米(秋以降に送付)15kgまたは玄米17kgだけにしぼり、寄付者は今年4~6月までですでに1189人(1200万円)にのぼっています。
 他市に学ぶ必要もありそうです。


「ふるさと納税」寄付金の受付は、ちょっと低調?
2015/4/15

  「ふるさと納税」は、自分の住んでいる市町村以外に対して寄付すると所得税や住民税が控除される他、豪華(?)返礼品がもらえる制度です。

 全国でふるさと納税の募集に積極的に取り組む自治体が増えていますが、久喜市では昨年まで特に大々的な宣伝もしてきませんでした。
 その結果、2013年度の市への寄付者は4人でした。

 近隣では幸手市が、2013年度は2000人から約2500万円、2014年度は2月までですでに4500人から4600万円の寄付があり、宮代町では2013年度に1800人から2200万円の寄付がありました。
 これは財政にとってもかなり大きなウエイトを占める金額になっています。

 久喜市でも他の自治体に遅れまいと、昨年の12月から、1万円の寄付に対して4000円程度の返礼品を贈ることにし、積極的な募集を開始しました。
 その結果、12月から3月までの4か月間で204件、254万9000円の寄付がありました。
件数 寄付金額
 12月 240,000円
1月 155  1,866,000円
2月  25 250,000円
3月  19 193,000円
合計 204 2,549,000円

 市は2015年度一般会計予算で、1000件、1000万円の寄付を見込み、コンサルタント会社に650万円の手数料と返礼品代プラス送料を支払う契約を結んでいますが、4か月で200件という実績では、目標額の達成はちょっと苦しい…?
 久喜市は企画から宣伝、ホームページの作成、受け付け、返礼、諸手続まで、コンサルにすべておまかせにしていますが、募集の仕方や返礼品をもっと工夫するとか、何らかのてこ入れが必要と思われます。

 なお、久喜市では14種類の返礼品を用意していますが、寄付者の希望する返礼品は約6割が「埼玉県産コシヒカリ」に集中し、その他、草加割れせんべい、生パスタ、どら焼きなどが続いていて、そんなに多種類の返礼品を用意する必要があるのか、見直しも必要です。
 同じお米でも、幸手市の場合は、「幸手産コシヒカリ 新米 13㎏」(27年度は15㎏または玄米17㎏に増量)で10月以降に発送、宮代の場合も「26年宮代産特別栽培米コシヒカリ『みやしろっ子』 15kg」「26年宮代産特別栽培米 彩のかがやき 15kg」「26年宮代産コシヒカリ『村そだち』 10kg」で、いずれも地場産米、ブランド米です。
 久喜の場合は「埼玉県産コシヒカリ 11㎏」とあるだけですから、どちらを選ぶかと言われれば…。

 また、「らきすた・ゆるキャラグッズ」の希望はほとんどなくて、ここでも久喜市の思惑と寄付者の意向とはかなり大きく違っているようです。

幸手市のふるさと納税のPRページへのリンク
宮代町のふるさと納税のPRページへのリンク
久喜市のふるさと納税のPRページへのリンク

 【2月市議会】 6億5000万円のプレミアム付き商品券
『声と眼』490号 2015/4/14

 2月議会に2014年度一般会計補正予算が提案され、「プレミアム付き商品券発行事業」に1億9435万円の補助金交付が決定されました。
久喜市では全額を商工会に補助金として支出して、6月下旬頃に、1万円の商品券に3000円のプレミアムを付けて5万セットを販売する予定です。
6億5000万円分を5億円で販売し、1億5000万円がプレミアム分です。4435万円は発行手数料などにあてられます。

 この財源はすべてが国の補正予算で、消費喚起・地方創生として全国自治体に総額4200億円が交付されることになっています。
しかしこれまでも消費税増税や子育て・福祉などを名目として、巨額の税金を使って国民に現金をばらまくような政策を行ってきましたが、本当にこれで地域での消費が増えるのか、2年後の消費税10%引き上げまでに景気回復を実現させる安倍政権の思惑通りに行くのかは疑問です。

 2009年にもプレミアム付き「とくとく商品券」を販売しましたが、久喜では販売期間を延長してようやく売り切れた経緯があります。
しかし当時も、プレミアム分が市民の消費を拡大させることができたのか、それとも貯蓄に向かったのか、特に地元商店をはじめとした地域経済の消費喚起にどれくらいの効果があったのか、検証は行われていません。

 【2月市議会】 一般会計予算に要望を付して賛成討論
2015/3/19

 定例市議会は3月16日に市長提出議案のすべてを可決して、閉会しました。
 私は2015年度一般会計予算案に、6点の要望事項を付して賛成する討論を行いました。
【参照】→全議案の採決結果と各会派の賛否

議案9号 2015年度一般会計予算 賛成討論

猪股和雄

 2015年度一般会計予算に賛成するにあたり、6点について、指摘または要望します。

1.予算編成過程の公開をいっそう進めるよう求める。
 合併前の久喜市で開始して、合併後4年間、公開を積み重ねてきて、成果を積み上げてきたことを評価しています。
 しかしこれは昨年の討論でも同じことを指摘したのですが、現在の公開方法では、各課からそれぞれの事業が予算要求としてあがってきて、各課では当然、必要な事業としてあげたはずですが、最終的にそれがなぜ減額されたのかについては説明されていません。
 たとえば231項目の要求事業の内で、査定理由がわずかでも書かれているのは19の事業だけです。
しかもその理由は、「市長の判断で要求どおりとします」「市長の判断で減額とします」「市長の判断で増額とします」「事業内容及び事業費を精査した結果、減額とします」「事業費の積算内容を精査した結果、増額とします」「事業の全部を先送りとします」、これだけです。
たとえば、具体的な事業の目立ったものを例としておあげておきますが、地域福祉計画推進事業 予算要求額 326万円が 査定額40万円になった、その他にも、病児保育委託事業、清久大池側溝補修事業、 東鷲宮駅周辺整備事業、 中央図書館施設設備更新事業、 等々で、予算要求額と査定額が大きく違ってきているのに、その理由はまったく記載されていません。
 これでは市民に予算編成についての理解を求める、市民にわかってもらおうという公開ではなく、きわめておざなり、官僚的と言わざるをえません。
 予算編成過程を公開する意味は、それぞれの事業を増額、あるいは減額、事業を先送りした理由を説明することによって、市民の理解を得ることにあるはずです。
さらに市民にわかりやすく、内容の公開にまで踏み込むよう求める。

2.一般会計予算は、565億円で前年比21%増と大きく膨らみましたが、震災復興事業が二重に計上されていますので、実質は523億円で、14%の増です。
この43億円は特例的な事業であり、全額国の交付金ですので除外して考えるべきで、これを除く市の事業は479億円、前年比3%増となります。
 それでもこの復興事業以外でも、景気対策を旗印にした財政拡大のアベノミクス効果の影響と考えられますが、道路や公共施設の改修など、公共事業の拡大が続いています。
 土木費は昨年度も合併に伴う事業の増もあって大きい伸びとなり、今年度も土木費自体は復興事業を除けば前年度とほぼ同額で推移していますが、普通建設事業費は前年度の30億円から復興費を除くと42億円へ、1.4倍にも増えています。
市債も53億円へと30%もの増額となりました。
全部の会計を合わせた市債残高は782億円にのぼり、一般会計では赤字地方債に他ならないところの臨時財政対策債の伸びが急です。
 これらが財政圧迫要因とならないよう、市債発行と公共事業を抑制的に進めていくべきです。

 公共施設のアセットマネジメント、今年度は公共施設総合管理計画の策定に取り組むことになっていますが、中長期的に縮小社会と財政縮小へ向かわざるをえない中で、公共事業をいかに抑制し、財政をいかに持続可能に延命させていくかという視点からも、公共事業を抑制していく、特にハコモノ公共施設については、統廃合や複合施設化、縮小化、新増設は極力しない、できないんだということを、市民にきちんと説明していくべきです。

3.昨年「久喜市中期財政計画」によると、財政調整基金残高は、2013年(25年)度末55億円、2014年(26年)度末40億円、2015年(27年)度末38億円、…2017年(29年)度末には15億円にまで減っていくことになっているのですが、この見通しがまったく現実と違っている。
昨年の予算議会では2014年度末には財調残高は39億円に減ると言っていたが、実際には現在、55億円、それと別に市民の森基金やごみ処理施設基金に9億円を積み立てる“余裕”さえある。
 そもそも、毎年毎年、当初予算審議の中では、財政調整期金を大きく取り崩して、年度末には残高が大幅に減っていくという見通しを示しておきながら、実際には取り崩しをしないですんで、逆に決算時に実質収支の半額を積み立てる、実際にはそれ以上に積み立てを行うこともあって、むしろ毎年、残高が増額となってきた。
 市民には、また私たち議員にも、財政が厳しい、さんざん財調が減ると言っておいて、実際には財政運営の状況が大きく違ってきているのでは、久喜市の財政計画見通しの信用性が失われる。
 信頼性のある、市民に対して説明責任を果たせるような財政見通しを示すべきである。

4.昨年は障害者権利条約が批准され、障害者差別解消法が制定され、日本の人権行政を大きく期を画する都市となりました。
 差別解消法は28年度施行ですが、本来はいま直ちに、地域で、久喜市行政で、できることから取り組みを始めるべきです。
市内の公共施設の点検と検証を踏まえてバリアフリーのいっそうの推進、全職員の研修の推進、社会的障壁を除去するための必要かつ合理的な配慮、職員対応要領の策定などを、着実に進めるよう、求める。

5.障害者の人権保障として、雇用の推進を積極的に進めるべきです。
 埼玉県庁におけるチームぴかぴか、さいたま市における「さいたまステップアップオフィス」、いずれも知的障害者を臨時職員として雇用し、行政の業務を実際に行いながら、一般就労につなげていく取り組みです。市は検討していくと答弁していますが、今年度、実現に向けての具体的な検討に入るよう求めます。

6.もう一つ、久喜市にとっても日本社会においても、最大の人権問題は格差の拡大であると考える。
生活困窮者自立支援法が施行され、4月からは地域における事業もスタートする。この成果を上げることができるかどうかのカギは、困窮者から相談が来るのを待っているのではなくて、早期に生活困窮者を発見し、住宅、就職、生活保護などのセーフティネットに以下に早く効果的につなげていくことにかかっています。
市税滞納者や水道料金滞納者への働きかけ、それぞれの担当窓口との連携強化を、特に要請します。

 なお、共産党の議員団から、一般会計他、3予算案に対する修正案が提出されていますが、これについて触れておきます。
 国保税や介護保険料の歳入の減額、水道料金の収入削減などをおもな内容とする修正案ですが、もしもそれらの市民負担を軽減させるのであれば、たとえば、国保税や介護保険料を引き下げる条例改正案、水道給水条例の改正をしなければなりません。
 予算の歳入だけを減額修正しても、条例が改正されなければ、これまで通りの税や料金の徴収が行われることになる。
 いかし、共産党からは、そうした条例改正案は提案されなかった。とすれば、今回の修正案の提案は、本気で市民負担の軽減の実減を目的としたというよりも、単なるパフォーマンスと判断するしかありませんので、評価に値しません。



【2月市議会】 市の臨時職員の賃金を引き上げ
2015/3/10

 市の臨時職員の雇用は最長1年とされていて、その後に再び雇用されて何年働いても賃金引き上げはありません。
久喜市の現在の一般事務は時給810円で、埼玉県の最低賃金額802円とほとんど同じです。
前回の改定は1995年(平成7年)でしたから、もう20年間も据え置かれてきたことになります。
臨時職員の低賃金は“官製ワーキングプアの温床”と批判されてきて、議会でも問題になっていましたが、やっと今年からわずかながら賃金引き上げが決まりました。

   改定額   現行額 
   時給  日額 時給 日額
 一般事務 840  6580 810  6480
 保育士、栄養士、学校給食調理員
プール監視員、司書、学芸員
幼稚園教諭、自動車運転手
920 7160 880 7040
 ホームヘルパー 970 7550 930 7440
看護師  1150 8950 1100 8800
 保健師、助産師
主任介護支援専門員、社会福祉士
1350 1万0500 1300 1万0400
一般事務(時間外) 940    910  
 保育士(時間外) 1030   990  

※臨時職員の賃金は、「久喜市臨時的職員取扱要綱」で定められています。
※日額は、現行は《時給×8時間》で算定しています。
 改定額は《時給×7時間45分+α》の算定となります。(+αの金額の根拠は不明。)


 【2月市議会】 選挙開票作業に学生アルバイトの活用
猪股の議案質疑 2015/3/9

 以前から、久喜市の選挙開票作業は他の自治体に比べて時間がかかりすぎていて、作業能率が悪いのではないかと指摘してきました。
昨年の衆議院総選挙では、蓮田市が22時45分には開票を終了したのに対し、久喜市では13区(久喜・菖蒲地区)は23時05分、14区(栗橋・鷲宮地区)は23時53分でした。
また4年前の蓮田市議選は22時31分(所要時間90分)でしたが、昨年4月の久喜市議選の開票作業終了は24時25分(210分)でした。
もちろん有権者数も候補者数も久喜の方が多いのですが、その分だけ作業人数も多く配置しているので、こんなに遅いのは効率性に問題があると言わざるを得ません。

 またこれまで、選挙開票作業に学生アルバイトの活用を提案してきました。
昨年の市長選・市議選の開票作業は、市の職員138人で超勤手当を含めて人件費が139万円もかかりました。
最近は若者への選挙啓発も兼ねて学生アルバイトを活用する自治体が増えていて、深夜割り増しで時給1300円を出しても、市職員の時間外給与より安くてすむ計算です。

 今年1月に、選管で4月の県議選の開票作業の学生アルバイトを20人募集したものの、応募はわずか2人でした。
理由は「19時~22時/時給840円」と賃金が安すぎるためです。選管でもさすがに、『今後はもっと引き上げを検討する』と言っています。

★私の議案質疑に対し、選挙管理委員会は4月の県議選で開票終了時刻の目標を22時30分とする考えを明らかにしました。結果に注目したいと思います。★

 【2月市議会】 ふるさと納税、久喜市は65%が経費に
猪股の議案質疑 2015/3/8

 「ふるさと納税(寄付金)制度」は居住地以外に寄付をすると所得税や住民税が控除されるという制度です。
久喜市では昨年までは積極的な募集をしていませんでしたが、12月から1万円以上寄付してくれた人に米や菓子などのお礼を送ることにし、12~2月の3か月間で185件(235万円)の寄付が寄せられました。

12月 5件 24万円
1月 155件 186万円
2月 25件 25万円

 新年度予算では、1000万円の寄付を見込んでいますが、経費に665万円もかけることになっています。
経費の内訳は、返礼品400万円プラス送料100万円の他に、コンサルタントの委託費が150万円、クレジットカードの手数料が15万円です。
ふるさと納税PRのホームページ作成や企画、寄付の受付や諸手続、返礼品の発送などをすべてコンサルタントに委託し、寄付1件(1万円)につき、コンサルタントに報酬として1500円を支払うということです。
 結局、1万円を寄付してもらっても久喜市への収入は3500円にしかならない計算です。

 ふるさと納税は本来は久喜市を応援しようという気持ちの表れですが、寄付額の3分の2も経費にかけてしまうのは、寄付の趣旨にはずれているのではないでしょうか。
また全国的には返礼品競争の加熱も問題になっています。
そこで私は、予算審議の中で寄付額の65%にものぼる経費は高すぎるのではないかと指摘しました。

 ちなみに、幸手市や宮代町では、返礼品はJAや市内の特産品などの製造販売業者が直接発送しています。
コンサルタントに委託しないで、ホームページの作成も手続きも職員が行っているので経費は寄付額の50%以下だそうです。

 さらに、寄付してくれた人に『特別住民登録証』の発行を提案しました。
寄付者は久喜市に関心を持ってくれているのですから、返礼品を送ってそれだけで終わりにしないで、久喜市の継続的な応援団になってもらう、祭りやイベント案内を送ったりして機会があれば久喜にも来てもらい、人口減少時代の市の活性化につなげていくという新たな発想が必要ではないでしょうか。

【2月市議会】 一般会計予算566億円、公共事業中心に大幅増
大震災復興工事、公共施設耐震化工事費、道路新設など
2015/2/9

 2015年度の一般会計予算は566億円で、前年よりも100億円(21%)もの大幅な増額になりました。
 特に土木費の増額となった要因は、東日本大震災の南栗橋地区の液状化被害の復興事業の全額43億円が国から交付されたことによるものが最大です。
 内訳は、地方交付税で復興特別交付金として約11億円、国からの補助金が約32億円などで、これらの全額43億円をいったん復興交付金基金に積み立てた上で、全額を取り崩して工事費に充てるという複雑な会計処理をしています。
 この43億円は歳入・歳出にそれぞれ二重に計上されています。

 防災対策には、本庁舎耐震工事費5億円、鷲宮東コミセン耐震化工事1億6000万、小中学校耐震化工事費約5億円が計上されました。
 老朽化した中央保育園改修工事に2億6000万円、栗橋小学校や栗橋西小学校の学童保育施設建設費が約1億円、さらに道路新設整備では、久喜駅東口大通りの延伸、菖蒲地区~久喜北中曽根、栗橋~東鷲宮~久喜地区東地区などの工事や・土地購入費なども計画されています。
 一般会計予算に占める普通建設事業費は前年度の約30億円から、2015年度は55億円に1.8倍増となりました。

 菖蒲地区への本多静六記念市民の森・緑の公園整備費(土地購入)として基金積立金5億円(14年度補正予算と合わせて11億円)、ごみ処理施設整備基金積立金5000万円(前年度の積み立てと合わせて1億円)、他に、マイナンバー制度の導入経費2億、住民票のコンビニ交付、市税のクレジット収納などのシステム導入経費1億円などが計上されています。
 
歳 入          (単位:円)
2015年度 構成比% 2014年度 構成比% 前年比増減 増減率%
1 市税 211億0643万 37.3 21億04605万 45.2 6038万 0.3
2 地方譲与税 4億1000万 0.7 3億9300万 0.8 1700万 4.3
3 利子割交付金 3600万 0.1 3800万 0.1 ▲ 200万 ▲ 5.3
4 配当割交付金 1億3600万 0.2 4400万 0.1 9200万 209.1
5 株式等譲渡所得割交付金 1億3800万 0.2 1100万 0.0 1億2700万 1154.5
6 地方消費税交付金 18億0000万 3.2 15億4000万 3.3 2億6000万 16.9
7 自動車取得税交付金 8200万 0.1 1億2400万 0.3 ▲ 4200万 ▲ 33.9
8 地方特例交付金 9100万 0.2 9600万 0.2 ▲ 500万 ▲ 5.2
9 地方交付税 52億9638万 9.4 49億9831万 10.7 2億9807万 6.0
10 交通安全対策特別交付金 2577万 0.0 2440万 0.1 137万 5.6
11 分担金及び負担金 4億1948万 0.7 4億1848万 0.9 99万 0.2
12 使用料及び手数料 3億0922万 0.5 2億9350万 0.6 1573万 5.4
13 国庫支出金 99億1729万 17.5 69億1417万 14.9 30億0312万 43.4
14 県支出金 30億4121万 5.4 27億8961万 6.0 2億5161万 9.0
15 財産収入 1311万 0.0 950万 0.0 360万 37.9
16 寄附金 1210万 0.0 240万 0.0 970万 403.7
17 繰入金 68億9031万 12.2 21億6151万 4.6 47億2880万 218.8
18 繰越金 4億0000万 0.7 4億0000万 0.9 0万 0.0
19 諸収入 11億7770万 2.1 11億1476万 2.4 6294万 5.6
20 市債 52億9200万 9.4 41億0830万 8.8 11億8370万 28.8
合  計 565億9400万 100.0 465億2700万 100.0 100億6700万 21.6
歳 出                
1 議会費 3億78600万 0.7 3億7922万 0.8 ▲ 630万 ▲ 0.2
2 総務費 62億3445万 11.0 53億2077万 11.4 9億13684万 17.2
3 民生費 183億5958万 32.4 182億4709万 39.2 1億12489万 0.6
4 衛生費 36億6519万 6.5 37億4871万 8.1 ▲ 8352万 ▲ 2.2
5 労働費 2533万 0.0 1642万 0.0 8908万 54.3
6 農林水産業費 7億5599万 1.3 7億8416万 1.7 ▲ 2817万 ▲ 3.6
7 商工費 4億3101万 0.8 3億0497万 0.7 1億2604万 41.3
8 土木費 97億3024万 17.2 53億3234万 11.5 43億9790万 82.5
9 消防費 23億2291万 4.1 23億4813万 5.0 ▲ 2522万 ▲ 1.1
10 教育費 44億3705万 7.8 44億6452万 9.6 ▲ 2746万 ▲ 0.6
11 災害復旧費 0万 0.0 0万 0.0 0万 0.0
12 公債費 54億2899万 9.6 52億9546万 11.4 1億3352万 2.5
13 諸支出金 47億2467万 8.3 1億8521万 0.4 45億3946万 2451.0
14 予備費 1億0000万 0.2 1億0000万 0.2 0万 0.0
合  計 565億94000万 100.0 465億2700万 100.0 100億6700万 21.6

 

【一般質問】 公用自転車の保険賠償額引き上げを
2014年11月議会 猪股の一般質問 『声と眼』484号 2014/12/21

 自転車による交通事故で死亡事故などでは1億円を超える高額の賠償額となるケースが増えています。
久喜市役所では全部で54台の公用自転車が使われていますが、全国市長会市民総合賠償補償保険に加入していて、死亡賠償額は1事故の限度額5億円、1人につき5000万円となっていることがわかりました。

 これでは万一の場合に対応できません。
賠償限度額を少なくとも1人につき1億円以上に引き上げるよう提案しました。
市でも保険内容の見直しを検討していくと答弁しました。

【11月市議会】 久喜市の総選挙費用6940万円を追加
『声と眼』483号 2014/11/27

 定例市議会は11月27日に開会され、一般会計補正予算、条例改正などの22議案が提案されました。

 開会6日前に衆議院の解散・総選挙が決まったため、急遽、選挙費用を盛り込んだ補正予算が追加で編成され、市長の専決処分(議会審議を経ずに決定できる)で執行されました。
久喜市の選挙事務にかかる費用は6940万円で、全額が県を通じて国から支出されます。

