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いのまた和雄の視察研修報告 1999年12月〜

2008年3月〜2015年
視察報告の目次はこちら







【視察報告】 蓮田市の自校調理方式の学校給食
2017年7月4日・市民の政治を進める会
猪股和雄、川辺美信、田中勝
2017/7/19


蓮田市の学校給食も全部、自校調理方式です

  7月4日、市民の政治を進める会の3人で、蓮田市の学校給食の視察に行ってきました。
久喜市は3年後までに、全国でも最大規模の給食センターを建設して、市内全部の34小中学校、1万2000食の学校給食を単一のセンターでまかなう計画を進めています。

 しかし近隣では、蓮田市、白岡市、幸手市などが自校調理方式ですし、6月に視察してきたさいたま市も、一部センター方式だったのを自校調理方式に転換しました。
 蓮田市は小学校はもともと自校調理方式でしたが、中学校は3年計画で各学校への調理室設置を進め、3年前までにすべての小中学校の学校給食を自校化しました。
これも久喜市とは正反対の取り組みです。
 私たちが視察したのは蓮田市立中央小学校(児童数580人)です。

 14校すべてが自校方式ですから、栄養士または栄養教諭(11名と隣接の小中学校だけ1名)が全校に配置されていて、献立や調理の管理指導、子どもたちの食育にあたっています。

 地産地消を大事にしているので、毎日の食材は基本的に市内の商店や業者から購入しています。
 6時半くらいから搬入が始まり、下ごしらえにかかります。
出汁を取る作業が8時くらいから、食材の火を使った調理は9時くらいから開始し、調理終了は11時半です。
センター方式では、久喜地区で10時半に調理終了、菖蒲や鷲宮で11時くらいですから、これが温かいものは温かい内に食べられる自校方式とセンター方式の最大の違いです。
 調理終了後エレベータで各階の配膳室に運び、12時20分頃に、クラスごとのワゴンを調理員さんたちから子供たちに手渡します。ここでも作る人と子供たちのふれあいがあります。
 窓の外から調理のようすを見学できます  1,2年生は教室の前まで
調理員さんが運んでくれます

 献立は基本的に全校が統一献立ですが、学校ごとのイベントや学校行事に合わせて、学校の栄養士さんたちが対応します。
 またその学校にアレルギーの子どもがいる場合、特に「代替食」や「除去食」を提供するという取り組みはしていないのですが、栄養士さんが工夫して対応することもあるそうです。
 たとえば栄養士の工夫と指示によって、ほうれん草のゴマよごしのゴマを除く、タマゴとじのタマゴを除くなどの対応をします。また、テンプラやフライ、ハンバーグなども、できるだけ既製品の冷凍食品は使わないようにしているので、つなぎにタマゴを使わないなどは、手作りの食材を使う自校調理だからこそできることです。
 6月の献立で既製品の冷凍食材は、スコッチエッグ、厚焼きタマゴ、シュウマイ、フランクフルトくらいで、ワラジカツも、クリームシチューも手作りだと説明してくれました。

 グリーンピースのサヤ出し、トウモロコシの皮むきなどは子どもたちにやってもらうので、そんな日は食べ残しも少ないと言っていました。
 私たちが視察した日の献立は「きつねうどん汁」だったのですが、麺が地粉うどんだったのは感激でした。

きつねうどん汁、ちくわの二色あげ、
もやしのゴマ酢和え。食器は強化磁器製です。

蓮田市では地元の製麺所さんの協力で、ソフト麺でなくて本物のうどんを出しているのだそうです。

 食器は強化磁器です。以前はアルマイト、その後はプラスチックでしたが、各学校の調理室の機器(食器洗浄機)の入れ替えに合わせて順次、強化磁器に変更してきて、3年前に全校の食器が強化磁器になったそうです。
これも、久喜市が久喜地区で使っている強化磁器食器を廃棄して全部をプラスチックに統一しようとしているのとは正反対です。

 校長先生や教頭先生といっしょに試食しながらお話ししましたが、あちこちの市の給食を食べてこられて、「蓮田の給食がいちばんおいしいと自信を持って言えるんです」と楽しそうに言ってらっしゃいました。
 どこの市の給食がおいしいかは、異動のある先生方がいちばんよく知っていると言われます。久喜市内の学校の先生方に率直なお話を聞いてみたいと思いました。
それとも立場上、給食がおいしいかどうかはあまりたいした問題ではないと言われるでしょうか。1日3食の内の1食、朝食抜きの子もまだけっこういます。家庭の都合で出来合いのものを多く食べている子もいます。
子どもにとっての学校給食をもっと大切に考えていく必要があるのではないでしょうか。
 

【視察報告】 さいたま市の自校調理方式の学校給食
2017年5月11日・市民の政治を進める会
猪股和雄、川辺美信、田中勝
2017/5/21


15年間で80校を自校調理に転換した

 さいたま市の学校給食は、小学校103校、中学校57校のすべてが自校調理方式で実施されています。
合併以前は、浦和市と大宮市、与野市の一部の小学校が自校調理方式で、その他はセンター方式でした。
 本格的に自校調理方式への転換開始したのは2001年からで、2004年には15校、05年には12校に給食調理場を整備するなど、計画的に自校化への転換を進め、2015年7月に最後の2校、01年から2015年までの15年間で81校の調理室を整備しました。
なおその内の3校は新設校です。
 全校が自校方式になり、栄養教諭・学校栄養職員が配置されるのは、政令指定都市ではさいたま市だけとされています。
 さいたま市では、自校方式のメリットとして、
(1)学校ごとの工夫を生かした給食を提供することができる。
(2)全ての小・中学校に栄養教諭または学校栄養職員が配置されるため、食に関する指導の充実を図ることができる。
(3)調理後喫食までの時間が短縮されるため、温かいものは温かいうちに提供できるなど、適温での給食が提供できる。
(4)食物アレルギーを有する児童生徒への対応が、より細やかにできる。
(5)学校ごとに食材購入先を選定するため、地元の農家等から食材を購入することができる。
(6)児童生徒にとって調理担当者が身近な存在となり、食に対する感謝の気持ち等を育むことができる、と位置づけています。
 自校調理場の整備工事費は、25年度以降の12校で見ると、建築、電気、機械設備の合計で、2億9000万円から最高額は4億4700万円で、平均は3億5000万円です。
調理委託費は3年契約で5800万円から8200万円、これは当然、学校規模(食数)によって幅があります。

