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人権・反差別

生活保護世帯が過去最多、増加の9割が高齢者ひとり暮らし世帯
『声と眼』533号 2017/6/15

 久喜市の生活保護費は2017年度予算では27億3597万円でやや減少が見込まれています。
しかし現実には今年4月には昨年比54世帯増で1218世帯(1718人)と過去最高になりました。
毎月40〜50人が相談に訪れ、10人以上が生活保護を新規に受給しています。

 安倍政権の保護基準引き下げで保護世帯の増加率は鈍化したものの、保護世帯数は全国で160万世帯、210万人を超えました。
日本経済の停滞が続いている中で全体の給与水準は停滞が続いています。
今や勤労者の40%以上、4000万人が非正規雇用で、格差と貧困が拡がっているのではないでしょうか。

1人ぐらし73%、高齢・障害・傷病世帯75%

 生活保護受給世帯の内、約49%が高齢者世帯で、その85%はひとり暮らしです。
生活保護受給世帯数が1年間で54世帯増えた中の42世帯がひとり暮らし高齢者で、高齢者が年金だけで暮らしていけない状態に陥っていることがわかります。
また生活保護世帯全体の76.1%にあたる927世帯が高齢者・障害者・傷病者世帯で、働きたくても働けない市民が生活保護に頼らざるをえないで格差が広がっていることがわかります。

2017年4月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
886世帯
  (75世帯)
505世帯
  (16世帯)
118世帯
  (16世帯)
134世帯
  (9世帯)
  129世帯
  (34世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
332世帯
  (119世帯)
86世帯
 (12世帯)
22世帯
 (5世帯)
62世帯
 (22世帯)
71世帯
 (30世帯)
91世帯
 (50世帯)
合計  1218世帯
  (194世帯)
591世帯
  (28世帯)
48.5%
140世帯
  (21世帯)
11.5%
196世帯
  (31世帯)
16.1%
71世帯
 (30世帯)
5.8%
220世帯
 (84世帯)
18.1% 
2016年4月 1164世帯
  (188世帯)
545世帯
  (24世帯)
46.8%
139世帯
  (22世帯)
11.9%
193世帯
  (22世帯)
16.6%
69世帯
 (33世帯)
5.9%
218世帯
 (87世帯)
18.7% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いていることを示しています。



 多くは高齢などで職につけないのが現実ですが、約17%の世帯は本人か家族が働いています。
母子世帯では44%が働いていますが、それでも収入が保護基準以下しかないということになります。


生活保護世帯が過去最多を更新
『声と眼』527号 2017/3/3

 久喜市の生活保護扶助費は2015年度決算では26億5887万円でした。
16年度予算では27億6693万円、今年度予算では27億3597万円で、やや減少が見込まれています。

 安倍政権が保護基準を引き下げて、保護世帯の増加率は鈍化していますが、それでも全国の保護世帯数は160万世帯、210万人を超えて増え続けています。
久喜市でも2012年に1000世帯に達し、昨年は1200世帯を超えて過去最多を更新しました。
政府の公式統計では“景気は緩やかな回復基調”で雇用環境も好転していると言っていますが、生活の中ではそんな実感はありません。
日本経済の停滞が続いてますます非正規雇用が増えていって、給与水準も上がらずに格差と貧困が拡がっているのではないでしょうか。

 今年度、久喜市の当初予算で当局は、生活保護扶助費の支給総額は昨年度よりも3000億円の減少と見込んでいます。
保護世帯数も人数も増え続けているのに扶助費が減るということは、被保護家庭の生活の質が切り下げられていくことを意味します。
久喜市、2016年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
保護廃止
世帯数
2013 24 11 12 1058 1568
2014 27 10 10 1100 1614 10
2015 30 14 18 1152 1667
2016 44 21 14 1157 1656
45 18 18 1170 1674 20
37 13 15 1167 1671 14
50 25 11 1164 1661 14
42 26 22 1173 1664
46 20 21 1184 1670 16
44 23 15 1184 1672
38 17 17 1192 1688
47 22 13 1198 1688
10 34 16 16 1207 1699 18
11 38 17 15 1205 1700
12 43 14 1206 1704 16

1人ぐらし73%、高齢・障害・傷病世帯75%

 生活保護受給世帯の内、約47%が高齢者世帯で、その85%はひとり暮らしです。
特に、ひとり暮らし高齢者が年金だけで暮らしていけない状態に陥っています。
また、生活保護世帯全体の75%にあたる908世帯が高齢者・障害者・傷病者世帯で、働きたくても働けない市民が生活保護に頼らざるを得ないで格差が広がっていることがわかります。

2016年12月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
879世帯
  (84世帯)
483世帯
  (15世帯)
118世帯
  (20世帯)
141世帯
  (9世帯)
  137世帯
  (44世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
327世帯
  (116世帯)
82世帯
 (11世帯)
24世帯
 (5世帯)
60世帯
 (19世帯)
69世帯
 (28世帯)
92世帯
 (51世帯)
合計  1206世帯
  (200世帯)
565世帯
  (16世帯)
46.7%
142世帯
  (25世帯)
12.0%
201世帯
  (28世帯)
16.2%
69世帯
 (28世帯)
5.7%
229世帯
 (95世帯)
19.4% 
2015年12月 1155世帯
  (188世帯)
514世帯
  (20世帯)
44.5%
135世帯
  (21世帯)
11.7%
208世帯
  (21世帯)
18.0%
67世帯
 (31世帯)
5.8%
231世帯
 (95世帯)
20.0% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いていることを示しています。



 多くは高齢などで職につけないのが現実ですが、それでも約17%の世帯は本人か家族が働いています。
母子世帯では44%が働いていますが、それでも収入が保護基準以下しかないのが現実です。

「最低生活費」の計算方法って

 基本的には働けないなどの事情によって、収入が国の定めた最低生活水準を下回る場合に、生活保護の対象となります。
久喜市の地域の「最低生活費」は、70代のひとり暮らしだと約6万円、60代の夫婦で10万円、40代の夫婦と小学生・中学生の子ども2人世帯は18万円、30代の母親と小学生の子どもの母子世帯では11万円(いずれも概算。住居費や医療費は別)などと算定されます。
少しでも収入があればその差額が生活保護費として支給されます。
 【インターネットで、最低生活費・生活保護金額の自動計算ツールが公開されています。】

【11月市議会】 子どもの貧困対策の充実供花を求める意見書に賛成討論
2016/12/23

 11月議会に、市民の政治を進める会の川辺議員が、子ども医療費助成制度の拡充を求める意見書、子どもの貧困対策の充実強化を求める意見書を提案しました。
 子ども医療費助成制度の拡充を求める意見書は全会一致で可決されましたが、子どもの貧困対策の充実強化を求める意見書は新政久喜と公明党が反対して否決されました。
 猪股が賛成討論、公明党の矢崎、新政久喜の貴志議員が反対討論をしました。

【意見11号】  子どもの貧困対策の充実強化を求める意見書
賛成討論

猪股和雄

 質疑のあり方について、ひとこと申し上げておく。
質疑者から、本文だけではいけないのか、5項目を出したのはどさくさに紛れてと言われた、いったん取り下げて、5項目の具体的な項目はいらない、出し直せと言われた
これは正式に提出された意見書案、そして提案者に対する侮辱ですらある、あまりに失礼だ。
久喜市議会では、議員提出議案は、本会議開会日の1週間前の議会運営委員会の前に、原案の文章を配布しています。それは正式に提出する本会議初日までに、各議員が十分に検討し、意見書原案が適正なのか、もしも大綱的に賛成だが、個々の文章や項目に問題があるなら、修正、変更ができないか、協議もできるようになっています。
市長提出議案は事前協議の余地はないけれども、議員提出議案はそれができるようにしている。
質疑者は副議長ですから、当然この原案を見ているはずだし、協議を行う、協議を呼びかける時間的余裕もあった。
ある意味ではよりよい内容にする、質疑者も含めて賛成できるものにするために、必要であれば協議することはできるし、今まで多くの意見書がそのような過程を経て、場合によっては文言や文章を調整して、成案を出してきている。
今回、質疑者はまるで、提出されてから初めて文章を見たかのように、どさくさで5項目が入ったかのように言われたが、どさくさではなく、最初から入っていたのです。
にもかかわらず、事前の調整を呼びかけないで、最終日の質疑の中で、取り下げを求めるとしたら、それは久喜市議会におけるルールを無視するものだと言わざるを得ない。
この意見書案は、5項目も含めてすべてで意見書案として提案されている。
たとえば医療費助成制度の全国一律の制度などは、内容的に細かい制度の仕組みなどは政府と国会にゆだねられる部分もある。
 そうした部分も含めて、意見書案を可決して国に送付するべきです。

【9月市議会】 臨時職員の賃金をすこ〜し引き上げ
『声と眼』517号 2016/9/10

 埼玉県の最低賃金が10月から改定されて、時給820円から845円に引き上げられることになりました。
現在の久喜市の臨時職員の賃金額は一般事務職員の時給840円で県の最低賃金を下回ってしまうため、市の「臨時的職員取扱要綱」を改正し、わずかながら賃金額の引き上げが決定されました。
臨時職員の賃金は昨年4月に約20年ぶりに改定されたのですが、1年半を経過して再度引き上げられます。

臨時職員の職種 現行額(円) 2016年10月〜 (円)
時給 日給 時給 引上額 日給換算
一般事務 840 6580 870 30 6742.5
学校給食調理員・プール監視員
・司書・学芸員・自動車運転手
920 7160 950 30 7362.5
保育士・幼稚園教諭・栄養士 920 7160 1000 80 7750
ホームヘルパー 970 7550 1000 30 7750
看護師 1150 8950 1180 30 9145
保健師・助産師・主任介護支援専門員
・社会福祉士
1350 10500 1450 100 11237.5
※ 一般事務 940 980 40
※ 学校給食調理員・プール監視員
・司書・学芸員・自動車運転手
1030 1070 40
※ 保育士・幼稚園教諭・栄養士 1030 1130 100
※ ホームヘルパー 1030 1130 100

※ パートタイマーで、定められた勤務時間が8:30〜17:15以外の時間帯に及ぶ者に支給する金額(全勤務時間適用)


 今回の引き上げでも一般事務職は最低賃金すれすれです。
また保育園の待機児童解消のためには、正規・臨時を問わず保育士の増員が不可欠ですが、現在の臨時職員の賃金額ではほとんど応募がありません。
今回、時給80円程度の増額で応募が増えるのかどうか疑問です。
もっと大幅に引き上げなければ…。
 市は「臨時職員は“臨時的・補助的な仕事(だから正職員との賃金格差があっていい)”としているのですが、ほとんどの職場では正規職員と同じ仕事をしているのが実態です。
「同一労働同一賃金」の原則からすれば、特に保育士などの専門職は正規職員の給与水準にもっと近づけるべきです。


 生活保護世帯数が過去最高を更新
2016/9/1

  久喜市の生活保護扶助費は、15年度予算では27億6693万円と見込まれています。
13年以降の安倍政権による保護基準の引き下げによって増加率は鈍化していますが、それでも2012年に1000世帯に達してから、14年には1100世帯を超え、今年に入って2月には1170世帯と過去最多を更新しました。

 最近は「廃止=保護の打ち切り」も毎月10〜20世帯にのぼりますが、日本経済の停滞が続く中で格差と貧困が拡がり続けているのではないでしょうか。

久喜市、2014〜2015年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
保護廃止
世帯数
2014 27 10 10 1100 1614 10
2015 40 28 26 1120 1632 10
40 18 12 1121 1635 11
61 30 28 1139 1655
30 14 18 1152 1667
28 12 10 1154 1671 16
43 22 12 1147 1656 15
35 17 20 1149 1653 13
28 16 12 1151 1649 16
40 20 11 1144 1634 13
10 46 24 20 1149 1638 12
11 45 20 13 1150 1646 15
12 42 19 19 1155 1653 15
2016 44 21 14 1157 1656
45 18 18 1170 1674 20
37 13 15 1167 1671 14
50 25 11 1164 1661 14
42 26 22 1173 1664
46 20 21 1184 1670 16

1人ぐらし72%、高齢・障害・傷病世帯75%

 生活保護受給世帯の内訳では、約72%が1人暮らし、約45%が高齢者世帯で、前年度よりも45世帯(7%)の増で、単身高齢者の増が顕著です。
生活保護世帯全体の75%にあたる851世帯が高齢者・障害者・傷病者世帯で、格差が広がっていることがわかります。
2016年6月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
864世帯
  (79世帯)
473世帯
  (13世帯)
122世帯
  (20世帯)
131世帯
  (6世帯)
  138世帯
  (40世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
320世帯
  (110世帯)
81世帯
 (11世帯)
23世帯
 (4世帯)
61世帯
 (17世帯)
66世帯
 (28世帯)
89世帯
 (50世帯)
合計  1184世帯
  (189世帯)
554世帯
  (14世帯)
46.7%
145世帯
  (24世帯)
12.0%
192世帯
  (23世帯)
16.2%
66世帯
 (28世帯)
5.7%
227世帯
 (90世帯)
19.4% 
2015年3月 1139世帯
  (192世帯)
507世帯
  (25世帯)
44.5%
121世帯
  (20世帯)
10.6%
223世帯
  (30世帯)
19.6%
60世帯
 (25世帯)
5.7%
227世帯
 (92世帯)
20.0% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いていることを示しています。


 多くは高齢などで職につけないのが現実ですが、約16%の世帯は本人か家族が働いています。
母子世帯では42%が働いていても収入が保護基準以下しかないのが現実です。
それでも母子世帯の生活保護は毎年5%くらいずつ減少しています。
これらが貧困家庭の切り捨てになっていないでしょうか。


【6月市議会】 給付型奨学金制度の創設を求める意見書に、賛成討論をしました
2016/7/5

 7月1日に行った、「給付型奨学金制度の創設を求める意見書」に対する猪股の賛成討論です。

【意見6号】  給付型奨学金制度の創設を求める意見書
賛成討論

猪股和雄

 意見書本文と、ほかの方々の質疑、討論によって、論点が出尽くしていますので、私は別の論点を1つだけ指摘しておきます。

 子どもの権利条約、政府は公式には「児童の権利に関する条約」と言っていますが、1989年に国連総会で採択され、日本国内では1994年5月22日から効力が発生しました。
 国際条約は、日本も批准して施行した時点で、国内法と同等、あるいは最優先に尊重するべき法となったものです。
 28条には、「締約国は、教育についての児童の権利を認めるものとし、この権利を漸進的にかつ機会の平等を基礎として達成するため、特に」として、初等教育の義務および無償の規定、中等教育の次に、「すべての適当な方法により、能力に応じ、すべての者に対して高等教育を利用する機会が与えられる」と規定しています。
 また別の訳文では、「高等教育を、すべての適当な方法により、能力に基づいてすべての者がアクセスできるものとする」とされています。
 つまり、すべての者が、すべての子どもがです。高等教育である大学で教育を受けることは、権利であるとされているのです。
 それはまた、能力に応じてであって、経済力によって制限されてはならないということです。

 これが、大学教育についての国際標準です。
 もちろん、世界中には戦争や紛争、国家的な貧困によって、現実的には、高等教育にアクセスする権利が、すべての子どもに対して保障されていない国々が存在している現実があります。
 しかし、OECDに加盟する34カ国の先進国の一員であり、G7の一員で、世界第3位の経済力を持ったこの日本で、経済的理由によって、大学へ行けない、あるいは中途退学せざるをえない、あるいは人によって、場合によっては返済が困難になるほどの奨学金制度しかないなどということを、世界の誰が信じるでしょうか。
 日本は、子どもの権利条約の批准によって、「能力に応じ、すべての者に対して高等教育を利用する機会」を保障する責任を負い、国際的な約束をしたのです。

 もう一つ、いま、日本の大学、高等教育の水準は国際的に低下しているといわれている。
 であればこそ、日本は、日本の高等教育のレベルアップのためにも、いま、意欲のあるすべての子どもに高等教育にアクセスする権利を保障するべきなのです。

 学生の意欲とか、求職状況は悪くないからとか、就職先が非正規であろうがなかろうが、そんなことは本来、関係ないのであって、そんなことを理由に掲げて、給付型奨学金が必要でないなどということ自体が、すべての子どもが、高等教育にアクセスする権利を保障しなければならないという基本を忘れていることになります。

 したがって、いま、貧困と格差の拡大がこれほどにクローズアップされている日本において、給付型奨学金が政治的課題になってきているのは当然といわなければなりません。
 給付型奨学金の実現、あるいは検討は、自民党、公明党、民進党、共産党、等々の主要政党が参院選の公約に掲げています。
 いま、この意見書を可決して政府と国会に送るべきです。

【6月市議会】 給付型奨学金制度の創設を求める意見書が可決されました
2016/7/2

 市議会最終日の7月1日、「給付型奨学金制度の創設を求める意見書」の質疑、討論、採決が行われました。
 新政久喜の春山議員が“賛成”の立場から、一方で平沢議員が“反対”の立場から質疑を行い、採決では、市民の政治、公明党、共産党が賛成、また新政久喜の中で賛否が分かれ、賛成多数で可決されました。

  賛成 反対
市民の政治 猪股・川辺・田中
【猪股が賛成討論】
共産党 杉野・渡辺・石田・平間
【石田が賛成討論】
公明党 岡崎・戸ヶ崎・斉藤・丹野
新政 新井・宮崎・大谷・春山・富沢・岸・山田 貴志・平沢・成田・井上・園部・並木・鈴木
【貴志・平沢が反対討論】

 公明党の矢崎議員はご不幸のため最終日の本会議を欠席しました。


 給付型奨学金制度の創設を求める意見書
『声と眼』512号 2016/6/16

 格差社会の中で、子どもの貧困は大きな政治的課題です。
家庭の貧困故に進学できない現実は貧困の連鎖を生み出し、日本では現在は貸与型奨学金しかないため、奨学金を受けて大学を卒業しても、就職難や非正規雇用が広がる中で返済できなくなって、さらに貧困に陥ってしまう現実があります。
そこで市民の政治を進める会は6月市議会に他会派と共同で、「給付型奨学金の創設を求める意見書」を提出しました。提案説明は川辺議員が行う予定です。