 総選挙に要する費用は国の総額で700億円にも上ります。
この時期に巨費を使って選挙を行う必要があるとは思えないのですが…。 

【9月市議会】 軽自動車税の引き上げは納得いかない
『声と眼』480号 2014/10/7

 9月定例市議会で、市税条例の改正で軽自動車税の増税が決められてしまいました。
(1)来年4月から、二輪車は登録年に関係なく、50ccバイクは現在1000円→2000円、3輪ミニカーは2500→3700円などと増税となります。
(2)4輪車は新規登録車からで、自家用軽自動車は7200円→1万800円、営業用で5500円→6900円などに引き上げられます。
(3)また、購入して14年経過後の軽自動車は“重課”でさらに高くなります。
買い換えを促進するためだというのですが、環境保護のためにも軽自動車税の軽減・優遇措置を継続するべきです。

【9月定例市議会】 2013年度一般会計決算認定に対する賛成討論
2014/9/29 

9月定例市議会は29日に閉会しました。
9月議会の主要な議案は昨年度の一般会計および各特別会計決算認定です。
私は、一般会計決算に対して、課題や要望を付けて賛成の討論をしました。

【賛成討論】 議案第50号 2013年度一般会計決算認定

猪股の討論原稿の全文               
(テニオハなど、少し違っているところもあります)

 決算審査は、昨年の2月定例市議会において審査され決定した予算が、適正に執行されたか、所期の行政目的にそった成果をあげられたかという観点から評価を行うものです。

 その意味で、2013年度当初予算の編成方針に示された、合併4年目の未調整の課題の達成、総合振興計画に基づく初年度の予算として、施政方針で主要な課題として掲げられた、防災行政の推進、子ども医療費や保育行政の推進、公共交通システムの整備、学校等の耐震補強工事の推進、福島第1原発事故による放射能対策などなど、おおむね当初に掲げられた政策方針に沿って執行されたと考えております。

 ここでは特に充実や見直しを求める政策課題、事業の9項目について、要望を付して賛成討論をします。

1.
 事務事業評価は、行政自身が一つ一つの事務事業の目的と成果指標を設定して、進行管理していく、それを公表することによって、行政に対する市民の理解を得ていくものである。
事務事業評価シートも改善され、評価の対象事業も少しずつ拡大されてきている、そして評価指標の設定や総合評価の判断理由、事業の方向性の具体的内容の記載など、おおむね適切に評価の作業も行われていると評価します。

 しかし総合評価は多くが「A」、事業の方向性は多くが「現状維持」となっている。
そのいくつかは事務事業の真摯な率直な評価を行った結果というよりも、予算の増額が見込めないから、現状維持としているのではないかと思われるフシもある。
方向性は、拡大基調、改善、現状維持、革新、縮小、廃止のいずれかに位置づけることになるが、いかに内部から、改善や革新の発想が出てくるかが大切である。
そうした発想を生み出すような評価方法、記載方法を工夫していただきたい。
事中評価を導入することと、総合評価にあたって、有効性と必要性に加えて、効率性の観点を盛り込む工夫、さらに全部の事務事業を評価の対象としていくべきです。

2.
 財政調整基金は、合併算定替えの終了による地方交付税の減額に備えて、できるだけ多く積み立てておくという当局の方針で、25年度末で53億円に達しました。
今後は減っていかざるをえないという一般論としては一定の理解をするが、私はその財政調整基金積立額の見通しについて、若干の疑念を持っている。
積み立てのための積み立て、市民サービスを置き去りにしての安易な積み立てにならないように、目標額を明確にして基金管理していくべきである。

3.
 学校等の放射線量測定、ホットスポットの測定、学校給食等の食材の放射性物質検査、市民の持ち込み食材の放射性物質検査、プールの測定も続けている、決算ではないが、今年はプール汚泥の検査にも拡大されるなど、子どもたちの安全を守る姿勢の表れであり、評価したい。

 ちなみに近隣の市の保護者と話をしていて、「久喜市はいい」「久喜市に引っ越したい」と言われて、私としては少々返答に困ったのですが、子どもたちの安全安心、保護者の信頼を確保していくことが何よりも大切である。
学校給食の変更申請の扱いなども含めて、今後ともきめ細かい配慮と公開の姿勢を堅持していただきたい。

4.
 学童保育は、老朽施設の改修、立て替えが着実に進められてきたことを評価する。
今後、栗橋小学校、栗橋西小学校、青葉小学校の立て替えを順次進めていただきたい。
小林小学校と江面第2小学校の学童保育施設をどうするかの検討と、久喜地区以外の保護者の経営参加、つまり学童保育運営協議会への参加も進めるべきだと申し上げたい。

5.
 コウノトリとトキの舞うまちづくり事業は、当初想定していた冬水田んぼは実施できなかった。
関東自治体フォーラムにおつきあい的に加入しているだけでなく、久喜市の環境行政の基本、根幹として位置づけていくべきです。
環境保全型農業推進事業と合わせて、いかにして久喜市における生態系に配慮した環境保全をはかっていくのかを検討していく必要がある。

6.
 市営釣場は年々経営が悪化している。
5年間はシルバー人材センターに指定管理契約しているから、市は損害を被らないでいるが、実際には経営が成り立っていない。
市営釣場のあり方、存在そのものについて、事務事業評価あるいは政策評価の対象として、事業の革新、改善、拡大基調ができるのか、あるいは縮小や廃止が必要なのか、もしかしたらシルバーの経営方法が悪いだけなのか、検討するべきである。

7.
 学校給食についてです。
 栗橋南小学校の校舎が完成したのだから、自校調理方式へ移行する計画を早急に作るべきです。
財政的観点から言えば、自校調理方式よりもセンター方式が安上がりであることは自明のことであろうが、政策的観点、つまり子どもたちの安心安全な学校給食を守り、教育の一環としての学校給食という観点からは、自校調理方式が優れていることは明らかであり、政策的に自校調理方式への転換をめざすべきです。

 給食食材の久喜産の割合は、昨年度からほとんど増えていない。
栗橋地区は2.9%で、他の地区の10%以上に比べても極端に低い。栗橋地区の久喜産の野菜を大幅に増やす余地がある。

 特に、久喜地区で県内産が24年度の0.5%から1.7%へわずかに増えたが、ほかの地区が15%から27%を確保しているのに対して極端に低い。
これは全農食品に委託しているために構造的に県内産を増やせないのではないかと思われる。
これをどう増やしていけるのか、この観点からも全面委託そのものを見直していくべきである。

8.
 市立図書館は1人あたり蔵書冊数、1人あたり貸し出し冊数、ともに県内平均を下回っている。
事業の方向性として、当然拡大基調とすべきだが、実際には26年度予算額は前年度を下回っている。
財政的にも拡大を考慮するべきだ。

9.
 学校の樹木の害虫駆除に、全部の学校で、多いところは3回も農薬散布していることが明らかにされた。
私は「絶対に農薬はダメ」とは言わないが、できるだけ減らしていくことが必要である。
そのためには、日頃から樹木の害虫の発生状況を監視して、蔓延して手が付けられなくなる前に剪定などによって駆除していくなどの工夫が求められている。
安易に農薬散布に頼らないように求める。

 実際、街路樹でも、虫がいないのにあらかじめ散布を予定して実施しているのではないかと思われるケースもある。
建設部、環境課でも、できるだけ農薬を使わない樹木管理に努めていただきたい。

 【一般質問】 選挙開票事務の迅速化を求める
2014年6月議会 猪股の一般質問 『声と眼』476号 2014/7/11

 4月の市議選の開票終了時刻は24時25分(所要時間205分)で、市長選の22時58分より1時間半も遅れました。
本来なら2つの選挙を同時併行で進めるべきでしたが、市長選挙を優先したと見られます。
選挙管理員会では、市議選で自動読み取り機で判別できなかった票を、再分類するのに時間がかかったと説明していますが、市議選の候補者数が多いことはわかっているのですから、最初から開票事務員を多く配置しておくべきではなかったでしょうか。

 蓮田市では3年前の市議選開票終了時刻は22時31分、所要時間90分でした。
来年の蓮田市議選の開票作業を実際に見に行って研究するよう求めました。

 久喜市では開票作業はおもに市の職員があたっていますが、開票作業分の人件費は138人で139万円でした。
最近は開票作業に全面的に学生アルバイトを活用する市が増えています(たとえば賃金は3時間で5000円、100~200人など)。
久喜市も学生アルバイトを大量に募集するよう提案しました。

【5月臨時議会】 一般会計補正予算に反対しました
2014/5/17

 5月15日に、改選後初の臨時議会が開かれて、専決処分4件、教育委員会委員などの人事案件7件が提案されました。

 専決処分4件は、2013年度の一般会計補正予算と、市税条例などの条例改正3件で、いずれも2013年度末に処理しなければならなかったのですが、市議会の選挙などで「議会を開くことができなかった」ため、議会にかけずに市長の判断で決定・施行したものです。
 このように専決処分を行った場合、地方自治法で、その後に開かれた市議会に提案して審議しなければならないこととされていますが、すでに施行しているため、仮に議会で否決されても、実施した効力は失われないものと規定されています。

震災復興とは無関係の事業に、
復興特別会計の資金を使うべきではない

 補正予算の内容は、2013年度一般会計に、国から「震災復興特別交付税」として1億9076万円が交付され、それと合わせて市の財政調整基金から1億900万円を取り崩して、合計2億9977万円を久喜宮代衛生組合に対する負担金として支出するというものです。

 衛生組合では、2013・14年度継続事業で、八甫清掃センターの焼却炉の長寿命化工事(大規模改修)を国の補助金を受けて実施しています。
 これが、新たに震災復興特別交付税(交付金)の対象として認可されたため、国からの補助金とは別に3億2993万円の交付金が入ってくることになりました。
 これをいったん久喜市の一般会計で受け入れて、衛生組合の会計に支出するというものです。
 衛生組合ではすでに3月26日に開かれた議会で、久喜市からの負担金増額分の受け入れと、衛生組合で予定していた地方債の発行をその分だけ減額する補正予算を可決しています。

 しかし、衛生組合の焼却炉の改修工事はもともと老朽化した施設を延命させるのが目的であって、大震災によって被災したものでもなく、将来に向けた耐震化工事でもありません。
 その工事に、震災復興特別会計を減資とする復興特別交付税から交付される資金を使うというのは、スジが通りません。
 「復興増税」として、国民の税金を増税までしておいて、その特別会計を震災復興とは関係のない事業に使うのは問題であり、私はこの補正予算に反対しました。

議案32号 専決処分、25年度一般会計補正予算 反対討論

猪股和雄

 震災復興特別交付税1億9076万円の増額補正、財調繰入金を合わせて、2億9976万円を久喜宮代衛生組合への負担金として増額する内容です。

 しかし八甫清掃センターの焼却炉の長寿命化工事は、震災によって被災した施設の復興でもなく、将来の震災被害防止するための耐震化工事さえもありません。

 久喜市の南栗橋地区が震災被災地と認定されたから、それとは関係のない地区の公共事業が、震災復興特別会計の対象事業と認定されたということになります。
またそれは政府が、震災復興特別会計の対象事業を、特例の省令でいわば拡大解釈してきたことによって、予定してもいなかったお金が下りてきたということでもあります。

 24年度に震災復興法事税や所得税の増税を含めた財源確保して震災復興特別会計が設置され、復興特別交付税は、その復興特会を減資としています。
本来の原則は震災復興の財源に使用するのでなければならない、それがあたりまえです。

 ところが、にもかかわらず、復興予算の不適切な使用が次々と問題になり、会計検査院からも「大震災の被害を受けていない設備等の工事や、老朽化設備の更新など、災害復旧事業に該当しない経費に復興特会の予算が支出されている」という指摘もされてきた。「大震災以前から一般財源で行ってきた耐震化工事などに復興予算を充てる」のを見直す措置もとられてきた。他方では、被災地において、自治体職員の不足や、公共事業の作業員や資材の不足などで政府の復興予算が使い切れないでいるという現状も報告されている。

 そうした中で、久喜市においても、震災復興と直接には関係のない焼却炉の改修工事に震災復興特別交付税が降りてくることになった、政府が省令で特例として認定した対象事業に含まれている、政府が認めたのだから問題はないということでいいのか。

 もちろんこの交付金は、久喜市で請求して決定されたものではないけれども、久喜市行政執行部も議会のみなさんも、これが震災復興事業ではないことを知っていて、久喜市全体が被災地として認定されているんだから、どのようなお金であれ、財政的にはプラスなのだから、国がくれるというのだから、遠慮なくもらっておこうと言えるのか。それは財政モラルの欠落ではないのか。
震災復興特会も、またそれを財源とする震災復興特別交付税が、震災復興事業以外にも使えるという、国の制度設計自体に矛盾があり、問題があるのは明らかなんです。
震災復興に名を借りた、こうした財政の使い方、公共事業の拡大、その積み重ねが、子どもたちに付けを回すことになるのではないですか。
これは、地方自治の、いや日本人の財政に対するモラルハザードではないでしょうか。

 この議案は専決処分の承認案件であり、すでに衛生組合議会では3月26日に衛生組合補正予算は可決されてしまっている、私の反対は何らの効力も持たないわけですが、あえて警鐘を鳴らす意味での、反対討論とします。

猪股の反対討論の原稿です。実際の討論は接続詞や語尾などが少し違っている箇所もあります。



【一般質問】 市営釣場の運営改善を求める
2014年2月議会 猪股の一般質問 『声と眼』471号 2014/3/20

 清久工業団地内の清久大池・西池に市営釣場があって、シルバー人材センターに管理運営を委託しています。
2005年の入場者数は4万人台でしたが、13年には2万人と半減、利用料金収入も3800万円から1600万円にまで減って、人件費等の運営経費を差し引くと大幅な赤字経営です。
シルバー人材センターは釣場の経営で利益を得た中から1130万円を市に納付する契約になっているのですが、実際には1200万円以上を持ち出しで穴埋めしています。

 この釣場は以前は関東一円でも人気が高かったそうですが、最近では「釣れない」「施設も悪い」と評判も落ち込んでいます。
このままでは市の貴重な収益事業がなくなってしまうばかりか、久喜市の評価も下がってしまいます。
最大の原因が釣れなくなったことにあるのははっきりしていますから、放流量を増やすことと、老朽化した施設の改善やサービス向上を進めるよう求めました。
また何よりも釣り客の生の声を取り入れていく姿勢が必要です。 

【2月市議会】 2014年度予算案に賛成討論を行いました
『声と眼』470号 2014/3/8

 3月6日の市議会最終日、私は2014年度一般会計予算について賛成討論を行い、

(1)予算編成過程の公開を市民にわかりやすく進めること、
(2)合併に伴う道路整備などの大型公共事業が同時に進行しているが、近い将来の財政圧迫要因とならないよう注視すること、
(3)市の行政が現状維持指向やマンネリ傾向に陥らないよう配慮し、そのためにも職員の先進地視察や政策研修の充実などを求めました。

共産党が予算の修正案を出したけれど

 共産党が当初予算の修正案を提案しました。おもな修正内容は、一般会計予算では歳入の公民館使用料の削減、国民健康保険会計と介護保険会計の国保税と介護保険料収入の減額、水道事業会計で料金収入を減額するものです。
しかし歳入を削減するのであれば、公民館条例や国保税、介護保険料、水道料金引き下げなどの条例改正が必要ですが、共産党はそれらの条例改正は提案したことはありません。
予算の歳入だけ削っても、条例を改正しなければ市民負担を軽減することはできませんから、本気で国保税や水道料金を引き下げる意志はなく、選挙で宣伝するためのパフォーマンスと判断するしかありません。
結局、他の会派の全員が反対して否決されました。


議案9号 2014年度一般会計予算 賛成討論

1.予算編成過程の公開をいっそう進めるよう求める。

 合併前の久喜市で開始して、合併後4年間、公開を積み重ねてきて、成果を積み上げてきたことを評価していますが、現在の公開方法は、予算要求額、財政担当による査定、最終査定を、款別、課別に公表しています。
いちおう、事業名も載っているが、事業内容も、なぜ増額、減額されたのかについては説明されていません。
 「事業内容を精査した結果、減額とします」「事業費の積算内容を精査した結果、増額とします」「要求どおりとします」、ほとんどがこの説明だけです。あるいは「事業の一部を先送りとします」なんてものもありますが、何が先送りされたのかも、その理由もわかりません。

 予算編成過程を公開する意味は、それぞれの事業を増額、あるいは減額、据え置きの理由を説明することによって、市民の理解を得ることにあるはずです。さらに市民にわかりやすく、内容の公開にまで踏み込むよう求める

2.大型道路整備をはじめとした公共事業が、同時、あるいは1,2年くらいずれて、次々と開始されることになった。その結果、土木費が4億2800案円(8.7%)増で目的別歳出では最も大きい伸びとなった。性質別歳出では投資的経費が1億円の増で30億円を超えた。

 これが近い将来における久喜市の財政的な圧迫要因になるのではないかと懸念される。議案質疑で問題提起しておいたが、これらの公共事業が、今後の久喜市の財政膨張要因となっていく影響については、明らかにされませんでした。土木費、公共事業の拡大による財政見通しを明らかにしていくよう求めます。

 公共施設のアセットマネジメントに取り組むことになったが、久喜市では公共施設、いわゆるハコモノだけのマネジメントとしている。市長はまたアセットマネジメントの目的は「公共施設の老朽化対策である」としているが、本来は縮小社会と財政縮小の中で、公共事業をいかに抑制し、財政をいかに持続可能に延命させていくかということのはずである。アセットマネジメントを進める前提として、公共施設については、統廃合や複合施設化、縮小化、新増設は極力しない、できないんだということを、市民にきちんと説明していくべきです。

 またアセットマネジメントを、道路や下水道などの公共事業全体に広げていく必要がある、これも維持管理に重点を置いて、新規工事はおのずから抑制的に進めていかざるを得ないことを、説エミして理解を求めていかなければならない。

3.それにしても、昨年、市の財政中期フレームが発表されたものの、単なる財政の危機感をあおるものになっていないか。そのわりには現実の財政運営と乖離があるように見えます。

 たとえば、経常的一般財源が大幅に減少を続け、経常的経費の減少幅が小さいか、または横ばいでいく、投資的経費に充てられる一般財源が年々減少していくと予測していて、26年度は18億円とされていたんですが、実際には26年度の投資的経費は国県支出金や市債発行などで30億円と大きく膨らんだ。

 財政フレームで派財政調整基金残高は25年度末で29億円とされていたが、実際には25億円も積みまして55億円であり、26年度末は39億円とされているが、これまでの経過からしてさらに増えると予測される。
 信頼性のある、市民に対して説明責任を果たせるような財政見通しを示すべきである。

4.公共施設の太陽光発電システム設置を、積極的に、大胆に進めるべきである。
 2022年までに30の公共施設に太陽光発電システムを設置するという計画が公表されていますが、この計画を進める上でも民間資金を導入すれば、市の財政負担内で、前倒しで実現できるはずです。いったん決めた計画だからそのままやればいいという姿勢でいるだけでは、県境先進自治体から、一歩も2歩も遅れてしまいます。
市長も「研究する」と言っているが、やらない理由はないのであって、民間資金の導入という手法の見直しも含めて、計画の促進を求めます。

5.学校給食は、段階的に自校調理方式を進めるよう求めます。
 学校給食が、安全でおいしい暖かい給食を子どもたちに食べさせてあげたい、作る人と食べる子どもたちが見える位置にいる、地産地消を推進していく上でも、自校調理方式がもっとも望ましいことは明らかです。

 もともと直営自校調理方式で実施していた栗橋地区の小学校の給食を、自校調理方式で続けていくことを方針として確立し、まず、栗橋南小学校に調理室を設置する計画を早急に検討すべきです。その為にも何よりも今、必要なのは、当事者の学校の保護者の意見を聞くことです。

 次に、鷲宮の老朽化しつつある給食センターと、久喜の全面民間委託の大規模給食センターも、見直さなければならない時期に入っているのであって、直営化と、自校調理方式への移行を検討していくよう求めます。市教育委員会は給食審議会で検討していくとしていますが、まずは、望ましい方式への移行を検討するのが、当たり前ではありませんか。

6.久喜市の行政運営を現状維持指向やマンネリに陥らせないために、職員からの先進的政策形成能力が問われています。職員研修の充実、特に先進地視察に、積極的に行かせて、先進市に学ばせるべきです。

介護保険、成人や子どもの保健事業、事務事業評価、政策評価の推進、太陽光発電など持続可能なエネルギー政策、などなど、学ぶべきことはたくさんあります。インターネットで資料を取ればいい、ではなくて、現地に行って、先進市の職員がどんな苦労をして新しい政策を生み出してきたのかを学ぶことは大いに意義がある。

 なお、共産党の議員団から、一般会計他、3予算案に対する修正案が提出されていますが、これについて触れておきます。
公民館の無料化、国保税や介護保険料の歳入の減額、水道料金の収入削減などをおもな内容とする修正案ですが、もしもそれらの市民負担を軽減させるのであれば、たとえば、公民館条例の改正案、国保税や介護保険料を引き下げる条例改正案、水道給水条例の改正をしなければなりません。

いかし、共産党議員団のみなさんは、これまでにそうした条例改正案を提出したことはありません。とすれば、今回の修正案の提案は、本気で市民負担の軽減の実減を目的としたというよりも、単なる選挙宣伝目当てのパフォーマンスと判断するしかありませんので、評価に値しません。