岩槻地区の城北小学校

 私たちが視察したのは、岩槻地区の城北小学校で、児童数830名の比較的大きな小学校で、調理は直営です。
 学校に配置された栄養教諭が献立を作成し、調理をすべて管理・指導し、児童の食育にもあたっています。
 調理室は窓の外に見学のためのウッドデッキが設置されていて、私たちはそこから調理のようすを見学したのですが、目の前1mの場所で調理員さんたちがいっしょうけんめいに作っているのを見ることができました。
 私たちが学校に着いたのが10時で、10時20分から調理場を見学しました。
 自校調理方式のこの小学校の調理は、火を使い始めるのは10時20分ですから、調理終了までの一部始終を見ることができました。
調理終了は11時20分です。栄養教諭の先生は、自校調理だから火を入れるのも、調理終了もできるだけ遅くすることができるのだと言っていました。
 児童は、2時間目と3時間目の間の業間休みに、毎日のように順番にクラスごとに見学に来るそうです。
子どもたちは目のまで行われている給食調理を、給食の臭いをかぎながら、調理師さんたちの作業を見ながら見つめて、栄養教諭が献立の内容や作り方を説明しています。

  久喜の給食センターでも古河の給食センターでも、10時にセンターに着いても、見学に入る10時過ぎにはほとんど調理が終わっていますから、実際に調理しているようすはほとんど見ることはできません。
 2階の高い位置から見学するコースがありますが、調理場の一部を見ることができるだけです。子どもたちは9年間で1回しか見学しませんから、給食工場あるいは食品工場の見学と同じことで、学校給食の調理場を見学する意味が全く違います。

 子どもたちの食育のために、献立にもさまざまな工夫がなされています。
児童にグリーンピースのさや剥きをしてもらって、それを使ったグリーンピースご飯、自分たちでお手伝いをして出てくるものはほとんど残さないと言います。
そら豆のさや出しも、トウモロコシの皮むきも子どもたちにやってもらいます。
読書朝会をやっていますが、献立に合わせた絵本を探してきて読むと、これもほとんど残さないそうです。
 有名なのは地元の和食やフランス料理のシェフに来てもらって、「シェフの給食」もやっています。

 城北小学校の調理員は7名です。
子どもたちが取りに来るときには、全員が並んで子どもたちに声をかけながらワゴンを引き渡します。
月に1回は調理員さんたちが手分けしてクラスには言って、子どもたちいっしょに食事をします。

見学用デッキ  ひたすらかき混ぜ、最後にカレールーを入れる

さいたま市では強化磁器の食器に転換を進めている

 食器は調理室を新しく整備した学校は強化磁器製を使っています。
「けっこう割れます」と言っていましたが、割れたら、子どもが校長先生に報告するんだそうです。
ふざけて割ったときは厳しく注意しますが、ものを大切にすることを教えるいい機会にしているということでした。
 今後、新設の学校や給食室を更新する学校は順次、強化磁器製に変更していく予定です。
久喜とは考え方が真逆です。
食材は基本的に地元のお店から仕入れていて、ニンジンやジャガイモは手切りですので、野菜は規格が不揃いでいいということでした。
カレー、キャベツとコーンサラダ


 野菜サラダはもちろん火を通していますが、すべてシャキシャキ感が残っていました。
大量調理だと、火を止めても自分の熱で煮えていって火が通り過ぎるのは当然です。
これは自校方式でないとむずかしいでしょうと言っていました。
また、この日の献立はカレーでしたが、まさに熱いものは熱いうちに、デザートのゼリーは冷蔵庫から出したばかりの冷たいものを食べてもらえる、冷凍ミカンを出すこともあると自慢していました。

 毎朝の食材の納品は8時半以降にしていて、順次、下ごしらえにかかり、火入れは10時20分を守っています。
たとえ下ごしらえが早く終わっても、10時20分より前には熱を加えないということでした。
 栄養教諭の先生に、センター方式との違いは何かを聞いてみましたが、栄養士や調理員にとっては、そこに子どもがいること、つまり常に子どものことを息して調理している、子どもにとっては臭いが届くことで食欲が増してくるのだと言っていました。

 残滓は、元の食缶に種類別に戻して計量していて、平均して5%位だということでした。
単純比較はできないでしょうが、久喜と鷲宮のセンターの残滓は平均10%を超えています。

アレルギー対応は、自校調理とセンター方式でどう違うか

 
アレルギー除去食用に取り分ける
 最後にアレルギー対応です。
 基本的にはアレルギー物質を含む食材の除去食で、城北小学校では、乳1人、タマゴ4人、魚介類3人、実数で7食の除去食を提供しています。
カレーだったら、最後にミルクとチーズを加える前に、小鍋に人数分をとりわけて、片栗粉でとろみを付けます。
 野菜や肉の煮物はもちろん、餃子も、ハンバーグも手作りですから、アレルギーの児童の食べる食事だけを、乳やタマゴを入れないで作ることができます。