 意見書は、
(1)日本国憲法第26条は「能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利」、教育基本法第4条は「経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない」と既定している。
(2)OECD加盟国33か国のすべてが大学授業料が無償または給付型の奨学金が制度化されている。
(3)現在の貸与型奨学金の利用者に対しては、返還免除制度の拡大、所得連動返還型の既卒者への適用などに取り組むべきである。
(4)現行の貸与型奨学金制度の金利引き下げを図るとともに、早急に給付型奨学金を創設するよう求める、としています。


 生活保護世帯数が過去最高を更新
『声と眼』510号 2016/5/7

  久喜市の生活保護扶助費は、15年度予算では27億6693万円と見込まれています。
13年以降の安倍政権による保護基準の引き下げによって増加率は鈍化していますが、それでも2012年に1000世帯に達してから、14年には1100世帯を超え、今年に入って2月には1170世帯と過去最多を更新しました。

 最近は「廃止=保護の打ち切り」も毎月10〜20世帯にのぼりますが、日本経済の停滞が続く中で格差と貧困が拡がり続けているのではないでしょうか。

久喜市、2014〜2015年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
保護廃止
世帯数
2014 41 19 10 1094 1594 18
31 14 16 1093 1599
  35  18  13 1097 1614 10
27 10 10 1100 1614 10
40 16 12 1099 1614 14
36 14 16 1102 1614
32 18 17 1112 1632 11
36 12 1107 1619 14
55 17 13 1107 1621 19
10 49 14 11 1103 1610 15
11 36 15 10 1100 1602
12 36 23 17 1108 1615 12
2015 40 28 26 1120 1632 10
40 18 12 1121 1635 11
61 30 28 1139 1655
30 14 18 1152 1667
28 12 10 1154 1671 16
43 22 12 1147 1656 15
35 17 20 1149 1653 13
28 16 12 1151 1649 16
40 20 11 1144 1634 13
10 46 24 20 1149 1638 12
11 45 20 13 1150 1646 15
12 42 19 19 1155 1653 15
2016 44 21 14 1157 1656
45 18 18 1170 1674 20
37 13 15 1167 1671 14

1人ぐらし72%、高齢・障害・傷病世帯75%

 生活保護受給世帯の内訳では、約72%が1人暮らし、約45%が高齢者世帯で、前年度よりも45世帯(7%)の増で、単身高齢者の増が顕著です。
生活保護世帯全体の75%にあたる851世帯が高齢者・障害者・傷病者世帯で、格差が広がっていることがわかります。

2016年3月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
838世帯
  (74世帯)
464世帯
  (8世帯)
115世帯
  (16世帯)
123世帯
  (5世帯)
  133世帯
  (41世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
329世帯
  (115世帯)
81世帯
 (12世帯)
25世帯
 (6世帯)
64世帯
 (14世帯)
66世帯
 (28世帯)
93世帯
 (55世帯)
合計  1167世帯
  (189世帯)
545世帯
  (20世帯)
46.7%
140世帯
  (22世帯)
12.0%
187世帯
  (19世帯)
16.2%
66世帯
 (28世帯)
5.7%
226世帯
 (96世帯)
19.4% 
2015年3月 1139世帯
  (192世帯)
507世帯
  (25世帯)
44.5%
121世帯
  (20世帯)
10.6%
223世帯
  (30世帯)
19.6%
60世帯
 (25世帯)
5.7%
227世帯
 (92世帯)
20.0% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いていることを示しています。


 多くは高齢などで職につけないのが現実ですが、約16%の世帯は本人か家族が働いています。
母子世帯では42%が働いていても収入が保護基準以下しかないのが現実です。
それでも母子世帯の生活保護は毎年5%くらいずつ減少しています。
これらが貧困家庭の切り捨てになっていないでしょうか。


2015年12月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
829世帯
  (73世帯)
435世帯
  (8世帯)
110世帯
  (15世帯)
143世帯
  (7世帯)
  141世帯
  (43世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
329世帯
  (115世帯)
79世帯
 (12世帯)
25世帯
 (6世帯)
65世帯
 (14世帯)
67世帯
 (31世帯)
90世帯
 (52世帯)
合計  1155世帯
  (188世帯)
514世帯
  (20世帯)
135世帯
  (21世帯)
208世帯
  (21世帯)
67世帯
 (31世帯)
231世帯
 (95世帯)
  44.5% 11.7% 18.0% 5.8% 20.0% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いています。


 生活保護世帯は減っていない
2016/1/10

 久喜市の生活保護受給者数は一昨年までは毎年10%以上もの増加が続いていました。
 昨年は生活保護基準を切り下げたため、増加率がやや鈍化してきています。
 昨年、2015年5月の1154世帯・1671人がピークで減少傾向も見られると書きましたが、実際には増えたり減ったりの状況が続いています。
 もともと収入がほとんどないか基準よりも大幅に低い人が生活保護を受けていたため、保護基準が引き下げられても受給者の増減にはあまり影響がないものと思われます。
 一方で、5月以降の保護廃止世帯数が毎月10世帯以上にも上っています。
 これは、就労できたことによるものか、またはボーダーライン上にあった世帯が保護を外されたのか、貧困世帯の切り捨てにならないよう、注視していく必要があります。

高齢・障害・傷病者世帯が76%

 生活保護世帯の内訳では、今年3月との比較では特に高齢者世帯が増えてきています(前年比較では44世帯・4%の増)。
 これから高齢化が進めば進むほど、高齢者世帯の生活保護がさらに進むと推測されます。
 一方で、母子世帯は毎年5%くらいずつ減少しています。
 また「その他の世帯」は、世帯主が稼働年齢の世帯ですが、働いていない世帯数、働いている世帯数とも増えていることから、失業や働いていても賃金が最低生活費に届いていない層が多いとみられます。

2015年11月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
822世帯
  (71世帯)
433世帯
  (8世帯)
109世帯
  (14世帯)
144世帯
  (8世帯)
  136世帯
  (41世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
328世帯
  (110世帯)
79世帯
 (13世帯)
25世帯
 (6世帯)
67世帯
 (15世帯)
67世帯
 (27世帯)
90世帯
 (50世帯)
合計  1150世帯
  (181世帯)
512世帯
  (21世帯)
134世帯
  (20世帯)
211世帯
  (23世帯)
67世帯
 (27世帯)
226世帯
 (91世帯)
  44.8% 11.7% 18.3% 5.8% 19.7% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いています。


 生活保護世帯の増加傾向が止まったのか?
2015/11/13

 久喜市の生活保護受給者数は一昨年までは毎年10%以上もの増加が続いていました。
 昨年は生活保護基準を切り下げたため、増加率がやや鈍化してきています。
 今年度4月以降の保護世帯数を昨年から比較する3〜と4%の増ですが、今年5月の1154世帯・1671人をピークに減少傾向も見られます。
 5月以降の保護廃止世帯数が毎月10世帯以上にも上っており、生活保護打ち切りが増えていますが、貧困世帯の切り捨てにならないよう、注視していく必要があります。

高齢・障害・傷病者世帯が76%

 生活保護世帯の内訳では、今年3月との比較では特に高齢者世帯が増えてきています(前年比較では44世帯・4%の増)。
 これから高齢化が進めば進むほど、高齢者世帯の生活保護がさらに進むと推測されます。
 一方で、母子世帯は毎年5%くらいずつ減少しています。
 また「その他の世帯」は、世帯主が稼働年齢の世帯ですが、働いていない世帯数、働いている世帯数とも増えていることから、失業や働いていても賃金が最低生活費に届いていない層が多いとみられます。
 格差がますます広がっているということでしょうか。

2015年9月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
820世帯
  (74世帯)
436世帯
  (10世帯)
108世帯
  (16世帯)
142世帯
  (9世帯)
  134世帯
  (39世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
324世帯
  (118世帯)
79世帯
 (13世帯)
25世帯
 (6世帯)
68世帯
 (16世帯)
63世帯
 (28世帯)
89世帯
 (55世帯)
合計  1144世帯
  (192世帯)
515世帯
  (23世帯)
133世帯
  (22世帯)
210世帯
  (25世帯)
63世帯
 (28世帯)
223世帯
 (94世帯)
  45.0% 11.6% 18.4% 5.5% 19.5% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いています。

 【今年3月の内訳表(下↓)と比較してみてください。】

【一般質問】 生活困窮者自立支援の強化を求める
2015年9月議会、猪股の一般質問 『声と眼』499号 2015/10/14

 4月から生活困窮者自立支援対策の取組が始まりました。
久喜市では社協(ふれあいセンター)に相談窓口を開設し、7月までに65件の相談を受けて、生活保護やハローワークへつなげるなど成果を上げています。
子どもの学習支援にも力を入れています。

 相談者は民生委員や社協の事業を通じて生活相談にくるケースが多いのですが、市の税や水道料金滞納者に窓口を紹介したり、学校や教育委員会などとの連携も強める必要があります。
また社協に全面委託していますが、現実的に職員3人分だけの委託では対応できなくなってきています。
相談や支援に当たる職員体制の強化を検討するよう求めました。

生活困窮者自立支援事業が成果をあげています
『声と眼』496号 2015/8/15

 今年4月から「生活困窮者自立支援法」に基づいて、総合的・継続的な相談支援活動を行うために、久喜市社会福祉協議会(ふれあいセンター)に「あんしん生活相談センター」が開設されました。

 社協の事業を通じて相談にいたるケースの他、市の福祉関係各課や保健センター、民生委員からの紹介、社協窓口への直接の相談など、7月までで65件の相談がありました。
生活苦、失業、病気、家賃や医療費が支払えない、累積債務、引きこもり、虐待などさまざまな相談に、生活保護など市の福祉関係課や税務課、ハローワークと連携するなどして解決に向かっているケースもあります。

 特にそうした家庭の子どもたちの居場所作りと学習支援や進学相談にも力を入れていて、毎週の勉強会に10数人の中高生が通ってきています。

4〜7月の相談実績の集計

相談件数 相談件数 ほぼ解決へ
向かっている
生活保護へつないだケース
4月 18  
5月 10 1
6月 16 5  
7月 21 8 1

 【解決へ向かっているケース】
 たとえば社会福祉課(生活保護の相談)、障害者福祉課や子育て支援課、税務・収納課と連携して滞納整理の相談、水道課に連絡して給水停止の解除などの措置をとったケースもあります。


 主たる相談内容の内容 
収入・生活苦 12
求職・就職 8
病気・健康 6
家族・人間関係 11
債務 5
家賃・公共料金・医療費 3
引きこもり・不登校 4
その他、住居、障害、失業や仕事上のトラブル、子育ての問題、虐待の問題などもあります。 

相談者の内訳 
20代  3
30代 9
40代 18
50代 15
60代 3
70代 2
80代 2
母子家庭の方の相談も含まれています。 

支援センターを知ったきっかけ
市の福祉関係課からの紹介 12
保健センターからの紹介 1
民生委員からの紹介 10
社協事業からからの紹介 26
広報等 5

 支援センター(相談窓口)を知ったきっかけでは、社協の他の事業でお話ししている内に、相談してみようかということになったケースが最も多くて40%を占めています。
 それに対して意外と少ないのは、市役所の各課からの紹介で、18%しかなく、しかもそのほとんどは社会福祉課や障害者福祉かなどの福祉関係課です。

 他の市では、たとえば税務課や水道課などで滞納している人を紹介して、市の職員がいっしょに窓口に相談に来て、その結果、生活の立て直しにつなげたなどの成果もあげています。
 久喜市でも、市役所で市民と接する職員が、常に市民の困りごとに心を配り、支援センターと連携を持っていくことが必要で、職員の意識改革も求められています。


 

雇用状況は改善しているという実感があるか?
2015/5/2

 市役所2階に開設されているふるさとハローワークには毎日60〜70人もの人が訪れています。

 昨年4月から今年3月までの1年間で相談に訪れた人数は1万361人で、5537人が紹介状をもらって企業に面接に行っていますが、就職が決まった人は859人(15%)にとどまりました。
 最近2年間を比較してみても、相談に訪れる人の数、新規登録者数はほとんど変わらず、雇用情勢の厳しさは変わっていません。
 雇用が改善していると言われていますが、求人が増えているのは新卒者に対してであって、失業中の人にとっては相変わらず厳しいようです。
 また低賃金の非正規雇用が増えていることから、正規雇用を求めて求職活動を続けざるをえないとすれば、景気回復の実感はありません。

【1年間のふるさとハローワーク利用状況】


検索…求人検索機で検索した人   
相談…相談員に面接した人      
求職…新規登録者数          
紹介…企業への紹介状を発行した人
就職…就職が決まった人       
     検索 相談  求職  紹介  就職 
2013年  10月 1418人  948人  161人  523人  100人
 11  1251  809  128  455   74
 12   998  718  119  366   63
2014年  1  1252  857  175  491   67
 2  1118  806  137  463   71
 3  1304  847  178  601   89
   4  1404  881  160  515   80
   5  1334  921  152  472   62
   6  1311  911  143  448   67
   7  1276  911  145  495   75
   8  1196  833  154  403   48
   9  1486  919  142  496   85
10  1432  921  146  477   74
11 1226  846  119  435   73
12  989  776  112  363   80
1152  759  143  366   66
1211  846  165  555   55
1293  838  129  512   94

 生活保護世帯、今年になってまた増加率が大きくなった
2015/5/1

 久喜市の生活保護受給者数は一昨年までは毎年10%以上もの増加が続いていました。
 昨年は生活保護基準を切り下げたため、増加率がやや鈍化し、一昨年に比べて1%台の増加にとどまっていました。
 このまま増えもしない、減りもしない状態が続くかと思われていましたが、今年1月以降、また3〜4%の増加になっています。


久喜市、2014〜2015年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
保護廃止
世帯数
 2013  9  44  23  1 10 1084 1587 14
   10 42 18  4 20 1090 1596 12
11 35 16 13 1092 1598
12 20 10 13 1096 1601
2014 41 19 10 1094 1594 18
31 14 16 1093 1599
  35  18  13 1097 1614 10
27 10 11 1100 1614 10
40 16 12 1099 1614 14
36 14 16 1102 1614
32 18 17 1112 1632 11
36 12 1107 1619 14
55 17 13 1107 1621 19
10 49 14 11 1103 1610 15
11 36 15 10 1100 1602
12 36 23 17 1108 1615 12
2015 40 28 26 1120 1632 10
40 18 12 1121 1635 11
61 30 28 1139 1655

高齢・障害・傷病者世帯が76%

 生活保護世帯の内訳では、障害者世帯、傷病者世帯、母子世帯が減少、12月から3月までで、約20世帯も減ってきています。
 一方で、高齢者世帯が3か月間で30世帯も急増、「その他の世帯」も30世帯近く増えています。

 これから高齢化が進めば進むほど、高齢者世帯の生活保護がさらに進むと推測されます。
 また「その他の世帯」は、世帯主が稼働年齢の世帯ですが、働いていない世帯数、働いている世帯数とも増えていることから、失業や働いていても賃金が最低生活費に届いていない層が多いとみられます。
 格差がますます広がっているということでしょうか。

2015年3月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
808世帯
  (70世帯)
433世帯
  (13世帯)
95世帯
  (13世帯)
144世帯
  (8世帯)
  135世帯
  (36世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
331世帯
  (122世帯)
74世帯
 (12世帯)
26世帯
 (7世帯)
79世帯
 (22世帯)
60世帯
 (25世帯)
92世帯
 (56世帯)
合計  1139世帯
  (192世帯)
507世帯
  (25世帯)
121世帯
  (20世帯)
223世帯
  (30世帯)
60世帯
 (25世帯)
227世帯
 (92世帯)
  44.5% 10.6% 19.6% 5.7% 20.0% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いています。

 【昨年12月の内訳表(下↓)と比較してみてください。】

 生活保護世帯は減らない、格差が拡大している
2015/4/9

 久喜市の生活保護扶助費は、2014年度予算では26億2891万円でしたが、15年度予算では26億5986万円で、約3000万円の増額が見込まれています。

久喜市の生活保護受給者数は一昨年までは毎年10%以上もの増加が続いていました。
その後、保護基準が引き下げられて生活保護の適用が厳しくされた結果、受給者数の伸び率は鈍化しています。
それでも2012年4月に990世帯(1454人)だったのが、13年は1058世帯(1568人)、14年4月には1100世帯(1614人)と増加基調は変わっていません。
12月は1108世帯(1615人)で2013年12月に比べて1.1%増でした。

高齢・障害・傷病者世帯が76%

 生活保護受給世帯の内訳では、約70%が1人暮らしです。
また約43%が高齢者世帯で、前年度よりも30世帯(6.7%)の増です。
生活保護世帯全体の76%にあたる844世帯が高齢者・障害者・傷病者世帯で、格差が広がっていることがわかります。

2014年12月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
786世帯
  (70世帯)
405世帯
  (11世帯)
103世帯
  (14世帯)
155世帯
  (7世帯)
  123世帯
  (38世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
322世帯
  (112世帯)
72世帯
 (11世帯)
26世帯
 (7世帯)
83世帯
 (20世帯)
64世帯
 (28世帯)
77世帯
 (46世帯)
合計  1108世帯
  (182世帯)
477世帯
  (22世帯)
129世帯
  (21世帯)
238世帯
  (27世帯)
64世帯
 (28世帯)
200世帯
 (84世帯)
  43.1% 11.6% 21.5% 5.8% 18.1% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いています。


 多くは高齢などで職につけないのが現実です。
約16%の世帯は本人か家族が働いていますが、保護基準以下しか収入がないため生活保護を受けています。
なお、母子世帯の生活保護が2014年12月からの1年間で10世帯(13.5%)も減少しました。
母子世帯の内、約44%が働いていますが、生活保護基準自体が切り下げられたことによって対象から外されてしまった世帯が多いと見られます。