【2月定例市議会】  新年度予算の主な新規事業
『声と眼』468号 2014/2/2

 2014年度の久喜市一般会計予算で、以下のような新規事業が予定されています。

▼消費税増税の影響を緩和するため「子育て世帯臨時特例交付金」2億424万円
▼消費税増税による低所得世帯の負担軽減のため「臨時福祉交付金」の給付 5億8189万円(いずれも2014年度限り、全額国庫負担)
▼鷲宮東コミュニティセンター敷地内に学童保育施設を新設、栗橋西小学校では設計 1億3172万円
▼中央保育園の改修設計費 547万円
▼障害者福祉計画策定事業 289万円 
▼清久小学校の校庭一部芝生化 100万円
▼鷲宮地区の小中学校の校舎の給食運搬用エレベーター改修工事 1116万円
▼江面1小学校の耐震補強工事などに 1億6954万円
▼久喜小学校のプール改築工事 3億1800万円
▼幹線道路の老朽化した橋梁の修繕工事 1億71万円
▼東鷲宮の工業団地から青毛下早見線への道路延長の測量費 720万円
▼旧菖蒲高校跡地購入、公園にするための校舎解体設計費等 4444万円
▼栗橋駅に点字ブロック設置の補助金 467万円
▼公共施設の総合的な維持管理計画策定事業 501万

 今年度からの継続的な事業支出は

◇小中学校の放射線量測定事業 764万円
◇住宅用太陽光発電システム設置に対する補助金給付 1250万円
◇高齢者や障害者の要援護者見守り支援事業 854万円
◇南栗橋地区の液状化対策の調査設計費 7352万円
◇東鷲宮駅東西連絡地下道バリアフリー化整備工事費 2億7404万円
◇久喜駅東口大通りを吉羽西地区に延長のための土地買収費 2億1038万円
◇下水道管敷設事業 3億5408万円◇水道石綿管の敷設替え工事 1億5900万円
◇鷲宮浄水場の設備更新と懸垂入水設備設置工事 6億4287万円などです。

市の貯金は56億円にまで膨らんだ

 財政調整基金は2013年度末の積立額は56億995万円まで膨らみました。
2010年度末29億1500万円、11年度末35億4200万円、12年度末45億3900万円と年々増え続けています。
執行部は新年度で取り崩すので、年度末には40億円に減少するとしていますが、毎年同じ説明をしていて、このままでは使途の目的のない貯金が際限なく膨らんでいくばかりです。

 なおこの他に、減債基金、福祉基金などの目的を持った基金が8億円くらいあります。

【一般質問】 職員用パソコンソフトの切り替えは慎重にすべきだ
11月議会 猪股の一般質問 『声と眼』467号 2014/1/9

 市は職員用パソコンに従来のマイクロソフトオフィス(ワードやエクセルなどのソフト)から無料の“リブレオフィス”への転換を進めています。
これは財政支出の削減ばかりでなく、マイクロソフトという一企業によるコンピュータ支配を避けるためにも、全国的な動きが出てきています。

 しかしこれまでマイクロソフトオフィスのシェアが圧倒的で、“リブレ”とは機能の違いもあり、データの互換性も完全ではないため、“リブレ”への転換は簡単ではありません。
以前に作成した図表データなどを作り直さなければならなかったり、国、県、他市や事業所ではまだマイクロソフトオフィスが主流ですが、それらのデータの読み込みが正確にできなかったりして、作業効率の低下や残業も増えているようです。
無料ソフトの導入で支出をある程度は節約できても、これでは本末転倒です。
久喜市ではこれまでに約500台のパソコンに“リブレ”の導入を進めてきていますが、職員アンケートでは、「互換性に問題がある」「導入しない方がよい」という回答が多数を占めているのが実態です。

 山形県庁や会津若松市などの先進自治体では、両方のオフィスソフトを一定程度併行して使用しています。
久喜市でも導入計画の見直しが必要ではないでしょうか。
また新しいソフトを導入する際には職員への使用方法のフォローなどきめ細かい指導も行っていくべきです。

【11月市議会】 指定管理者の選定方法に、賛成討論で意見を付けた
2013/12/27

  12月24日、11月議会最終日に、議案の採決が行われました。

 私は、市町提出議案のすべてについて賛成しましたが、その内の2つの議案について、賛成討論を行いました。
 15か所の体育施設や有料公園施設の管理運営を、指定管理者に委託する議案について、指定管理者の指定そのものについては積極的に賛成します。

 しかしその事業者の選定方法について、改善するべきと考え、具体的に提案しました。

議案130号 「指定管理者の指定」に対する賛成討論


 体育施設及びB&G海洋センター、都市公園の有料公園施設の指定管理者の指定については、その管理を指定管理者に行わせることが妥当であり、賛成します。
 事業者の選定の過程では、1位の事業者と2位の事業者が甲乙付けがたいほどに評価が近接した中で、最終的にはシンコー・サンワックッス事業体が決定したもので、おおむね妥当な結果であったと考えられます。
 しかし、指定管理者の公募、選定経過について、今後、検討するべきと思われることがあります。

 今回、指定管理者を公募し、指定管理者候補者選定委員会において、プレゼンテーションを受けて、審査し、投票によって、最高点を獲得した事業者を選定しました。
 投票結果ですけれども、1位のシンコースポーツ・サンワックス共同事業体が、2位の事業者に対して、1点差で最高点を獲得し、あらかじめ最高点の事業者を選定するという選定基準に従って、選定されました。

 しかし、その投票結果の内訳を詳しく見ていきますと、審査項目は11項目あって、

 投票で最高得点を獲得し、指定管理者として選定されたシンコースポーツ・サンワックス共同事業体は、6項目で1位、4項目で2位、1項目は3位でした。
 一方、2位になったアイル・オーエンスグループは、7項目で1位、残りの3項目で2位でした。
 つまり、2位になった事業者の方が、最終的に選定された事業者よりも優れた点が多かったけれども、結果としては1位の事業者が1点差で選定された。

この結果を見ると、今回、指定管理者として指定する事業者が、2位の事業者に対して明らかに優れているとは言い切れないとも見られる。
 こうした微妙な場合もありうるので、たとえ1点差でも多く獲得した方を指定するという審査方法を見直す必要があるのではないか。

 たとえば、審査項目中で、最多得票の事業者であって、なおかつ、1位となった項目が最も多い事業者であること、その両方の条件を満たすことを選定の条件とするということではいかがか。両方の条件を満たす事業者がない場合には、決選投票をするという方法も考えられる。
 選定方法について、検討が必要であると指摘しておきます。


【一般質問】 市役所などにカサ袋を設置を提案
11月議会 猪股の一般質問 『声と眼』466号 2013/12/20

 ふれあいセンターや中央図書館には従来から“傘袋”が設置されていました。
しかし市役所本庁舎には傘袋はないので、やむをえず玄関の傘立てに置いていて間違って持っていかれてしまったり、濡れた傘を持ち歩いて書類を濡らしてしまったりしていやな思いをした人も多いでしょう。
そこで、市役所や他の公共施設に傘袋を設置するよう提案しました。
市役所本庁舎の1日平均の来庁者数は800人で、年間降雨日数は30~40日、1枚2~3円なので費用は年間5~6万円です。
当局も『できるだけ早く設置したい』と答弁しました。
-1週間後の12月16日にはさっそく市役所の玄関と南側通用口に傘袋が設置されました。

 傘袋設置のデメリットは1回きりの使い捨てでごみが増えることです。そこで、持ち帰って車の中などに置いておいて、せめて2回以上は使うようにしてはいかがでしょうか。

建設部と教育委員会が移転しました
『声と眼』465号 2013/12/04

 市役所本庁舎の耐震補強工事は2015年度までの3年間の継続事業で実施します。
当初は今年度分は2億8663万円の予定でしたが、8億8538万円に増額して来年度分の工事を前倒しして実施することになりました。
工事を円滑に進めるため、12月2日から建設部門(建設管理課・道路河川課・営繕課・都市計画課・都市整備課・開発建築課)が第2庁舎に、教育委員会(教育総務課・学務課・指導課・生涯学習課・文化財保護課)が菖蒲総合支所3階に移転しました。
今までは市役所の用事はほとんど本庁舎に行けばすんだのですが、少し不便になるかもしれません。

参照⇒Blog【変じゃないけど】

★建設部が移転する「市役所第2庁舎」ってどこにあるの? ……北青柳の特養ホーム鶴寿荘の隣にある、旧幸手保健所久喜分室だった建物で、埼玉県から移管されました。★

【一般質問】 公共施設予約システムの改善を求める
9月議会 猪股の一般質問 『声と眼』462号 2013/10/11

 公共施設予約システムを使ってふれあいセンターを予約する場合、福祉関係の登録団体であれば無料のはずなのに、システム画面には使用料金額と『仮予約』が表示され、形式上は仮予約のまま使っていることになっています。
また予約確認画面にも予約票のプリントにも借りる団体名が表示されません。
パスワードを入力してログインして会議室を予約したのに、貸出票に団体名が明記されなかいというのは、システムの“欠陥”ではないでしょうか。

 市は、『仮予約』の表示は改善する方向と答弁しました。
しかし団体名の表示などのシステム改修には費用がかかるので、変更はできないと答弁しています。
費用がかかるからといって“欠陥”をそのままにしておくというのは、何とお役所的!?

【一般質問】 公共施設の利用区分枠の変更を提案
9月議会 猪股の一般質問 『声と眼』462号 2013/10/10

 ふれあいセンターなどの公共施設の利用区分は、午前、午後、夜間の3区分(公民館は午後をさらに2区分)となっていますが、12時からの1時間は、連続して使う場合以外は貸し出しをしていません。
そのため午後に集会等を行いたい場合、午前中は使わないのに予約を入れておいて、お昼くらいから会場準備を開始する団体もあります。
ふれあいセンターでも登録団体が午前中から部屋をおさえたり、行政が前もっておさえておくこともあって、午前中に使いたい団体が部屋を借りられないことがあります。

 そこで、午後の利用区分枠を30分早めて12時半からとするように提案しました。
そうすれば、午前中は使わないのに準備のためだけにおさえる必要はなくなって、もっと使いやすくなるのではないでしょうか。
しかしふれあいセンターの利用区分枠の変更については、福祉部長が、12時から1時までは清掃や会議室の仕切りを開け閉めする時間が必要なので、利用区分の変更は考えていないと答弁しました。

 利用者の利便よりも清掃や職員の作業の都合の方を優先するという考え方は理解できません。

【一般質問】 選挙開票事務の効率化を求める
9月議会 猪股の一般質問 『声と眼』462号 2013/10/9

 7月の参院選で、久喜市の比例区開票作業は蓮田市の2倍近くも時間がかかりました。
昨年末の総選挙の開票効率の比較でも、久喜菖蒲地区の開票は同規模の行田市の4分の1、栗橋鷲宮開票区はやはり同規模の蓮田市の2分の1で、久喜市の選挙開票事務の効率がたいへん悪いこともわかっています。

 私は参院選で比例区の開票立会人を務めましたが、最終結果が出たのは午前2時半でした。
立会人席から開票所の全体を見ていると、一部の職員が忙しくしているのに、あちらでは手持ちぶさたの職員がかたまっていたり、時には作業が止まっている時間があったりして、全体を指揮する職員がいないのではないかとも感じられました。

 開票時間が長ければ超勤手当てなどの費用もかさみますし、選挙の開票結果を少しでも早く有権者に知らせるのは行政の責任でもあります。
なぜ久喜市の開票作業の効率が悪いのかの理由を分析して、もっと迅速化するように求めました。

 選挙管理委員会委員長が「蓮田市や行田市などと比較して、計数の回数、投票用紙読み取り分類機の台数、疑問票の判定方法の違いなど、いくつかの原因が考えられる」「開票作業の早い市を参考にして、正確性と迅速性、作業効率の向上に向けて努力していく」「指揮系統に問題があったので、作業全体を把握して効率よく人を動かせるように改善していきたい」などと答弁し、細かい改善点について検討していることも明らかにされました。
さらに私は、現状では比例区が後回しにされているが、選挙区と比例区の開票を併行して進めるように求めました。

7月21日、夜8時、久喜市総合体育館。間もなく開票作業開始へ、職員がスタンバイ。

【9月市議会】 一般会計決算認定について、賛成討論をしました
2013/10/3

 10月1日の議会最終日、各議案の討論・採決が行われました。
 私は「一般会計決算」について、課題を指摘しながら「賛成」の討論を行いましたので、その内容を掲載します。

2012年度一般会計決算認定に対する、猪股の賛成討論

 決算審査は、行政にとっても議会にとっても、議会で決定した予算が、適正に執行されたか、所期の行政目的にそった成果をあげられたかを評価する場であると考えています。

 その意味で、2012年度当初予算の編成方針に示された、合併3年目にあたっての地域の一体化の促進、諸制度の統一・統合、東日本大震災2年目で、震災被害からの復興、防災対策の取り組み、安心安全なまちづくり、放射能対策などなど、おおむね当初に掲げられた政策方針に沿って執行されたと考えています。
 ここでは特に充実を求めたい事業のいくつかについて、要望を付して賛成討論をします。

1.財政調整基金は一般会計の1割程度は積み立てておくという当局の方針である。
 一定、理解するが、積み立てのための積み立て、多ければ多いほどいいというような安易な積み立てにならないように、目標額を明確にして基金管理していくべきである。

2.事務事業評価は、行政自身が一つ一つの事業の目的を明確に見据えて、みずから成果指標を定め、常に事務事業の進め方を見直しながら進行管理していく、またそれを公表することによって、市民の理解を得ながら進めていくものである。
 久喜の事務事業評価は、いまだに評価の対象事業そのものが一部分であり、少ないこと、総合評価の基準が明確でないことなどの問題がある。
 総合評価は、拡大、現状維持、見直し、縮小、廃止であるが、現実にはほとんどが現状維持となってしまう。
 事務事業の進め方の効率化や改善をいかに評価していくかが課題と考える。
 執行部における決算の調整の作業自体が、事務事業評価の過程として位置付けるべきで、早急に全部の事業に拡大すべきだ。

3.学校等の放射線量測定、ホットスポットの測定、学校給食等の食材の放射性物質検査、市民の持ち込み食材の放射性物質検査、プールの測定も続けていることは、当然のことではあるが、きちんと評価したい。
 子どもたちの安全安心、保護者の信頼を確保していくために、今後ともきめ細かい配慮と検査、公開、この姿勢を今後とも堅持していただきたい。

4.保育園は、久喜市では待機児童ゼロとなっているが、入園申請を出したが入れなかった児童が82人いることがわかった。
 ベビーホテル等の認可外保育所に通っている児童が127人いて、その一部は潜在的待機児童と考えられる。
 認可外保育所の実態の把握、指導とともに、希望する児童が全員受け入れられる体制を作っていくよう求める。

5.学童保育は、上内小学校の学童保育施設新設に続いて、栢間小学校、鷲宮小学校の施設新設建設、さらに東鷲宮小学校の施設新設へと引き続いて整備を計画的に進めていることを評価する。
 小林小学校も早急に進めるべきことと、久喜地区以外の保護者の経営参加、つまり学童保育運営協議会への参加も進めるべきだと申し上げたい。

6.久喜市においても生活保護が増え続けている。
 昨年3月が977世帯、1450人だったが、2012年土中に1000世帯を超え、今年3月には1057世帯、1571人となった。
 これは、景気回復が実感できないというよりも、経済情勢が国民・市民の生活の向上に結びついていないこと、または格差が拡大し続けていることを表している。
 また保護決定までに14日以内が81件に対して、半数以上の116件が14日以上かかっているのが現実である。
 法律の原則に従い 、決定までの日数を早めるべきだし、そのためにもケースワーカーの増員も必要である。
 言わずもがなのことではあるが、より一層きめ細かい対応と、ケースに応じて自立支援にいっそうの重点を置いて進めるべきだと申し上げる。

7.成人検診事業の受診率アップが課題であるが、目標を定めて、特にかかりつけ医との連携による促進方策の工夫、検討を進めていただきたい。
 委員会で提案させてもらったが、国保の保険証を年度初めに送る、検診のお知らせやクーポン券とセットでを送付するなども一つの方策ではないか。

8.学校給食について、強く指摘しておく。
 栗橋南小学校の校舎が完成したのだから、自校調理方式へ移行する計画を早急に作るべきだ。
 給食食材の地産地消は、久喜地区13パーセント、菖蒲20パーセント、栗橋2.5パーセント、鷲宮10パーセントであるが、特に栗橋地区で久喜産の野菜を大幅に増やす余地がある。
 一方で、久喜産以外の県内産野菜は、菖蒲11パーセント、栗橋、鷲宮24パーセントに達しているのに対して、久喜地区はわずか0.5パーセントにすぎない。
 地産地消は久喜産が第一、ないなら県内産、次に近い地方産、次が国内産とするという基本に沿って、特に久喜地区で県内産を増やすべきだ。
 全農食品給食センターへの委託の関係で構造的にそれができないとしたら、やはり委託から市直営への転換を求める。

田中市長のモスクワ「公務」出張の旅費と日当はいくら?
2013/9/17

 市民から「田中市長の海外出張に疑問」というFAXが送られてきました。

「8月世界陸上モスクワに、男子マラソン川内さんの応援に公務として参加している。川内さんの活躍と頑張りは久喜市民として誇りであり応援している。しかし市長がわざわざ税金で行くべきだったのでしょうか。TBSからの依頼でもなく、陸連からのお誘いでもなく、川内さんが来てほしいと言ったわけでもなく、田中市長がモスクワに行きたかっただけである。それならば自費で参加すべきではないでしょうか。/(中略)…市長の旅費より地元の応援に税金をかけるべきではなかったのか。川内さんの活躍に水を差すようだが、はたして公務出張の成果はあったのか疑問である」というものでした。

 そこで、田中市長と随行の秘書課長の旅費と日当に公費からいくら支出したのか、情報公開請求してみたところ、総額で92万9340円であったことがわかりました。
(出発日8月16日、19日帰国)。
パック 市長 秘書課長 内容・説明
宿泊代 50,000   25,000円×2泊(ホテルメトロポールモスクワ)
夕・朝食含む
  50,000 課長の分は、旅費条例により、上限が19,300円となっているため、人事課と協議の結果、市長と同額となった
飛行機
現地交通費
現地ガイド費
325,000   成田▲モスクワ(シェレメーチェボ国際空港)JALエコノミー普通料金=672,300円(ネット見積価格)
空港-ホテルのバス代含む
モスクワ市内視察のバス代含む
昼食も入っているツアーのため、日当の減額で対応
  343,500 課長の金額については、申し込みが市長より遅くなったため、その分若干高くなっているとのこと
旅券交付手数料     11,000  
査証手数料   11,550 11,550  
燃油サーチャージ   44,420 44,420  
日当   21,700   8,300円(指定都市)×1日=8,300円(1日目)
8,300円(指定都市)×2日÷2=8,300円(2・3日目)
 昼食が出るため、半額にする減額調整(人事課と協議の結果)
5,100円(丙地方)×1日=5,100円(4日目)
 帰国日(4日目)は、丙地方の日当額
     16,200 6,200円(指定都市)×1日=6,200円(1日目)
6,200円(指定都市)×2日÷2=6,200円(2・3日目)
 昼食が出るため、半額にする減額調整(人事課と協議の結果)
3,800円(丙地方)×1日=3,800円(4日目)
 帰国日(4日目)は、丙地方の日当額
合計   452,670 476,670  
総額   929,340  

 日程表によると、次のようになっています。
  8月16日 東京発    12:00
         モスクワ着  17:00 到着後、ガイドが出迎え、ホテルへ
  8月17日 モスクワ 午前 モスクワ市内観光(赤の広場、聖ワシリー寺院、ノボデビッチ修道院等
               午後 世界陸上2013 ~川内選手応援から
  8月18日       クレムリン観光(武器庫、鐘の王様等)、モスクワ市内観光
               モスクワ発 20:00(機中泊)
  8月19日 東京(成田)着 10:30


 久喜から現地での応援に行ったのは22名で、みなさん自費での参加です。
市長の公務出張の評価については当然いろいろな議論になっています。

【一般質問】 公共施設の不適正な使用
9月議会 猪股の一般質問 『声と眼』461号 2013/9/16

 今年7月に、市外の広域的なスポーツ団体による、ふれあいセンターの会議室の不適正な使用があったことがわかりました。

 本来、市外の団体の場合は、2か月前からしか予約できませんし、使用料を納付しなければならないはずです。しかしこの団体は、半年も前に、市の生涯学習課に頼んで行政の名義で、3階の全部の会議室を午前・午後・夜間と全日“仮予約”という形でおさえてしまい、当日まで正規の手続きもしていませんでした。
実際には午後しか使わなかったのに、使用しない時間帯の取り消しもしていませんでした。
また行政名義でおさえたので使用料の納付もせず、免除手続きもしていませんでした。
いくつもの条例違反の使用を行政が便宜を図ってあげたことになります。

 こんなやり方で会議室がおさえられてしまったら、市民が正規な手続きで会議室を使いたいと思っても予約できなくなってしまいます。
使わない時間帯まで押さえておくというのも論外です。

 私は当日たまたまふれあいセンターに行っていて、午前中に人がいないのに会議室に全日予約が入っているのに気が付き、後日、生涯学習課でこれらの事実を確認することができました。
なお、その後、当該の団体に生涯学習課から説明して使用料を納付してもらったそうです。

 あたりまえのことですが、市では今後はこうした不適正な使用が行われないよう、職員の認識や姿勢をただしていくと答えています。

東鷲宮小の学童保育所を整備へ ~一般会計補正予算の主な支出~
『声と眼』460号 2013/9/7

◆鷲宮東小学校の学童保育施設の設計費等947万円が計上されました。
現在は学校に隣接する鷲宮東コミセンの会議室を利用していますが、コミセンの敷地内に学童保育所を新設することになりました。
建設工事は来年の予定です。鷲宮東コミセンの学童保育利用児童数はすでに70人を超えており、早急に開設をめざすべきです。

◆各総合支所を全部LED照明に更新する経費に6425万円。
当初予算では財源不足を理由に見送られていました。

◆待機児童対策として、あおば幼稚園と青葉台あけぼの幼稚園で長時間預かり保育を実施するための補助金182万円(全額が県からの補助金です)。

◆現在、旧幸手保健所久喜支所を県から譲渡を受け、市役所第2庁舎として使うために改修工事をしています。
この第2庁舎前の道路に歩道を付けて整備する工事費6442万円が計上されました。