 先日見学した、古河の給食センターの除去食は、同じ除去食でも引き算の食事です。
当日のメインディッシュは既製品の冷凍メンチカツですが、もともと肉のつなぎに乳が使われているので、アレルギーの子どもには「メンチカツ」は無し、スープパスタはポタージュの素に乳が入っているので、コーンクリームを増量する、ハムサラダもハムのつなぎに乳が入っているのでハム無しで野菜を増量すると言ってましたが、こうして食材を引き算していくと、どんな食事になるか、想像が付きます。
 既製品の冷凍食品には必ずと言っていいほど、減量の段階でアレルギー物質が入っていますから、冷凍物を多用するセンター給食で、これらを除去したら、いったいアレルギーの子どもの食べる給食はどうなるのでしょうか。
 実際、古河では26校、9000食の給食の内、アレルギー除去食はわずか5食です。
ここの除去食は食べられるものがなくなってしまうから、希望者が少ないといういことではないでしょうか。 

 城北小学校は児童数800名に対して、除去食7食です。
献立の段階から、アレルギーの子どもが食べられるようにするにはどうしたらいいかを、考えて作られています。
 オムレツや卵焼きの除去食はどうしますかと、聞いてみたのですが、「タマゴがないと成り立たない献立は作りません」と答えは明快でした。
卵とじだったら、最後にタマゴを入れないで、片栗粉でとじる、五目ご飯にその子だけは錦糸卵を付けない、アレルギーを持つ子ども1人1人に対応して、献立を作る段階から、何を除去したらどういう食事になるかを考えているのです。

 センター給食では、冷凍食品を多用して数千食をいっぺんに作らざるをえない、しかもアレルギーのことは全く考えていない普通の献立が先にあって、その後からアレルギー物質の除去を全く別に考えなければならないわけですから、食べられるものがなくなってしまうのはあたりまえです。
城北小学校のような、献立の段階からのきめ細かい配慮は、センター給食では不可能と言っていいでしょう。

江戸川区の街路樹管理行政についての視察研修
【7月22日・埼玉県東部地区地方政治改革ネット】
2016/8/13

 7月22日に、埼玉東部地区地方政治改革ネットの会員9名で、江戸川区の道路街路樹間行政について、視察研修を実施しました。
【参加者】 猪股/久喜、三郷/村上、春日部/片山、越谷/山田、取手/結城、白井/福井、吉川/稲垣・岩田、蓮田/湯谷 9人

 
道路を挟んで、左が江戸川区、右は隣の区の街路樹
1.久喜でもそうですが、多くの自治体で道路の街路樹は、いわば邪魔者扱いになっていて、これから葉を青々と繁らせようという6〜7月にせっかく伸びてきた枝をほとんど落とされたり、落葉樹が道路に散らないように9月はじめには紅葉前の葉を枝ごと切り落とされたりしています。
 江戸川区では、街路樹は街路樹らしくできるだけ自然の樹形に近い形で管理されています。

2.江戸川区では、1972年には「ゆたかな心 地にみどり」のキャッチフレーズのもと、街路樹(緑化)行政を開始しました。
 その後、80年に「街路樹設置基準」を制定、94年に「街路樹を大きく育てる基金」を設置、2007年に「街路樹のあり方検討委員会」を発足、09年に「江戸川区街路樹指針〜新しい街路樹デザイン〜」を作成し、街路樹の設計から管理までの指針を確立しました。
 現在の江戸川区の街路樹(高木)本数は3万4543本で、全国市町村中で11位(1〜10位までは神戸市、札幌市、横浜市、大阪市、名古屋市などすべて政令指定都市)、都内区市町村中ではダントツの1位です。

3.街路樹の機能は、(1)都市のヒートアイランド化の防止、(2)木陰による緑陰、寒暑の調節、(3)大気の浄化、騒音の緩和、(4)火災の延焼抑制、(5)微気候緩和(温度・湿度)、(6)都市における自然生態系の保全と活性化、その他にも景観の面から、(7)人や車のドライバーにとっても通行快適性の向上、視線誘導などが指摘されています。
 実際、真夏に街路樹のあるなしでは気温が2〜3℃も違い、特に葉からの水分蒸発、光合成によるCO2の吸収、酸素の供給などの効果は言うまでもありません。
 こうした機能を持つ街路樹を適切に維持管理していくために、「街路樹のあり方検討委員会」では、街並みや街路空間に応じた適切な緑のボリューム・目標樹形の設定、樹種剪定や土壌改良・施肥などの植栽と管理方法等について検討を進め、2008年に提言書が提出されました。

4.それをふまえて09年に策定した「江戸川区街路樹指針〜新しい街路樹デザイン〜」では、街路樹植栽計画の基本方針、目標樹形や植栽密度などの樹形維持管理のルール、剪定、施肥、病害虫防除など、維持管理の年間スケジュールを定めています。
 事前にどのような街路樹にしていくかを検討し基本設計を行って植栽を行い、維持管理にあたっては住宅街、商店街、マンションや団地など、周辺環境に応じて、街路樹の目標樹形を決め、街路樹の生長に応じて、また季節に応じて計画的に剪定と維持管理を行っています。

5.最も特徴的なことは、そのためのマニュアルを策定して区の担当者、管理を委託している造園業者、さらには周辺住民の理解のもとに維持管理を進めていることです。
 
剪定方針:目標樹形カードの作成
 以前は剪定方法などは担当者や業者の口伝えで、年によってまたはその場その場で担当者や業者が変わるたびに剪定方法が違ってしまっていたということですが、現在は江戸川区では、道路線ごとに街路樹の「目標樹形カード」が作成されており、「現況樹形」に対して「目標樹形」が明記され、それに従って剪定や維持管理を行っています。
 この「目標樹形カード」は必要に応じてその都度新たな目標を加えて修正が加えられていくそうです。
 「カード」に照らし合わせて、目標樹形に満たない樹木は「育成タイプ」とし、剪定により現状維持していく「維持タイプ」、目標樹形を大きく超えて更新等を検討する樹木は「更新検討タイプ」に分類して対応し、大きく伸びすぎた枝葉はそれぞれの「目標樹形カード」にしたがって剪定していきます。
 久喜市の街路樹剪定は、その場その場で市の担当者と業者が現場でモデル樹木を前にして、「そのくらいでいいんじゃないか」と話しながら、結局は強剪定でほとんどの枝葉を落としてしまっているのですが、江戸川区のようにあらかじめそれぞれの樹木の自然樹形をふまえた「目標樹形」が定まってれば、恣意的な剪定はなくなるわけです。 