 高齢化や病気、失業などで生活していけない状態に陥ったとき、生活保護は最後のセーフティネットですが、きちんと機能しているのか検証が必要です。
 

【2月市議会】 「ヘイトスピーチ」対策に係る意見書を提出しました
2015/2/10

 2月9日、定例市議会の開会日に、「ヘイトスピーチ」対策に係る法整備を求める意見書」を提出しました。
 市民の政治を進める会の猪股、公明党の岡崎、共産党の杉野、無会派の田中市議の共同提案です。新政久喜にも呼びかけていますが、まだ態度が未定とのことで、3会派+無会派1名の署名で提出しました。
 3月3日の議案質疑終了後に本会議に提案、3月16日の最終日に質疑・討論・採決が行われます。

提出日 2015年3月3日
提出者  久喜市議会議員
猪股 和雄
岡崎 克巳
杉野  修
田中  勝

「ヘイトスピーチ」対策に係る法整備を求める意見書案

 最近、一部の国や民族あるいは特定の国籍の外国人を排斥する差別的表現や言動(いわゆる「ヘイトスピーチ」「憎悪表現」)が、社会的関心を集め、日本国内のみならず、世界の人々からの批判が強まっています。
 これは、特に日本社会に在住する外国人や他民族の人々の心を傷つけるとともに、日本人の尊厳をもおとしめる行為といわざるをえません。
 これに対して、特定の民族・国籍の外国人に対する発言に反対する裁判が、京都地方裁判所及び大阪高等裁判所において行われてきましたが、昨年には、最高裁判所がその違法性を認め、賠償を命ずる判決が確定しています。
 また、昨年7月、国際連合・自由権規約委員会は、「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(人種差別撤廃条約)」上の人種差別に該当する差別的言動の広がりに懸念を示し、締約国である日本に対し、このような差別的言動に対処する措置を採るべきとの勧告をしました。さらに、翌8月には、国際連合・人種差別撤廃委員会も、日本に対し、法による規制を行うなどの「ヘイトスピーチ」への適切な対処に取り組むことを強く求める勧告を行っています。
 ヘイトスピーチは、社会の平穏を乱し、人間の尊厳を侵す行為として、多くの国ではそれを規制する法整備がされています。
 また、2020年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、世界各国から国籍や人種を越えて人々が訪れ、友好を深めることが望まれますが、いわゆる「ヘイトスピーチ」を放置することは、国際社会における我が国への信頼を失うことにもなりかねません。
 よって、国会および政府は、いわゆる「ヘイトスピーチ」の対策に係る法整備を速やかに行うことを強く求めます。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

久喜市議会

(提出あて先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
総務大臣
法務大臣

 昨年の12月市議会までに、▽奈良県議会(10月6日)▽長野県議会(12月5日)▽福岡県議会(12月18日)▽鳥取県議会(12月19日)▽神奈川県議会(12月25日)▽名古屋市議会(10月1日)▽堺市議会(12月19日)▽京都市議会(12月22日)▽葛飾区議会(12月15日)▽国立市議会(9月19日)▽長野県須坂市議会(12月15日)▽京都府向日市議会(12月16日)▽奈良県三郷町議会(12月12日)▽徳島県美波町議会(12月13日)▽東京都東村山市議会(12月18日)▽長野県佐久市議会(12月19日)▽塩尻市議会(12月19日)▽同東御市議会(12月19日)▽東京都東久留米市議会(12月22日)▽長野県安曇野市議会(12月22日)▽高知・土佐清水市議会(12月24日)で可決されました。
 埼玉県内では、▽さいたま市議会(12月19日)、▽宮代町議会(12月10日)、▽上尾市議会(12月19日)で可決されています。 


 生活保護が増え続けている
『声と眼』483号 2014/11/28

 久喜市の生活保護扶助費は、2013年度決算の支出額は23億3223万円でしたが、14年度予算では26億2891万円と見込まれています。

久喜市の生活保護受給者数は一昨年までは毎年10%以上もの増加が続いていました。
その後、保護基準が引き下げられて生活保護の適用が厳しくされた結果、受給者数の伸び率は鈍化しています。
それでも2012年4月に990世帯(1454人)だったのが、13年は1058世帯(1568人)、14年4月には1100世帯(1614人)と増加基調は変わっていません。
9月は1107世帯(1621人)で前年比2.1%増でした。

久喜市、2014年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
保護廃止
世帯数
 2013  9  44  23  1 10 1084 1587 14
   10 42 18  4 20 1090 1596 12
11 35 16 13 1092 1598
12 20 10 13 1096 1601
2014 41 19 10 1094 1594 18
31 14 16 1093 1599
  35  18  13 1097 1614 10
27 10 11 1100 1614 10
40 16 12 1099 1614 14
36 14 16 1102 1614
32 18 17 1112 1632 11
36 12 1107 1619 14
55 17 13 1107 1621 19

高齢・障害・傷病者世帯が76%

 生活保護受給世帯の内訳では、約70%が1人暮らしです。
また約44%が高齢者世帯で、前年度よりも44世帯(10%)の増。生活保護世帯全体の76%にあたる843世帯が高齢者・障害者・傷病者世帯で、格差が広がっていることがわかります。

2014年9月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
784世帯
  (64世帯)
410世帯
  (10世帯)
100世帯
  (14世帯)
157世帯
  (4世帯)
  117世帯
  (36世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
323世帯
  (119世帯)
73世帯
 (12世帯)
25世帯
 (6世帯)
78世帯
 (21世帯)
65世帯
 (30世帯)
82世帯
 (50世帯)
合計  1107世帯
  (183世帯)
483世帯
  (22世帯)
125世帯
  (20世帯)
235世帯
  (25世帯)
65世帯
 (30世帯)
199世帯
 (86世帯)
  43.6% 11.3% 21.2% 5.9% 18.3% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いています。


 多くは高齢などで職につけないのが現実です。
約20%の世帯は本人か家族が働いていますが、保護基準以下しか収入がないため生活保護を受けています。
なお、母子世帯の生活保護が毎年10%くらいずつ減少しています。
母子世帯は比較的働いている割合が高いのですが、生活保護基準の切り下げによって対象から外されてしまった世帯が多いと見られます。

 高齢化や病気、失業などで生活していけない状態に陥ったとき、生活保護は最後のセーフティネットですが、きちんと機能しているのか検証が必要です。



雇用状況は改善しているのか?

 市役所2階に開設されているふるさとハローワークには毎日70〜80人もの人が訪れています。

 昨年11月から今年10月までの1年間で相談に訪れた人数は1万333人で、5682人が紹介状をもらって企業に面接に行っていますが、就職が決まった人は855人(15%)にとどまりました。
2年前の2012年には1年間に1万2955人が訪れ、就職できたのは873人でした。
この2年間で雇用情勢の厳しさは変わっていません。
景気回復とか雇用改善と言われても、残念ながらそんな実感はありません。

【1年間のふるさとハローワーク利用状況】


検索…求人検索機で検索した人   
相談…相談員に面接した人      
求職…新規登録者数          
紹介…企業への紹介状を発行した人
就職…就職が決まった人       
     検索 相談  求職  紹介  就職 
2013年  10月 1418人  948人  161人  523人  100人
 11  1251  809  128  455   74
 12   998  718  119  366   63
2014年  1  1252  857  175  491   67
 2  1118  806  137  463   71
 3  1304  847  178  601   89
   4  1404  881  160  515   80
   5  1334  921  152  472   62
   6  1311  911  143  448   67
   7  1276  911  145  495   75
   8  1196  833  154  403   48
   9  1486  919  142  496   85
10  1432  921  146  477   74

生活保護が増え続け、格差が拡大しているのではないか
2014/9/14

 生活保護世帯数は、2010年4月が772世帯(1140人)、11年は875世帯(1300人)、2012年には990世帯(1454人)と、毎年13%以上も増え続けてきました。
 2013年4月には1058世帯(1568人)で、前年比6.8%増、2014年4月には1100世帯(1614人)と、1年間で約4%の増となって、伸び率はやや低くなっています。
 これは昨年来、政府が進めてきた生活保護基準の引き下げ(生活保護を受給しにくくする)の“効果”で、伸び率が鈍化してきたものと考えられます。
 それにもかかわらず、こうした生活保護世帯が依然として増え続けている実態から見ると、アベノミクスによる景気回復が実感できるとはとても言えません。
 株価の上昇とか、今年の春闘では一部の企業での賃金が引き上げられていますが、むしろ格差がますます広がっていることを表しているのではないでしょうか。

久喜市、2014年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
保護廃止
世帯数
2013 34  19  18 1053 1559 12
   30  18  3  15 1059 1571  11
   30  14  1  9 1057 1571 10
   4 24  11  1  12 1058 1568  8
  5   47  25  4  17 1064 1580 12
   6  57  22  4  17 1068 1575
   7  41  19  3  18 1082 1595  5
   8  29 10  3  9 1085 1589
   9  44  23  1 10 1084 1587 14
   10 42 18  4 20 1090 1596 12
11 35 16 13 1092 1598
12 20 10 13 1096 1601
2014 41 19 10 1094 1594 18
31 14 16 1093 1599
  35  18  13 1097 1614 10
27 10 11 1100 1614 10
40 16 12 1099 1614 14
36 14 16 1102 1614
 

約70%は高齢者・障害者・傷病者世帯

 6月の生活保護受給世帯1102世帯の内、71%にあたる782世帯が1人暮らしです。
また約43%が高齢者世帯で、前年3月よりも8世帯の増、傷病者世帯も15世帯の増で約20%にのぼります。
高齢者や障害者、傷病者世帯が736世帯(66.9%)と非常に高く、これらの多くは「働きたくても働けない世帯」です。

2014年6月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者
   (働いている)
782世帯
  (67世帯)
406世帯
  (12世帯)
101世帯
  (14世帯)
156世帯
  (7世帯)
  119世帯
  (34世帯)
 2人以上の世帯
   (働いている)
320世帯
  (120世帯)
73世帯
 (12世帯)
25世帯
 (4世帯)
73世帯
 (21世帯)
66世帯
 (33世帯)
83世帯
 (50世帯)
合計  1102世帯
  (187世帯)
479世帯
  (24世帯)
126世帯
  (18世帯)
229世帯
  (28世帯)
66世帯
 (33世帯)
202世帯
 (84世帯)
  43.5% 11.4% 20.8% 6.0% 18.3% 

 それぞれの内訳の世帯数の下に記載している (働いている)は、世帯主本人かまたは家族の中のどなたかが働いています。
 ひとり暮らしの世帯では、782世帯(782人)の中で67人が働いているにもかかわらず、収入が少なくて生活保護を受けています。
 2人以上の世帯は320世帯ありますが、その内3分の1にあたる約120世帯は、本人かまたは家族が働いていますが、その収入は生活保護基準以下しかないということになります。
 よく生活保護世帯の人に対して、『働かないで生活保護を受けている』かのように非難されることがありますが、こうした内容の分析をしてみれば、批判があたらないことがわかります。


生活保護が増え続け、格差が拡大しているのではないか
2014/5/14

 生活保護世帯数は、2010年4月が772世帯(1140人)、11年は875世帯(1300人)、2012年には990世帯(1454人)と、毎年13%以上も増え続けてきました。
 2013年4月には1058世帯(1568人)で、前年比6.8%増、今年3月には1097世帯(1614人)と、昨年3月比では3.8%増となって、伸び率はやや低くなっています。
 これは昨年来、政府が強行してきた生活保護基準の引き下げ(生活保護を取りにくくする)のせいではないかと考えられます。
 それにもかかわらず、こうした生活保護世帯が依然として増え続けている実態から見ると、景気回復が実感できるとはとても言えません。
 株価の上昇とか、今年の春闘では一部の企業での賃金が引き上げられていますが、むしろ得層格差がますます広がっていることを表しているのではないでしょうか。

久喜市、2014年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
保護廃止
世帯数
2012 27件   13件  2件  2件    21件  1010世帯 1476人 16世帯  
  42   24   2  2   14  1007    1477  15   
  47   23  4  3    22  1019    1505   13   
  10 39   23   0  3   15  1022   1514   7  
  11 34   21  5  5  18  1030   1524  5  
  12 34   23   0  3   16  1042    1537   7  
2013 34   19 1  1   18  1053   1559  12  
   30    18  3 3   15 1059   1571   11  
   30    14  1 2   9  1057   1571  10  
   4 24    11  1 1   12 1058   1568   8 
  5   47   25  4 0   17  1064   1580  12  
   6  57   22  4 1   17 1068   1575  7  
   7  41   19  3 0   18 1082   1595   5  
   8  29  10   3 1   9  1085 1589  9 
   9  44   23  1 1  10  1084   1587 14 
   10 42  18   4 2  20   1090 1596  12 
11 35  16 13 1092 1598
12 20  10 13 1096 1601
2014 41  19 10 1094 1594 18
31  14 16 1093 1599
   35    18  13 1097 1614 10 
 

高齢・障害・傷病者世帯が65%

 3月の生活保護受給世帯1097世帯の内、70%にあたる772世帯が1人暮らしです。
また約43%が高齢者世帯で、前年3月よりも44世帯(10.3%)の増、傷病者世帯も約20%にのぼります。
高齢者や障害者、傷病者世帯が712世帯(64.9%)と非常に高く、これらの多くは「働きたくても働けない世帯」です。

2014年3月、生活保護世帯の内訳
  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯 その他の世帯
単身者  772世帯 400世帯 101世帯  145世帯   126世帯 
 2人以上  325世帯  71世帯  26世帯  69世帯  64世帯 95世帯
合計   1097世帯  471    127    214    64    221    
  42.9% 11.6% 19.5% 5.8% 20.1% 
 2013年3月 1057世帯
427世帯
40.4%
127世帯
12.0%
224世帯
21.2%
70世帯
6.6%
 209世帯
19.8%

 生活保護が増え続け、格差が拡大しているのではないか
2014/1/7

 生活保護世帯数は、2010年4月が772世帯(1140人)、11年は875世帯(1300人)、12年には990世帯(1454人)、昨年6月に1000世帯を超え、今年4月には1058世帯(1568人)と毎年13%以上も増え続け、7月には1082世帯(1595人)と増え続けています。
 こうした実態から見ると、景気回復が実感できるとはとても言えません。
 株価の上昇とか、一部の大企業での利益や賃金が上がっているのかもしれませんが、むしろ得層格差がますます広がって、低所得者層の生活はまったくよくなっていないということを表しているのではないでしょうか。

高齢・障害・傷病者世帯が74%

 今年7月の生活保護受給世帯1082世帯の内、761世帯の約70%が1人暮らしです。
また約40%が高齢者世帯で、前年度よりも40世帯(10.3%)の増、傷病者世帯も約20%にのぼります。
高齢者や障害者、傷病者世帯が764世帯(76.4%)と非常に高く、これらの多くは「働きたくても働けない世帯」です。

  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯
単身者  761世帯 380世帯 107世帯  152世帯  
 2人以上  321世帯  61世帯  26世帯  71世帯  76世帯
合計   1082世帯  441    133    223    76   
  40.8% 12.3% 20.6% 7.0%
 2012年12月 1042    400    130    243    83   

【9月市議会】  「所得税法第56条の廃止を求める請願」に賛成討論をしました
2013/10/3

 共産党が紹介議員となって「所得税法56条の廃止を求める請願」が提出され、9月議会で審議されました。
 猪股は男女共同参画に反する時代遅れの規定だという視点から、この条文の廃止に賛成の立場で、この請願に賛成討論を行いました。
 請願に賛成したのは、共産党の議員4人の他、市民の政治の2人(猪股・田村)だけで、賛成少数で否決され不採択となりました。

請願2号 「所得税法第56条の廃止を求める請願」に対する、猪股の賛成討論

1.所得税法第56条は、同一生計親族に支払う対価(給与、地代家賃、支払利息等)を事業所得等の必要経費とせず、またこれを受け取った側の所得としないと規定されています。
 したがって、日本では個人事業者の配偶者、それは実質的には多くが女性ですが、結果として、その労働は正当に認められない規定となっていると言わざるをえません。
 事業専従者控除として認められている金額も86万円ときわめて低く設定されています。

 もともと所得税法第56条は、戦後、伝統的な家族制度の残る中、親族に対価を支払う慣行も未成熟な状況下において、恣意的に対価を定めることなどにより所得分散を図り、税負担を軽減しようとする「要領のよい納税者の租税回避行為」を防止するために制定されたものと言われています。
 このため、本来、個人単位課税を原則とする所得税法の体系の中で、「世帯」を課税単位として捉える、例外的規定となっています。

 しかし、今日、女性の社会進出や夫婦共働きが増えている中で、同一生計であるというだけで、親族に支払う対価の経費性を基本的に認めないこの規定は、もはや経済の実情にそぐわないものとなっていると考えられます。

 同一生計親族に支払う対価については、その適正な金額を必要経費とすることが、所得税法の本則からいっても正しく、また対価の支払いを受ける側も所得とすることが相当です。
 青色申告、白色申告の問題とはまったく別に、切り離して考えるべきです。

 したがって、所得税法第56条の規定それ自体が、戦前の家制度の名残であり、時代遅れの規定であり、廃止すべきであると考え、本請願に賛成します。

 

雇用状況は相変わらず厳しい
2013/9/11

 市役所2階に開設されているふるさとハローワークの利用状況から、相変わらずきびしい雇用情勢がわかります。
相談者は昨年よりは少し減っていますが、毎月1000人近い人が相談に訪れ、400〜600人が紹介状をもらって企業に面接に行っても、就職が決まった人は1割強にすぎません。

【今年に入ってからのふるさとハローワーク利用状況】

     検索 相談  求職  紹介  就職 
2013年  1月 1278人  885人 134人 458人  46人
 2 1322  890 142 510 51
 3 1498  993 181 603 83
 4 1629 1033 183 633 74
 5 1618 1051 160 641 92
 6 1345  926 147 498 87
   7 1490 1052 180 607  83
   8 1325  948 150 488 62
   9
   10
   11
   12
  あ

検索…求人検索機で検索した人
相談…相談員に面接した人
求職…新規登録者数
紹介…企業への紹介状を発行した人
就職…就職が決まった人


 生活保護が増え続け、格差が拡大しているのではないか
2013/9/7

 生活保護世帯数は、2010年4月が772世帯(1140人)、11年は875世帯(1300人)、12年には990世帯(1454人)、昨年6月に1000世帯を超え、今年4月には1058世帯(1568人)と毎年13%以上も増え続け、7月には1082世帯(1595人)と増え続けています。
 こうした実態から見ると、景気回復が実感できるとはとても言えません。
 株価の上昇とか、一部の大企業での利益や賃金が上がっているのかもしれませんが、むしろ得層格差がますます広がって、低所得者層の生活はまったくよくなっていないということを表しているのではないでしょうか。