【9月市議会】 財政調整基金積立額は45億円にも
『声と眼』460号 2013/9/6

 2012年度一般会計決算は、歳入463億4011万円、歳出441億7942万円で、歳入歳出差し引き21億6070万円です。
すでに今年度で使途の決まっている金額を差し引いた中から、約9億円を財政調整基金に積み立てて、今年度一般会計への実質的な繰越額は約9億円となりました。

 その結果、市の貯金である財政調整基金の積立額は約45億2000万円にまでふくらみました。
昨年度末の積立額は約45億4000万円で、市当局は「財源不足を補うために基金から20億円を取り崩さなければならないので、年度末には29億円にまで減る」と説明していました。
結果的にはほとんど前年度と同額か、今後の支出抑制によってかえって積立額が増額となる可能性もあります。
財政調整基金は本来は年度間の財源の過不足を調整するための基金です。
久喜市の税収や経常的な支出は安定しているので、一般会計の1割にも上る基金が必要なのか疑問です。
県内他市の基金残高は市民1人あたり1~2万円程度が多いのですが、久喜市は1人あたり3万円にも達します。

 市の「中期財政フレーム」によると、今後、市税や地方交付税などの経常的一般財源が大きく減り続け、投資的経費に充当できる財源も減っていく、財源不足に備える財政調整基金残額も急減していくと推計されています。
しかし現実には、財政調整基金残額は毎年の「大幅に減る」という見通しに反して、2010年度29億1500万円、11年度35億4200万円、12年度45億3900万円と年々増え続け、13年度も45億円台を維持することになりました。

 市当局は、今後、合併特例がなくなって歳入が減っていくから財政調整基金の積み立てが必要だというのですが、将来の歳入を過少に見積もっているのではないかという疑いもあります。
 

久喜の開票作業はなぜこんなに遅い?
『声と眼』459号 2013/8/15

 7月の参議院議員選挙で、久喜市の全国比例区の開票結果が出たのは午前2時28分で、所要時間328分でした。
蓮田市は日付が変わる前の午後11時53分(173分)で開票作業を終了しています。
もちろん久喜市の方が投票者数が多いのですが、その分だけ作業人数も多く配置しているのに、倍近くも時間がかかっているのはなぜでしょうか。

 早稲田大学マニフェスト研究所が、選挙事務改革調査を実施していて、国政選挙などで全国の自治体で開票事務にかかった時間と効率性ランキングを発表しています。
右の票は埼玉県内の各開票区ごとに比較してみたものです。

 久喜市は選挙区が2つに分かれているので開票作業も2か所で行いましたが、久喜・菖蒲地区開票所が県内14位(全国464位)、栗橋・鷲宮地区が県内22位(全国640位)でした。
それぞれ投票者数がほぼ同じ規模の蓮田市、坂戸市、鶴ヶ島市などと比較してみると、久喜市の開票作業がたいへん遅いことが分かります。
また開票作業の「効率性」で比較すると、久喜市の2つの開票区とも県内で下位にランクされています。
県内で効率性1位の行田市(約4万票を作業人数40人、約2時間半で開票終了。
開票作業効率6.82)に比べると、久喜市(同1.67、1.50)は作業効率が4分の1ということになります。

 開票作業の効率性は日常の事務事業の効率性や職員の仕事上の能率や工夫の度合いを反映しているとも言われています。
久喜市の開票が遅い原因を分析して、作業の効率化を進めるべきです。

2012/12 衆議院総選挙の開票時間比較
埼玉県内40市(54開票区)

所要時間
県内順位
投票総数 開票事務
従事者数
所要時間
(分)
開票
開始時刻
開票
終了時刻
効率性 効率性
県内順位
所要時間
全国順位
効率性
全国順位
1 鴻巣市(川里) 3,596 35 104 21:00 22:44 0.99 53 51 793
2 蓮田市 31,028 122 105 21:00 22:45 2.42 11 52 211
3 坂戸市 47,903 90 105 21:00 22:45 5.07 3 52 18
4 鶴ヶ島市 33,839 147 109 20:45 22:34 2.11 12 67 263
5 春日部市(庄和) 17,491 60 144 21:00 23:24 2.02 13 251 279
6 行田市 40,354 40 148 21:00 23:28 6.82 1 279 2
7 入間市 70,719 101 151 21:00 23:31 4.64 5 307 27
8 新座市 74,704 86 151 21:00 23:31 5.75 2 307 10
9 白岡市 23,818 84 151 21:00 23:31 1.88 18 307 323
10 ふじみ野市(大井) 23,235 91 159 21:10 23:49 1.61 32 367 444
11 飯能市 39,405 188 160 21:10 23:50 1.31 46 373 605
12 秩父市 32,050 79 163 21:00 23:43 2.49 10 406 202
13 本庄市 36,147 71 173 21:10 0:03 2.94 6 459 149
14 久喜市(久喜、菖蒲) 42,900 147 175 21:00 23:55 1.67 30 464 409
15 春日部市(春日部) 91,392 189 183 21:00 0:03 2.64 7 518 183
16 ふじみ野市(上福岡) 26,941 96 183 21:10 0:13 1.53 37 518 474
17 羽生市 25,064 53 185 21:00 0:05 2.56 8 525 193
18 八潮市 34,607 94 190 21:00 0:10 1.94 15 563 304
19 桶川市 35,957 108 191 21:00 0:11 1.74 23 586 371
20 狭山市 76,108 207 192 21:00 0:12 1.91 16 588 312
21 日高市 27,915 105 197 21:00 0:17 1.35 45 629 585
22 久喜市(栗橋、鷲宮) 30,262 101 200 21:00 0:20 1.5 41 640 499
23 吉川市 28,345 120 200 20:50 0:10 1.18 49 640 673
24 富士見市 49,045 140 203 21:00 0:23 1.73 25 665 379
25 朝霞市 60,315 189 205 21:00 0:25 1.56 36 671 467
26 加須市 52,817 52 210 21:00 0:30 4.84 4 691 23
27 さいたま市桜区 41,699 126 211 21:00 0:31 1.57 33 717 460
28 熊谷市(熊谷) 91,192 251 211 21:00 0:31 1.72 26 717 381
29 所沢市 166,023 503 211 21:00 0:31 1.56 34 717 462
30 和光市 37,005 116 211 21:00 0:31 1.51 40 717 489
31 三郷市 58,430 137 211 21:00 0:31 2.02 14 717 281
32 志木市 34,015 134 212 21:00 0:32 1.2 48 730 665
33 北本市 34,071 159 212 21:00 0:32 1.01 51 730 778
34 さいたま市西区 40,237 118 223 21:00 0:43 1.53 38 767 476
35 蕨市 34,725 100 223 20:50 0:33 1.56 35 767 466
36 さいたま市北区 68,223 157 228 21:00 0:48 1.91 17 793 316
37 上尾市 104,641 243 237 21:00 0:57 1.82 20 817 344
38 さいたま市大宮区 54,501 134 239 21:00 0:59 1.7 29 819 392
39 さいたま市見沼区 72,225 175 239 21:00 0:59 1.73 24 819 378
40 幸手市 26,037 107 243 21:00 1:03 1 52 828 785
41 さいたま市中央区 47,939 117 250 21:00 1:10 1.64 31 837 426
42 川口2 111,975 254 252 20:40 0:52 1.75 22 843 369
43 さいたま市南区 82,769 183 257 21:00 1:17 1.76 21 850 364
44 深谷市 66,368 180 258 21:00 1:18 1.43 43 851 535
45 さいたま市岩槻区 48,593 161 260 21:00 1:20 1.16 50 853 691
46 草加市 107,231 325 261 21:10 1:31 1.26 47 858 627
47 東松山市 44,546 107 275 21:00 1:35 1.51 39 865 486
48 戸田市 53,460 100 285 21:00 1:45 1.88 19 872 324
49 さいたま市緑区 51,962 133 286 21:00 1:46 1.37 44 874 575
50 さいたま市浦和区 76,058 173 294 21:00 1:54 1.5 42 880 502
51 川越市 157,145 209 295 21:00 1:55 2.55 9 881 195
52 鴻巣市(鴻巣、吹上) 55,211 109 295 21:00 1:55 1.72 28 881 386
53 川口1 138,434 264 305 20:40 1:45 1.72 27 885 385
54 越谷市 148,962 352 471 21:00 4:51 0.9 54 908 835

 上の表で、従事人数は開票作業に直接携わった人数。効率性は[投票総数÷時間÷人数]で、1分間に職員1人あたり何票を開票できたかを表す。

★開票作業の効率性、県内1位は行田市、以下、新座、坂戸、加須、入間、本庄、春日部、羽生、川越、飯能と続き、11位に蓮田市が入っている。久喜は30位と41位だった。★

【6月市議会】 市職員給与を9か月間引き下げ
2013/6/13


  定例議会初日の6月5日、市の職員給与引き下げの条例が市議会に追加議案として提案されました。

 政府が東日本大震災の復興財源を捻出するという名目で、国家公務員の給与を削減していて、地方公務員にも同様の措置をとるよう要請していました。
 その際、全国自治体に対する地方交付税を削減することによって、半強制的に給与引き下げを迫ってきていましたが、これは国よりも先行して行政改革を進めてきた自治体に対する介入とも批判されています。
 また給与引き下げ分が本当に大震災の復興財源に使われるのかについても保障はありません。
 それでも国からの地方交付税が削減されれば、それに従わざるを得ないで、多くの自治体が給与引き下げの条例を提案しています。

 久喜市の給与引き下げは、7月から来年3月までの9か月間、市職員の平均マイナス5.0%、人件費削減効果は総額で1億7000万円の削減となります。
 9か月間の引き下げ額は、市長が53万(▲6.5%)、副市長45万(同)、教育長40万(同)、部長級28万(同)、課長級20万(▲5.2%)、…主任級14万(▲5.2%)、主事級6万円(▲3.25%)などとなっています。

 埼玉県の人件費削減額は総額255億円にのぼるそうです。

【6月市議会】 一般会計補正予算など17議案
『声と眼』455号 2013/5/31


 5日から定例市議会が始まります。一般会計補正予算のおもな事業は-。

◆学校図書館の蔵書の管理をデータベース化し、貸し出しをカードで行うための費用6332万円。これまではデータベースもなかったんですね…。
◆鷲宮団地で、高齢者家庭訪問、健康チェック、運動プログラム、配食サービス等の健康長寿事業550万円。
ほぼ全額を埼玉県が負担して各市で実施するモデル事業です。
鷲宮団地は2259世帯の内一人暮らし高齢者世帯が477世帯、人口3964人の内で65歳以上の住民が1216人(高齢化率30.7%)を占めています。
久喜市全体の高齢化率23.3%と比べても高齢化が進んでいます。
久喜市の将来をみすえて事業を進めていく必要があります。

【2月市議会】 一般会計補正予算に意見を付けて賛成討論
2013/3/25

 2月議会の最終日、本会議で、議案の討論・採決が行われました。
私は、議案1号 2012年度一般会計補正予算5号に対して、以下のような賛成討論を行いました。
 まず、24年度の一般会計において、法人税が当初予算で10億円と見込んだものが、年度末の最終補正予算で5億円の増収、結果として1.5倍の15億円となった。
これは昨年の当初予算編成時における見込み違いか、あるいは歳入を実際以上に過小見積りであったか、いずれにしろ、このような予算平成は市民から、久喜市の予算見積もりに対する不信を招きかねない。

 次に、財政調整基金は24年度予算議会において「23年度末に35億4000万円だったが、大幅に取り崩して24年度末に19億7000万円になる」、大変厳しい財政状況にあると説明されていたが、結果的には24年度末45億円になり、逆に年度内に10億円も増えることになった。
年度当初には財政調整基金を大きく取り崩す予算編成をして、市民には財政困難だから極力事業を行わない口実にしておいて、実際には使わないで、結果的に基金が増額になるのでは市民の理解は得られない。

 市は、合併算定替えが切れた後には財政運営がきびしくなるので、財政調整基金を積み立てておくと説明しているが、もしもそのような財政政策の目的をもって、意図的に基金積立金を増額させる方策を取るなら、年度当初において取り崩さないで、予算編成を行うべきである。

 私が問題だと考えるのは、基金を大幅に取り崩さざるを得ないとしておいて、実際には、年度末には大幅に増額させる、そうした財政運営の手法であり、市民に対して「きびしい財政」を印象づける、財政調整基金をそのような財政運営の手法として使うやり方は、これも市民の信頼を損ないかねない。

いずれ市民は「財政がきびしい」などと言う言い方を信用しなくなるであろう。
財政運営の手法を改めるべきだと思う。

 第3に、国の補正予算を受けて、小中学校の耐震化工事などを、25年度事業から、24年度補正予算に前倒しした。

 その分、25年度以降に予定していた公共施設の耐震化、特に小中学校の耐震化工事を、25年度事業に繰り上げて実施するべきであるが、いまだに具体的にどう対応するのか、明らかにされていない。

 新年度に早急に、事業の前倒しを積極的に実施し、これまで公共施設の耐震化は27年度までに完了するという計画が言われてきたが、それを1年でも早く実施するよう要望する。

法人税収入が当初予算の1.5倍!?
『声と眼』450号 2013/2/26

 2月議会に提案された一般会計補正予算案で、当初予算で計上していた法人税収入10億350万円に5億6660万円を増額して、最終的に15億7010万円にもふくらんだことがわかりました。
財政当局は『予算編成時には景気動向などを見ながら法人税収入を低めに見込んでいたのが、結果的に増収になった』と説明していますが、事実上「過少見積もり」だったと言わざるをえません。

 新年度の当初予算では、この法人税の大幅増収をふまえて歳入見積もりを行うべきですが、当初予算の法人市民税収入に計上されたのは11億3740万円にすぎません。
これは2012年度の収入見込額の15億円を大幅に下回る額で、実態とかけ離れています。
差額は“隠し財源”ではないかという疑問が出ています。

財政調整基金=市の貯金も大幅に増額

 市の貯金である財政調整基金は2012年度末で約45億円となりました。
財政当局は昨年2月議会では「2011年度末残高は35億4000万円だが、財政がきびしいので大幅に取り崩して12年度末には約20億円になる」と説明していたのですが、実際には逆に10億円も増えた計算になります。

 これまでも年度当初には財政調整基金を大幅に取り崩して、市の貯金がほとんどなくなったように見せておいて、年度末になると大幅に余った額を積み戻して財政調整基金は増え続けています。
市長も当局も「財政がきびしい」と言うのが口癖ですが、これほどに積立金を増やしておいて、『財政困難』と言ってもだれも信用しなくなります。

景気対策で急遽、大型補正予算
一方で、当初予算を減額はなぜ?

 景気対策のための政府の緊急経済対策で、急遽、2012年度に大型補正予算を組むことになりました。
もともと新年度予算で予定していた学校などの耐震化補強工事を前倒しして補正予算に計上した結果、2012年度の一般会計予算は合計12億300万円の増額となりました。
しかし年度末になって大型の新規事業を行うことはできませんから、補正予算に金額だけ計上したものの、事業の実施はすべて新年度に繰り越すことになる、“水増し補正”と言うしかありません。

 一方、市長は市議会初日に総額455億5300万円の2013年度一般会計予算を提案しましたが、多くの事業を前倒ししたため、3億5100万円を減額して実質452億160万円となりました。
しかし予算規模自体を縮小してしまったのは理解できません。

 新年度予算査定で財源不足という理由で先送りした事業がたくさんありますから、それらの事業に振り替えて予算化するべきではなかったでしょうか。
特に、2015年までに完了する計画になっている公共施設の耐震化を早めるべきです。

2013年度予算の主な新規事業
『声と眼』449号 2013/2/8

 新年度一般会計予算で、
▲市役所耐震化工事2億8663万、
▲第2庁舎(旧幸手保健所久喜分室)改修1億9706万、
▲旧3町地区へのデマンドバス運行6262万、
▲出来野橋架け替え負担金6255万、
▲久喜駅東口大通り延伸工事の設計5330万、
▲東鷲宮~青毛下早見線をつなぐ道路の測量440万、
▲太田小プール改築と久喜小プール設計2億2400万、
▲久喜中の校庭芝生化100万、
▲江面2小に市費で教員加配678万、
▲中央公民館にガスエアコンを導入6044万、
▲東公民館の駐車場拡張6044万、
▲栢間小と鷲宮小に学童保育施設を整備8764万
などが予定されています。

 予算要求で計画されていながら、見送りになった事業は、総合運動公園施設整備、青葉公民館の耐震補強、栗橋文化会館図書室整備事業などです。
中央公民館のLED照明、各総合支所のLED照明化や窓の断熱フィルムなどの節電対策も見送られました。
これらはあとあとの電気代や維持管理費を抑制するためにも、早期に実施すべきです。

小中学校の耐震化工事が進みます

 2012年度補正予算で、久喜小、太田小、青毛小の校舎と、青葉小体育館の耐震補強工事合計約5億円、鷲宮中学校の校舎耐震化工事1億2540万が計上されました。
また江面2小、砂原小の校舎耐震補強工事は、2013年度予算で設計費が計上されました。

★市の補正予算や新年度予算で、道路新設や耐震化を大義名分にした公共事業が目立つ。市債や国庫補助金の増額も大きい。安倍政権の超借金財政大盤ぶるまいの成果だろうか。★

2013年度一般会計当初予算・前年度比較
単位 千円

歳 入
2012年度予算 構成比
2013年度予算 構成比
前年度比増減
前年度比増減 %
1 市税 20,0億78,23万8 45.63% 20,2億78,72万2 44.52% +2億00,48万4 +1.00%
2 地方譲与税 4億72,00万0 1.07% 4億71,00万0 1.03% ▲ 1,00万0 ▲0.21%
3 利子割交付金 40,00万0 0.09% 38,00万0 0.08% ▲ 2,00万0 ▲5.00%
4 配当割交付金 30,00万0 0.07% 36,00万0 0.08% +6,00万0 +20.00%
5 株式等譲渡所得割交付金 7,00万0 0.02% 5,00万0 0.01% ▲ 2,00万0 ▲28.57%
6 地方消費税交付金 1,1億80,00万0 2.68% 1,2億30,00万0 2.70% +50,00万0 +4.24%
7 自動車取得税交付金 1億21,00万0 0.28% 1億08,00万0 0.24% ▲ 13,00万0 ▲10.74%
8 地方特例交付金 1億00,00万0 0.23% 92,00万0 0.20% ▲ 8,00万0 ▲8.00%
9 地方交付税 5,4億00,10万0 12.27% 5,4億62,60万0 11.99% +62,50万0 +1.16%
10 交通安全対策特別交付金 27,10万0 0.06% 24,80万0 0.05% ▲ 2,30万0 ▲8.49%
11 分担金及び負担金 3億76,13万9 0.85% 3億98,29万8 0.87% +22,15万9 +5.89%
12 使用料及び手数料 2億98,51万6 0.68% 3億12,14万4 0.69% +13,62万8 +4.57%
13 国庫支出金 5,2億84,43万5 12.01% 5,7億43,86万6 12.61% +4億59,43万1 +8.69%
14 県支出金 2,3億95,55万2 5.44% 2,5億09,08万1 5.51% +1億13,52万9 +4.74%
15 財産収入 49,96万2 0.11% 9,28万8 0.02% ▲ 40,67万4 ▲81.41%
16 寄附金 2,36万3 0.01% 2,35万4 0.01% ▲ 万9 ▲0.38%
17 繰入金 2,1億86,03万1 4.97% 2,3億64,34万5 5.19% +1億78,31万4 +8.16%
18 繰越金 4億00,00万0 0.91% 4億00,00万0 0.88% 0 0.00%
19 諸収入 1,1億38,06万4 2.59% 1,1億54,40万2 2.53% +16,33万8 +1.44%
20 市債 4,4億13,50万万0 10.03% 4,9億13,10万0 10.79% +4億99,60万0 +11.32%
合  計 44,0億00,00万0 100% 45,5億53,00万0 100% 1,5億53,00万0 3.53%
歳 出
2012年度予算 構成比%
2013年度予算 構成比%
前年度比増減
前年度比増減 %
1 議会費 4億20,28万3 0.96% 3億93,31万3 0.86% ▲ 26,97万0 ▲6.42%
2 総務費 5,0億16,12万1 11.40% 6,0億60,73万4 13.30% +1,0億44,61万3 +20.83%
3 民生費 16,9億06,91万3 38.42% 17,0億60,34万7 37.45% +1億53,43万4 +0.91%
4 衛生費 4,0億24,65万3 9.15% 3,7億69,16万6 8.27% ▲ 2億55,48万7 ▲6.35%
5 労働費 18,01万3 0.04% 18,27万5 0.04% +26万2 +1.45%
6 農林水産業費 7億68,23万8 1.75% 7億49,23万0 1.64% ▲ 19,00万8 ▲2.47%
7 商工費 2億85,79万1 0.65% 3億03,98万3 0.67% +18,19万2 +6.37%
8 土木費 4,3億57,67万0 9.90% 4,9億04,23万5 10.77% +5億46,56万5 +12.54%
9 消防費 2,2億70,36万3 5.16% 2,4億67,42万7 5.42% +1億97,06万4 +8.68%
10 教育費 4,1億35,32万8 9.40% 4,3億61,51万6 9.57% +2億26,18万8 +5.47%
11 災害復旧費 4 0.00% 4 0.00% 0 0.00%
12 公債費 5,5億84,00万1 12.69% 5,2億52,57万5 11.53% ▲ 3億31,42万6 ▲5.94%
13 諸支出金 1億12,62万2 0.26% 1億12,19万5 0.25% ▲ 42万7 ▲0.38%
14 予備費 1億00,00万0 0.23% 1億00,00万0 0.22% 0 0.00%
合  計 44,0億00,00万0 100% 45,5億53,00万0 100% +1,5億53,00万0 3.53%

市民税、復興に使われない復興増税に、反対しました
『声と眼』435号 2012/4/12

 2月議会で、2014年度から10年間、市民税均等割の一律500円増税(県民税と合わせて1000円の増税)が提案され、最終日の3月22日に賛成多数で可決されました(反対は猪股と共産党)。