6.久喜の青葉けやき通りでは、ケヤキの根が歩道を持ち上げ、下水道管を壊し、民家の敷地内にまで入り込んでいますが、江戸川区ではこれに対してもきちんと根上がり対策を取っています。
 新規に造成する路線では、道路の設計と街路樹の植栽の段階から、車道との境界および植栽マスの外側に「防根シート」を埋設して縁石や舗装面にネガ進入するのを防いでいます。
 造成時にはそのような対策を取っていなくても、実情に応じて、舗装面を破壊してきた根を切断して防根シートを埋め込むこともしているとのことでした。

7.維持管理は、1年間の街路樹および植栽地のすべての作業を造園業者に委託しています。
 委託業務は、除草清掃(年3回)、中低木刈り込み(年1回)、高木剪定(毎年・隔年、支障枝のみの剪定など)、花壇管理(花苗植え付け)、毎月1回の点検、病害虫の調査と防除(薬剤散布はなし、病害虫剪定で対応する)、陳情や苦情の対処、台風や事故時の緊急対応、緑のボランティアとの連携など、すべてです。
 委託業者の選定は単なる競争入札ではなく、区内を31地区に分けて、2〜3月に維持管理方策について業者から提案させて(プロポーザル方式)、選定委員会で審査して、委託業者を決定し発注します。
 受託した業者は、施行計画を策定してそれに基づいて管理作業を行い、毎月、担当課が確認検査を行い、12月に選定委員会が「管理委託成績評定」を行って、「優良」と判定されればその後「特命随意契約」で最大5年間は契約を継続します。
 業者全部を集めての街路樹剪定講習会では、各社に1本ずつ樹木を割り当てていっせいに剪定して技術を競い合い、また造園業者による「受託者連絡会」の研究会も開かれています。

8.また実際に市街地の中の街路樹を見せてもらいながら、担当者さんの言葉「剪定した後で、枝振りが変わりない、小枝も残している、気付かないくらいの剪定がいちばんいい」と言われたのが、印象的でした。
 久喜の場合は、夏の剪定は卵形に軽くやるのが基本だが、それだとやった感じがしないので強くやるんだと言っていましたが、まるで対照的ではありませんか。
 いずれも、左:剪定前 右:剪定後
 大きさや樹形そのものは変えていない。
 小枝も残しながら、不用な枝を落としている。

 久喜の街路樹と比べてほしい
 久喜市の街路樹たち・続編
 この時期の強剪定、常緑樹がスカスカ
 久喜市の街路樹たち

9.江戸川区の街路樹管理の担当課は「土木部 水とみどりの課」で、街路樹維持管理にあたるのは「設計係」や「調整係」です。
 課長や係長さんのお話を通じて、街路樹をより生き生きとより美しく育てていこう、その取り組みを他市の私たちにも知ってほしい、広げてほしいという思いが伝わってくるようでした。
 特に、「造園職」という名前の職員が30数名も配置されていることが、江戸川区の「緑」の行政を象徴していると言ってよいでしょう。

10.江戸川区のもう一つの大きな特徴は、道路や街路樹に関わる区民のボランティアを育成し、その協力と理解のもとに街路樹管理を進めていることです。
 ここでは詳しくは省略しますが、区民の間に街路樹を大切にしていこうという気持ちを育てることにつながっているようです。

江戸川区の街路樹

 住宅地の中の街路樹。
 道路側は車の通行の支障にならないように、高い位置で枝を落としている。
歩道側は民家に枝が入り込まないように短くしている。
 自然樹形を活かし、タマゴ型の剪定で、青々と葉を茂らせている。

 久喜の街路樹だと、枝の間を覗くと、剪定した枝がそこら中でコブ状になっているのだが、ここでは剪定跡のコブは見当たらない。
 久喜と剪定のやり方が違うのだろうか。
   これも車や人の通行の妨げにならないように、円錐形に剪定している。
 久喜の場合、ひこばえや低い位置からの枝が横に張りだして、人はよけて歩いているのだが…。
 通行の支障にならないように、下の方の枝は徹底的に落としているのだが、コブを作らせてはいない。

 久喜の街路樹の場合は、下の枝を落とした跡も、ことごとくコブ状になってしまっているのだが、どうしてこうも違うのか。 

 ひとつ、付け足しです。
 街路樹の葉が繁っていると、ムックドリが寄ってくるということで、江戸川区でも住民から苦情が多くあるそうですが、それに対して、鳥の嫌う音波で追い払う対策を取っているとか。
 《特殊波動方式の鳥獣被害防除装置 「エイカー」》というのだそうですが、少し調べてみたいと思います。


新座市の《資源ごみの民間回収方式》を視察
【7月11日・久喜市議会教育環境常任委員会】
2016/8/5

   市議会教育環境常任委員会は7月11日、新座市の《資源ごみの民間回収方式》についての視察を実施しました。
 久喜宮代衛生組合では現在は資源ごみは《公共回収》をしていますが、《民間回収への移行》をめざして、ごみ減量等審議会にその方策を諮問し、検討しています。
 新座市は人口約16万人、予讃規模は一般会計約470億円で、久喜市(人口15万人、一般会計約470億円)とほぼ同じです。
 その新座市では、[紙・衣類]の回収を100%資源集団回収で実施しています。
 1988(昭63)年からモデル地区でスタートし、1998(平成10)年ころには町内会を中心に実施、2005(平成17)年に行政による回収を完全に廃止しました。
 モデル事業を開始した当初は、新聞、雑誌、ダンボール、布類、牛乳パック、空きビン、鉄類、アルミ缶を回収対象とし、回収団体に対して10円/sの奨励金を交付していました。
 現在は、[紙類・布類]について団体に対して4円/sの奨励金を交付しています。