久喜市、2013年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
保護廃止
世帯数
2012 27件   13件  2件  2件    21件  1010世帯 1476人 16世帯  
  42   24   2  2   14  1007    1477  15   
  47   23  4  3    22  1019    1505   13   
  10 39   23   0  3   15  1022   1514   7  
  11 34   21  5  5  18  1030   1524  5  
  12 34   23   0  3   16  1042    1537   7  
2013 34   19 1  1   18  1053   1559  12  
   30  18  3 3   15 1059   1571   11  
   30  14  1 2   9  1057   1571  10  
   4 24   11  1 1   12 1058   1568   8 
  5   47  25  4 0   17  1064   1580  12  
   6  57  22  4 1   17 1068   1575  7  
   7  41  19  3 0   18 1082   1595   5  
   8                
   9                
   10                

高齢・障害・傷病者世帯が74%

 今年7月の生活保護受給世帯1082世帯の内、761世帯の約70%が1人暮らしです。
また約40%が高齢者世帯で、前年度よりも40世帯(10.3%)の増、傷病者世帯も約20%にのぼります。
高齢者や障害者、傷病者世帯が764世帯(76.4%)と非常に高く、これらの多くは「働きたくても働けない世帯」です。

  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯
単身者  761世帯 380世帯 107世帯  152世帯  
 2人以上  321世帯  61世帯  26世帯  71世帯  76世帯
合計   1082世帯  441    133    223    76   
  40.8% 12.3% 20.6% 7.0%
 2012年12月 1042    400    130    243    83   

 【一般質問】 生活保護の実態を正確に把握すべき
2013年2月議会、猪股の一般質問 『声と眼』452号 2013/4/8


 生活保護世帯数が急増しているのに対して、受給世帯を「働けるのに働かない」人々であるかのように決めつける生活保護バッシングが横行しています。
しかし、生活保護の問題は地域における実情を正確に把握した上で考えるべきです。

 合併前の旧久喜市の生活保護世帯数は、2007年4月の258世帯から10年3月に338世帯に増加、合併後は10年4月の772世帯から12年12月に1042世帯にまで増加しました。
1042世帯の内訳を見ると、高齢化を反映して単身者が732世帯になっています。
高齢者、障害者、傷病者の世帯が74%の773世帯を占めています。
「その他世帯」186世帯の内、働いている人がいるのは48世帯で、母子世帯83世帯の内、40世帯は本人か家族が働いています。

 福祉部長の答弁によると、いわゆる稼働世帯である「その他世帯」は合併時の13.4%から、2012年4月には17.1%に増加していて、『リーマンショックと経済悪化により派遣切りや雇い止めにより失業者が増えたことが原因』と分析しています。
市のケースワーカーが全受給世帯に定期的に面接をしていて、1042世帯の中で就労や自立が可能と判断される世帯は299世帯で、その内の128世帯が就労できていますが、171世帯は仕事が見つからず就労できていません。
また働いている世帯の平均月収は7万8561円にすぎず、生活できないで保護を受けているというのが実態です。

 市では『受給世帯には毎月、収入申告と給与明細の提出を求め、課税調査も実施している』『「その他世帯」には毎月1回以上の定期面接も行っている。「ハローワークに週に1回以上行って就労活動をするよう指導していて、報告書も提出させている』などと答弁しています。

 在日外国人の受給者は20世帯で、高齢者、障害者、傷病者世帯が17世帯、母子世帯が7世帯、「その他世帯」の3世帯も就労できない事情が明らかです。
9世帯は本人か家族が働いています。

 こうした実態を見れば、「働けるのに働かないで生活保護受けている」という批判が偏見に過ぎないことは明らかです。
本来、権利と義務はワンセットの規範であって、困窮する前は所得税その他の納税の義務も勤労の義務も果たしてきたはずですから、失業などで困窮状態に陥ったときに、最後のセーフティネットである生活保護に頼るのは、当然のことではないでしょうか。


生活保護世帯の内訳(2012年12月)

単身者世帯 2人以上の世帯 合計
高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯 その他世帯 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯 母子世帯 その他世帯
世帯主が働いている

常勤労働者 7 8 5 20 2 0 1 33 21 97世帯
日雇い労働者 1 3 1 1 0 0 1 1 0 8世帯
内職者 0 0 0 0 0 1 0 1 0 2世帯
その他の就業 2 0 0 0 0 0 0 2 0 4世帯
世帯主以外が働いている −− −− −− −− 2 2 18 3 6 31世帯
働いていない 336 93 153 102 50 23 64 43 36 900世帯
346 104 159 123 54 26 84 83 63 1042世帯
在日外国人 0 1 1 1 1 2 5 7 2 20世帯

 生活保護が増え続けている
『声と眼』450号 2013/2/28

 市の新年度一般会計予算で、生活保護費は前年度比12.5%増の25億350万円が見込まれています。
生活保護世帯数は、2010年4月が772世帯(1140人)、11年は875世帯(1300人)、12年には990世帯(1454人)と毎年13%以上も増え続け、昨年12月には1042世帯(1537人)となりました。

久喜市、2012年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
保護廃止
世帯数
2012 37件 22件 2件 1件 12件   946世帯 1391人 11世帯
37  28  2  1  25   960   1417  5  
41  30  4  7  23   977   1450  11   
31  19  3  1  24   990   1454  9  
41  19  3  0  12   993   1460  5  
  49  31    5  1   13  1000   1465   8  
  27   13  2  2    21  1010    1476  16   
  42   24   2  2   14  1007    1477  15   
  47   23  4  3    22  1019    1505   13   
  10 39   23   0  3   15  1022   1514   7  
  11 34   21  5  5  18  1030   1524  5  
  12 34   23   0  3   16  1042    1537   7  
2013                
                 
                 

高齢・障害・傷病者世帯が74%

 生活保護受給世帯の内訳では、約70%が1人暮らしです。
また約40%が高齢者世帯で、前年度よりも54世帯(15.6%)の増、傷病者世帯も約20%にのぼります。
高齢者や障害者、傷病者世帯の割合が高く、さらに母子世帯も増えています。

  世帯数 高齢者世帯 障害者世帯 傷病者世帯  母子世帯
単身者  732世帯 346世帯 104世帯  159世帯  
 2人以上  310世帯  54世帯  26世帯  84世帯  83世帯
  1042世帯 38.4% 12.5% 23.3% 8.0%

 受給者が、「働かないで生活保護を受けているのではないか」などと非難されることがあります。
しかし生活保護世帯全体の74%にあたる773世帯が、高齢者・障害者・傷病者世帯で、これらの内の約1割しか就労できていません。
日本全体の雇用者の中で非正規労働者が35%に達するといわれる中で、高齢や障害などで就労が困難だったり、働きたくても働けない世帯で生活保護が増えているのが現実です。
また母子世帯の約半数は職に就けず、働いても保護基準以下しか収入がないため生活保護を受けざるを得ない状況です。

 よく、在日外国人で生活保護を受けている人が多いと非難する人がいますが、久喜の在日外国人の受給者は実際には20世帯で、その内の17世帯は高齢者・障害者・傷病者と母子世帯です。
今は元気で働けていても、だれもが倒産や失業、高齢化や病気などで生活できない状態に陥る可能性があります。
生活保護はそうなったときにも安心して生きていける最後のセーフティネットです。


雇用状況は相変わらず厳しい

 市役所2階に開設されているふるさとハローワークの利用状況から、相変わらずきびしい雇用情勢がわかります。
毎月1000人以上の人が相談に訪れ、400〜600人が紹介状をもらって企業に面接に行っても、就職が決まった人は1割強の年間800人台にすぎません。
年間の企業の紹介件数も就職決定人数も減っているのが現実です。

【昨年1年間のふるさとハローワーク利用状況】

     検索 相談  求職  紹介  就職 
2012年  1月 1418人 1046人 159人 484人  54人
 2 1510 1054 179 526 65
 3 1605 1163 166 581 97
 4 1614 1121 136 616 53
 5 1820 1358 183 667 83
 6 1759 1224 154 609 74
   7 1631 1178 137 586 105
   8 1420  999 151 491 67
   9 1332  941 142 454 70
   10 1480 1031 157 500 66
   11 1365  960 131 500 71
   12 1165  880  98 376 68

検索…求人検索機で検索した人
相談…相談員に面接した人
求職…新規登録者数
紹介…企業への紹介状を発行した人
就職…就職が決まった人


最後のセーフティネット、生活保護が増え続けている
2012/12/9

 市の社会福祉課で、久喜市の生活保護の相談、申請、決定、そして生活保護世帯数の推移を調べてもらいました。

 生活保護を受けている世帯数の実数で比較すると、
  2010年4月 772世帯 1140人
 ⇒ 2011年4月 875世帯 1300人
 ⇒ 2012年4月 990世帯 1454人
 ⇒ 10月 1022世帯 1514人と増え続けています。

 生活保護世帯の内訳を見ると、
 2012年10月の保護世帯1022世帯の内、716世帯が単身者世帯で、
 その内、600世帯(人)が高齢者・障害者・傷病者です。(高齢者が343人、障害者が101人、傷病者が156人)

 また、306世帯が2人以上の世帯ですが、
 その内、51世帯が高齢者世帯、81世帯が母子世帯、23世帯が障害者世帯です。

 こうして生活保護世帯の内訳を詳しく分析してみると、生活保護世帯全体の82%にあたる840世帯が、高齢、障害、傷病、母子世帯で、事実上、働けないか、就労がきわめて困難な世帯であることがわかります。

 また在日外国人で生活保護を受けているのは20世帯で、その内、高齢者、障害者、傷病者、母子世帯は17世帯です。

 最近、生活保護を受けている人に対して、「努力が足りない」「甘えている」などと攻撃したり、在日外国人で生活保護受給者が増えているかのようなバッシングが多くなっていますが、実際にはそうした非難が事実無根であることは明らかです。
 もちろん、暴力団などの不正受給は厳しく監視しなければなりませんが、生活保護バッシングで、最後のセーフティネットとしての生活保護が受けにくくなってはなりません。

 生活保護受給者に対して、一般的に「働けるのに働かない」などと批判するのは社会的弱者が生きにくい世の中にしてしまうことになります。
 むしろ、だれでもがいつ失業したり病気になったりして、生活できなくなるかわかりませんから、生活保護の重要性はますます大きくなってきています。

久喜市、2011年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
保護廃止
世帯数
2011 42 28 16 875 1300 10
45 19 19 883 1310
32 19 12 887 1315
48 20 18 895 1329
50 23 20 908 1342
39 23 15 912 1353 13
10 35 21 18 919 1357
11 44 30 18 931 1378
12 26 17 22 943 1387 13
2012 37 22 12 946 1391 11
37 28 25 960 1417
41 30 23 977 1450 11
31 19 24 990 1454
41 19 12 993 1460
   49 31   5 1  13   1000 1465  8
   27  13 2  2   21 1010  1476 16 
   42  24  2  2  14  1007  1477 15 
   47  23 4  3   22  1019  1505  13
  10  39  23  0  3  15  1022 1514  7
  11                
  12                
2013                
                 
                 

ふるさとハローワークでの求職者は減っている
就職決定率は6%台だが、やや好転している

 久喜市役所2階に開設されている「ふるさとハローワーク」に相談に訪れる人や新規求職者数、就職決定者数を比較してみました。

 2011年4〜11月 相談に訪れた人数 9802人の内、就職決定者数 630人で、就職率 6.43%
 2012年4〜11月 相談に訪れた人数 8812人の内、就職決定者数 589人で、就職率 6.68%

 相談に訪れた人数は11%減少、就職者数も6%減少していますが、就職率はわずか2%ですが、上昇しており、雇用情勢がようやく好転してきていることがうかがえます。

 それでも、毎日40〜50人くらいの人がハローワークを訪れており、就職率が7%に満たないということは、依然として就職の難しさがあらわれています。

ふるさとハローワーク
求職相談・就職の状況 2011年、2012年の比較
検索 相談者数 新規求職者 会社を紹介 就職決定
2011 1588 1231 396 626 82
1528 1273 317 580 80
1704 1241 167 599 97
1606 1179 119 498 72
1776 1284 135 585 71
1579 1213 168 552 83
10 1592 1214 170 614 64
11 1565 1167 176 502 81
12 1348 958 106 395 59
2012 1418 1046 159 484 54
1510 1054 179 526 65
1605 1163 166 581 97
1614 1121 136 616 53
1820 1358 183 667 83
1759 1224 154 609 74
  1631 1178 137 586 105
   8 1420 999 151 491 67
   9 1332 941 142 454 70
   10 1480 1031 157 500 66
   11 1365 960 131 500 71
   12          
2013          
   2          
   3          

生活保護が増え続けている
2012/6/28

 市の社会福祉課で、久喜市の生活保護の相談、申請、決定、そして生活保護世帯数の推移を調べてもらいました。
 生活保護の相談者数
  2010年度 432件(月平均36件) ⇒ 2011年度 476件(月平均約39.7件) ……1割の増加となっています。

 申請件数で比較すると、
  2010年度 305件(月平均25.4件) ⇒ 2011年度 280件(月平均23.3件) ……相談が増えているのに、申請件数は逆に減少しているのはなぜでしょうか。

 保護開始の決定件数は、
  2010年度 221件(月平均18.4件) ⇒ 2011年度 218件(月平均18.2件) ……新規に生活保護が適用された件数は、ほぼ同じになっています。

 しかし生活保護を受けている世帯数の実数で比較すると、
  2010年4月 772世帯 1140人 ⇒ 2011年4月 875世帯 1300人 ⇒ 2012年4月 990世帯 1454人 ……毎年10%以上も増加しています。

 また、生活保護世帯の内訳を見ると、
 2012年4月の保護世帯990世帯の内、3分の1にあたる333世帯が「単身・高齢者世帯」で、53世帯が2人以上の高齢者だけの世帯となっていて、高齢者の生活が苦しいのがわかります。

 市役所の生活保護の窓口に相談に来る方が増えているのに、申請件数がわずかでも減ってきているのは、どうしてでしょうか。
 他市では申請をさせないように誘導するなどの対応が問題になったことがありましたが、そのようなことがないでしょうか。

久喜市、2011年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定保護開始
生活保護世帯数
生活保護人数
保護廃止
世帯数
2011 42 28 16 875 1300 10
45 19 19 883 1310
32 19 12 887 1315
48 20 18 895 1329
50 23 20 908 1342
39 23 15 912 1353 13
10 35 21 18 919 1357
11 44 30 18 931 1378
12 26 17 22 943 1387 13
2012 37 22 12 946 1391 11
37 28 25 960 1417
41 30 23 977 1450 11
31 19 24 990 1454
34 19 12 993 1460

ふるさとハローワークでの求職者は減っているが、就職率は6%の低水準

 久喜市役所2階に開設されている「ふるさとハローワーク」に相談に訪れる人や新規求職者数は、昨年4・5月に比べると大幅に減少してきています。
 それでも、ハローワークを訪れる人数は毎日70〜80人くらいという状況は変わっていません。
 相談に訪れた人の内で就職が決定した人数の比率は、6%程度にとどまっていて、依然として就職の難しさがあらわれています。

ふるさとハローワーク
2011年度における 求職相談・就職の状況
検索 相談者数 新規求職者 会社を紹介 就職決定
2011 1588 1231 396 626 82
1528 1273 317 580 80
1704 1241 167 599 97
1606 1179 119 498 72
1776 1284 135 585 71
1579 1213 168 552 83
10 1592 1214 170 614 64
11 1565 1167 176 502 81
12 1348 958 106 395 59
2012 1418 1046 159 484 54
1510 1054 179 526 65
1605 1163 166 581 97
1614 1121 136 616 53
1820 1358 183 667 83
1506 1040 133 521 57

生活保護が増え続けている
2012/1/14

 市の社会福祉課で、久喜市の生活保護の相談、申請、決定、そして生活保護世帯数の推移を調べてもらいました。
 生活保護の相談者数は、2010年度は1年間で399件、月平均33件、生活保護申請者数は1年間で305件、月平均25件、生活保護の開始決定に至ったのは1年間で221件、月平均18件でした。
 2011年度4月以降は、相談者数は月平均40件、申請者数は月平均で23件、保護開始決定者数は17件となっています。
 申請者数は少し減少傾向にあるようですが、相談者数が増えているのは、景気の回復が遅れて生活苦が広がってきているのではないでしょうか。

 一方で、相談者数が月平均で、「33件→40件」と昨年よりも20%以上も増えているのに、申請者数の月平均件数は「25件→23件」と若干減っているのはどうしてでしょうか。
以前、問題になったように、生活苦で市役所に相談に訪れても、生活保護申請書の提出を抑制するというようなことはないのでしょうか。
全国的には、窓口で申請用紙をなかなか渡さなかったり、いろいろと理由をつけていろ申請をさせない方向に誘導するというようなことが問題になっていました。
久喜ではそのようなことが行われていないか、注意する必要があります。

 生活保護を受けている世帯数、人数は、昨年12月からの1年間で約70世帯の増加、人数では100人近い増加になっていて、まもなく1000世帯になりそうです。
 特に、高齢者や障害者、傷病を負って働けなくなった世帯などで、いったん仕事を失うと、改めて職を得て“自立”していく道がたいへん厳しいことを示していると考えられます。

久喜市、2011年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 取り下げ 却下 決定保護開始
生活保護世帯数
生活保護人数
保護廃止
世帯数
2011 42 28 16 875 1300 10
45 19 19 883 1310
32 19 12 887 1315
48 20 18 895 1329
50 23 20 908 1342
39 23 15 912 1353 13
10 35 21 18 919 1357
11 44 30 18 931 1378
12 26 17 22 943 1387 13
2012

ふるさとハローワークでの求職者は減っているが、就職率は6%の低水準

 久喜市役所2階に開設されている「ふるさとハローワーク」に相談に訪れる人や新規求職者数は、昨年度に比べると減少してきています。
 それでも、ハローワークを訪れる人数は毎日70〜80人くらいという状況は変わっていません。
 相談に訪れた人の内で就職が決定した人数の比率は、6%程度にとどまっていて、依然として就職の難しさがあらわれています。

ふるさとハローワーク
2011年度における 求職相談・就職の状況
検索 相談者数 新規求職者 会社を紹介 就職決定
2011 1588 1231 396 626 82
1528 1273 317 580 80
1704 1241 167 599 97
1606 1179 119 498 72
1776 1284 135 585 71
1579 1213 168 552 83
10 1592 1214 170 614 64
11 1565 1167 176 502 81
12 1348 958 106 395 59
2012

生活保護世帯が1年間で100世帯の増加
2011/5/13

 久喜市の生活保護の相談、申請、決定、そして生活保護世帯数の動向を調査しました。
 生活保護の相談者数、生活保護申請者数、新規決定者数は昨年よりも減少傾向になっていますが、これは昨年来の景気対策が少しは効果を上げてきているということを示しているのでしょうか…?