 “復興財源”という名目で久喜市では10年間で3億8000万円の増税ですが、実際には震災復興事業には使われません。
2011~15年度までに小中学校などの耐震補強工事を実施し、地方債を発行するのでその元利償還金に充てる予定です。
これらの工事はあらかじめ、国庫補助金などの財源も含めて計画していたのですが、市にとっては市民負担を増やすことで、他の公共事業の財源を生み出すことができる、震災“便乗”増税とも言えます。

 全国では増税するかどうか方針を未決定の市もあります。
しかし政府は増税しないとペナルティを課すとしており、市民税増税を国に強制されるという実におかしな増税です。先頭を切って増税を決めてしまった久喜市の判断も疑問です。

 市役所の電気購入先を入札で決定し、電気料を400万円削減できた
『声と眼』433号 2012/3/8


 昨年6月議会の一般質問で、市役所の電気を東電以外の発電事業者から購入するように提案しました。
2000年以降、電力の一部自由化で東電以外の発電事業者(特定規模電気事業者=PPS)からも購入できるようになっていて、政府のほとんどの省庁や埼玉県庁などもPPSと契約しています。
複数の電力事業者の一般競争入札を実施すれば電力料金も大幅に安くすることができます。

 それを受けて、市では昨年から切り替えの準備を進め、2月に電力購入契約の一般競争入札を実施しました。
入札にはPPS事業者4社が参加し、その結果、市役所本庁舎、3つの総合支所、小中学校34校中20校の合計24施設の電力供給契約について、株式会社エネットが落札しました。
今年5月からの1年間の24施設の電気料金は7546万6440円で、市の見積額7971万3191円よりも、約424万円(5.3%)安く契約することができました。
 2010年度の電気料は8401万3181円でしたから、それに比べると約900万円も引き下げることができました。
 エネットとの契約は、基本料金が1204円45銭、kWh単価は夏期13円75銭(夏期以外は12円65銭)です。
 東電との契約では、基本料金が1392円30銭、単価は同額でした。

 市では53施設で契約切り替えが可能としていましたが、現状ではPPSの供給力が限られているため、今回は24施設だけを切り替えることになりました。
6日の市議会本会議でこの間の経過を明らかにさせるとともに、今後、他の公共施設についてもPPSへの変更を進めるよう求めました。

 PPSへの電力契約変更を進めることによって、市の光熱水費を大幅に減らすことができるだけでなく、東電への電力需要を引き下げて、原発の電気に頼らずに、原発を停止して再稼働させないことにもつながります。
そのためにも、10電力による事実上の地域独占体制をなくして、発送電分離など電力自由化をいっそう推進すべきです。

一般会計予算案は前年比2.4%増
『声と眼』432号 2012/2/19


 14日に2月定例市議会が開会され、新年度予算案や介護保険条例の改正(介護保険料を35%引き上げ)などの議案が提案されました。

 新年度の主な事業は、
◆久喜小校舎耐震化補強工事の設計、
 太田小校舎大規模改修の設計、
 栗橋南小北校舎改築(2011~13年度まで継続2903万円)、
 太田小プール改築の設計
◆三箇小校庭の一部芝生化
◆すみれ保育園改築工事3億7560万円、
 さくら保育園移転用地の購入と設計1億3612万円
◆栢山小、鷲宮小、上内小学校に放課後児童クラブの施設を整備
◆国民健康保険税負担軽減のために7億8000万円を繰り出し
◆いきいきデイサービスを13→21会場に拡大
◆障害者施設・あゆみの郷を7月に開設
◆太陽光発電システム設置費補助金550万円→1000万円に増額
◆久喜~菖蒲地区を結ぶ新設道路の測量設計
◆東鷲宮駅の地下道バリアフリー化改修の設計、西口に駐輪場を整備
◆総合文化会館の客席いすの改修、など

“復興のため”に市民1人500円の増税を突然提案された
『声と眼』432号 2012/2/12

 14日から開会される市議会定例会に、市民税の増税が提案されることが明らかになりました。
 地方税法の改正で、「震災復興のための財源」を目的に平成26~35年度の10年間、各自治体の判断で市民税均等割の増税ができることになり、それに基づいて久喜市としてさっそく増税の決定をしたものです。

 今回の地方税法の改正では、県民税の均等割額が1000円から500円増額して1500円へ、市民税が3000円から500円増額して3500円に増税できることになりました。
 ただし全国の都道府県、市町村が一律に増税するのではなく、各自治体の判断で、それぞれの自治体の条例改正を行うことになっています。

 久喜市では、今回の市税条例の改正で、10年間、個人市民税の中で、市民1人に対して一律に課税する均等割額を、現在の3000円にプラス500円を引き上げて、課税対象者7万人に一律に増税することにしています。

 市では、これによる市の税収が年間3800万円、10年間で3億8000万円の増収となるとしていますが、増税分の使途については明らかにされていません。
 “復興のための財源”と言いながら、実際には使途は特定されていなくて何にでも使える“一般財源”として、市の一般会計にそのまま繰り入れられてしまい、震災復興とは直接関係のない事業に支出してもわかりません。

 市は、“復興財源”を名目にして増税するのであれば、10年間の増税分3億8000万円の使途を明確にし、市民に説明するべきで、説明もなしに増税を強行するのは市民の理解は得られません。

 国会では“震災復興”の財源はまさにこれから議論されることになっていて、報道などによって国民にその使途も明らかにされるでしょうが、久喜市では議論もなしに、突然に市長の判断だけで増税を打ち出して、いきなり議会に提案してくるというのはあまりにも乱暴ではないでしょうか。、

 県内他市ではまだこの増税を実施するかどうか未定の自治体が多いと言われます。
 田中市長が“震災復興”を名目にすれば何でもできる、議論もなしに増税してもいいと思っているとしたら大間違いです。
 市議会で、慎重に検討していかなければなりません。

 

電力購入先を、東電以外の発電会社に切り替える
2011/12/7

 市役所本庁舎など公共施設の電気はこれまで当然のごとく東京電力から購入していましたが、現在では電力の一部自由化に伴って、東電以外の発電会社(特定規模電気事業者=PPS)からの電気を使うことができます。
 東電をはじめとした9電力は独占的な高い価格設定をしているので、電力契約を入札で決める方式に変更することによって、たとえば昨年から切り替えを進めた東京の立川市などでは、電力料金が15%以上も安くなったそうです。
 6月市議会で、9電力以外の発電会社と契約して、電力購入先を切り替えていくよう提案し、市行政も積極的に入札に切り替えていく考えを明らかにしました。

 その後、大震災被害による電力不足に対応するため、PPSから東電などへの電力供給が義務的に指導されたため、新規契約ができませんでしたが、10月頃から電力不足が解消したため契約できる条件ができてきました。

 久喜市では、本庁舎や総合支所、学校など24施設をPPSに切り替える計画で、12月中に一般競争入札を告示し、2月頃に入札を実施、来年5月頃から電力購入先を切り替えていく予定です。

 東電以外からの電力購入に切り替えることによって、電気料金の引き下げが可能になるほか、東電などの9電力への電力依存を減らし、特に原発の電気をできるだけ使わない方向へ、日本社会の電力提供構造そのものを大きく変えていくことにつながるものと考えられます。 

久喜市の機構改革が提案された
2011/11/23

 市議会11月定例会に、久喜市の機構改革が提案されました。

 合併でまったく新たな寄稿でスタートしてからまだ2年しか経っていませんから、今回の機構改革は比較的小規模なものですが、何のための変更なのか、よくわからない意図不明のものもあります。

◆これまで財政運営の観点から財政部に属していた「改革推進課」をはずして、総務部の「企画政策課」に統合し、その中の「行政管理係」に事実上の“格下げ”となります。
◆税務関係の「市民税課」「資産税課」「収納課」は、これまで市民と直接接する市民課(窓口)との関係が深いという理由で、市民税務部に属していましたが、財政部に移管させることになりました。
 財政運営と税務行政を一体的に運営するという考え方のようですが、同じ部にすることにどれほどの意味があるのかは不明です。
◆市民税務部は税務関係がはずれて、市民課(窓口)と自治振興課、生活安全課、消防防災課の4課に縮小されることになりました。
 これまでは防災行政は「くらし安全課」に属していましたが、新たに「消防防災課」を設置して独立させることになります。
◆環境行政は、これまでの2課体制から「環境課」の1課に統合し、これまでの「環境管理課」「環境保全課」は「環境規格係」「環境保全係」に格下げ・縮小されることになりました。

 ここ数年は団塊の世代の職員が大量に退職します。
 そうした職員は特に、部長、参事(副部長級)、課長クラスに多いので、久喜市の職員構成は管理職の比率が非常に高くなっていますが、今後の組織構成を考える上では、管理職の数を減らしていくことも考慮しなければなりません。
 2011年度4月時点の職員構成では、部長から課長補佐までで25.9%を占めています。

東電の電気を使わない、契約切り替えを進めるべき
6月議会 猪股の一般質問 2011/6/19

 福島第一原発の事故以来、東京電力の電力不足と「節電」が叫ばれていますが、現在では電力を発電しているのは東電などの9電力だけではありません。
 電力の一部自由化や“発送電分離”が徐々に進んでいて、東電以外から電力を購入する企業や官公庁が増えています。
 実際、国の省庁では防衛省を除くすべての省庁が東電以外の民間発電会社と契約を結んで電力を購入しており、埼玉県庁も東電からは電力を購入していません。
民間の発電会社は「特定規模電気事業者(PPS)」と呼ばれていて、全国で50社が営業しています。
PPSはみずから発電したり、他の発電企業から電気を購入して東電(9電力)の送電線を使って電気を供給しています。
高い送電線使用料を東電に支払っても営業が成り立っているわけですから、東電などの9電力が地域独占でいかに高い電気料金を設定しているかがわかろうというものです。

 立川市では今年から一般競争入札で民間の発電会社に切り替えましたが、電気料金の支払いを15%以上も節減することができたそうです。

 東電からPPSに契約を切り替えることができれば、久喜市の光熱水費を大幅に減らすことができるだけでなく、東電の電力需要を引き下げて、原発の電気に頼らないで原発をこれ以上稼働させないことにもつながります。

 今のところ、PPSとの契約ができるのは年間50kW以上の契約をする企業などに制限されていますが、久喜市も早期にPPSへの切り替えを進めるべきです。
これまで久喜市は東電とは特に電力供給契約を結ばないできていますので、年度途中でもいつでも切り替えすることができます。
 市で調査したところ、市役所本庁舎や各総合支所、ほとんどの公共施設と小中学校など59施設が該当することがわかりました。
市では早期に入札を実施してPPSへの切り替えを進めていきたいと答弁しました。


2010年度一般会計補正予算のおもな事業
(実際の予算執行は4月以降になります)

2011/2/4

 地域活性化・雇用対策等の国の補正予算を受けて、久喜市の一般会計は約6億円もの増額補正で、総額453億円になりました。
当初は2011年度予算で予定していた事業を、今回の補正予算に前倒し計上しました。ただし年度末まで期間がないので、実際には4月以降に実施することになります。

◆青葉けやき通りのけやき剪定を行います。補正予算で1000万円、2011年度当初予算からも200万円くらいをあてる予定です。
 これまで40年間、一度も剪定したことがなかったので、この際、全路線のけやきを切りつめます。
  ★参照記事 【猪股の一般質問 2010・12】
◆市立図書館の図書購入費を大幅に増額します。補正予算で1600万円、新年度当初予算で1000万円、合計で2600万円を図書購入費に充てます。市民1人あたり169円となります。
 2004年以降、図書購入費が大幅に切りつめられてきましたが、ようやく市民のための図書整備が進みます。
  ★参照記事 【猪股の一般質問 2010・12】
◆小中学校の校舎耐震化事業で、江面第1小学校体育館(7900万円)、久喜東中学校体育館(8000万円)、栗橋東中学校体育館(4900万円)、栗橋西中学校体育館(1億円)の耐震補強工事を実施します。
 耐震化工事を実施していないのは11校22棟となります。
◆菖蒲総合支所の4階をコミュニティセンターとして使用するために、事務室との仕切りを設置 ⇒ 737万円

2011年度 久喜市一般会計予算のおもな事業

◆公共施設や民間駐車場に身障者用駐車場利用証交付制度を創設します。 ⇒ 表示機器など155万円
  ★参照記事 【猪股の一般質問 2010・12】
◆鷲宮総合支所前にある障害者作業所「趣味の家」を隣接地に全面的に改築、移転します。 ⇒ 1億円
  ★参照記事 【猪股の一般質問 2010・9】
◆さくら保育園とすみれ保育園の改築のための設計を進めます。
◆鷲宮小学校校庭の一部を芝生化します。 ⇒ 280万円
◆本町小学校体育館の耐震補強工事の設計を進めます。
◆栗橋南小学校の校舎を24・25年度で改築する予定ですが、23年度には仮設校舎を建設します。
◆東鷲宮小学校の児童数増に対応するため、プレハブ教室を建設します。5年間リース料8700万円
◆県道春日部久喜線(4間道路)のオーバーブリッジ開通後、JRと東武線の踏切を自転車歩行者専用にする工事を行います。 ⇒ 8500万円(鉄道事業者に対する市の負担金)
◆済生会栗橋病院の救命救急病棟建設に伴い、設備整備に対する補助金を出します。 ⇒ 1650万円
◆商店街の街路灯に対する補助金を、これまでの電気代の30%から50%に増額します。
◆東鷲宮駅橋上化のために、JR等と調整協議を進めます。
◆東鷲宮駅西口に自転車駐車場を整備するため、自転車駐車場整備センターに土地を提供します。

◆廃止された旧鷲宮町立中央保育園を取り壊して、地域子育て支援センターとファミリーサポートセンターの建物を新築します。⇒7700万円
◆カーブミラー、道路照明灯、ガードレールなど交通安全施設の整備費⇒2993万円(昨年の4倍増)
◆公用車19台を低公害車に買い換え ⇒3150万円
◆生活保護費は昨年の20%増 ⇒20億9400万円

★久喜市の新年度予算で、「子ども手当」は国会の動向が先行き不透明なこともあって、現行制度の1人1万3000円で予算計上されています。総額で31億6300万円です。★



2011年度久喜市一般会計予算案と前年比

歳入
2011年度予算額 構成比 % 2010年度予算額 構成比 % 増減 増減率 %
市税 195億6219万 45.5 % 206億7131万 47.3 % ▲11億0912万 ▲5.4 %
地方譲与税 4億4100万 1.0 % 4億8960万 1.1 % ▲4860万 ▲9.9 %
利子割交付金 6200万 0.1 % 8728万 0.2 % ▲2528万 ▲29.0 %
配当割交付金 1700万 0.0 % 1888万 0 % ▲188万 ▲10.0 %
株式譲渡所得割交付金 900万 0.0 % 1320万 0 % ▲420万 ▲31.8 %
地方消費税交付金 11億5100万 2.7 % 10億8761万 2.5 % +6339万 5.8 %
自動車取得税交付金 1億6200万 0.4 % 2億4078万 0.6 % ▲7878万 ▲32.7 %
地方特例交付金 2億0900万 0.5 % 2億0431万 0.5 % +469万 2.3 %
地方交付税 56億1127万 13.1 % 38億8233万 8.9 % +17億2894万 44.5 %
交通安全対策特別交付金 2800万 0.1 % 2910万 0.1 % ▲110万 ▲3.8 %
分担金・負担金 4億2870万 1.0 % 3億7991万 0.9 % +4879万 12.8 %
使用料・手数料 3億0014万 0.7 % 3億1325万 0.7 % ▲1311万 ▲4.2 %
国庫支出金 56億6159万 13.2 % 52億6321万 12 % +3億9838万 7.6 %
県支出金 22億3340万 5.2 % 21億4135万 4.9 % +9205万 4.3 %
財産収入 945万 0.0 % 1272万 0 % ▲318万 ▲25.0 %
寄付金 235万 0.0 % 3248万 0.1 % ▲3013万 ▲92.8 %
繰入金 15億3682万 3.6 % 13億9454万 3.2 % +1億4228万 10.2 %
繰越金 4億0000万 0.9 % 7億7000万 1.8 % ▲3億7000万 ▲48.2 %
諸収入 10億3562万 2.4 % 10億8067万 2.5 % ▲4504万 ▲4.2 %
市債 41億0937万 9.6 % 55億9248万 12.8 % ▲14億8311万 ▲26.5 %
合計 429億7000万 100.0 % 437億0500万 100 % ▲7億3500万 ▲1.7 %
歳出
議会費 3億4376万 0.8 % 3億6095万 0.8 % ▲1720万 ▲4.8 %
総務費 53億4507万 12.4 % 58億4305万 13.4 % ▲4億9798万 ▲8.5 %
民生費 155億8007万 36.3 % 141億3758万 32.3 % +14億4249万 +10.2 %
衛生費 39億8670万 9.3 % 47億0884万 10.8 % ▲72213万 ▲15.3 %
労働費 2273万 0.1 % 3050万 0.1 % ▲777万 ▲25.5 %
農林水産業費 8億1913万 1.9 % 8億3035万 1.9 % ▲1122万 ▲1.4 %
商工費 2億7699万 0.6 % 2億8864万 0.7 % ▲1165万 ▲4.0 %
土木費 48億9499万 11.4 % 54億6395万 12.5 % ▲5億6897万 ▲10.4 %
消防費 22億2866万 5.2 % 22億8795万 5.2 % ▲5929万 ▲2.6 %
教育費 40億4947万 9.4 % 44億9755万 10.3 % ▲4億4809万 ▲10.0 %
公債費 52億2858万 12.2 % 50億3918万 11.5 % +1億8940万 3.8 %
諸支出金 9385万 0.2 % 1億1644万 0.3 % ▲2259万 ▲19.4 %
予備費 1億0000万 0.2 % 1億0000万 0.2 % 0 0.0 %
合計 429億7000万 100 % 437億0500万 100 % ▲7億3500万 ▲1.7 %

久喜市の選挙開票事務は遅すぎる! なぜ?
2011/2/3

 2010年7月に行われた参議院議員選挙の開票事務所要時間の全国ランキングが公表されています。
 ⇒ http://www.maniken.jp/election/index.html

 早稲田大学マニフェスト研究所が全国調査して集計したもので、これによると、開票事務に要した時間が最も短かったところは兵庫県姫路市第3開票所と長野県小諸市でで約1時間半、全国平均は約4時間半でした。
 埼玉県で最も早かったのは行田市、飯能市、蓮田市で、いずれも3時間弱で終わっています(全国58位)が、久喜市はその2倍以上の6時間半もかかっていて、全国907位、県内では下から4番目という遅さでした。
 選挙開票は、行政はできるだけ早く結果を市民に公表する責任がありますが、それだけでなく、選挙の開票事務作業の効率性を見れば、その自治体の日常的な事務の効率化や行革の度合いを推し量ることができるといわれています。
 今年の4月には県議会議員選挙が行われるので、近隣の蓮田市や行田市の事務作業の進め方を研究して、久喜市の選挙開票事務の改善が求められます。

1 姫路市第3区(兵庫県) 87分
2 小諸市(長野県) 90分
3 相馬市(福島県) 124分


58 行田市(埼玉県内1位) 175分
58 飯能市(埼玉県内1位) 175分
58 蓮田市(埼玉県内1位) 175分


907 久喜市 398分
910 三郷市 401分
940 越谷市 451分
951 川越市(埼玉県内最下位) 495分
市区平均 281分

この表は全国967の市・区(市の中で開票所を分けているところもある)のランキングです。


2009年度決算審査の終了にあたって、猪股が厳しく指摘したこと
2010/10/27

 10月26日、市議会決算委員会の集中審査が終了しました。
 昨年度の4市町の合併前の一般会計と特別会計、3月に合併してから年度末までの新久喜市の各会計、全部で46本の決算議案を審査し、すべてを「認定(承認)すべきもの」と決定しました。
 共産党が39件の決算に「反対」した他は、委員全員がすべての決算の認定に賛成しました。

 決算審査というのは、すでに昨年の議会で決定された予算を執行した結果の、いわば「実績報告書」です。
 したがって私は、予算方針と異なった執行をしたり、執行にあたって間違いや大きな失敗を起こしたりしたものでなければ、その決算は基本的に承認されるべきものと考えています。

 決算審査にあたって私は、1年間の事業遂行によって、それぞれの政策がどのような成果をあげたか、前年度までよりもどれくらい前進したかという「事業評価」を中心に質疑しました。
 答弁にあたった各部課長から、きちんと政策や事務事業の評価に基づいた答弁もありましたが、残念ながらそうでない答弁も多く目につきました。

 2009年度久喜市一般会計決算認定に対して、私が行った「賛成討論」を掲載します。(実際の言い回しなどは、少し違っている部分もあります)。

2009年度久喜市一般会計決算に対する、猪股の討論

 2009年度の決算審査について、予算の執行経過としての決算そのものについては特に問題はありませんので、賛成の立場から討論します。

 合併前の4市町の一般会計と特別会計、合併後の9日間の新久喜市の各会計決算、46件の膨大な審査であり、予定通り6日間で終了したことは驚きでさえありますが、これは決算委員のみなさんが質疑をしぼりにしぼって質問したからであって、執行部から適切な答弁がなされたからであるとは言えません。
 もちろん全否定ではなくて、多くの適切な答弁もありましたが、そうでない答弁が多々あったことは否めない。
 市長は、決算審査の場にはまったくお見えにならなかったし、どこまで報告を受けているのかいないのかわかりませんけれども、どのような質問に適切な答弁ができなかったか、どれだけの答弁「保留」が繰り返されたか、ぜひとも詳しい報告を各部課長から受けていただきたい。
 またこれから作成する委員会会議録を全部きちんと目を通して、決算審査において何がどのように問題になったのか、どこで審査が躓いたのか、把握しておいていただきたい。