 集団回収登録団体は、60の町内会の他、マンションや団地の自治会、地域の団体、PTA、子供会、地域サークルなどさまざまで、全部で158団体にのぼっています。
 紙・布類の他に、8割くらいの団体はアルミ缶も扱っていますが、アルミ缶等については市場価格にゆだねて、補助金を出していません。

 町内会の[紙・布類]の回収日は週1回、回収場所は可燃ごみなどのごみステーションと同じで、市で作成している「ごみ・資源の分別・収集日程表」にも掲載されています。
 ということは実態としては、現在の久喜宮代衛生組合の公共回収と変わらないとも言えそうで、実際、住民の中では自治会や町内会に未加入の人も意識しないで出している場合もあるそうです。

 それ以外の地域団体やサークルの場合は、多くは月1回、回収場所は団体代表者の自宅前などで自主的に決めています。

 資源ごみ(紙・布類)の回収を公共回収でなく、全面的に民間回収によって行うことにした理由は、
(1)資源回収団体に補助金を交付しても、公共回収で回収業者に委託料を支払うよりも市の財政負担は少なくてすむ、
(2)市民団体、資源回収団体の地域活動費用への支援、
(3)資源・ごみを合わせた総量としての「ごみ減量・再資源化の促進」です。

 対象となる団体は、新座市の地域住民で構成する町内会、自治会、子供会、PTA等、営利を目的としない団体、20世帯以上の参加などが条件で、団体が資源回収業者と話し合って、回収日時、品目、場所、実施方法などを決定し、市役所リサイクル推進課窓口に登録します。
 町内会・自治会で登録している場合でも、業者が町内会ごとに計量して伝票を確認し、1か月ごとに資源集団回収実施報告書に記入して市に提出し、団体に対して1sあたり4円の奨励金(集団資源回収事業実施要綱で規定)が支払われます。

 新座市の取り組みの大きな特徴は、協力事業者に対する補助金があることで、現在は、回収業者に対して[紙類]1円/s、「布類」4円/sの補助金が支払われています。
 これは、協力事業者補助金交付要綱で、紙類等の市況価格に応じて金額が決められています。
 つまり、市況価格1円未満の場合は4円、5円〜7円の場合は1円などとなっていて、業者の事業活動と利益が保証されるようになっています。
 逆に、市況が高い場合には、9円〜11円の場合は1円、11円〜13円では2円などと業者から市に納入金を支払います。

 集団回収団体への2015年度の交付金総額は2633万円で、大きな町内会の補助金額は年間100万円にのぼるところもあるそうです。
 協力事業者への2015年度の交付額は780万円、集団回収団体と事業者を合わせた、[紙・布類]回収に関わる事業費総額は3400万円となります。

 下の表は2014年度の県内40市の比較です。
 新座市での、資源集団回収の活発化によるごみ減量の成果は、1人1日あたりのごみ総排出量は805gで県内8位ですが、集団回収量を差し引いた総排出量は687gで県内1位にランクされています。
 久喜市はごみ排出量で16位、集団回収量を除いたごみ排出量では23位です。

人口
(人)
ごみ総排
出量(t)
ごみ排出量
(g)1人1日
あたり



集団回
収量(t)
集団回収
量(g) 1人
1日あたり
ごみ排出量
−集団回収
量(g)1人
1日あたり



新座市 163,107 47,918 805 8 7,024 118  687 1
富士見市 109,070 29,934 752 1 1,566 39  713 2
朝霞市 133,849 38,196 782 2 2,208 45  737 3
和光市 80,077 23,045 788 4 1,245 43  746 4
坂戸市 101,191 29,337 794 6 990 27  767 5
 
久喜市 154,877 48,064 850 16 1,800 32  818 23

 また、新座市の資源集団回収量7024トンというのは、人口のほぼ同じ久喜市の約4倍で、県内でダントツのトップです。

 久喜宮代衛生組合では「ごみげんりょう(減量・原料)大作戦」に取り組んでいますが、新座市では「見直そう・ごみ半減」に取り組んでいます。
 実際、2015年度の家庭系可燃ごみは2万6250トン、1人1日あたりでは438gと着実に減量化してきており、同時に資源集団回収量も2006年9950トンから、社会的な「紙離れ」の影響もあって、2015年度には6584トンまで減ってきています。
 ただ、これは逆に、団体への奨励金が減少していくとすれば地域活動への影響が懸念されるとも言えます。

沼井公園、東鷲宮小学校と久喜北小学校のビオトープを視察
【久喜市議会教育環境常任委員会】
2016/7/15

  6月27日、市議会教育環境委員会の所管事務調査で、市内の公園と学校のビオトープの現状を視察しました。
 久喜市環境基本計画(2013年)では、《環境目標U 豊かな自然と人がともに生きるまち 1.生物の多様性の確保 (2)身近な野生生物の保護》として、「野生生物の棲息空間(ビオトープ)の保全と保護を推進します」と規定しています。
 「久喜市の環境」27年版(28年3月発行)では、「久喜市内の身近なビオトープ」を一覧表にして掲載しています。
 公園ビオトープとして、香取公園、古久喜公園、沼井公園、学校ビオトープとして、久喜地区の10校の小学校と菖蒲東小学校、東鷲宮小学校が掲載されています。
 この日に視察したのは、沼井公園、東鷲宮小学校、久喜北小学校です。
 合併前に、久喜市内の各小学校のビオトープを見て回ったことがありましたが、しばらく行っていません。当時印象の強かった久喜東小学校の三角池、青毛小学校の青毛の森をもう一度見に行こうと思います。