 しかし実際に生活保護を受けている世帯数、人数は、昨年4月からの1年間で約100世帯の増加、人数では100人以上の増加になっています。
 特に、高齢者や障害者、傷病を負って働けなくなった世帯などで、いったん仕事を失うと、改めて職を得て“自立”していく道がたいへん厳しいことを示していると考えられます。
 その結果、生活保護受給者は800世帯、1300人を超えて、増え続けています。

 3月11日以降、東日本大震災の被災者で東北からの避難者が流入してきていて、今後、そうした避難者世帯の中でも、生活保護の受給者が増えてくるものと考えられます。

久喜市、2010年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 決定保護開始
生活保護世帯数
生活保護人数
2010 48 34 31 772 1140
43 26 19 780 1151
51 35 20 791 1168
28 27 25 809 1207
45 32 15 817 1220
26 20 27 840 1249
10 23 22 12 842 1260
11 29 29 18 850 1271
12 17 15 15 860 1283
2011 24 17 11 861 1286
33 18 10 865 1289
32 30 18 874 1309


ふるさとハローワークでの求職者はわずかながら減少

 久喜市役所2階に開設されている「ふるさとハローワーク」での休職者も増加し続けています。
 相談者数および新規求職者数とも、昨年同月比ではやや減少してきていますが、ハローワークを訪れる人数は毎日80人くらいの状況は変わっていません。
 相談に訪れた人の内で就職が決定した人数は、6%程度にとどまっています。

(すべて人数です)
検索 相談者数 新規求職者 会社を紹介 就職決定
2010 1703 1364 412 721 75
1461 1253 416 628 71
1856 1403 425 706 80
1802 1395 368 741 88
1782 1382 380 715 69
1691 1257 352 619 93
10 1659 1194 359 623 72
11 1593 1137 347 579 84
12 1437 1039 275 462 61
2011 1490 1086 329 519 57
1467 1003 327 506 60
1515 1183 374 609 78
・「検索」はハローワークに設置してあるパソコンで、自分で求人の検索をした人の数
・「相談」は、就職希望等について、相談員と相談した人数               

湯浅誠さんの講演会「貧困問題から男女共同参画社会を考える」
2010/12/12

 12月11日、中央公民館で「女(ひと)と男(ひと)の共生セミナー」が開催されました。久喜市の委託事業で企画運営は「女(ひと)と男(ひと)いきいきネットワーク」です。

 講演は「貧困問題から男女共同参画社会を考える」、講師は湯浅誠氏(NPO法人自立性かつサポートセンター・もやい事務局長、反貧困ネットワーク事務局長)です。
 湯浅さんのお話を、私は以下のように受け止めました。

 日本という国は、これまで「国のカサ、企業のカサ、正社員(多くの場合は世帯主で男で稼ぎ手)のカサ」の3つのカサで人々の生活が成り立って(保障されてきて)いて、母子家庭や日雇い労働者ははじめから、それらのカサから疎外されていた。
 90年代以降、その3つのカサがだんだんしぼんできて、次第に(最近は急激に)雨に濡れる人が増えてきた。

 日本の統計上のモデル家庭は「夫34歳、妻29歳、子4歳」の片働き世帯だが、そこでは女性は最初から育児または介護を担い、女性の労働は“小遣い稼ぎまたは家計の足し”のパート労働(最低賃金かつかつの)が割り当てられてきた。
 90年代以降の日本の労働力市場は4つの改装に分かれている。
(1)稼ぎ手としての正規労働者
(2)周辺的正社員(フルタイムの正規労働者だが最低賃金ぎりぎり)
(3)自活型フルタイム非正規労働者
(4)文字通りの自立しては生活できない非正規労働者
 類型化して言えば、被扶養のパート女性は(4)の階層であり、シングルマザーやシングル女性は(2)または(3)の階層にあたり、こうした働き方(働かせられ方)が拡大してきており、最近は(2)(3)がシングル男性にも拡大してきた。

 (時間が足りなくて、いきなり結論へ)

 これからの日本社会に必要なのは、“ワーク・ライフ・ウェルフェア”バランスで、全員参加型社会の実現が課題になってくる。
 これまで言われてきた“ワーク・ライフ”バランスだけでなく、ウェルフェア(福祉)を含めた3つのバランスである。
 女性が結婚して子どもができて、また高齢者の介護が必要になっても、働き続けられる社会、それは、子育てや介護を社会化して、社会全体で支えていける社会の仕組みが必要である。

 21世紀に入って、日本社会(企業)はますます女性や非正規を大量に生み出し利用してきたが、そのまま続いていけば、ますますワーキングプアや貧困をそのまま放置し拡大していくことになる。
 しかし、そうして人を切り捨て貧困を生み出すことによって日本経済は成長できてこなかったし、これからも成長していけるはずはない。
 正規労働者の賃金は生活費をまかなう費用として年令とともに増え山型の曲線を描くが、非正規労働者の賃金はまったく増えない。
 しかし非正規労働者であっても、年令とともに生活費は増えざるを得ないが、増えないから、生涯独身男性が急増し、このままでは日本の社会に未来はない。

 解決策の第1は、生活費支出が年令とともに増えていくカーブを下げることであるが、そのためには、子育てや教育、介護にかかる家計からの支出を引き下げていくことが必要である。
 第2には、正規と非正規の賃金格差を減らし、格差社会からの脱却をめざすことであり、将来的には、“常用雇用のダブルインカム(夫婦共働き)で子育てできる”賃金水準と社会構造を構築していくべきではないか。

 会場から2つの質問がありました。
 一つは「子ども手当ての所得制限についての考えは?」
 湯浅氏は「社会全体で子育て支援という理念を大切にして、支給は所得制限をするのでなく、入り(課税)で差を付けるべきでないか」
 二つめは市の臨時職員の方から、「6か月ごとに雇用継続の手続きがあり、毎年1年たったら1日空けてまた再雇用だが、形式的には新規雇用で、賃金はまったく上がらない。同じ仕事をして大きな格差、官製ワーキングプアだが、どうしたらいいのか」
 湯浅氏からも解決策は出されないのだけれど、示唆的なお話しをたくさん聞くことができた。
 「今の社会の公務員バッシング、公務員をもっと減らせ、委託でも臨時でもいい、自分たちより高い給与を引き下げろというムードは簡単には覆せない。時間がかかる」
 「日本ほど小さな政府はない、小さすぎる政府は国民に当てにされないから、ますますもっと小さくしろ、あんな政府はいらないと責め立てられる。国の役割を見直すことから始めなければ」というお話しは、本当に共感できました。

 この日の講演会に、参加者は約140人、議員では私の他に、共産党の渡辺議員、終了近くなってから飛翔の梅田議員も顔を見せていました。。
 私自身は湯浅氏のお話しを、これまであちこちの勉強会などで何回も聞いていますが、活動を通じて“貧困”と直接に対峙してきた切実さに裏打ちされたお話しを、それぞれがどのように受け止めたでしょうか。

 田中市長はいつものようにあいさつだけしてすぐに退席してしまったのですが、市長にも聞いてもらいたかったと思いました。


ふるさとハローワークでの求職者も増加している
2010/11/20

 久喜市役所2階に開設されている「ふるさとハローワーク」での休職者も増加し続けています。
 相談者数は2009年は7月の1600人をピークに若干減少傾向にありますが、新規求職者数は昨年のピークは400人でしたが、今年は4〜6月には400人を超えています。
 相談に訪れた人の内で就職が決定した人数は、5%程度にとどまっています。

(すべて人数です)
検索 相談者数 新規求職者 会社を紹介 就職決定
2010 1493 1171 357 562 48
1532 1142 340 596 60
1776 1442 427 785 85
1703 1364 412 721 75
1461 1253 416 628 71
1856 1403 425 706 80
1802 1395 368 741 88
1782 1382 380 715 69
1691 1257 352 619 93
10 1659 1194 359 623 72
11
12
・「検索」はハローワークに設置してあるパソコンで、自分で求人の検索をした人の数
・「相談」は、就職希望等について、相談員と相談した人数               
埼玉県の生活保護受給者に対する就労・住宅支援事業を視察してきました⇒ こちら

生活保護世帯が急速に増加、合併前の2.5倍
2010/11/19

 久喜市の生活保護の相談、申請、決定、そして生活保護世帯数の動向を調査しました。
 合併前の旧久喜市で、今年1月の前年同月比では約20%の増、1年間で生活保護世帯が50世帯も増えていました。
 合併後は、生活保護世帯数は800世帯、1000人を超える状態で、合併前の旧久喜市の2.5倍に増加しています。

 全国的には、2005年に生活保護世帯数が100万世帯を超えて急増し続けており、今では120万世帯に達しています。
 景気の低迷が続いていること、就職率の悪化や派遣切りなどに象徴された雇用形態の変化、所得の伸び悩みなどの影響であると考えられています。

新久喜市、2010年度
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 決定保護開始
生活保護世帯数
生活保護人数
2010 48 34 31 772 1140
43 26 19 780 1151
51 35 20 791 1168
28 27 25 809 1207
45 32 15 817 1220
26 20 27 840 1249
10 23
11
12


合併前の旧久喜市、2010年3月まで
生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 決定保護開始
生活保護世帯数
生活保護人数
相談 申請 決定保護開始
生活保護世帯数
生活保護人数
相談 申請 決定保護開始
生活保護世帯数
生活保護人数
2007 12 258 375 2008 14 261 381 2009 20 13 12 297 436
14 259 373 22 259 368 20 302 445
13 261 377 18 263 374 45 16 299 440
10 260 376 16 10 268 382 22 13 305 451
16 258 372 10 269 386 26 13 10 312 457
262 379 15 272 391 16 10 317 472
10 265 381 10 23 277 395 10 21 320 475
11 266 378 11 15 279 397 11 29 16 318 467
12 259 368 12 24 12 277 395 12 17 13 328 488
2008 13 257 367 2009 28 13 277 394 2010 24 327 487
263 383 22 285 404 33 15 328 488
266 386 32 11 285 417 32 22 17 338 496

景気対策で17人の緊急雇用創出
『声と眼』405号 2010/9/29

 一般会計補正予算で、緊急雇用対策の2930万円が予算化されました。
新規雇用創出は、市内の住居表示板設置業務(5人)、市の環境保全率先実行計画策定のために資料作成のための臨時職員(1人)、梨の栽培状況調査のための臨時職員(1人)、観光PRウォーキングマップ作成の調査業務(10人)、遺跡出土物の整理業務(10人)です。
いずれも3〜6か月間の短期間の雇用で、失職者の応急的な支援救済対策にとどまりますが、10月以降にハローワークを通じて募集します。


外国人参政権に「反対」意見書を可決
『声と眼』396号 2010/4/5

 2月定例市議会に「永住外国人に地方参政権を付与することに反対する意見書」が賛成多数で可決されました。
しかしこの意見書に書かれた「反対」の論拠は完全に間違った認識によるものです。

 まず意見書は『外国人への参政権付与は憲法に抵触する』と言っていますが、95年の最高裁判決で、“現在は外国人の参政権を認めていなくても憲法違反ではないが、逆に国会の立法措置で選挙権を付与しても憲法違反にはならない”という判例が確定しています。
また『地方の意志を汲み上げる工程を踏まずに進めようとしている』とも書いていますが、すでに全国自治体で47都道府県の31(76.6%)、806市区中510(63.3%)が「参政権付与」の意見書を可決していて、地方自治体の過半数は地方参政権付与に賛成となっています。

 憲法第15条でいう「公務員を選定、罷免することは、国民固有の権利」の「固有」とは、外務省の公訳でも“inalienable rights”=国民が本来もっている、奪うことができない権利となっていて、“Japanese only”=日本国民だけの排他的な権利という意味ではありません。
その地域に住む住民が、その地域の政治に参加するのはむしろ当然と言わなければなりません。

 「地方参政権付与に賛成」の立場から意見書に反対したのは、大地の猪股・矢野・川辺と公明党、共産党の8名でした。
民主党の井上議員は意見書に賛成しましたが、民主党の基本政策に載っていることに「反対」というのは変じゃないですか?


昨年の暮れ、求職相談はわずかに減、一方で、生活保護はますます増えています
2010/1/29

 市役所2階に開設されている「地域職業相談室」(ミニハローワーク)での求職相談は、昨年6月〜7月がピークでしたが、秋から暮れにかけてようやく減少傾向に入っています。
 その一方で、会社を紹介して就職が決まった件数は少し増えてきていて、これが景気の後退が止まって、雇用情勢が多少でも上向いてきていることの表れなのかどうかは、まだわかりません。

 それでも依然として地域職業相談室には毎日70〜80人が相談に訪れていて、廊下には行列ができている状況は変わりません。
 相談に来た人の内で5〜6%の人しか就職できていない状況も変わっていません。

( )内の数字は久喜市在住者数
相談者数 新規求職者 会社を紹介 就職決定
2009 903 285 334 38
991 301 471 51
1218 380 555 54
1336 374 595 60(29)
1290 362 504 60(21)
1629 418 733 69(34)
1664 395 708 65(20)
1465 351 616 69(30)
1356 412 675 74(25)
10 1343 343 716 90(30)
11 1191 340 668 68(23)
12 1107 269 469 73(27)

生活保護はますます増えている

 生活保護世帯は、ますます増え続けています。
 2008年1月には257世帯(367人)でしたが、昨年1月は277世帯(394人)、7月には300世帯を突破してからも増え続けていて、12月には328世帯(488人)になっています。

相談 申請 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
2009 28 13 277 394
22 285 404
32 11 285 417
20 13 12 297 436
20 302 445
45 16 299 440
22 13 305 451
26 13 10 312 457
16 10 317 472
10 21 320 475
11 29 16 318 467
12 17 13 328 488

観光協会・田中会長の著作権訴訟
『声と眼』388号 9月市議会 猪股の一般質問  2009/11/13

 田中市長は昨年まで久喜市観光協会の会長に就いていました。
一昨年に環境協会が祭りのパンフレット作成のために市内のS氏に対して提灯祭りの写真撮影を依頼し、その写真を無断で外部に提供してS市の著作権を侵害したとして、今年2月に損害賠償訴訟を起こされています。

 市民に訴訟の経過について明らかにするよう求めました。
なお、訴訟の当事者は田中暄二氏(市長)個人であり、市からは訴訟費用の支出はないそうです。

【関連記事】 「著作権侵害損害賠償請求事件」のBlog 2009/2/2


今年度に入って、求職者数も生活保護もますます急増しています
2009/10/19

 今年春から夏にかけて、麻生首相の「まずは景気だ!}というかけ声の下、自民・公明政権が「経済危機対策」で公共事業の大々的なばらまきを行いましたが、それにもかかわらず依然として、地域の雇用状況は悪化を続けています。

 久喜地域でも特に4月以降、雇用情勢の悪化が顕著で、久喜市役所の2階に解説された“ミニハローワーク”=地域職業相談室への相談件数、求職登録者数もますます増え続け、市役所2階の相談室には昨年に比べて3倍もの毎日80〜100人の相談者が詰めかけて、廊下には行列ができています。

 かろうじて就職決定者数も漸増傾向にありますが、それでも相談に来た人の内で5%の人しか就職できていません。

 これまで市役所の空き室を使用してきましたが、相談に来た人たちが安心してもっとゆっくりと待てるように、別の部屋を相談室にあてて、せめて廊下に並ばないでもすむように配慮するべきではないでしょうか。

( )内の数字は久喜市在住者数
相談者数 新規求職者 会社を紹介 就職決定
2008 456 326 257 24
456 234 203 35
638 235 308 45
10 716 247 313 43
11 670 225 250 32
12 744 214 292 45
2009 903 285 334 38
991 301 471 51
1218 380 555 54
1336 374 595 60(29)
1290 362 504 60(21)
1629 418 733 69(34)
1664 395 708 65(20)
1465 351 616 69(30)
1356 412 675 74(25)
10

生活保護も急増

 生活保護も増え続けています。
 生活保護受給世帯は昨年1月には257世帯(367人)でしたが、今年の5月には300世帯を突破、8月には312世帯(457人)にまで急増しています。
6月に相談者数が急に増えたのは、3月で失職した人が多かったからと考えられます。

相談 申請 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
2008 13 257 367
263 383
266 386
14 261 381
22 259 368
18 263 374
16 10 268 382
10 269 386
15 272 391
10 23 277 395
11 15 279 397
12 24 10 277 395
2009 28 13 277 394
22 285 404
32 11 285 417
20 13 12 297 436
20 302 445
45 16 299 440
22 13 305 451
26 13 10 312 457
16
10

 市民が“生活ができない”状態に陥って市役所に相談に来た場合、市は積極的に生活保護申請を受けなければならない責任があるはずですが、相談者の内の半分以下しか「申請」に至っていないのが現実です。
市では多くの場合、生活保護の相談に来た人に対して、「決定まで1か月かかる」と説明しているようですが、本来は生活保護法で、「申請」がなされたら、市は原則として14日以内に保護決定をしなければならないことになっています。
 生活保護は、日本国民の権利で市民の最後のセーフティネットなのですから、住民票がない場合などでも、まず生活保護を受給して生活を安定させてから求職活動など自立の努力を始められるように、市は積極的に相談に乗るべきです。