 決算審査の中で、何がどう問題になったのか、何が問題であると考えられたか、厳しいかもしれないが、指摘しておく。

(1) 職員の配置・人事管理に問題がないか--多すぎる時間外勤務

 決算審査は、2009年度の行政執行過程や、その問題点についての見解が問われるわけだが、残念ながら、答弁者の側にそのような視点が欠けていたことが目につきました。
 職員の時間外勤務がきわめて多いことは毎年の決算でも指摘されていたが、部署間の時間外勤務のアンバランスは否定できない。
 質疑で私は、なぜこのようなアンバランスが生じたのか、職員人事管理の総括を求めたのに対して、なぜそのようなアンバランスが生じたかの分析を抜きにして、単に「今後は適正な配置に努めます」と答弁すればすむ問題ではない。
 また特に、社会福祉課で、ケースワーカーが昼間はケース訪問や外を回っていて、帰ってから時間外で報告書や書類を作成するから時間外が多くならざるを得ないという答弁があったけれども、、最初から書類は時間外で作るものという常識がおかしい。
 もしそうであるなら、まさに専門職員の配置が不足しているのであって、そのことへの反省がない、職員配置に問題があるという視点がないこと自体がおかしい。
 そういう視点からの答弁が必要であったのにもかかわらず、それがなされなかったことに問題がある。

(2) 地球温暖化防止、市役所の取り組み姿勢は適切か

 環境保全率先実行計画の21年度の評価について、エネルギー使用料が前年比で増加していることの分析を質問したが、環境行政の担当者から、「気温が高ければ電気や燃料消費が増えるのは仕方がない」という答弁がされた。
 しかし、実際に気温が高かったのかどうか、なぜ重油等のエネルギー消費が増えたかの検証もなく、気温のせいにするのは、環境行政の責任者とも思えない無責任な答弁であった。
 しかも、これまでの対策は平成11年度を基準にしてきたが、目標達成ができなければ、それよりも後年度もっと高い数値を基準にしていくかのような認識が示されたのは、地球温暖化対策、環境保全に逆行することになる。
 これについては、その後の部長答弁で訂正されたので一応は理解したけれども、久喜市の環境先進市としての久喜市の環境政策の認識と先行きが問われることを指摘しておく。

(3) 職員は常に「事務事業の評価、点検、見直し」の作業を積み重ねていなければならない

 今年は組織としての、システムとしての事務事業評価は行わなかったけれど、PLAN、DO、SEEの作業を積み重ねるのは、行政としては基本である。
 組織としては評価作業をしなかったとしても、政策担当者である管理職としては、自分の事務事業とその政策執行について、「SEE」の作業をしなければならない。
 管理職の責任として、みずからの課の政策についての評価を行っていなければ、次のPLANが立てられるはずがない。
 合併後に配置された管理職の方々の中に、そうした認識がないらしい方がいるのは、きわめて憂慮される

 毎年、決算で同じことが問われるのに、答えられない、答弁の準備もしていないことも多く目についたし、いったん答弁したことの、誤りや訂正も多くあった。
 合併によって管理職が大幅に替わったからというのは理由にならない。
 引き継ぎができていないか、新久喜市の管理職についた方々は、当然として昨年の久喜市の行政執行と決算、さらに昨年までの4市町の行政執行の状況について把握しておかなければならない。
 それができていないのではないかという疑問も出てくる。

 合併前の3町の事務事業については、多くはそれぞれの総合支所の課長が答弁に当たったのだけれど、それぞれの政策、事務事業は4市町が共通の認識に立っていなければならないはずなのに、本庁との共通認識ができているのかどうか、疑問の点もあった。

 執行部の常套句として、「審査の中で指摘された点については今後の市政執行に生かして参ります」というのがあるが、これまでの経過について、きちんとした「SEE」、評価も行わずして、その場限りの答弁をしていたのでは、本当に今後の市政執行に以下に生かされていくか、疑念を持たざるを得ない。

(4) 政策課題--久喜市の市立図書館の実績は「県内最低ランク」、これをいかに改善するか

 政策課題として、1点だけ、市立図書館事業について強く申し上げておきます。

 合併後の久喜市立図書館の、1人あたり貸し出し冊数が県内40市中下から2番目、1人あたり図書購入費用は、40市中最低であり、久喜市の図書館行政が県内で最も遅れていることがわかりました。
 その原因、理由は何で、どのように政策評価するべきか。
 考えられる原因は、財政問題を口実として、数年前に図書購入費が半減させられたこと、また司書の配置が職員の3分の1しか配置されていないことが考えられる。
 答弁でわかったのだが、久喜市立図書館はせっかく資格を持っている司書を異動させてしまったりしている。
 市長は合併の効果として、専門職の配置ができることを上げていましたが、司書の配置を増やしていくべきだ。

 図書館行政は市民の文化向上の基礎になるのであって、財政問題と引き替えに図書館財政を削減するべきではありません。
 当面、司書の配置と図書購入費を大幅に引き上げるよう、要望します。

 参考資料 ⇒ 久喜市立図書館の利用実態調査





久喜市の“財政健全”の指標
『声と眼』404号 2010/9/21

 財政健全化法で、自治体の4つの財政指標を「健全化判断比率」として定めていて、年度ごとに公表が義務付けられています。
久喜市の数値は、20年度、21年度とも旧4市町の合算で表されています。

( )内は合併前の久喜市の数値です。  単位は%
21年度 20年度 健全化基準
(1)実質赤字比率 -- -- 11.87
(2)連結実質赤字比率 -- -- 16.87
(3)実質公債費比率 12.2 13.1  (9.5) 25.0 
(4)将来負担比率 113.6 107.0 (97.2) 350.0 

●実質赤字比率…「一般会計等」の赤字の大きさ指標。市の標準財政規模に対する割合。
●連結実質赤字比率…下水道など特別会計や企業会計を含む「自治体の全会計」の赤字の大きさ指標。市の標準財政規模に対する割合。
●実質公債費比率…地方債の返済額(公債費)の大きさ指標。市の標準財政規模に対する割合。
●将来負担比率…地方債など現在抱えている負債の大きさ指標。市の標準財政規模に対する割合。

 数値が「早期健全化基準」を上回ると“要注意”で、財政健全化計画を定めることになります。

 久喜市の21年度の数値は、(1)(2)は黒字、(3)(4)も基準を下回っていて、“健全”と判断されました。
ただし20年度の合併前の旧久喜市の数値と比較すると、実質公債費比率、将来負担比率とも合併後の新久喜市の方が高くなりました。


一般会計補正予算7億円の増
『声と眼』404号 2010/9/13

◆景気後退による税収減の影響や政府の地方財政支援対策で地方交付税交付金が増額となりました。
久喜市の地方交付税交付金は当初予算比12億4209万円の増額で総額51億2442万円となります。

 当初予算編成時には歳入不足を補うために、財政調整基金から13億円の取り崩しを予定していましたが、歳入が確保されたので基金取り崩しを取りやめて全額を財政調整基金に戻し入れます。

 また前年度繰越金16億円の2分の1を基金に積み立てたことにより、財政調整基金年度末残高は27億円になります。

◆75歳以上の高齢者が後期高齢者医療制度に移行させられて、以前は国民健康保険などで実施していた人間ドック補助事業などがなくなりました。
かえって高齢者の健康審査や予防医療の後退になっています。
国で新たに補助制度を作って人間ドック受診に対する助成制度が開始されることになりました。
久喜市では対象者60人、1人2万円~2万6750円の補助になります。

◆小中学校の設備改修…上内小学校第2校舎耐震診断、江面第1小学校耐震工事実施設計、青葉小学校耐震工事実施設計、久喜中学校体育館耐震工事実施設計、鷲宮中学校(渡り廊下)耐震工事実施設計、東鷲宮小学校普通教室増設・改修工事


【一般質問】 来年度予算編成過程を公開します
2010年6月議会 猪股の一般質問 『声と眼』402号 2010/8/2

 これまで市議会で予算編成過程を公開するよう求めてきて、旧久喜市では昨年初めて査定状況の一部公開に踏み切りました。
合併して初めての予算編成となる今年度、財政課では10月ごろに予算編成方針を公表し、その後、各課ごとの主な事業の要求金額と査定状況、1月ごろに市長査定を経た最終結果を公開していくと答弁しました。

 合併後初めての予算編成であり、これから公開していくやり方についてもより効率的な、市民にわかりやすい公開の仕方を検討していくように求めました。
また、先進的に取り組んでいる市では、金額の公表だけでなく、新規事業の査定内容を重点的に公表したり、事業の採択や不採択・縮小や拡大の理由、評価を公表するなど、市の予算について市民の理解を深められるような方法を工夫をしています。
久喜市の予算編成過程の公開もさらに改善が必要です。


2010年度一般会計予算案、総額は437億円
『声と眼』399号 2010/6/3

「2009予算額」とあるのは、昨年の4市町の一般会計予算の合計額です。
歳  入
2010予算額 構成比(%) 2009予算額 構成比(%) 増減 増減率(%)
市税 206億7131万 47.3% 213億3390万 53.7% ▲66259万 ▲3.1%
地方譲与税 4億8960万 1.1% 5億0450万 1.3% ▲1490万 ▲3.0%
利子割交付金 8728万 0.2% 1億0500万 0.3% ▲1772万 ▲16.9%
配当割交付金 1888万 0.0% 3241万 0.1% ▲1353万 ▲41.7%
株式譲渡所得割交付金 1320万 0.0% 2472万 0.1% ▲1153万 ▲46.6%
地方消費税交付金 10億8761万 2.5% 10億8820万 2.7% ▲59万 ▲0.1%
自動車取得税交付金 2億4078万 0.6% 2億9710万 0.7% ▲5632万 ▲19.0%
地方特例交付金 2億0431万 0.5% 2億1325万 0.5% ▲895万 ▲4.2%
地方交付税 38億8233万 8.9% 33億5400万 8.4% +5億2833万 +15.8%
交通安全対策特別交付金 2910万 0.1% 2910万 0.1% 0 0.0%
分担金・負担金 3億7991万 0.9% 6億8767万 1.7% ▲3億0777万 ▲44.8%
使用料・手数料 3億1325万 0.7% 3億5196万 0.9% ▲3872万 ▲11.0%
国庫支出金 52億6321万 12.0% 25億8265万 6.5% +26億8056万 +103.8%
県支出金 21億4135万 4.9% 18億6234万 4.7% +2億7901万 +15.0%
財産収入 1272万 0.0% 3148万 0.1% ▲1775万 ▲59.6%
寄付金 3248万 0.1% 1762万 0.0% +1486万 +84.4%
繰入金 13億9454万 3.2% 16億4686万 4.1% ▲2億5232万 ▲15.3%
繰越金 7億7000万 1.8% 4億8000万 1.2% +2億9000万 +60.4%
諸収入 10億8067万 2.5% 8億7242万 2.2% +2億0825万 +23.9%
市債 55億9248万 12.8% 42億0616万 10.6% +13億8633万 +33.0%
合計 437億0500万 100.0% 397億2132万 100.0% +39億8368万 +10.0%
歳  出
議会費 3億6095万 0.8% 5億0889万 1.3% ▲1億4794万 ▲29.1%
総務費 58億4305万 13.4% 59億5006万 15.0% ▲1億0701万 ▲1.8%
民生費 141億3758万 32.3% 101億7483万 25.6% +39億6276万 +38.9%
衛生費 47億0884万 10.8% 48億0135万 12.1% ▲9252万 ▲1.9%
労働費 3050万 0.1% 2868万 0.1% +182万 + 6.4%
農林水産業費 8億3035万 1.9% 7億0388万 1.8% +1億2647万 +18.0%
商工費 2億8864万 0.7% 1億5428万 0.4% +1億3437万 +87.1%
土木費 54億6395万 12.5% 58億0511万 14.6% ▲3億4115万 ▲5.9%
消防費 22億8795万 5.2% 22億3242万 5.6% +5553万 + 2.5%
教育費 44億9755万 10.3% 40億1721万 10.1% +4億8034万 +12.0%
公債費 50億3918万 11.5% 52億1545万 13.1% ▲1億7627万 ▲3.4%
諸支出金 1億1644万 0.3% 955万 0.0% +1億0688万 +1118.9%
予備費 1億0000万 0.2% 1億0000万 0.3% ▲1961万 ▲16.4%
合計 437億0500万 100.0% 397億2132万 100.0% +39億8368万 +10.0%

 新久喜市の2010年度一般会計予算案は437億500万円で、旧久喜市の予算規模の約2倍にふくらみました。
合併前の4市町の前年度予算の合計額と比較すると約40億円(10%)の増です。
ただし増額分には、◆旧3町では生活保護費は県予算で措置されていましたが、合併後は新市に移管するので約10億円増、◆子ども手当て約26億円などが含まれているので、前年度と単純比較はできません。

 新市の公共施設予約管理システム再構築の費用5713万円、図書館システム統合経費3750万円、菖蒲地区への企業誘致補助金8918万円、学校耐震化事業(清久小・太田小の工事、栗橋南小・桜田小・東鷲宮小・栗橋東中・栗橋西中・鷲宮中・鷲宮東中の耐震設計、鷲宮小・上内小・砂原小の耐震診断)、鷲宮小などのプール改修などが予定されています。

 道路新設改良事業予算を地区ごとに見ると、久喜1億1592万、菖蒲3610万、栗橋300万、鷲宮4330万、道路補修工事では久喜8343万、菖蒲4857万、栗橋1158万、鷲宮1億137万円で、地域間でかなりのばらつきがあります。
これは合併前にそれぞれの市町で予定していた事業をそのまま新年度事業として引き継いで予算化したためです。

★合併後の初めての予算は、統一的な予算編成方針によるというよりも、合併前の1市3町がそれぞれの事業計画に基づいて作った予算を合算する形で編成されています。★


ふれあいセンター久喜の雨漏り
2010/5/3

 この写真の場所は、ふれあいセンター久喜の2階廊下の突き当たりです。
 天井付近から雨漏りがして廊下の床が水浸しになってしまうので、、応急の対応として、天井にじょうごを取り付けてホースで下に置いたポリバケツに排水するようにしています。

 あくまでも応急措置のはずですが、しかしどのように補修していくのか、市は早くに検討すべきです。

 ふれあいセンターではここ以外にも、ボランティア団体活動支援室でも、以前からベランダから雨水が流れ込んで、床を水浸しにしていて、壁紙がはがれかかったり、変色してカビのようなものが発生してきているようです。
 天井や床付近から館内に浸水してきているということは、当然、天井裏や床下に水の流れがあると推測されます。

 これはふれあいセンターの設計ミスなのか、工事の施工ミスなのか、さらには他にも雨漏りがないのかどうか、調査する必要があります。

 市ではこれまでのところ、「対応に苦慮して」はいても、積極的な問題点の解消に向けての対応を取ってきているとは見られません。

 この記事は最初、【久喜市にある「変」なもの】のページに掲載しようかと考えましたが、笑い話や「指摘しておく」だけの問題と軽く受け止められては困るので、市の公共施設の管理上の重大な問題であり、早急に調査と改善が必要な問題であるとして、ここに掲載しました。


合併後の新久喜市の「暫定予算」はどうなっているのか
2010/4/7

 新・久喜市のホームページに、「平成21年度の暫定予算の概要」が掲載されました。

21年度の暫定予算 一般会計予算

 これは合併した3月23日から、3月31日までの平成21年度の暫定予算」であり、21年度中の収入残と執行残、それの旧1市3町分を合計した予算で、一般会計歳入は 81億8539万円、歳出が 77億6069万円となっています。

 形式的には3月23日から31日までの9日間分だけですが、この金額について、どのように分析し、どう評価したらいいのかは、今のところよくわかりません。

 市の説明には、
「これら旧1市3町の予算のうち、合併の日までに収入できなかった歳入予算、支出ができなかった歳出予算を計上しています。」
「基本的には、旧1市3町の予算の執行残を計上しておりますことから、歳入予算と歳出予算が均衡しておりません。」とあります。

 ただ、この発表に仕方が、きわめて不親切であるということは言えます。

 いちおう、表には「明細書」と書かれているものの、単なる各項目ごとの合計額の数字の羅列になっていて、その内容の説明もなし、数字の根拠となるものがまったく書かれていなくて、市民には、いや私たち議員にも、この数字が意味するとのか、わかりません。

 4月末までは議会自体も存在していませんから、市に内容の説明を求めることもできません。(議員はみんな選挙準備で大忙しの状況にあるし、その余裕もありません)。

 久喜市行政当局は、この暫定予算をいったい何のために公表するのか、行政情報を市民に知らせるのはいったい何のためなのか、その意味を考えているのでしょうか。

 残念ながら私には、市が、形式的に「情報公開・情報提供・開かれた市政」の体裁を整えるだけのために、わかろうがわかるまいが、数字だけを載せておけばいい、そういう姿勢に立っているとしか思えないのですが、いかがでしょう。

22年度暫定予算は、概要すらも市民に知らせるつもりはないのか?

 新久喜市の新年度予算は、当面は「暫定予算」として策定されて、すでに4月1日から執行されていますが、ホームページのどこを見ても、新年度予算がどうなっているのか、まったく書かれていません。

 金額や内容がどうなったかの以前に、新年度予算がどのように編成されたのか、「暫定予算」として執行されているという経過すらもがまったく書かれていないのです。

 旧久喜市のホームページを探してみると、かろうじて次の記事が出ています。

平成22年度当初予算(現久喜市分)査定状況 一般会計予算の査定状況

 しかしこれは12月末現在の数字であって、これさえも内容は書かれていませんし、旧久喜市以外の旧3町の予算査定状況に関する情報はまったくありません。

 新久喜市のすでに発足して動き始めているはずの行政機構は、その行政執行の基礎である財政がどうなっているかについて、市民に知らせずに進めていることになります。

 実際には新久喜市の新年度予算の概要は、合併前までに田中前市長がすべて査定に関わり事実上決定しているはずですが、市民に対してはどのように検討されてきたのかについてさえも、いっさい知らせずにすませてしまっていいはずはありません。

 合併のどさくさで、行政のチェック機関である議会も存在しない中で、市民に知らせることもしないでというのは、久喜市の市民参加のあり方としても、また田中前市長の政治姿勢として理解できません。


 【一般質問】 合併後の新久喜市の職員数、管理職の数はどうなるか
2010/2/26

 合併の効果の一つとして、市は組織の効率化、職員数が削減できると説明してきましたが、実際に4月以降の新久喜市の組織機構がどのようになるのかを明らかにするよう求めました。

現在の職員数(2月1日現在) 退職者数( )は定年退職者数 4月1日時点
久喜市 453人 22(13)
菖蒲町 181人 7( 5)
栗橋町 184人 8( 2)
鷲宮町 247人 17( 8)
合計 1065人 54(28) 1007人

 県からの派遣職員が4人帰任するので、これを差し引いて、4月1日現在の職員数は、1007人となります。 

4月1日以降の職員配置
 本庁  406人 
 菖蒲総合支所  90人 
 栗橋総合支所 88人 
 鷲宮総合支所 100人 
 その他 323人 
 合計  1007人 

(「その他」というのは、保育園、保健センター、図書館、公民館、上下水道部などです。)

管理職の人数
新久喜市 現在の久喜市
 部長級 18人    13
 副部長級 23人    41(次長)
 課長級 68人    75(課長・主幹など)
 課長補佐級  119人   138(副主幹など)
 主事 13人 
 合計  241人 

管理職以外の職員は、766人です。
全職員1007人の内、管理職241人というのは約4分の1にあたります。
これが多いのか、妥当なのか…。


新年度予算と事業を公表すべき
『声と眼』394号 2010/2/25

 昨年は2月5日に新年度予算が発表され、市民も内容を知ることができましたが、今年は合併後の新年度の予算がいまだに公表されていません。

 合併後は当初は「暫定予算」で、4月末の選挙で市長と議会が決まってから本格予算が決定されます。
現在の議会には合併後の予算を審議する権限がありません。したがって市民には見えないところで、市長と市役所の組織の中だけで新年度の事業を事実上決めてしまうことになります。

 以前に市の予算編成過程を公開するよう求めておいたので、市のホームページに、合併後の予算の内の現久喜市分だけの要求金額と12月現在の査定状況が掲載されていますが、事業内容は書かれていません。
市は予算が固まった段階で議会には説明すると言っていますが、いつどの程度の説明をするのか、今のところ市長の判断待ちです。
合併の大義名分のもとに、すべてブラックボックスの中で進められてしまうのは納得できません。


【一般質問】 事務事業評価システムの見直しを進めるべき
2009年11月議会 猪股の一般質問 『声と眼』390号 2009/12/16

 合併の中で、久喜市の事務事業評価システムの「見直し」をどのように進めるのかをただしました。

 久喜市では2002年度から市の各事業について、事業目的の達成はできているか、費用は適正かなどの点検・評価を行っています。
08年度は全部で713事業の中から366件を対象に担当課での第一次評価、さらに66件について評価改善委員会で第二次評価を実施しました。
各事業について「よい・普通・悪い」の評価に基づいて、「拡大・継続・見直し・縮小・廃止」などの方針を出していきます。
実際にはほとんどが「よい」「現状のまま継続」という結論になっています。
内部評価の甘さや現状維持指向が強いのではないかという疑問もありますが、それでも職員がみずから市の事業を点検・評価する意味は大きいと考えられます。

 現行の久喜市の事務事業評価の進め方は、各事業について活動指標(実施回数など)、成果指標(人数や満足度など)、効率指標(コスト)を算定して、必要性、有効性、効率性を判断します。
本来なら各事業で指標ごとの目標値を掲げて、その目標値に対する達成度を判断基準にするべきだと考えます。
今後、事務事業評価の客観的な評価基準の仕組みを設けるように提案しました。

 合併後にも当然、この取り組みを引き継ぐべきですが、合併調整方針では「久喜市のシステムを基に合併後1年以内に見直しを行い、推進します」となっています。
この計画で行くと合併後1年間は「見直し期間」として、その間は事務事業評価の取り組みはやらない空白期間になってしまいます。
一時的にせよ中断するのでなく、事務事業評価の取り組みを継続するように求めました。

 執行部は「これまでの久喜市の取り組みを検証して評価システムの見直しをする」「現在は菖蒲や栗橋町では検討中、鷲宮町で試行しているだけなので、3町の職員の理解を図る必要がある」などと答弁しました。
しかし合併前の久喜市の事務事業についての評価は空白を設けずに続けるべきです。それが旧3町の職員にとって実地研修の機会にもなるのではないでしょうか。