沼井公園のビオトープの現状

  沼井公園は東鷲宮地区の開発に伴い1985年に調節池として整備された公園ですが、池の中に浮島と野鳥観察用の桟橋が設置されてビオトープに位置づけられています。
 浮島にはカワウやサギがたくさん群れていました。
 桟橋の壁に観察用の窓が設置されていて、覗いてみると、カワウたちが営巣しているようです。
 すぐ足下の水面を見ると、ミドリガメがざっと数十匹(数え切れないほど多い)、群れをなして寄ってきました。(写真ではわかりませんが、緑色の藻の中に、ミドリガメがうようよいるのです)。
 これは住民が放流したのが殖えたのだろうと思われ、人が近づくと寄ってくるということはエサをやっているのでしょう。
 水面は完全に藻で覆われていて透明度はゼロ、ミドリガメという外来動物が大繁殖している状態は、ビオトープとしてはどうなのか、疑問を抱きました。
 久喜市が、沼井公園を「ビオトープ」として保全するためにどのように管理しているのか、また現在の状態を「ビオトープ」としてどのように評価しているのか、調査の必要を感じました。

東鷲宮小学校のビオトープ

  東鷲宮小学校のビオトープは、もともとあったひょうたん池が放置されて荒れ果てていたのを、保護者の皆さんで整備し直して、「ふれあい広場(植物園)」と名付けられています。
 水辺の植物の観察、実のなる木が植えられていたり、チョウを呼ぶ食草、トンボやバッタ、カマキリなど、多様な生態系の観察に活かされているようです。
 クワガタやカブトムシもたくさんいるようです。
 植物は、アカザ、ヨメナ、ツユクサ、ツメクサ、エノコログサ、カヤツリソウ、オオバコ、ハギ、キキョウ、スイレン、ガマ、マコモ、希少種のデンジソウもあるそうです。
 いちばん気になったのは、そこここにセイタカアワダチソウが伸びてきていて、これは放置しておけば在来の他の草たちを押しのけてはびこってしまいますから、花が咲く前に急いで根っ子(地下茎)から抜き取らなければなりません。
 これは抜いても抜いても後から後から生えてきますから、完全に駆除できるまでには根気が必要です。
 もう一つは、水面がやっぱり藻で覆われていて、水生動物の姿がまったく見られなかったこと、いつの頃からかアメリカザリガニが繁殖してしまっているらしいのです。
 アメリカザリガニも外来種で、ビオトープの大敵ですから、「ビオトープ」として保全するならば大急ぎで駆除しなければならないのですが、アメリカザリガニは子どもたちの人気者なので先生方も保護者の皆さんも苦慮しているらしい…。
 リンゴの実が大きくなっていたのですが、これは園芸種なのでビオトープにはそぐわない気がしました。
 説明板には植物たちの名前が記され、観察記録もあって、これを作った方の熱意が伝わってくるようでしたが、かなり色あせて古いままになっていたのが残念な気がしました。

久喜北小学校のビオトープ

  久喜北小学校のビオトープは、2003年に保護者や児童たち、地域のボランティア、先生方、の共同作業で整備されました。
 工事現場などから不用になった資材をもらい受け、すべて手作りで、かかった費用は44万円だったと記されています。
 普通は校庭の片隅に設置されますが、ここの場所は校舎とプールの間の狭い空間で、校舎の壁に接して土が盛られ、水路を掘って水生植物を植えました。
 当初は簡易井戸を掘ってポンプで水を汲み上げたということですうが、現在は雨水と、私たちが見に行ったときは、校舎の中からホースで水を引いて流していました。
 水路にはメダカなどが泳いでいました。
 何よりもいいところは、このビオトープは校舎に接して作られていてたいへん狭いので、校舎の窓からよく見えて一目で全体を見渡すことができます。
 水路も小さく、ちょろちょろと水の流れがあるので、透明で泳いでいる小魚や水底までよく見えます。
 校長先生のお話によると、アメリカザリガニなどを放さないように、子どもたちだけでの立ち入りは禁止だそうです。
 よく管理されていて、セイタカアワダチソウは1本も生えていませんでした。
 2013年には、「全国学校ビオトープコンクール」で、日本生態系協会賞を受賞しています。

東武鉄道の特例子会社「シンフォニア東武」を視察
2016/5/12

  5月11日に、埼玉東部地区地方政治改革ネットの会員9名で、東武鉄道の特例子会社「シンフォニア東武」の障害者雇用を視察してきました。
【参加者】 猪股/久喜、川辺/久喜、湯谷/蓮田、遠藤/白岡、岩田/吉川、片山/春日部、村上/三郷、福井/白井、小田川/白井

  シンフォニア東武は2007年に、東武鉄道の社会貢献活動の一環として、障害者雇用を進めるために設立されました。
 本社・北春日部事業所、押上事業所、スカイツリーライン事業所、南栗橋事業所の4か所に、事務職員の他、「パートナー」と呼ばれる知的障害のある従業員48名が雇用されています。
 他に、「チーフ」と呼ばれる指導員(ジョブコーチ)16名がいて、パートナーさんたちの指導にあたっています。
 この日に視察した北春日部事業所には、パートナーさん10名が3班に分かれて、それぞれにチーフが付いて、作業にあたっていました。
 午前中の作業は、北春日部東口の乗務管理区にある乗務員の仮眠施設で、仮眠室50室の清掃とベッドメイキング、トイレ、洗面所、シャワー室、浴室等の清掃、午後は事務室の清掃や隣接するグランドの清掃や芝管理などの作業を行っています。