久喜市の緊急雇用対策の雇用創出効果
2009/6/15

 6月議会に提案されている一般会計補正予算で、経済危機対策としての緊急雇用創出が打ち出されています。
 今回盛り込まれたのは、民間企業のための需要創出や雇用対策でなく、自治体が臨時職員を採用して直接に雇用を生み出すものですが、久喜市における今年度中の雇用創出効果は臨時職員9人、のべ657日間となっています。

・農政商工課に、雇用・住居などの総合的相談にあたるカウンセラーを配置する。(1人、週5日間で131万円。年度内の雇用創出効果は150日)
・介護福祉課に高齢者相談支援にあたる専門職員を配置する。(1人、週3日間で166万円。年度内の雇用創出効果は96日)
・納税課に滞納者の実態調査、現地調査、転出先調査などにあたる調査員を雇用する。(2人、予算は賃金137万円。年度内雇用創出効果は101日)
・生涯学習課で、青葉小の郷土資料室に保管している民具等の台帳整理調査にあたる職員を雇用する。(5人、予算は賃金132万円。雇用創出効果は40日)

 今年度の政府予算では、緊急雇用創出事業1500億円、ふるさと雇用再生事業2500億円で最大25万人の雇用創出を打ち出していますが、久喜市での予算566万円、9人の雇用創出効果だけとはお寒い限りです。

 なお、今年2月以降に久喜市独自で臨時職員を雇用して失業者の救済対策を行ってきましたが、環境化でカーブミラー等の調査業務に当たる職員を2月に1人、4日間、3月に1人15日間、4月からは定額給付金事務にあたる職員を3人雇用しており、6月まででのべ183日間の雇用創出効果があったとしています。

 雇用対策とは別に、政府の2次補正予算で1兆円の経済危機臨時交付金を地方自治体へのばらまき、経済刺激策を打ち出していますが、今回の久喜市の補正予算には盛り込まれませんでした。


求職者数も生活保護も急増
『声と眼』378号  2009/5/13


 雇用の悪化が続く中で、市役所2階に開設されている地域職業相談室(ミニハローワーク)の相談件数が急増、特に1月以降は毎日80人もが訪れて行列ができています。年度末の3月には相談者数は1000人を突破、新規求職者数も増え続けていますが、相談に訪れた人の中で就職が決定したのは5%足らず! 20人に1人という状況です。

相談者数 新規求職者 会社を紹介 就職決定
2008 456 326 257 24
456 234 203 35
638 235 308 45
10 716 247 313 43
11 670 225 250 32
12 744 214 292 45
2009 903 285 334 38
991 301 471 51
1218 380 555 54

生活保護もじりじりと増加

 生活保護も増え続けています。受給者は昨年1月は257世帯(367人)でしたが、今年の3月には285世帯(417人)となっています。
1月以降は毎月30人以上が相談に訪れています。

相談 申請 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
2008 13 257 367
263 383
266 386
14 261 381
22 259 368
18 263 374
16 10 268 382
10 269 386
15 272 391
10 23 277 395
11 15 279 397
12 24 10 277 395
2009 28 13 277 394
22 285 404
32 11 285 417

 生活保護は最後のセーフティネットで国民の権利ですから、“生活ができない”状態に陥った場合、市は積極的に生活保護申請を受けて、原則14日以内に(急迫した状況では職権で速やかに)保護決定しなければなりませんが、現実には相談者の半分以下しか申請を受けていません。
住民票がない場合などでも、まず生活保護を受給して生活を安定させてから求職活動など自立の努力を始めることが必要とされています。


市の緊急雇用対策を進めるべき
『声と眼』375号 2月市議会 猪股の一般質問  2009/3/23

 景気の急激な悪化で久喜地域でも“派遣切り”などによる雇用不安や生活不安が広がり、市内の工業団地の企業でも大量の失業者が発生しています。
久喜市でも臨時職員の緊急雇用対策を打ち出しましたが、週4日で期間が1か月だけと雇用条件が悪かったため、2月はわずか1人、3月は2人の応募しかありませんでした。
特に2月に応募された人は職と住居を同時に失って支援を求めてきたのですが、市では住居などの必要な支援ができなかったため働き続けることができず、わずか2日間だけでやめざるをえませんでした。
【市長も担当部長もこれを“自己都合で退職”と言っていますが、ちょっと違うのでは…。】

 毎年、年度末には市役所では税金の申告事務の補助などで事務職だけで約50人の臨時職員が働いています。
さらに今後は定額給付金の事務もあります。市ではこれらの事務には従来からの臨時職員に登録している人をあてていく方針ですが、派遣切りなど緊急性のより高い人の救済を優先すべきではないでしょうか。
こうした業務の一部にでも緊急雇用対策を活用するよう求めました。
 また、職も住まいも同時に失って市に救済を求めてきた人に対して、臨時職員として雇用するだけでは不十分です。
緊急住宅対策としての県営住宅の提供や雇用促進住宅の活用、生活保護申請手続き、社会福祉協議会による一時資金貸付制度の活用などの密接な連携が必要です。
久喜市では社会福祉課、雇用対策の農政商工課、庶務課とバラバラに対応していますが、緊急生活支援の総合的な窓口を作るよう求めました。


市内でも“派遣切り”、失業
『声と眼』373号  2009/2/19

 昨年からの景気の急激な後退はいっそう厳しさを増し、市内でも工業団地の企業などで雇用情勢が急速に悪化しています。
市では1月に久喜菖蒲工業団地と清久工業団地の103事業所に経営・労働情勢についてのアンケート調査を実施し、53社(52%)から回答がありました。

人員削減 削減する予定はない 31社 58.5%
わからない 11社 20.8%
削減した(する予定) 11社 20.8%
削減した(する予定)の規模 5人以内 5社 45.5%
5〜10人未満 2社 .2%
10〜30人未満 3社 27.3%
30〜50人以内 0%
50人以上 1社 9.1%
削減の時期 すでに削減した 4社 33.3%
1月末までに削減 3社 25.0%
3月末までに削減 3社 25.0%
時期は未定 2社 16.7%

 すでに工業団地の電機や自動車関連企業などで大規模な“派遣切り”が行われたと伝えられています。
3月までに工業団地だけでも最大200人以上の失業者が出るおそれがあります。

求職者数も生活保護も急増

 昨年7月に市役所2階に地域職業相談室(ミニハローワーク)が開設されました。
1月以降は毎日80人もが訪れて廊下にまであふれています。相談者数、新規求職者数も急増していますが、就職が決定した人数は増えていません。

相談者数 新規求職者 会社を紹介 就職決定
2008 456 326 257 24
456 234 203 35
638 235 308 45
10 716 247 313 43
11 670 225 250 32
12 744 214 292 45
2009 903 285 334 38

市の緊急雇用対策の実効性は?

 政府はいまだに二次補正予算や関連法案成立のめどすら立たず、景気・緊急雇用対策は先行き不透明な状態が続いています。
各地の自治体では独自の対策に取り組み、さいたま市や行田市、川口市、熊谷市などで派遣で切られた人を市で臨時採用したり、県も住宅のあっせんを始めました。

 久喜市も臨時職員を募集していますが、2月は1人、3月枠は応募者ゼロです。今回の市の雇用条件は、時給810円/1日8時間/週4日勤務で賃金は月10万円にしかならず、アパートだと生活保護基準すら下回ります。
しかも雇用期間が1か月間だけというのでは、応募したくてもできません。

 派遣切りの場合、多くは住まいも失い、貯金もなし、給料日までの生活費もない状態です。
1人1人の状況に合わせて仕事と住宅、当座の緊急生活資金貸付け制度、場合によっては生活保護も組み合わせた総合的な対策が必要です。
県営住宅の緊急入居や雇用促進住宅なども活用できます。

 生活保護も増え続け、昨年1年間の相談件数は186件、申請は74件、57件が新規に保護開始となりました。
昨年1月の保護世帯数は257世帯(367人)でしたが、7月には268世帯(382人)、今年1月には277世帯(394人)に急増しています。
特に秋以降の相談件数は毎月20件以上に増え、1月だけで相談28件、申請13件にのぼっています。

相談 申請 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
2008 13 257 367
263 383
266 386
2008 14 261 381
22 259 368
18 263 374
16 10 268 382
10 269 386
15 272 391
10 23 277 395
11 15 279 397
12 24 10 277 395
2009 28 13 277 394

生活を守る財政運営になっているか

 2008年度の一般会計は法人税収が大幅減に対して地方交付税が1億円も増額となり、実質的な財政規模は2007年決算や今年度当初予算の水準を維持しています。
市の貯金である財政調整基金の今年3月末残額を当初は約4億7000万に減ると言われていましたが、現実には大きく増えて現在約9億円にまでふくらみました。
これらの財政を市民の安心安全、セーフティネットの充実、雇用支援などに積極的に使うべきではないでしょうか。

 2009年度久喜市一般会計予算は極めて甘い見通しに立っています。
市税収入は4%減としていますが、GDPが2けたマイナスの中で、その程度の減少ですむのでしょうか。生活保護費は6%減と見込んでいますが、逆に3割以上は増える恐れがあります。
一方で市長は、来年3月には財政調整基金が2億円に落ち込むと言っていますが、実際には年度途中で積み増して5億円以上になると予想されます。
久喜市の財政運営方針に大きな疑問があります。


★久喜市の緊急雇用に応募した人は住宅の手当もなく、数日でやめざるを得なかったそうです。★


久喜市での「最低生活費」、生活保護の基準額はいくらくらいか
2009/2/8

 生活保護の基準はいくらくらいなのか、憲法25条に規定された「健康で文化的な最低限度の生活」を営むための「最低生活費」はいくらくらいなのか。
 県によって、市町村によって、、また家族の人数、年齢、子どもの数と年齢によって、計算方法は複雑で、しろうとにはなかなか計算できません。
 でも、自分の家族の「最低生活費」がいくらなのか、試算してみることはできます。

 下の表は、家族構成によって「最低生活費」がいくらくらいになるのか、どれくらい違ってくるのか、計算してみたものです。
 もしも毎月の収入がこの金額を下回っていたら、生活保護を受ける権利があることになります。
 失職したり、病気で働けないなどで、収入が最低生活費」を下回れば、生活保護が受けられると考えていいでしょう。

 市の社会福祉課へ行って「生活保護申請書」を提出して、認められる可能性があります。

これは“めやす”の数字です
家族構成 親の年齢 子ども 最低生活費
夫婦と子ども2人 夫婦とも40代 子ども2人、内1人は小学生 15万4700円
母子家庭 母親は40代 小学生の子ども2人 14万5190円
夫婦 夫婦とも60代  9万8620円
1人暮らし 50代  6万6920円
1人暮らし 70代  6万2130円

 この「最低生活費」は、地代、家賃を除いた額ですので、生活保護の場合には、これに地代・家賃(全額と限りません)が加算されます。
 仕事や年金などで他に収入がある場合、その収入額は生活保護から減額され、最低生活費との差額が支給されることになります。
 以前は70歳以上の高齢者には1万8000円ほどの「老齢加算」が上乗せされていましたが、2006年から、老齢加算は全廃されてしまいましたので、高齢者ほど「最低生活費」が低く、生活保護も低くなっています。
 また実際の生活保護の額は預貯金の額などによっても違ってきます。


久喜市の緊急雇用対策、2月の応募はわずか1人だけだったのはなぜ?
2009/2/8

 久喜市は「緊急雇用対策」として、1月に派遣切りなどで失職した市民を対象に、臨時職員を7人募集していましたが、応募は1人だけでした。
 2月2日から採用されて、合併浄化槽調査業務に当たっています。

 市ではさらに3月の臨時職員を募集していますが、これで実際に派遣切りなどで失職した市民に対する「緊急対策」になっているのか、疑問といわざるをえません。

 2月の募集も3月に向けての募集も、1日8時間、月〜木曜日までの週4日間勤務、時給810円で、雇用期間は1か月間だけ(2月は2日から26日まで、3月も2日から26日まで)となっています。

 これでは毎日8時間、週4日間をフルに働いても1か月間の給与はやっと10万円で、税金を引かれたら、いったいいくら残るのか、しかも1か月間でおしまい…。

 たとえば、もともと夫婦共働きで、家計を助けるためにパートで働いていた人だったら、10万円の収入でもありがたいかもしれませんが、そうではない、家庭の主たる働き手だったり、ひとり暮らしの人だったら、10万円で生活できるでしょうか。

 住まいが持ち家ならともかく、もしアパートなどに住んでいて家賃数万円を引かれるとしたら、もうとても生活を支えられる金額ではありませんから、本当に収入がなくて生活できないという人は、今回のような市の臨時職員“緊急雇用”には応募できないでしょう。

 県内で同様に緊急に臨時職員募集を打ち出した市では、雇用期間はさいたま市では半年間、行田市は3か月間です。

 担当課では、今回の臨時職員の“緊急雇用”を週4日間、1か月間だけとした理由について、
 派遣切りなどで失職した人は就職活動をしなければならないから、毎日勤務となると職探しができない、面接に行ったりする日も必要だから、週に1日空けるように“配慮”したのと、あくまでも緊急のつなぎだから期間は1か月間とした、
と説明しています。

 しかし、現実に派遣切りなどで突然失職してくらしに行き詰まった人は、当面安定、とまでいかなくても少なくとも当面は落ち着いて暮らしながら次の仕事を探せるような環境を求めています。
 その期間を1か月間だけとはじめから区切ってしまうのはあまりにも“配慮”が足りないのではないでしょうか。
 むしろ臨時職員として本人のできる限りフルに勤務してもらって、本人の意志で就職活動に必要な休暇を与えるというような“配慮”が必要だと思います。

 久喜市で緊急雇用のために用意した業務は、2月が合併処理浄化槽調査業務、3月はカーブミラー調査業務です。
 市役所内の各課に、緊急雇用の対象となるような業務がないかと調べさせた結果、この2つの業務が上がってきたというのですが、実は毎年、年度末には税の確定申告などで臨時職員を大量に雇っています。

 だから、カーブミラー点検とか浄化槽の調査と化の今だけの仕事でなくて、他の多くの臨時職員を充てている業務に緊急雇用を充てればいいと思うのですが、なぜそれができないのでしょうか。

 市は「通常の臨時職員の登録をしてもらえばいい」と言うのですが、通常の臨時職員登録は基本的には採用は登録順番なので、緊急の雇用対策には間に合いません。

 結局、久喜市が緊急雇用対策をせっかく打ち出したのに、実際に派遣切りなどで困っていて、まさに「今」、職を求めている人の実体とニーズに合っていないのではないでしょうか。


久喜市で臨時職員7名を緊急雇用へ
2009/1/16

 派遣切り等の緊急の失業者対策として、久喜市は「臨時職員」を募集・採用することを決定し、直ちに開始しました。

 「緊急経済対策の一環として、臨時職員7名を募集、対象は昨年秋以降に解雇・派遣契約の打ち切りなどで離職した市内在住者」としています。

 15日から26日まで募集し、雇用期間は2月2日から2月26日まで。
 1日8時間、週4日間勤務、時給810円で、仕事内容は《カーブミラー調査業務と合併処理浄化槽調査業務》としています。

 埼玉県内でもすでにさいたま市や行田市がこうした緊急の臨時職員の募集・雇用を打ち出していました。
 久喜市の対策について、1月8日に問い合わせたところ、農政商工課で市内企業の雇用状況を調査し、その結果によってどのような対策が取れるのか、「検討」していくとしていました。

 さっそく雇用方針を決めた積極姿勢は評価できますが、雇用開始が半月も先の2月2日からで、期間は26日までと1か月にも満たないのでは、やらないよりはやった方がいいとしても、いかにも中途半端ではないでしょうか。
 現に、12月中に臨時職員の採用を打ち出して募集していた行田市では、雇用期間が年度末までの3か月で短かったためか、16人の定員に対して応募が4人だけだったそうです。

 実際に派遣切りなどで“明日の生活に困っている人”の状況に応じて、さらに検討していく必要があるのではないでしょうか。


「派遣村」での生活保護活用こそ、法律本来の姿

 生活保護問題対策全国会議など諸団体で以下の声明を発表しました。
 「転送・転載歓迎」とありますので、この声を広げるために、そのまま掲載します。

2009年1月15日

「派遣村」での生活保護活用こそ、法律本来の姿

生活保護問題対策全国会議         代表幹事 尾藤 廣喜
ホームレス法的支援者交流会        共同代表 後閑 一博
                    同 上  木原万樹子
首都圏生活保護支援法律家ネットワーク  共同代表 釜井 英法
                    同 上  猪股  正
生活保護支援ネットワーク静岡        代 表  布川日佐史
東海生活保護利用支援ネットワーク      代 表  内河 恵一
近畿生活保護支援法律家ネットワーク    共同代表 辰巳 裕規
生活保護支援九州ネットワーク         代 表  永尾 廣久
東北生活保護利用支援ネットワーク      代 表  新里 宏二
全大阪労働組合総連合(大阪労連)      議 長  川辺 和宏
しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西      理事長  神原 文子
派遣労働ネットワーク・関西           代 表  脇田  滋
自立生活サポートセンターこんぱす      代 表  國師 洋典

「派遣切り」などで住まいや仕事を失った人たちを支援するため、昨年末から東京・日比谷公園において「年越し派遣村」が取り組まれた。派遣村の「入村」者約500名のうち250名を超える人々が生活保護の申請をし、数日のうちにアパートでの生活保護開始決定を得たことについて、「超法規的な特別扱い」であるとの誤解が一部にあるようである。

 しかし、以下述べるとおり、派遣村村民に対してなされた生活保護の運用は、生活保護法が本来予定する当然の内容であって「特別扱い」などではない。現に全国の多くの自治体では同様の運用がなされている。


 私たちは、労働者派遣法の抜本改正によって「派遣切り」そのものを規制し、脆弱な失業保険などのセーフティネットを充実させるべきと考えている。しかし、今、現に住まいを失った人々の生存を守る制度は現行法上、生活保護法しかない以上、同法の適正かつ積極的な活用によって生存を確保することが切実に求められている。今こそ、生活保護の出番なのである。