市職員給与引き下げ、議員と市長の期末手当も削減しました
2009/12/7

 11月議会に、職員の給与条例の改正と、議員や市長らの特別職の期末手当の削減の条例改正が提案され、いずれも初日の11月25日に“先議”されて、可決されました。
 “先議”というのは、通常の議案は初日に提案理由が説明されて、その後の本会議で議案質疑を行い、さらに委員会に付託して詳細な審査を行った上で、最終日に討論・採決されることが会議規則で決まっているのですが、特別に早く結論を出す必要があれば、その議案だけを繰り上げて質疑、討論、採決を行うことができるルールになっています。

 今回の特別職の報酬や職員の給与については、12月に支給される期末手当の額に影響するので、12月1日までに条例改正する必要があるということで、“先議”となりました。

 久喜市ではこれまで市の職員給与については、国の人事院勧告を尊重して実施するという方針を基本にしてきました。
 人事院勧告で給与引き上げの勧告が出れば、その引き上げ率を尊重する、逆に最近のように「公務員給与が民間給与の水準よりも高いので引き下げるべき」という勧告が出た場合には、それを尊重して久喜市の職員給与も引き下げということになります。

 今年も人事院勧告で公務員給与の引き下げの勧告が出されたので、久喜市でも職員給与がかなり引き下げられることになりました。
◆毎月の給与額を0.24%引き下げ分を4月にさかのぼって減額し、その分を12月の期末勤勉手当てからまとめて差し引く、
◆さらに期末手当を、年間3.0か月分から2.75か月分へ、勤勉手当てを、年間1.5か月分から1.4か月分へ、合わせて4.5か月分から4.1か月分へ0.35か月分のカットとなりました。
 すでに6月の期末手当で一部をカットしていましたが、

 これらは一律の引き下げではなくて、職員によって違いますが、ある部長で年間24万円、ある課長で年間20万円、主任や主査で15万とか18万円の引き下げ、若い職員では分母となる給与額そのものが少ないので、減額幅は当然もっと小さくなりますが、生活にとってはかなりの影響があると思われます。

 久喜市全体での職員給与カットの総額は6610万円にのぼります。

 議員と市長などの特別職についても、期末手当が減額になりました。
 6月の期末手当を2.15か月から1.95か月へ0.2か月分のカット、12月分を2.35か月から2.2か月へ0.15か月分のカットとなり、年間ではこれまでの4.5か月から4.15か月分へ0.35か月分の減額となります。
 議員の場合は1人15万円の減額、総額では約340万円の削減となります。

『声と眼』の記事に間違いがありましたので、訂正します。

 『声と眼』12月7日号で、「議員の期末手当を今年度から年間0.35か月分(約15万円)減額する条例改正案が提案された。最終日に可決される見込み」と書きましたが、間違いです。
 上に書いたように、すでに11月25日に“先議”で可決されています。

 私のカン違いで、「最終日に可決される見込み」と書いてしまいました。
 『声と眼』の紙上では、次号(12月21日号)で訂正記事を掲載します。

久喜市が初めて予算編成過程を公表
『声と眼』389号 2009/12/3

 昨年、私は議会の一般質問で、「予算の要求や査定の過程を市民に公開するべきである」と提案しました。
これに対し市長選挙後の9月に田中市長が来年度予算編成過程を公開する考えを明らかにしました。
この方針に基づいて12月1日、市のホームページに「平成22年度新久喜市当初予算要求状況について」が公表されました。

 新久喜市の来年度の予算編成は、合併する4市町がそれぞれの予算を算定し、人件費などは4市町で案分して積算します。
それらの合算が新久喜市の予算となります。
今回公表されたのは、現在の久喜市の各課から提出された1年分の予算要求額です。
歳入は市税112億円、国庫支出金14億円、市債21億円など総額185億円、歳出は民生費55億円、土木費30億円、教育費18億円など総額で214億円で、差し引き29億円が不足する計算です。
最初は歳出に対して歳入を少なく見積もるのが通例で、これから財政部や市長による査定が進められていくことになります。
また今回公表されたのは事業分野別および課別の合計額だけですから、具体的にどんな事業が計画されているのかは明らかにされていません。
今後、査定の経過や事業の内容についても公表するべきです。

 来年度の当初予算は、年間予算の内の4か月分の人件費や必要最低限の経費だけの「暫定予算」となります。
公共事業などの投資的経費や政策的経費を盛り込んだ通年の「本予算」は、新市長と議会が決まってから改めて審議、決定されます。

久喜市のホームページ → 当初予算の要求状況

定額給付金、プレミアム付き商品券の集計
2009/10/18

 2008年度の国の補正予算による「定額給付金」の久喜市内での実績が報告されました。

 久喜市では3月の補正予算で、市民72000人(28000世帯)に対して、増額で10億8718万円が交付されることになっていました。

 9月末までの集計では、実際に交付したのは28585世帯の内、27749世帯(97.1%)で、ほとんどは郵送による申請で口座振替で交付されましたが、窓口で直接申請の方や現金で受領した人も800件(世帯)くらいありました。

 一方、定額給付金を少しでも地元で使ってもらおうと、「とくとく商品券」1万6000セット(1億6000万円)を発行しました。

 プレミアム分15%、2500万円分を付けて、額面では1億8500万円で、上乗せ分と印刷代などの発行にかかる事務経費3350万円は全額が市の負担(国の全額補助)です。

 商品券発行額1億8500万円の内、市内の小売店で使われて換金されたのは1億5325万円(9月18日集計)、その内、大型店で使われたのは4432万円(28.9%)で、大型店以外の地元商店で使われたのは1億893万円(71.1%)にのぼりました。

 市では、70%が地元商店で使用されたこと、2か月半で約1億円が地元商店で使用されたことから、商店街活性化、消費刺激効果があったと評価しています。

 しかし問題は、市民が定額給付金やプレミアム商品券を普段の生活での消費以外に“大判振る舞い”で使ってくれたかどうかなのですが、はたしてどうだったでしょうか。


2008年度一般会計決算額と前年比
『声と眼』385号 2009/9/24

2008年度 構成比 2007年度 構成比 前年比増減(万円) 増減率
歳 入 市税 118億1170万 53.9% 117億5952万 55.6% 5218万 0.4%
地方譲与税 2億2244万 1.0% 2億3162万 1.1% ▲ 918万 -4.0%
利子割り交付金 4348万 0.2% 4491万 0.2% ▲ 143万 -3.2%
配当割交付金 1718万 0.1% 4714万 0.2% ▲ 2996万 -63.6%
株式譲渡所得割交付金 591万 0.0% 2627万 0.1% ▲ 2036万 -77.5%
地方消費税交付金 6億0406万 2.8% 6億2153万 2.9% ▲ 1747万 -2.8%
自動車取得税交付金 1億5402万 0.7% 1億7074万 0.8% ▲ 1672万 -9.8%
地方特例交付金 1億3571万 0.6% 7816万 0.4% 5755万 73.6%
地方交付税 3億1265万 1.4% 1億9500万 0.9% 1億1765万 60.3%
交通安全対策特別交付金 1515万 0.1% 1710万 0.1% ▲ 195万 -11.4%
分担金・負担金 1億9829万 0.9% 2億2744万 1.1% ▲ 2915万 -12.8%
使用料・手数料 1億5454万 0.7% 1億5665万 0.7% ▲ 211万 -1.3%
国庫支出金 14億8752万 6.8% 16億1861万 7.7% ▲ 1億3109万 -8.1%
県支出金 9億0908万 4.1% 9億1493万 4.3% ▲ 585万 -0.6%
財産収入 1億8593万 0.8% 2636万 0.1% 1億5957万 605.3%
寄付金 10億8272万 4.9% 1563万 0.1% 10億6709万 6827.2%
繰入金 13億1894万 6.0% 11億7667万 5.6% 1億4227万 12.1%
繰越金 2億6356万 1.2% 3億8143万 1.8% ▲ 1億1787万 -30.9%
諸収入 9億6214万 4.4% 6億0718万 2.9% 3億5496万 58.5%
市債 20億2414万 9.2% 28億2609万 13.4% ▲ 8億0195万 -28.4%
合計 219億0913万 100.0% 211億4297万 100.0% 7億6616万 3.6%
歳 出 議会費 2億3331万 1.1% 2億3141万 1.1% 190万 0.8%
総務費 26億2420万 12.5% 24億9987万 12.1% 1億2433万 5.0%
民生費 55億1582万 26.2% 57億5148万 27.8% ▲ 2億3566万 -4.1%
衛生費 24億8753万 11.8% 20億7537万 10.0% 4億1216万 19.9%
労働費 1352万 0.1% 2828万 0.1% ▲ 1476万 -52.2%
農林水産業費 1億2315万 0.6% 1億3480万 0.7% ▲ 1165万 -8.6%
商工費 8985万 0.4% 8178万 0.4% 807万 9.9%
土木費 35億5753万 16.9% 30億0456万 14.5% 5億5297万 18.4%
消防費 9億2920万 4.4% 9億2913万 4.5% 7万 0.0%
教育費 18億4031万 8.7% 23億8455万 11.5% ▲ 5億4424万 -22.8%
公債費 22億5982万 10.7% 34億2408万 16.5% ▲ 11億6426万 -34.0%
諸支出金 13億8761万 6.6% 1億4756万 0.7% 12億4005万 840.4%
合計 210億6184万 100.0% 206億8986万 100.0% 3億7198万 1.8%
歳入歳出差引残額 8億4729万円
実質収支(繰越金) 5億4356万円
実質収支比率 4.1%
内、財政調整基金繰入額 2億7178万円
2009(21)年度への繰越金 2億7178万円
基金積立額
2008年度末 2007年度末
財政調整基金 9億0663万円 4億1966万円
福祉基金 1億6510万円 1億6791万円
みどりと森の基金 0 4億2082万円
久喜市の基金合計 14億7827万円 14億4047万円

この他に国民健康保険給付費支払基金、介護給付費準備基金など、久喜市には全部で10の基金があります。

久喜市の財政力を表す主な指標
2008年度 2007年度 2006年度
自主財源比率 73.2% 70.8% 67.6%
義務的経費比率 40.9% 44.9% 46.3%
財政力指数 0.986 0.958 0.927
公債費比率 11.7% 14.0% 14.3%
久喜市の財政健全化指標
2008年度 2007年度 2006年度
実質公債費比率 9.5 % 9.9 % 13.3 %
将来負担比率 97.2 % 94.9 %


7月臨時市議会  経済危機対策のばらまき
2009/8/4

 7月24日、31日に臨時市議会が開かれました。
 提案された議案は、一般会計・下水道特別会計の補正予算、合併に関わるコンピュータシステムの統合に関わる契約の議案です。

 経済危機対策で、政府は20年度に約5兆円にものぼる2次補正予算、21年度には緊急雇用・生活安定、公共事業創出の経済危機対策として、当初予算と補正予算で100兆円を超える大型予算を組みました。
 財源としては建設国債・赤字公債を当初予算だけで33兆円、補正予算で11兆円の国債発行でまかなうこととし、合わせると今年度の税収をも上回る見込みです。

 20年度の2次補正予算では「定額給付金」として、国民すべてに2兆4000万円もの“現金”をばらまき、21年度には今度は15兆円もの公共事業費を「経済危機対策臨時交付金」として全国の自治体にばらまきました。

 この経済危機対策臨時交付金は久喜市分として約2億円が交付され、今回の補正予算でその使い途を決定しました。
 これは事実上「何に使っても良い」お金で、久喜市では5月ごろから各課から事業の希望を募って決定してきましたが、久喜市の事業は以下のようなバラバラの事業で、どれくらいの経済浮揚効果があるか…。

◆公用車の買い換え ハイブリッド自動車3台を購入 645万円
◆庁舎の地デジ対策の推進 市役所庁舎の受診状況調査
地デジ対応アンテナなどの工事
地デジ対応のチューナー購入(11台)
5万円
156万円
46万円
◆交通安全対策 市道1号線(六間道路)のガードレール補修 284万円
◆保育園の改修 さくら・すみれ・あおば保育園の耐震診断
保育室、床、トイレ等の補修
928万円
72万円
◆中央幼稚園の耐震対策 中央幼稚園の耐震診断調査 210万円
◆新型インフルエンザ対策 マスク等の備蓄、パンフレットの作製 530万円
◆保健センターの改修 空調設備や老朽設備の補修 960万円
◆市営釣り場の改修 清久大池の桟橋の滑り止め舗装と西池の歩道設置 1400万円
◆道路補修工事 北2、下清久など 4300万円
◆道路新設改良工事 中央2など 2340万円
◆小学校の地デジ対策 受信状況の調査(5万円×10校)
地デジ対応のアンテナ設置工事等(10校)
地デジ対応テレビ(2台×10校)
50万円
250万円
488万円
◆中学校の地デジ対策 受信状況の調査(5万円×4校)
地デジ対応のアンテナ設置工事(4校)
地デジ対応テレビ(2台×4校)
20万円
100万円
195万円
◆中央幼稚園の地デジ対策 地デジ対応テレビの購入
電波受信状況の調査 5万円
地デジ対応のアンテナ設置工事
24万円
5万円
25万円
◆中央公民館・東公民館の地デジ対策 受信状況の調査
地デジ対応のアンテナ設置工事
地デジ対応チューナーの購入(3台分)
10万円
50万円
13万円
◆清久コミュニティセンターの地デジ対策の推進 受信状況の調査
アンテナ設置工事
チューナー購入
5万円
25万円
4万円
◆野久喜集会所の地デジ対策 受信状況の調査
アンテナ設置工事
チューナー購入
5万円
25万円
4万円
◆市立図書館の地デジ対策 受信状況の調査
アンテナ設置工事
チューナー購入
5万円
25万円
4万円
◆小学校の緊急修繕工事 清久小の給水管改修工事、その他、青葉小、江面2小、北小など 1377万円
◆小学校に図書購入費 小学校10校分(特に図書整備率が低い本町小に重点的に配分) 100万円
◆中学校の設備充実 電子黒板の購入 280万円
◆中学校の設備充実 図書購入費 100万円
◆太東中の校庭改修工事 サッカー場、野球場付近の整備、排水改修 4200万円
◆下水道特別会計 下水道工事による道路舗装の復旧工事(下清久、野久喜など 1300万円

一般会計補正予算では、この他に、県の交付金による緊急雇用対策として、


◆小学校の英語指導 小学校5・6年生の英語学習で担任教師の補助にあたる指導員を雇用 
 2人、1日6時間、一人が小学校5校ずつを担当、週5日間、6か月間
127万円

◆学校図書整理員 学校図書整備員を雇用
 2人、1日5時間、一人が7校ずつを担当、週5日間、6か月間
106万円

 また、成人健康診査の事業、小中学校の理科備品整備事業も追加されました。


◆成人健康診査 女性特有のガン(子宮頸ガン、乳ガン)の健診を促進するための啓発、受診券の配布
対象者約4900人に対して、受診者数は約1000人と見込んでいます。
1054万円

◆小中学校の理科備品整備事業 小学校は10校分で200万円、中学校は4校分で200万円 400万円


プレミアム商品券、やっと完売
『声と眼』383号 2009/7/22

 定額給付金を地元経済の活性化につなげようと、久喜市でも6月20日から、1万円で1万1500円、15%のプレミアム付き商品券を売り出しました。
プレミアム分や印刷代など3350万円は市の補助金で、1万6000セット(1億8400万円分)を発売したのですが、10日後の6月30日までに売れたのは5958万円分だけで、発売枠の3分の2にあたる1億円が売れ残ってしまいました。

 不人気の理由は、半分の6000円は“地元商店”でしか使えないとしたことや、使用期限が短かったためのようです。
そこで7月から、1人で買える枠を10セットまでと拡大し、市民以外でも買えることにして販売促進を図った結果、ようやく21日までに完売できました。市の職員にも積極的に購入するよう“協力依頼(命令?)”が出されたそうです。

 多くの市民にとって“地元商店”が身近な存在になっていない現実を突きつけられた形です。
また定額給付金が出たからといって、市民が特に消費を増やしたわけでもないということで、はたしてどれだけの景気浮揚効果があったでしょうか。


市長交際費の使い方、見直すべき
2009年6月議会一般質問 『声と眼』382号 2009/7/5

 久喜市の市長交際費は年間予算252万円で、おもに市長が飲食付きの懇親会等に出席する際の「会費」や葬式の供花・香典等に支出されています。
12月、1月が最も支出が大きくて、今年の1月は78件39万円が支出されていて、その内、73件36万円が飲食付きの新年会・懇親会で、その他は葬儀の供花が2件、香典が3件でした。

 私が調べた中で交際費の支出をいちばん厳格にしている市は東京の国立市です。
国立市では、1月の新年会等の参加費は12件で5万6000円、2月の参加費はゼロ、3月は2件で1万円、3か月間でわずか6万円足らずでした。
久喜市の市長が懇親会会費(飲食代)として支出する交際費額は3か月で約60万円にもなり、国立市の10倍近くにも上ります。なぜこんなに違うのでしょうか。

 国立市では、葬式では市長交際費から支出するのは職員や議員など本人の葬式の供花だけ、懇親会などは行政との直接の関係する団体にしぼっています。
-久喜市では香典でも懇親会の飲食代も市長が持っていく金はすべて市長交際費から支出していますが、副市長や市の幹部が職員の葬式に参列するときの香典は自分で出しているのですから、市長も自分の金を出すのがあたりまえではないでしょうか。
また田中市長は招待状が来た会合は都合さえつけばすべて出席することにしているようで、その場合の会費(飲食代)もすべて市長交際費から出しているようですが、税金から負担するのは行政との直接的な協力関係がある会合の会費などに限るべきではないでしょうか。

 田中市長は、市長の立場と政治家個人の立場を分けて考えることはできないので、懇親会の会費等はこれまで通り交際費から支出すると答弁しました。
香典については「今後何らかの形で見直しが必要であれば見直しをしていく」と答えました。


定額給付金は全世帯の96%に交付完了
『声と眼』382号  2009/7/2

 4月から定額給付金の申請と交付が開始されましたが、対象となる全世帯2万8575世帯の内、7月3日までで2万7406世帯(95.9%)の手続きが完了して、総額で10億5296万円の給付金が交付されました。

ほとんどが振り込みですが、520世帯は現金でお渡ししました。
現在も1日数10通の申請書が市役所に届いており、最終的にはほとんど交付できる見通しです。

 一方、書類の不備などで手続きできなかったり、口座が違っていて振り込みできなかった世帯も多く出ているそうです。
書類の不備については原則として郵送で問い合わせし、住所不明や不在でもどってきた世帯については市民課と協力して再調査しています。
それでも“現住所に不在”、転居先も不明のため、これまでのところ約100世帯に対しては書類そのものが届いていないで市役所に戻ってきてしまっています。
これらの世帯は住民票だけ残して転居してしまったわけで、いろいろな事情があるとしても、最も生活に困っている人々と考えられます。
何とか申請書類を届ける方法がないものでしょうか。


市長、議員、市職員の夏期一時金を0.2か月分カット
2009/5/31

 5月31日、臨時市議会が開かれ、市職員の給与条例の改正、議員や市長などの特別職の報酬・給与条例の改正が可決されました。

 直近の景気悪化に伴い、民間企業労働者の雇用情勢と給与の悪化に伴い、人事院が国家公務員の今年の6月期末手当の減額の勧告を出したため、全国の地方公務員の期末手当についてもそれらに連動して減額されることになりました。

 6月の夏期期末勤勉手当は、久喜市職員の場合、
  期末手当が現行では1.4か月が1.25か月へ0.15か月分の減額
  勤勉手当が0.75か月が0.7か月へ0.05か月分の減額
  合計で、2.15か月分だったのが1.95か月分へ、0.2か月分減額
となりました。

 久喜市職員400人では、平均8万1000円のカット、全体で3648万円の減額となります。

 さらに職員だけを減額というわけにも行かないので、市長、副市長、教育長、議員も同様に0.2か月分を減額することになりました。

 特別職の減額幅はそれぞれ、
 市長は19万6560円の減額
 副市長は17万7800円の減額
 教育長は10万1280円の減額
 議長は10万6800円の減額 
 副議長は9万2400円の減額
 委員長は8万8800円の減額
 議員は8万6400円の減額
の減額となります。

議員の報酬、市長や特別職の給与は、こちらをご覧ください。

 もっとも議員の場合は減額された後の実支給額が80万円強ですが、市長は減額されも200万円超が支給されるのですから、実際の影響からいえば市長や副市長はたいしたことはないと言えそうです。

 埼玉県内40市中で言えば、さいたま市と川越市が今回は減額を見送り、北本市は職員だけは減額しましたが、市長や議員などの特別職の減額は議会で否決、宮代町議会では逆に職員の減額を否決して町長や議員の減額だけを可決したそうです。

 久喜市議会では、審議の過程で各会派の議員から「否決しちゃおうか」などの声が飛び交っていましたが、結局反対したのは共産党だけで、他の全会派が原案賛成で可決されました。

 私は、職員の労働条件や給与関係の議案に対しては労働組合と合意しているかどうか、給与引き下げも組合の合意があればやむを得ないという立場を取ることにしているので採決では賛成しましたが、それにしても今回の期末手当の減額は根本的に納得いかない気持ちが残っています。

 400人の市職員の夏期一時金を総額で3648万円、1人平均8万円も減額したら、地域経済への影響はどうなるのか、これが全国すべての国家公務員と地方自治体の職員に8万円ずつカットしたとすれば、せっかく定額給付金を支給しておいてその効果半減といったところではないでしょうか。

 公務員の給与と生活をも低いところに合わせて切り下げていくとすれば、公務員も民間企業の労働者も給与を低い方に合わせて下げ続け、結果として経済は縮小サイクルに陥っていかざるを得ないのであって、景気回復は望むべくもないことになるわけです。

 議会でもみなさん、自分の夏期手当の減額のこともあって、判断に苦しんだようです。

 なお、公明党の角田議員が、「今朝聞いた情報では」と前置きして、「職員の給与(夏期手当)を減額したら、その分、地方交付税の支給額も減額されることになるのではないか」と指摘していました。
 もしそうだとしたら市の財政にとってはまったくプラスにならないわけで、政府与党所属議員からの“最新の情報”とあって、それが本当に政府の方針であるのかどうか確認する必要がありそうです。


増え続ける市長交際費は必要か
『声と眼』379号  2009/5/28

 2009年度予算の市長交際費は252万円で前年と同額ですが、田中市長が実際に使った決算額は年々増え続けていて、2006年度208万円、07年度220万円、08年度245万円となっています。2008年度の毎月の交際費支出は以下の通り(単位・円)。

4月 20.3万円
5月 18.1万円
6月 17.7万円
7月 25.7万円
8月 18.3万円
9月 22.9万円
10月 10.8万円
11月 12.4万円
12月 22.8万円
1月 39.1万円
2月 19.1万円
3月 18.1万円

 特に1月は78件・39万円と突出していて、18日と24日には1日の内に7つもの新年会をはしごしたそうです。
顔だけ出して乾杯かあいさつして、儀礼的に祝金を置いて来るというような交際費の使い方でいいのでしょうか。
団体側もそういう行為を期待して市長を呼んでいるのでしょうか。

 また葬儀では香典と花輪を出すのが決まりになっていますが、公職者や行政関係者本人以外で、市の職員などのいわば身内のその親族の葬儀にも“交際費”から負担することには疑問あり!です。

★市長交際費支出基準には「市を代表して外部との交際、交渉等に要する市長交際費を適正に支出することにより、公正な市政運営を確保する」と書かれているのですが…。★


久喜市の定額給付金総額10億円
『声と眼』379号  2009/5/21

 久喜市の定額給付金支給事業は3月19日の議会最終日に補正予算が可決され、4月1日から6月21日まで申請を受付けています。
市内の対象者は約72,000人(28,000世帯)で、2万円が支給される65歳以上の市民は14,000人、18歳以下は12,000人、12,000円支給の19~64歳は約46,000人です。

 補正予算では、久喜市の72,000人に対する支給総額が10億8718万円、支給にかかる事務費は4600万円が計上されました。
全額が国の補助金です。

◆郵送料786万円(市からのお知らせの郵送246万円、返信や問い合わせにかかる郵送料540万円)
◆人件費1280万円(職員の超勤手当414万円、臨時職員の賃金864万円)
◆給付金の口座振替手数料1522万円(銀行への支払い1件525円)
◆コンピュータシステムの改造経費1900万円

 この他に、地元商業振興策としてプレミアム付き商品券を発行するのに要する経費3350万円はすべて市から商工会への補助金でまかなわれます。
15%のプレミアム分2400万円、商品券の印刷代や宣伝費、事務費などが950万円です。

 3月31日に市から全世帯に28,366通の通知を発送し、5月14日現在で24,937件の申請書が返送されてきています。
書類の不備や宛先不明で戻ってきたものも相当数あるそうで、これから再発送や問い合わせを行っていきます。
これらの事務作業のために臨時職員12名を採用しています。
2月議会の審議で、できる限り派遣切りなどで職を失った方々を採用するように求めましたが、緊急雇用対策で採用したのは3人にとどまりました。

 定額給付金は世帯単位に支給されるため、住民票のない人やDV被害者などで住民票を残したまま逃げている人などには支給されません。
住民票が無くても独自に支給する自治体が、東京の杉並区などの9区や全国に広がっていますが、久喜市はあくまでも住民票を支給の条件にしています。

究極のバラマキ、景気浮揚効果は??