 当日は朝8事50分から事務室内で朝礼が行われました。
 まず、1人1人が等身大の鏡に向かって、身だしなみを整え、笑顔を作り、45度に礼をして、鏡に映った自分自身を確認します。
 1人1人が所長の前に座って、身だしなみや顔色を確認してもらい、ガッツポーズをします。
 朝礼では、『私たちの仕事は、職場を明るくすることです』『私たちは、「あいさつ」「笑顔」「そうじ」で職場を明るくします』『大きく元気なあいさつで、職場を明るくします』『日本一の笑顔で、職場を明るくします』『いっしょうけんめいの掃除で職場を明るくします』といったスローガンや1人1人の目標を、何度も何度も大きな声で話します。
 それから、3班に分かれて、それぞれの今日の仕事を確認します。
 次に事務室の前に出て、ラジオ体操をしてから、それぞれの仕事場所に向かいます。

細かいマニュアルに基づく作業手順

 実際に午前中の作業のようすを見せてもらいましたが、パートナー同士で声を掛け合いながら、きびきびと進めていました。
 ベッドメイキングは、ベッドのシーツをはがして、たたんで置く、交換するシーツや毛布を並べる、シーツを置いて伸ばして、毛布を置いてカバーを掛け、布団をカバーに入れる、これらの作業が決められた手順通りに、スムーズに進められていきます。
 洗面台の清掃は、ぞうきんをゆすいで力を入れて絞り、鏡を拭いて、洗面台を洗い、排水溝を洗い、蛇口を洗うという作業があらかじめ決められた流れに沿って進められていって、洗い残しはまったくありません。

 これらの作業手順は完全にマニュアル化され、細かい1つ1つの手順が体や手の動かし方に至るまで写真で整理されていて、チーフが1人1人のパートナーにマンツーマンで、完全に覚えるまでつきっきりで教えるそうです。
 それによって、最初はベッドメイキングに2人で20分以上もかかりましたが、手順を覚えてしまえば皆が4分で完了するようになったそうです。
 掃除機をかけるのも、あいまいに「この部屋を掃除してください」ではなく、部屋の入り口の隅の角からどのような順番で掃除機を動かすかまで、細かくマニュアルが決められています。

 企業で障害者雇用が進まない口実として、「障害者に適した仕事がない」という言い方がよくされますが、「障害者に適した仕事をさがす」のではなくて、その仕事(作業)を障害者が行うにはどうしたらいいかを考え、障害者が行えるように作業の手順を決め、その作業手順と体の動かし方を、障害者1人1人に教えていけばいいということです。
 これは言われてみればあたりまえのことなのですが、こうした発想の転換をしていけば障害者雇用は大きく広がっていくのではないでしょうか。
 事務室内には、練習用にトイレ便器が設置され(写真)、便器に貼ってある赤い紙に拭く順番が書かれているので、パートナーさんたちみずからがその通りに清掃していく練習をしているのですが、こうした環境整備も必要なのです。

 また、パートナーの皆さんにとって、きちんと仕事の成果を評価してあげることが大切で、それも「よくできました」ではなくて、「100点です」と点数評価が励ましになるということでした。

 この会社の事業は、東武鉄道から委託された清掃の仕事を通して職員の皆さんが気持ちよく働ける環境を作ることであると同時に、障害者が自身の労働を通じて障害者1人1人を成長させていくことでもあるのです。
 パートナーさんたちの雇用は、基本は1年契約ですが、当然延長もできて、いちばん長い人は会社設立時から10年間、ここで働いています。(彼は、所長さんのアシスタントとして新人さんの指導に当たることもあるそうです)。
 賃金は埼玉県の最低賃金(現在は820円)ですが、年2回の期末手当も付きます。

特例子会社とは何か

 特例子会社とは、「障害者の雇用促進等に関する法律」に基づき、事業主が、障害者の雇用に特別に配慮した子会社を設立したものです。
 厚生労働省の認定を受けると、子会社に雇用している従業員を、親会社に雇用されているものと見なし、実雇用率に合算できることになります。
 法で定められた法定雇用率は従業員50人以上の民間企業では2.0%、国や地方公共団体は2.3%で、法定雇用率を下回っている企業には負担金が課して、それを上回っている企業に対する奨励金や助成金に充てられています。
 しかしこの制度は実際には、障害者を雇用しなくても納付金を支払えばいいという解釈も成り立ってしまいます。

 東武鉄道とそのグループ子会社、シンフォニア東武を合わせた障害者雇用のグループ適用で、全体として3.08%の雇用率を達成しています。

 所長さんがパートナーさんたちに向かって、何回も何回も確認されていたことは、「ここは作業所や福祉の職場じゃなくて、会社なんです。企業なんです」ということでした。
 私たち自身、障害者の福祉作業所というイメージがあったのですが、そうではなくて、障害者を労働者として雇用しているのであって、一定の労働効率と規律が確立されていることにあらためて気付かされました。

久喜宮代衛生組合の、生ごみ減容化処理 HDMシステムを視察
埼玉東部地区地方政治改革ネット

2016/2/21

  2月19日に、埼玉東部地区地方政治改革ネットで久喜宮代衛生組合の生ごみ堆肥か事業の視察を行いました。
 地方政治改革ネットは、久喜、宮代、蓮田、白岡、越谷、吉川、三郷などのおもに無所属市民派の議員のネットワークで、毎月の定例会で勉強会や情報交換、視察などを行っていて、千葉や茨城の近隣の礒委も何人か参加しています。