「住所」がなくても生活保護は利用できる

 「住所」がないと生活保護が利用できないという誤解があるが、そのようなことはない。

 生活保護法19条1項は、居住地のない者については、その「現在地」を所管する福祉事務所が生活保護の実施責任を負うことを定めている。


 したがって、住居を失い、やむを得ず日比谷公園で寝泊まりしていた村民らについて、同公園がある千代田区の福祉事務所が生活保護を実施したのは法律上当然のことである。

生活保護費でアパートや家財道具を確保することができる

 住居のない者は、自らアパートを用意しなければ「居宅保護」(アパートでの生活保護)を受けることはできないという誤解があるが、そのようなことはない。

 生活保護法30条1項は「生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする」と「居宅保護の原則」を宣明し、施設などでの保護適用は例外であると規定している。そして、住 居のない者に対しても、生活保護費からアパート等の敷金(保証金)、家具什器費、布団代、被服費などを支給して新住居を確保することができる。

即日でも保護決定はできる

 生活保護法24条3項は、申請から原則として14日以内に決定しなければならないとし、同法25条1項は、急迫状況にあるときは、すみやかに職権で保護を決定しなければならないとしている。

 この点については、厚生労働省も2008年3月4日の生活保護関係全国係長会議において、「原則14日以内に保護の決定を行う必要があり速やかに審査を行う必要があるが、その中でも、申請者の手持ち金が限られているなど急迫している状況にあるときは、迅速な保護の決定が求められることに留意願いたい」と注意喚起している。

 したがって、派遣村村民のように住居も収入もなく所持金もないか僅少な者から保護申請があった場合には、迅速に保護決定をすることが法の求める本来の姿である。

失業者やワーキングプアも生活保護が利用できる

 「働く能力がある者は生活保護が受けられない」という誤解があるが、そのようなことはない。

 働く能力があり、それを活用しようとしても働く場が得られない者は生活保護を利用することができる。したがって、派遣切りなどで職を失った失業者や低収入しか得られないワーキングプアも当然に生活保護を利用することができる。

厚生労働省は、生活保護制度の本来の運用に関し、通知を行うべきである

 以上のとおり、派遣村村民に対する生活保護の運用は「特別扱い」ではなく、法が本来予定する「あるべき姿」である。

 しかし、トヨタ関連の「派遣切り」被害者が多数生じている名古屋市では、住居のない者に対しては施設入所を前提とし直接の居宅保護を行っていない。しかも、同市は、一昨日からその施設も満床であるとして、救いを求めて集まっている多くの住居のない者を寒空に放逐しようとしている。また、キャノン関連の「派遣切り」被害者が生じている大分市は、「まずは安定した住居を確保しない限り保護開始しない」と述べており、滋賀県大津市も、入所枠の限られた施設入所を居宅保護開始の前提としている。


 3月までに8万5000人もの非正規労働者が職を失うと言われている現下の緊急事態の下、とりわけ大規模な「派遣切り」が行われている上記自治体が生活保護の窓口を閉ざせば、自殺や餓死などの悲劇が生じかねない。


 そうした悲劇を生まないために、厚生労働省は、派遣村村民に対して実施された生活保護の運用こそ法が予定するスタンダードであることを全国の福祉事務所に通知して周知徹底すべきである。また、各地の福祉事務所は、厚労省の通知を待つことなく、適正かつ積極的な生活保護行政を実施すべきである。


  そのためにも、報道関係や市民の皆さまが生活保護制度に対する誤解や偏見を解き制度を正しく理解していただくよう、心からお願いしたい。

職を求める人は急増しているが…
2009/1/10

 市役所2階に、7月から「地域職業相談室」が開設されています。
 もともとは中央4丁目の武蔵野銀行の2階にハローワークがあったのですが、相談件数が少ないため閉鎖されて、その代替施設として市役所に小規模な相談室が設置されたものです。

 この職業相談室での「相談」件数も9月以降に急増していますが、それに対して「紹介」はあまり多くはなく、また「就職」に結びついたのは相談件数の内の6%、「紹介」の内の14%で、就職状況の厳しさが伺われます。

相談 求職 紹介 就職
2008 456 326 257 24
456 234 203 35
638 235 308 45
10 716 247 313 43
11 670 225 250 32
12 744 214 292 45

久喜市でもじわじわと、“貧困化”、そして“派遣切り”
2009/1/9

 久喜市役所で、生活保護の相談、申請、決定、そして生活保護世帯数の動向を調査しました。
 生活保護だけが「貧困」を表すわけではありませんが、それでもこの久喜地域においても、市民の暮らしの悪化、「貧困化」が進んできていることが読み取れます。

生活保護の相談、申請、開始、受給世帯数の推移
相談 申請 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
相談 申請 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
2007 12 258 375 2008 14 261 381
14 259 373 22 259 368
13 261 377 18 263 374
10 260 376 16 10 268 382
16 258 372 10 269 386
262 379 15 272 391
10 265 381 10 23 277 395
11 266 378 11 15 279 397
12 259 368 12 24 10
2008 13 257 367 2009
263 383
266 386

 2007年4月〜2008年3月まで1年間の相談件数は116件でした。
 その内、4月〜12月の「相談件数」は99件に対して、2008年4月〜12月の相談件数は157件で、約50%もの増となっていて、しかも景気悪化が顕在化した9月頃から特に増えてきています。

 生活保護の申請件数も、2007年4月〜12月は46件に対して、2008年4月〜12月は57件とやっぱり増えてきています。
 生活保護を受けている世帯数は2007年に比べて10世帯以上も多くなっており、このまま行けばまもなく300世帯、400人に達するのも時間の問題と思われます。

 日本中で大企業の「生産調整」という名の下に、「非正規雇用労働者」の首切りが、100人、1000人規模で進んでいます。
 大企業にとって、非正規労働者は「いつでも自由に首を切れる」雇用調整弁に過ぎず、「派遣労働者」は人間でなくて、工場の「機械」や「モノ」と同じだったと言えます。
 それらの経営者にとっては、非正規労働者、派遣労働者が、生きてものを食べ、生活している人間なんだということが見えていないのでしょうか。

 最近ではついに蓮田市で自殺者も出ています。
 さいたま市や行田市では、派遣切りにあって「明日の暮らしに困っている人々」を、短期の市の臨時職員として雇用する、住宅も提供するという緊急的な取り組みが始まりました。
 これは根本的な解決策ではありませんが、職も住宅も失って路上生活を余儀なくされ、“生きるか死ぬか”の瀬戸際に追い込まれつつある人に対して、当面の仕事と寝る場所を提供するのは、行政としてできる最低限の責任だと思います。

 久喜市では残念ながらまだ具体的・積極的な対策は決まっていなくて、動きは鈍いようですが、農政商工課で市内企業の雇用状況を調査し、その結果によってどのような対策が取れるのか、「検討」していくとしています。

 現に毎朝、久喜駅前に集まって工場などに送り込まれていた派遣の人々が、最近は姿が見えなくなってきていますし、工業団地でも、大規模な派遣切りが始まっているという情報も入っています。

 一方、上田知事はこうした自治体の取り組みについて、「効果がない」と非難する発言をしているのですが、緊急的な雇用対策に積極的に取り組もうとしている県内の自治体にブレーキをかけるのは容認できません。


「手話通訳はじゃま」という講師。市が障害者の権利に対して認識不足を謝罪
11定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』349号 2008/1/17

 10月20日に実施された市立図書館20周年記念式典・講演会で、手話通訳者を演壇の下の離れたところで通訳させ、障害者差別行為を行ったことについて、経過と今後の対応をただしました。
 通常、講演会などで手話通訳者はあいさつや講師など話者のそばに立って通訳します。
聴覚障害者は話者の表情や話し方と手話通訳を同時に見ることで話の内容をとらえることができるからです。
ところが今回依頼した記念講演の講師は、事前の図書館事務局との打合せで、『手話通訳者がいると気が散る、めざわりだから講師から見えない所でやるように』と言ってきたのだそうです。

 これはこの講師が聴覚障害者のことや手話通訳者の役割をまったく理解していなかったわけで、本当なら事務局が講師に対して、手話通訳についてきちんと説明して理解を求めるべきだったのではないでしょうか。
講師の方が偉くて何でも言うことを聞くというのは間違っています。

 また当日は、式典開始前に手話通訳者の立つ位置について打合せをすることになっていたにもかかわらず、それもしないで式典を開始してしまいました。
演壇上に来賓などが並んでいたので、その前に立つと失礼になると判断して、手話通訳者を演壇の下の窓際に立たせました。事務局の職員も、手話通訳者は話者のそばに立つという基本を知らないで、来賓の方を大事に考えて手話通訳をないがしろにしたと言わざるをえません。

 教育委員会は聴覚障害者と手話通訳に対して配慮が不十分だったことを反省し、今後は「手話通訳者を配置する場合の留意事項」に基づいて事前の打ち合わせも行っていくと表明しました。

 なお、こうした経緯について、聴覚障害者団体や当事者に対して謝罪することと、『広報くき』に経過を明らかにしていくよう求めました。 

★安来市でも10月に有名な落語家が「手話通訳がめざわりだから見えないところでやってくれ」と言って新聞にも大きく報道された。手話通訳に対する無理解はまだまだ多い。★


手話通訳は隅の方でやるようにと
『声と眼』345号  2007/11/12

 10月に、久喜市のある公共施設の20周年記念式典と記念講演が開かれました。
ところがその式典で、手話通訳者が演壇の上でなく、部屋のいちばん端の窓際で手話をしていました。
−しかし聴覚障害者はたんに手話通訳者の手話だけを見ているわけではなく、話している人の姿や顔の表情なども同時に見ているのです。
だから本来は手話通訳者は話をしている人の近くに立ちます。話し手と手話通訳者が離れていたのでは、手話と話し手をいっぺんに見ることができないからです。

 事務局職員に確かめたところ、講師から、手話通訳をそばでやられると気が散るから離れた見えないところでやるように言われたので、手話通訳者が講師から見えないように演壇から離れてもらったと説明しました。
しかしそれは聴覚障害者のことも手話通訳のことも全く理解しない人のやることです。
講師の先生の手話通訳に関する認識が間違っているか、事務局との事前の打ち合わせで行き違いがあったということも考えられます。

 講演が始まる直前になって急遽、事務局の職員や責任者らで話し合って、手話通訳者は演壇の上にのぼってもらうことになりましたが、講師の位置からは少し離れて立つことで、その場は一応おさまりました。
−しかし、手話通訳が講演の支障になると判断し、演壇から離れたところでやるように指示したとすれば、事務局の考え方と障害者に対する認識不足は大問題です。
障害者の権利を無視した差別行為は許されません。


民法の改正を求める意見書、全会一致で可決されました
『声と眼』337号 2007/6/28

 離婚後300日以内に生まれた子供は前夫の子と「推定」する、というおかしな民法の規定によって、多くの子どもたちが、戸籍もない状態に置かれています。
こうした子どもの不利益をなくすため、早期に民法の規定を改正するよう求める意見書を提出しました。
 6月議会最終日に全会一致で可決されました。 

提出者 猪股和雄
賛成者 岸 輝美
      園部茂雄
      春山千明
      石川忠義

民法772条の早期改正を求める意見書

 民法第772条は「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。 2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」と規定しています。
 この規定に基づいて、女性が離婚後に妊娠した子どもや、再婚後に出産した子どもであっても、離婚後300日以内であれば、離婚前の夫の戸籍に記載され、実父母の戸籍に記載されなかったり、入籍できても前夫の名前と「親子関係不存在」と記載されることになります。しかも家裁への調停申し立て手続きや、前夫の証言が必要になることもあります。こうした子どもにとっての不利益を避けるために、出生届が提出されず、子どもの戸籍が作成されないケースが数多く存在することが明らかになっており社会問題化しています。
 総務省は今年5月から、離婚後300日以内の出生であっても、離婚後の妊娠であるとする医師の証明があれば「民法772条の推定がおよばない」特例を通達しましたが、この措置によって救済される子どもは一部に過ぎないとされています。
 特にDVなどによって離婚協議自体が進められない場合も多くあります。長期間別居しているなど事実上婚姻関係が破綻していることが明らかであっても、「離婚前」の妊娠については、民法772条の推定が適用されるため、多くの子どもはいまだに戸籍を作成されないままの状態に置かれています。
 こうした子どもの不利益をなくすため、早期に民法772条の規定を改正するよう検討されるよう求めます。
 また婚姻関係が事実上存在しないことが明らかな場合、離婚前の妊娠による出産についても、実の親子関係による出生届の提出と子どもの戸籍作成を認めるよう求めます。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

久喜市議会

内閣総理大臣
総務大臣

久喜市が、「戸籍がなくても住民票を作る」と決定
2007/6/16

なお私は、2月定例市議会の一般質問で、出生届が出されないで戸籍が作成されていない場合であっても、子どもへのサービス提供と住民票を作成するよう求めていましたが、市当局は6月7日に、このようなケースであっても久喜市では住民票を作成することを決定しました。


民法772条問題で一般質問
「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」……子どもの最善の利益を最優先すべき

2定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』331号 2007/3/12

 民法772条に「女性が離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子とみなす」規定があります。
何年も別居した後に別の男性との間に生まれた子でも、再婚後であっても、前夫の戸籍に入れられてしまいます。
裁判を起こして現夫の戸籍に入ることが認められても、子どもの名前の欄に前夫の記載が残ります。

*子どもの戸籍記載の欄に、以下の記載がされます。
【特記事項】平成○年○月○日、●●●●との親子関係不存在確認の裁判確定

こうした理不尽な事態を避けるために、子どもの出生届を出さないケースがあります。
戸籍も住民票もないままにされるとしたら、人権無視と言わざるを得ません。

 早急に民法改正が必要ですが、自治体でできる限りの配慮をする動きも出ています。
ー−1990年に神戸市で、また今年になって足立区が、出生届が出されなくても、特例で、行政の職権で住民票を作成したことが大きく取り上げられました。
 久喜市でも昨年、離婚後300日以内に産まれた子の母親から“相談”があったことが明らかにされています。
私は一般質問で、住民票を職権で作成するよう主張しましたが、市は「早急に検討する」と答弁しています。

ー−また、住民票が作成できないとしても、子どもに対する行政サービスで差別は許されません。
子ども医療費、国民健康保険、児童手当、保育園、学校、母子手帳、健康診査などの行政サービスについて、住民票がなくても受けられることを確認しました。

民法

第772条第2項 婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は,婚姻中に懐胎したものと推定する。

住民基本台帳法施行令

(住民票の記載)
第7条  市町村長は、新たに市町村の区域内に住所を定めた者その他新たにその市町村の住民基本台帳に記録されるべき者があるときは、次項に定める場合を除き、その者の住民票を作成しなければならない。
2  市町村長は、一の世帯につき世帯を単位とする住民票を作成した後に新たにその市町村の住民基本台帳に記録されるべき者でその世帯に属することとなつたもの(既に当該世帯に属していた者で新たに法の適用を受けることとなつたものを含む。)があるときは、その住民票にその者に関する記載(法第六条第三項 の規定により磁気ディスクをもつて調製する住民票にあつては、記録。以下同じ。)をしなければならない。

(届出に基づく住民票の記載等)
第11条  市町村長は、法の規定による届出があつたときは、当該届出の内容が事実であるかどうかを審査して、第七条から前条までの規定による住民票の記載、消除又は記載の修正(以下「記載等」という。)を行なわなければならない。

(職権による住民票の記載等)
第12条  市町村長は、法の規定による届出に基づき住民票の記載等をすべき場合において、当該届出がないことを知つたときは、当該記載等をすべき事実を確認して、職権で、第七条から第十条までの規定による住民票の記載等をしなければならない。


毎日新聞の記事から

民法772条:離婚後の妊娠も「前夫の子」 事実曲げる法

 「離婚後300日以内に生まれた子供は前夫の子」との民法772条の規定により、横浜市内の夫妻は、離婚成立後の妊娠が明確なのに、生まれた子供を「前夫の子」とされた。それを覆すための法的手続きに半年かかり、費用は100万円を超えた。妊娠期間は「十月十日(とつきとおか)」と言われ、通常280日。規定は、父親のいない子供とならないよう出産の遅れを考慮して20日分加えられた経緯があるが、夫妻は「離婚後の妊娠なのに理不尽」と訴える。【工藤哲】

 女性(29)は04年1月25日に離婚。同年8月12日に今の夫と再婚した。妊娠39週と3日にあたる11月11日に女児が生まれた。正常出産だったが、離婚後291日に当たり、夫を父親とする出生届は受理されなかった。規定の存在は、その際に初めて知った。

 このため、夫婦は前夫を相手に親子関係不存在確認を求めることにした。手続きは、前夫が住む西日本で行われたこともあり、交通費やDNA鑑定など計約130万円かかった。

 法律学者によると、1898年の施行時からある規定は、父親を推定し親子関係を安定させるため設けられた。当時の統計では、妊娠期間が200〜300日がほとんどで、規定は子供の立場を考慮し、最も長い300日に定められた。

 夫(37)は「母子手帳には『6月30日で20週』と書かれている。逆算すれば離婚後の妊娠は明らかだ。役所は、しゃくし定規に法律を適用するだけ。医学的事実もねじ曲げられる」と憤る。

 厚生労働省の人口動態統計では、出産の時期を37週未満(早期)、37〜41週(正期)、42週以上(過期)に分けている。早期は80年には全体の4.1%だったが、04年は5.7%。過期は80年の4.4%から04年は0.6%になり、早期産率が高くなる傾向にある。

 東京電力病院産婦人科の田辺清男科長は「不妊治療で、双子や三つ子など多胎する割合が増えたため、早く生まれる傾向にある」と分析する。

[毎日新聞 2007年1月25日]

<民法離婚後規定>裁判で認められても戸籍に「前夫の名」

 「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」とする民法772条の規定をめぐり、裁判の末にようやく今の夫の子とした場合でも、子供の戸籍に前夫の名前が記される。戸籍法が記載を義務づけているからだが、親たちは「なぜ、子供には無関係の前夫の名が付いて回るのか」と見直しを求めている。【工藤哲】