 市議会では定額給付金の補正予算の採決で、猪股・川辺の2名が、「自公政権の究極の選挙対策でバラマキ、景気刺激効果も期待できない世紀の愚策。支給事務費に久喜で6500万円、全国で825億円もかけるのもムダ遣い。生活支援のためには低所得者、失業者などに直接支給するべきで、一度限りの現金バラマキでなく、生活保護や福祉制度などの継続的なセーフティネットの構築にあてるべき」と反対理由を述べて反対しました。

 国会では反対していた共産党や民主党の議員は賛成していましたが、支持者の中でも「もらえるものなら欲しい」という人が多いから反対はできないというのがホンネのようです。


久喜市の定額給付金の支給のための補正予算が成立しました
2009/3/20

 3月19日の市議会最終日に、一般会計補正予算が可決され、久喜市における「定額給付金」の予算が成立しました。
 2万7380世帯、7万2273人の市民に、1万2000円ずつ、その内、18歳以下の12148人と65歳以上の14250人には2万円ずつが支給されることになります。
 久喜市民に支給される総額では10億8000万円、支給にかかる久喜市の事務費は5600万円にものぼります。
 通知の発送は年度内ぎりぎりの3月30日ごろになるとしています。

 市議会本会議の採決では、国会では反対しているはずの共産党の木村・渡辺議員、民主党の井上議員も賛成に回り、反対したのは大地の猪股と川辺(社民党)の2人だけでした。 

定額給付金支給のための一般会計補正予算に対する、いのまた和雄の反対討論
反対討論原稿の全文です。実際の討論は少し言い回しが違うところもあります。

 私は定額給付金はまさに世紀の愚策、天下の愚作以外でないと考えていますので、今回の補正予算に反対いたします。

(1)第1には、定額給付金という政策の目的が極めてあいまいで、不透明であることです。


 政府与党は、当初、生活に困っている方々への生活支援というお題目を掲げていました。
しかし、住まいを失った非正規社員の方々、いわゆるネットカフェ難民の方々やホームレスの方々など、本当に困っている生活困窮者の方々への配付方法は不明確なままです。いや、そのほとんどの方々には給付できないことは明らかです。


 政府・与党は、途中から政策目的を経済対策に変更しました。


 しかし、民間の経済研究所等の調査や多くのエコノミストによれば2兆円の定額給付金の内、消費に回るのは2割程度、消費拡大効果は0.1%程度であり、GDP押し上げ効果は極めて限定的と指摘されています。
あげくの果て、1月15日には、財務相の諮問機関である財政制度審議会において,定額給付金の効果はないからこれを撤回して、使途を再考するよう政府に求める意見が大勢を占めたと報道されています。


 目的が二転三転した大義なき定額給付金は、砂漠に水をまくがごとくのばらまきと言わざるを得ません。

(2)定額給付金には明確な法的な根拠がない点も指摘しておかなければなりません。
政府は、要件及び手続について根拠法を制定することもなく、自治体に丸投げしました。
地方自治法のもとで、根拠法もなしに全国に同じことを行わせる自治事務という、おかしな形で、定額給付金が実行されるということは日本に地方自治がないということにもなります。


(3)この定額給付金の支給事務のために全国で825億円という膨大な事務費が交付されます。
しかし考えてみれば、本来、当初の方針通り、定額減税という形で支給されるのであれば、このような事務費はかかりません。


 減税という形では、税金を納めていない人や低所得者には支給できないというのであれば、生活保護費の増額や支援金、特別給付金という形で低所得者に個別に支給していけばいいのですから、そうした方法をとれば、やっぱり825億円もの事務費はかかりません。


 全国で825億円、久喜市で支給事務費は5600万円、これが意味のない政策のために支出される壮大なムダ遣い予算です。


(4)もし、この11億円が定額給付金の形でなく、久喜市の経済対策あるいは福祉政策として自由に使えるものであれば、5600万円の無駄な事務費を発生させることなく、本当に生活に困っている方々への生活支援、福祉の充実、持続可能な社会への転換する社会インフラをつくりながらの雇用対策などなど、どれだけ意義ある地域の活性化ができたでしょうか。


 いや、11億円とは言わずとも、5600万円の財源が久喜市の独自の政策に使えたら、どんな低所得者向けの政策が生み出せるでしょうか。

(5)また、定額給付金の目的が、政府与党の選挙対策の2兆円であるということも言っておかなければなりません。


 そもそもこの定額給付金は国民から預かった税金の一部をバラマキという形で返すだけなのですが、それも持続可能な社会の継続的な政策に使うのでなく、ただ1回限りバラマキで使ってしまう、それは税金の有効な使い途を思いつかない政府の無能さを象徴しています。
減税や低所得者だけを対象とした給付金では、国民には現ナマをもらったという実感を与えられないから、選挙対策のために定額給付金というバラマキの形をとったのですが、これは悪しき政治の姿の象徴であると考えます。


(6)結局、この苦しいはずの国家財政からの2兆円のバラマキは“世紀の愚作”“天下のムダ遣い”に終わるのは目に見えています。


 言ってもムダですが言います。
政府に2兆円の自由に使える金があるのなら、ただばらまいて「パーッと使ってもらう」のでなく、学校耐震化の促進や医療や子育て支援、高齢者福祉、障害者の自立支援政策に使ってほしいと思うのは私だけではないでしょう。
パーッと使ってしまって今年だけでなくなってしまうのでなく、将来に向けて形に残るような持続可能な政策に使うべきです。


 残念ながら、この2兆円、久喜市の11億円について、自治体にはそんな裁量権すら与えられていませんし、ここで使わなければ国に返すことになって、さらにどんなムダ遣いに使われてしまうかもしれません。
私たち地方議会はそんな状況におかれているわけですが、そのような愚策にあえて抗議するためにも、本案に反対します。


2009年度久喜市一般会計予算に賛成しました
2009/3/20

一般会計予算に対して賛成討論をしました。
もちろん、問題点はたくさんあります。
最大の問題は、合併に関して、住民投票でなくて、はがきによるアンケート調査をするための予算が組み込まれていることと、合併を前提としてそれを推し進めるための予算となっていますが、全体としてはおおむね理解できる内容であったため、賛成しました。

2009年度一般会計予算に対する、いのまた和雄の賛成討論

 2009年度一般会計予算は、大変厳しい経済・財政状況の中でということは、厳しい財政的制限の中で編成されたものであるということは否定できません。

 厳しい財政状況に縛られて、生活不安の中にいる市民の切実な要求に積極的に応えて政策展開している予算とはいえませんが、おおむねやむをえない予算編成であると考えていますので全体として賛成します。

 ただし、いくつかの疑問や懸念がありますので、それらを指摘しておきます。

 第一は、財政規模が191億円で前年比11%の減額ですが、実質的な財政規模としてはほとんど同額となっています。
しかしこれは、歳入の市債、9億3000万円もの臨時財政対策債によってようやく確保されたものです。
臨時財政対策債は地方交付税交付金の不足分の穴埋めとして発行が認められたものですが、いうまでもなく借金であることには違いありません。
久喜市は地方交付税の不交付団体ぎりぎりの位置にあるのですから、臨時財政対策際の発行と運用について注意する必要があります。

 第二は、経済危機の中で市民の生活不安に対する危機感が不足しているのではないかと思われる点です。

特に、生活保護費が減額と見積もられていることは、現実の状況には合いません。
昨年秋以降、直近の生活保護の相談、申請状況から見れば、むしろ大幅に増額となることが予想されます。
今後状況を把握しながら機動的かつ柔軟に対応していくよう求めます。
さらに派遣切りに象徴される職と住をいっぺんに失った労働者や、あるいは母子家庭、DV被害者などに対する緊急雇用対策、生活支援対策などのセーフティネットを構築していくことが求められています。
今の久喜市では社会福祉課、緊急雇用対策担当の農政商工課、臨時職員の担当課である庶務課、住宅対策の建築課などがばらばらに対応してきた事実は否定できませんが、社会福祉、労働、住宅、などの市の総合的な窓口対応が必要になってきていると考えます。

 第三に、環境行政です。
 昨年、みどりと森のふるさと基金が廃止され、4億2000万円の基金積立金が一般会計に繰り入れられました。
理由は財政困難のため、みどりと森の基金を一般財源として活用するというもので、財政調整基金に積み立てられました。

 その代替事業として、新年度予算で緑化事業2000万円が予算化されましたが、事業内容はまったく考えられていなくて、これから市民の意見を求めて決定していくとされています。
これは持続可能な地域社会における持続可能な環境政策を実施していくことから離れて、1年限りの単発的な、ばら撒き行政に終わりかねない危惧を感じています。

 その一方で、財政調整基金は年度当初積立額2億円から、2009年度末には4億数千万円になるであろうと見込まれています。
これはみどりと森のふるさと基金の最終積立額とほぼ同額であり、森の基金を廃止する意味と必要性があったのかどうかの疑問も出てきます。

 自然環境保全条例も提案されていますが、この条例の目的実現のためにも一定の基金が必要になってくるだろうと考えられます。
今後、環境行政を担保するための新たな基金創設を検討するべきであります。

 以上、要望いたします。

2009年度予算のおもな事業
『声と眼』373号  2009/2/17

 2月12日に市議会定例会が開会され、新年度予算が提案されました。
今年度は景気後退の影響によって財政がいっそう厳しさを増すと予想され、合併を控えていることもあって、新規事業や目玉となる事業はほとんどありません。

2007年度一般会計予算案と前年比
2009年度 構成比(%) 2008年度 構成比(%) 増減比(%)
総 額 191億9000 217億8600万
収入 市税 112億2121万 58.5% 116億9808万 53.7% ▲4.1%
地方譲与税 1億9800万 1.0% 2億1500万 1.0% ▲7.92%
利子割交付金 6700万 0.3% 5600万 0.3% +19.6%
配当割交付金 1700万 0.1% 1700万 0.0% 0.0
株式譲渡所得割交付金 1400万 0.1% 6200万 0.3% ▲77.4%
地方消費税交付金 5億6100万 2.9% 5億5400万 2.5 +1.3%
自動車取得税交付金 9900万 0.5% 1億5700万 0.7% ▲36.9%
地方特例交付金 1億0700万 0.6% 1億1400万 0.5% ▲6.1%
地方交付税 3億5000万 1.8% 1億5000万 0.7% +133.3%
交通安全対策特別交付金 1400万 0.1% 1400万 0.0% 0.0
分担金・負担金 1億9694万 1.0% 2億0893万 1.0% ▲5.7%
使用料・手数料 1億5225万 0.8% 1億5198万 0.7% +0.2%
国庫支出金 14億7046万 7.7% 14億6185万 6.7% +0.6%
県支出金 8億4160万 4.4% 8億6884万 4.0% ▲3.1%
財産収入 2670万 0.1% 1億8712万 0.9% ▲85.7%
寄 付 金 1730万 0.1% 12億8050万 5.9% ▲98.6%
繰入金 9億4313万 4.9% 18億6396万 8.6% ▲49.4%
繰越金 2億0000万 1.0% 2億5000万 1.1% ▲20.0%
諸収入 5億2849万 2.8% 5億2114万 2.4% +1.4%
市債 21億6480万 11.3% 19億5460万 9.0% +10.8%
合計 191億9000万 217億8600万 ▲11.9%
  
支出 議会費 2億3350万 1.2% 2億4123万 1.1% ▲3.2%
総務費 25億7410万 13.4% 25億8789万 11.9% ▲0.5%
民生費 55億4642万 28.9% 57億6527万 26.5% ▲3.8%
衛生費 26億0887万 13.6% 25億6552万 11.8% +1.7%
労働費 1803万 0.0% 1344万 0.0% +34.2
農林水産業費 1億2475万 0.7% 1億4537万 0.7% ▲14.2%
商工費 9025万 0.5% 8852万 0.4% +2.0%
土木費 30億4814万 15.9%  38億9766万 17.9% ▲21.8%
消防費 9億1783万 4.8% 9億2920万 4.3% +1.2%
教育費 18億9163万 9.9% 18億8590万 8.7% +0.3%
公債費 20億5842万 10.7% 23億0061万 10.6% ▲10.5%
諸支出金 806万 0.0%  12億9539万 5.9% ▲99.4%
予備費 7000万 0.4% 7000万 0.2% 0.0
合計 191億9000万 217億8600万 ▲11.9%


◆緑化推進事業に2000万円。昨年、みどりと森の基金を廃止して4億2000万円全額を一般会計に繰り入れてしまった。
  反発が強かったので、その代替事業。事業内容は『市民参加で決める』という。
◆住宅の太陽光発電システム設置に1件10万円の補助。総額300万円。
◆「次世代育成支援行動計画」後期計画策定費用、189万円。
◆久喜小学校の学童保育施設の空き時間(午前中)に、乳幼児を持つ親の交流の場、相談事業として“つどいの広場”を開設。人件費など170万円。
◆久喜擁護学校の障害児学童保育に、指導員人件費や借地借家料、低所得世帯補助。554万円。
◆総合病院建設費補助金、09年度分10億9000万円。
◆地域医療ネットワークの検討のため、久喜市医療体制推進協議会を設置。委員報酬として29万円。
◆小中学校校舎の耐震化整備推進事業。太田小、清久小、青毛小の設計、久喜小、江1小、江2小、本町小、青葉小、東中の耐震度診断。5608万円。
◆放課後子ども教室を、太田小、江2小、青毛小、北小に開設。447万円。
◆西口の提灯祭通りの電柱を民地に移設、道路両側にグリーンベルトを設置。7000万円。
◆清久工業団地周辺開発、新工業団地整備のため
の調査業務等。2560万円。
◆市営釣り場、清久大池の老朽化した浮き桟橋の補修。200万円。
◆合併の是非についての「市民意向調査」費用、855万円。

一般会計予算は総額191億9000万円で、昨年度より計算上は10%以上の減となっていますが、実質的な事業規模としては変わっていません。
昨年の当初予算は、市債の借り換えによる繰り上げ償還や、鷲宮南部地区開発関連の道路新設費用が開発事業者から寄付を受けて、いったん基金に積み立ててから取り崩して繰り入れという複雑な会計処理をして二重に計上されていました。
市はこれらを差し引くと実質的には今年とほぼ同額の192億円程度だったと説明されています。




久喜市は行政効率では県内40市中で5位、市民サービス度は下から8位!?
2009/1/15

 日経新聞社と日経産業消費研究所の共同で、全国750市区の業務効率と住民サービス度調査を実施し、12月に公表されました。
 全国ランキングをもとに、埼玉県内ランキングをまとめたのが下表です。

 久喜市は行政革新度ランキングで埼玉40市中で5位、全国でも68位と高位にあると評価されました。
 田中市長は久喜市がきわめて高い行政効率を実現していることを自己宣伝し自画自賛して歩いているのですが、もう一つの「サービス度」ランキングについてはまったく触れません。

 日経新聞社が同時に行った「住民サービス度調査」では、実は久喜市は全国750市区中で271位、埼玉県内40市中で何と33位と、下から8番目という低ランクにあったので、この事実には触れたくなかったのでしょうか。

 しかし政治の問題として、単に黙殺するだけではすみません。
 なぜ久喜市の行政が、「行政革新度」は高位にあるのに、逆に「サービス度」がこんなに低くなったのか、原因と理由を調査してみる必要があります。

 「行政革新度」調査

全国順位 県内順位
総合 68位 5位
透明度 172位
効率化・活性化度 108位
市民参加度 43位
利便度 139位

 「行政サービス度」調査

全国順位 県内順位
総合 271位 33位
子育て環境 154位
教育  392位
高齢者福祉 581位
公共料金 172位
住宅・インフラ 273位

 行政サービス度では、特に、高齢者福祉サービス、教育環境が全国の750市中でも低位にあることが明らかになっています。


行政革新度ランキングでは全国68位ときわめて高位にあるにもかかわらず、行政サービス度ランキング県内下から8番目、全国で271位と低い位置にあります。
 これは、行政サービスの向上と「行政効率」とは相反する関係にあるということなのか。
……行政効率を高めるために、きめ細かな市民サービスを切り捨ててきたということを意味するのでしょうか。

行政革新度ランキング 行政サービス度ランキング
県内順位 偏差値 全国順位 県内順位 総合得点 全国順位
1 越谷市 66.71 50 1 戸田市 168.1 8
2 戸田市 66.29 52 2 加須市 166.9 11
3 草加市 66.22 55 3 朝霞市 162.8 16
4 熊谷市 65.44 62 4 和光市 159.9 24
5 久喜市 64.80 68 5 所沢市 159.6 25
6 上尾市 63.03 86 6 狭山市 158.2 29
7 北本市 62.32 101 7 志木市 157.4 35
8 吉川市 61.54 114 8 深谷市 157.2 36
9 さいたま市 61.39 116 9 北本市 156.5 40
10 所沢市 58.56 161 10 さいたま市 156.2 42
11 志木市 58.13 166 11 行田市 155.2 46
12 東松山市 56.64 189 12 上尾市 154.5 50
13 狭山市 56.64 189 13 鳩ヶ谷市 154.2 54
14 川口市 56.36 193 14 川口市 150.4 83
15 富士見市 55.93 198 15 東松山市 150.3 85
16 和光市 55.79 201 16 吉川市 150.3 87
17 秩父市 55.44 207 17 熊谷市 148.4 101
18 八潮市 55.37 209 18 秩父市 147.5 117
19 新座市 55.08 215 19 飯能市 146.8 125
20 加須市 54.16 225 20 入間市 145.8 134
21 朝霞市 53.24 252 21 富士見市 145.1 147
22 川越市 51.54 293 22 坂戸市 144.8 152
23 春日部市 51.54 293 23 越谷市 144.7 155
24 三郷市 50.83 307 24 本庄市 144.7 157
25 坂戸市 50.40 319 25 川越市 144.6 159
26 本庄市 50.26 323 26 草加市 143.8 174
27 深谷市 50.12 327 27 羽生市 142.8 184
28 行田市 48.70 360 28 蕨市 142.1 192
29 飯能市 48.06 380 29 鶴ヶ島市 141.3 206
30 鶴ヶ島市 47.35 402 30 新座市 140.8 219
31 日高市 47.35 402 31 鴻巣市 140.7 223
32 入間市 47.14 410 32 八潮市 145.5 241
33 羽生市 47.07 414 33 久喜市 137.9 271
34 鳩ヶ谷市 46.57 435 34 日高市 137.2 283
35 幸手市 46.43 439 35 桶川市 135.4 311
36 鴻巣市 44.44 509 36 幸手市 131.8 367
37 蕨市 43.24 546 37 三郷市 131.6 372
38 ふじみ野市 40.61 609 38 ふじみ野市 131.2 381
39 桶川市 37.56 690 39 春日部市 130.6 393
40 蓮田市 -- -- 40 蓮田市 -- --

蓮田市はアンケート調査に回答しなかったため、ランキングに入っていません。




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