 久喜宮代衛生組合の生ごみ堆肥化事業は、老朽化した焼却炉を立て替えるに当たって、周辺住民の理解を得るために「燃やす量を減らして、できるだけ小さな焼却炉にする、地区内に最終処分場も持たないので、できるだけ焼却灰などの埋め立て処分をする量も少なくする」という理念を実現するために取り組んできました。
 最初のプラントは、2003年には5億円をかけて大地のめぐみ資源循環センターを建設、生ごみ堆肥か事業をスタートしましたが、これはコスト面からうまくいきませんでした。
 その後、2008年に、生ごみ減容化処理及び堆肥化製造音実証実験を開始、区域内1万世帯のモデル地区から約5000世帯の参加を得て、現在のHDM処理システムによる減容化に主眼を置いた堆肥化を行っています。
 このHDMシステムは、木材チップにまぶしたHDM菌の菌床300m3に、生ごみ1日平均4トンを投入していきますが、投入した生ごみのほぼ97%が水と炭酸ガスに分解されていきます。
 年に数回、一部を取り出して2次熟成し、堆肥としてモデル地区の希望者の過程に配布しています。
 燃やせるごみの焼却にかける費用はトンあたり3万円に対し、この減容化・堆肥化システムの費用はトンあたり5万円くらいとされていますが、実際にはその経費の3分の1は生ごみ収集の人件費ですから、経費としてはほとんど変わらないといってもいいと考えられます。

 久喜宮代衛生組合ではオープンな建屋の中で作業を行っていますが、好気性発酵でほとんど臭いもなく、生ごみを投入した菌床の山の大きさはまったく増えていかない、どんどん分解していってしまうというすぐれものです。
 この日は10数人の議員さんたちで視察したのですが、「本当に全部分解されちゃくの?」「毎日4トンを投入しても山が全然大きくならないんですか?」とびっくりしていました。
 この衛生組合の取り組みは、ごみをできるだけ燃やさない、焼却施設をできるだけ小さくする、焼却灰もできるだけ出さないという、循環型社会の先端を行くシステムです。
 日本のごみ処理の主流は、何でも燃やしてしまえばいいという固定観念にとりつかれているのが実情です。
 こうした自然の循環を大切にしたごみ処理方式が、もっともっと全国に広がっていって欲しいと思います。

市議会教育環境委員会で、熊谷清掃社を視察 (2016/2/4)

 実はこの衛生組合のHDM処理システムは、熊谷市内にある「熊谷清掃社のHDM処理システム」に委託して実施している事業です。
 2月4日には市議会教育環境委員会で、熊谷清掃社の処理現場を見に行ってきています。
 こちらは産業廃棄物と一般廃棄物を合わせて日量20トン処理しています。
 菌床の山(コロニーと呼んでいます)は約600m3で、久喜宮代衛生組合と比べると、約2倍のコロニーに、生ごみを4〜5倍も投入していることになります。
 それでも久喜宮代と同様に山はまったく増えずに、分解率は99%と説明されていましたが、少し臭気がしていて、これはコロニーの容積に対して投入量が多いせいかもしれないと説明されていました。
 臭気が外に出ないように、作業施設の中は陰圧にし、さらに活性炭処理をしているとのことでした。
 ランニングコストはトンあたり1万6900円で、単純比較はできませんが、久喜宮代衛生組合の3分の1くらい、これなら焼却処理よりも安く処理できていることになります。
 家庭からの生ごみに比べて産業廃棄物は質が比較的一定であることや、収集運搬の人件費の違い、それと規模のメリットで処理量も大きいために、トンあたりのコストが軽減されているものと考えられます。

発達障害児の学習保障 《学習塾 Leaf》を視察
2015/9/2

 8月30日、南越谷駅前にある 《Leaf》 という学習塾・幼児教室を見学してきました。
 「子どもたちの新しい学びをデザインする」というキャッチフレーズで、「幼児から高校生まで、生活スキルやソーシャルスキル、基礎学習について」、一人ひとりにあった方法で「教育」に取り組んでいます。
 ここはいわゆる勉強(進学)のための学習塾と違って、子どもたちそれぞれに異なる認知特性や心理特性に合わせて、勉強が苦手な子どもたち、友だちとの関わりが苦手な子どもたち、自閉症、ダウン症、LD・ADHD、発達障害などの子どもたちに、「学びの場」を提供しています。
 この経営主体は 《LITALICO》 という株式会社で、 《Leaf》 の他に、就労支援事業の 《WINGLE》、子どもたちのモノ作り教室の 《Qremo》、家族や保護者のネットワーク(コミュニティサイト) 《ふぁみえーる》 などを運営しています。
 就労支援事業で行政との連携を持っていて、越谷市からの事業委託も受けているそうです。

 発達障害を抱えた子どもたちや保護者のニーズに、行政が応え切れていない現実がある中で、民間の自由で柔軟な手法で子どもたちの発達保障に取り組んでいます。
 おもにネットや保護者らの口コミで広がっていて、東武線沿線の各地域から(遠くは都内からも通ってきているそうです)70〜80人の子どもたちを受け入れていて、さらに40〜50人が“待機”の状態にいるそうです。
 もちろん「学習塾」ですから保護者に“授業料”の負担がかかるのですが、児童発達支援事業で行政の福祉サービスの対象となる場合には1割負担になるそうです。
 埼玉県内では、越谷、大宮、志木、所沢にも 《Leaf》 の教室があります。

 私は最初、株式会社の運営と聞いて「エッ」と思ったのですが、株式会社だからといって必ず利益追求型とばかりは限らないわけで、責任者のお話を聞きながら、子どもたちの発達保障の仕組みとして評価できるのではないかと思いました。
 幼児教室の個室、1対1で学びを進める 保護者はこのモニターで見守っている

 この日は、地方政治改革ネット(近隣の市民派議員で作るネットワーク)の議員12名(久喜からは市民の政治を進める会の猪股・川辺が参加)で研修してきたのですが、私たちがこれまで知らなかった新しい事業・サービスで、もっと勉強してみたいと思いました。