 東京都目黒区の会社員の女性(38)は02年3月13日に前夫と離婚。この年の9月30日に再婚し、12月19日に双子の女児を出産した。半月ほどの早産だったこともあり、離婚後281日目の出産で、今の夫を父親とする出生届は役所に受理されなかった。

 女性は前夫に「嫡出子否認」の手続きを取ってもらう承諾を得て、前夫と子供に親子関係がないことを証明するDNA鑑定を実施。家庭裁判所の調停を経て、約3カ月後に今の夫の子として戸籍登録した。

 裁判結果が戸籍に記載されていると気づくのは、04年夏。海外旅行のため、1歳半になった娘2人の旅券を申請しようと取り寄せた戸籍謄本に嫡出子否認の裁判の確定とその日付、前夫の名前が記されていた。

 戸籍法の施行規則は、民法772条の規定を裁判(嫡出子否認や親子関係不存在確認)で覆した場合、その手続きと前夫の名前を記すとしている。法務省によると、本籍地を移したり、役所の電算化などで新しい戸籍になれば記載は消えるが、削除されたわけではないので戸籍をたどれば確認される。

 女性は「裁判が終わり、問題は解決したと思っていたのに。将来、子供やその結婚相手が見たらどんな思いをするだろう」と言う。民法改正に取り組むNGO「mネット・民法改正情報ネットワーク」の坂本洋子共同代表は「前夫の名前が戸籍に残るのが嫌で、出生届を出さない母親も多い。前夫にとっても名前が他人の戸籍に記されるのは迷惑な話」と指摘する。

 一方、法務省は前夫の名前を明記するのは「前夫の子ではないことを明確に示すため」としている。

[毎日新聞2月3日]

<民法772条>検診など考慮し女児に住民票 東京・足立区

 「離婚後300日以内に誕生した子は前夫の子」とする民法772条の規定で出生届が受理されていない状態の今月生まれた子供に対して、東京都足立区が、住民票を作成したことが分かった。子供は今も戸籍には登録されていないが、乳幼児検診などさまざまな行政サービスを受けられない事情を考慮した区の救済措置。総務省は「規定をめぐり出生間もない子供の住民票を作ったケースは聞いたことがない」と話している。
 今月2日に生まれた女児で、母親(36)は95年10月に結婚したが、約3年の別居期間を経て昨年4月26日に離婚。翌月に妊娠し、出産は離婚後282日目だった。今の夫が13日に、区役所に出生届を出したが、受理されなかった。
 母親は、今の夫の子として戸籍に登録するため、前夫を巻き込んだ裁判をしようとしたが、前夫から協力的な返事はもらえていない。このため、前夫を裁判の当事者としないで今の夫への強制認知の裁判を起こす方針で、こうした意向を区役所に打診。職員が自宅を訪問して事情を聴くなどして、検討した結果、15日に住民票が作られた。
 住民基本台帳法や施行令は、戸籍に関する届を受理した時は、役所が住民票を作成することを義務づけている。今回は、戸籍の届がないが、台帳法は、一方で、届がなくても事実を確認して役所が職権で住民票を作成できるとも規定しているため、作成した。
 通常、300日規定を覆して現在の夫として戸籍に登録するためには、前夫を巻き込んだ数カ月の裁判を経て、出生届が受理された後、戸籍への登録や住民票が作成される。また、住民票がないと、原則的には国民健康保険に加入できなかったり、児童手当や無料での健康診断やBCGやポリオなどの予防接種を受けることができない。
 神戸市で6歳になった女児に住民票を出すなど、住民票を特例で作成する自治体はあるが、多くは出生から一定期間過ぎた後だった。
 足立区は「こうした措置は区として初めてであくまで特例だ。772条にまつわるさまざまな問題が指摘されている点を考慮した。今回と同様のケースと確認されれば住民票を作成する」と話している。【工藤哲】


 ◇母親は安堵の表情 他自治体に波及も

 東京都足立区が今月、「離婚後300日以内に誕生した子は前夫の子」との民法の規定により戸籍に登録されていない生まれたばかりの女児の住民票を作成していた。出生届の受理期間内で、事実上規定を覆して通常と同様に行政サービスなどを受けられるように配慮した措置だ。女児の母親(36)は「これで娘は健康診断なども無料で受けることができる」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。【工藤哲】

 母親が規定を知ったのは、出産間近の1月中旬。報道で規定の存在を知った知り合いから告げられ、目の前が真っ暗になった。「子を捨てている親もたくさんいる。せっかく生まれてきて、自分で育てたいのに、なぜ不自由な思いをしなければならないのか」。理不尽さに言葉を失った。
 今の夫の子として戸籍に登録するため、前夫に裁判への協力を求めた。しかし前夫からは「出向くつもりもないし、(女児を)自分の戸籍に入れたら訴える」と言われた。今月13日、今の夫が足立区役所に出生届を出したが受理されなかった。
 しかし、窮状を訴えると、区の対応は変わる。職員は「勉強させてほしい」と応じてくれた。保険証が交付され、医療サービスや、出産一時金も受けられることになった。
 規定の適用による子供への不利益は、事実上なくなった。戸籍への記載がないことでの不利益は旅券が取れないということぐらいで、今の子供の年齢なら無関係だ。今後裁判をしなければならないことには変わりはないが、母親は「今の夫の姓で住民票ができた。区に感謝している」と話している。
 民法772条をめぐり母親たちの悩みに応じているNPO「親子法改正研究会」(大阪市)の代表理事の井戸正枝さん(41)は「法的に存在しないとされる子供が住民として認められたことは大きな意味がある。産後に母親が窓口に通う負担も軽減されるし、勇気づけられる判断だ」と歓迎している。
 一方、今回の足立区の判断は、他の自治体にも影響を与える可能性もある。規定による戸籍への記載を親が拒んでいるため2歳の女児の住民票を出していないさいたま市岩槻区は、親からの相談を受け、総務省にも照会してきた。担当者は「戸籍登録後に住民票を作成すべきとの判断から出していないが、今回のケースは初めて聞いた。市と相談して今後調べたい」と話した。
 早産で300日以内に男児を出産した女性(38)からの出生届を受理しなかった東京都豊島区の戸籍担当者は「私たちは現在の規定について運用の見直しが必要という認識でいる。こうした例をよく調べて(生かすことができるか)検討したい」と語った。

[2007年2月27日  毎日新聞]

小学校での男女いっしょの部屋での着替え、改善通知
2006/8/11

 7月に、教育委員会に対して、「小学校の体育やプールの時に、男女いっしょの部屋で着替えさせているのはおかしい」と、指摘したところ、
さっそく教育長名で、各小中学校の校長宛に、以下のような通知が出されました。

    

久教学第1100号
  平成18年7月10日

市内小中学校長 様

久喜市教育委員会教育長

体育の授業(水泳指導等)時における着替えについて(通知)

 このことにつきまして、子どもの性差及び発達年齢を配慮し、更衣室を使用
 していただいておりますが、更衣室がない学校においては、下記事項について
教職員に周知を図るとともに対応をお願いします。

                    記

1 小学校3学年以上の着替えについて
 (1)男女の着替え場所を分ける。
 (2)余裕教室がある場合は、更衣室として使用する。
 (3)余裕教室がなく、教室で着替える場合は、男女の着替えの時間を分けたり、パーティションを使用する。                      

担当:学校教育課 指導係 宗方
電話:22−1111内3439

 この通知が出されたのは、もう夏休み前の授業もほとんど終わりの時期だったので、各学校で改善方策を検討して、実施に移す時間的余裕があったかどうか…。
この通知が守られていれば、少なくとも小学校3年生以上では、男女いっしょの部屋での着替えはなくなっているはずですが、実態はどうなっているでしょう。
 夏休み前半にプール開放がありましたが、この時は着替えは教室でなく、体育館などで行っていますので、男女別と考えられます。

 私は、8月9日に、教育委員会が公教育かに聞きに行きましたが、
この時点では、
教育委員会としては、各学校でどのように対応したかまでは、十分には把握していないようです。


小学校の着替えは男女分けて
6定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』318号 2006/7/24

 市立小学校10校の多くで、体育の着替えを男女同室で行っていることが明らかになりました。
 教育委員会の調査で、体育で1年9校、2年9校、3年8校、4年5校、水泳でも1年7校、2年7校、3年5校、4年3校が男女いっしょの教室で着替えさせていました(5年生以上はなし)。−教育長は「児童の発達に応じて3年生あたりから別室での着替えをしている」と説明していますが、実際には4年生でも、プールの着替えで3校、体育では5校が男女いっしょだったわけです。
 男女同室で着替えさせいるのは、更衣室がない、教室の余裕がない、教室で時間を分けて交代で着替えすると時間が間に合わない、別室にすると先生の目が行き届かない、などが理由のようですが、これらはいずれも学校や先生の側からの管理上の都合です。また『子どもたちがイヤだと言っていないから』というのも、微妙な年齢の子どもたちの気持ちや人権に対する配慮があまりにも欠けているのではないでしょうか。−本来、着替えは男女別室があたりまえです。


「男女同室での着替え」久喜市の調査実態
教育長の“ごまかし答弁”

2006/7/11

 下記の、昨日の記事の続き。
久喜市内の小中学校の「回答状況」は以下の通りである。

問1 貴校では、キャンプや林間学校、修学旅行などの宿泊を伴う活動を行う際、男女は同室の宿泊ですか。 
小学校 中学校
@別室 10校 4校
A同室

問2 貴校では、内科健診などの身体検査を男女一緒に同室で行っていますか。
小学校 中学校
@行っていない 7校 4校
A行っている 3校
1年 3校
2年 3校
3年 3校
4年
5年
6年

問3 貴校では、水泳時における着替えは男女一緒に同室で行っていますか。
小学校 中学校
@行っていない 3校 4校
A行っている 7校
1年 7校
2年 7校
3年 5校
4年 3校
5年
6年

問4 貴校では、体育時における着替えは男女一緒に同室で行っていますか。
小学校 中学校
@行っていない 1校 4校
A行っている 9校
1年 9校
2年 9校
3年 8校
4年 5校
5年
6年

問5 貴校では、運動会や体育祭などでの騎馬戦は男女混合で実施していますか。
小学校 中学校
@実施していない 9校 4校
A混合ではない 1校
B騎馬の構成が混合 0校
C騎馬の構成は男女別 0校

問6 貴校では、運動会や体育祭などでの徒競走は男女混合で実施していますか。
小学校 中学校
@実施していない 8校 4校
A実施している 2校
1年 2校
2年 2校
3年 2校
4年 2校
5年 1校
6年 1校

問7 貴校では、教職員マタは児童生徒に対し、児童生徒の名前を呼ぶときに、男子も女子も統一的に「○○さん」と呼ぶようにさせていますか。
小学校 中学校
@していない 2校 3校
Aしている 8校 1校
1年 8校 1校
2年 8校 1校
3年 8校 1校
4年 8校
5年 8校
6年 8校

問8 貴校では、平成16年度からこれまで、学校での男女の扱い等に関して、保護者投下落城や問い合わせがありましたか。また、あったとすればそれはどのような内容でしたか。
[中学校]
・体育の授業時における着替えの件で、更衣室は設けてもらえないかという問い合わせ

 6月議会の一般質問で、「この文部科学省の調査に対してどう回答したか」と質問した議員がいる。
 教育長の答弁は、
 問1については、「男女同室で宿泊している学校はない」
 問2については、「内科健診などの身体検査を男女いっしょに同室で行っている学校は、小学校3校である」
 問3、水泳時に男女いっしょに同室で着替えを行っている学校は、小学校7校である」
 問4、体育の着替えを男女同室で行っている学校は、小学校9校である」などと答弁した後で、
言い訳めいた説明を付け加えている。
 その中で、教育長曰く。
「問2から問4までで、男女同室で着替えていると回答した小学校については、ほとんどの学校が、男女の性差が顕著でない小学校1、2年生の場合である。
 これらの学校でも、思春期を迎える時期には個人差があるので、児童の発達に応じて、3年生あたりから別室での着替えを実施している」と説明しているのだが、
上の回答一覧表を見れば、体育の着替えは、3年生で8校(市内の小学校の8割!!)、4年生で5校が男女同室(市内の小学校の半分!!)、
プールの着替えでも、3年生で5校(市内の小学校の2分の1!!)、4年生で3校(3割!!)が男女同室になっているのであって、
「これらの学校でも……3年生あたりから別室で実施」というのは間違いである。
教育長答弁がごまかし答弁であることは明らかだ。
 やっぱり、教育長自身も、4年生までいっしょというのがまずいと思ったから、ごまかし答弁で切り抜けようとしたのだろうか???

 もっとも、質問した鈴木議員は、どういうわけか、これ以上実態を追及するでもなく、男女別室にするよう要求するでもなく、文部科学省の調査に対する回答を聞いただけで引っ込んでしまったから、教育長のごまかし答弁がそのまま認められた格好になってしまった。
 しかし、ことは子どもたちの人権に関わる問題である。このまますませておくわけにはいくまい。 


小学校で、体育やプールの着替えは男女別室があたりまえだ
各学校に更衣室を設置すべきだ

2006/7/10

 昨年11月に、全国の教育委員会に対して、文部科学省が以下の文書を送り、全国的な調査を行いました。
「学校における男女の扱い等に関する調査について(依頼)」という文書です。
 各学校が個別に解答を作成し、教育委員会がまとめるという形になっています。

【前書きの部分は省略しました。】

学校における男女の扱い等に関する調査について(依頼)

文部科学省初等中等教育局児童生徒課

調査項目
問1 貴校では、キャンプや林間学校、修学旅行などの宿泊を伴う活動を行う際、男女は同室の宿泊ですか。
 @別室
 A同室(学年  )

問2 貴校では、内科健診などの身体検査を男女一緒に同室で行っていますか。
 (パーテーションなどで仕切っている場合などは、同室とみなさないこととします)
 @別室
 A同室(学年  )

問3 貴校では、水泳時における着替えは男女一緒に同室で行っていますか。
 (パーテーションなどで仕切っている場合などは、同室とみなさないこととします)
 @別室
 A同室(学年  )

問4 貴校では、体育時における着替えは男女一緒に同室で行っていますか。
 (パーテーションなどで仕切っている場合などは、同室とみなさないこととします)
 @別室
 A同室(学年  )

問5 貴校では、運動会や体育祭などでの騎馬戦は男女混合で実施していますか。
 (騎馬の組数の関係から、やむを得ず一部に男女が一緒になるような場合は除きます)
 @騎馬戦を種目として実施していない
 A騎馬戦を実施しているが男女混合ではない
 B男女混合で実施sている(各騎馬の校正も男女混合)(学年  )
 C男女混合で実施している(各騎馬の校正は男女別)(学年  )

問6 貴校では、運動会や体育祭などでの徒競走は男女混合で実施していますか。
 (男女が一緒にチームになって走るリレーや男女一緒にスタートするが距離やタイムは別であるような長距離走などは除きます)
 @実施していない
 A実施している(学年  )

問7 貴校では、教職員または児童生徒に対し、児童生徒の名前を呼ぶときに、男子も女子も統一的に「○○さん」と呼ぶようにさせていますか。
 @していない
 Aしている(学年  )

問8 貴校では、平成16年度からこれまで、学校での男女の扱い等に関して、保護者投下落城や問い合わせがありましたか。また、あったとすればそれはどのような内容でしたか。(上記問1〜7の状況も含め、その他に例えば、副読本などの補助教材(性教育を除く)や、家庭加藤の授業の中での家庭や家族の在り方の内容など)
 @なかった
 Aあった
 ・その内容を具体的に記述してください。
  (          )

 今年の4月10日には、再度の「事務連絡」の文書が送付された。
 「調査項目によっては学校に趣旨が十分に伝わらず、適切な回答が得られていない状況が見受けられます」とあり、再度の回答を求めています。
 下記のような説明が書かれています。

問2 次の場合は同室とみなさないこととします。
 ○パーテーション等で仕切っている場合。
 ○時間差を設けて着替えている場合(男子が検査を受けた後、同じ部屋で女子が検査を受ける(あるいはその逆))
 ○男女一緒に同室で身体検査(健康診断)を行うが、身長等の測定や視力検査などは体操着を着ており、内科検診時においては他の児童生徒から見えないように衝立等で仕切っている場合。

問3 問2 次の場合は同室とみなさないこととします。
 ○パーテーション等で仕切っている場合。
 ○時間差を設けて着替えている場合(男子が着替えた後、同じ部屋で女子が着替える(あるいはその逆))

問4問2 次の場合は同室とみなさないこととします。
 ○パーテーション等で仕切っている場合。
 ○時間差を設けて着替えている場合(男子が着替えた後、同じ部屋で女子が着替える(あるいはその逆))

問5 次の場合には、混合とみなさないこととします。
 [各騎馬の校正は男女混合にした騎馬戦]
 ○基本的に男女別の騎馬で校正するようにしているが、騎馬の組数の関係から、やむを得ず一部に男女が一緒の騎馬になる場合。
 [各騎馬の校正は男女別で、闘いは男女混合になる場合]
 ○運動会や体育祭等のプログラム表示上は男女一緒であるが、実際は順番に男女別で戦う場合(例えば「騎馬戦(6年生)」というプログラム表示を持って男女一緒ととらえている場合)
 ○男女混合で戦うが、異性の騎馬は攻めてはいけないというルールになっている場合

問6 次の場合は、徒競走は男女混合とはみなさないこととします。
 ○男女が混合のチームでリレーを行う場合
 ○男女が一緒に走るが、距離やタイムは別であるような場合
 ○障害物競走などの場合

 文部科学省が、わざわざこの調査を行った理由はすでに明らかだ。
 「男女同室」や「男女混合」を、“ジェンダーフリー”等の“特定の思想”に基づいて実施していると決めつけて、
男女共同参画に反対し、男女平等の思想を排撃する人々がいる。
 ここ何年間か、自民党の一部や、男女共同参画に反対する人々、男女差別主義者たちが、
「男女共同参画社会の実現を主張する人たちが、男女の性差を否定して、着替えの男女同室など、極端な“男女いっしょ”を推進している」かのように宣伝している。

 しかし、実態はどうだったか。
 一部の行政や学校は、男女の性差を否定する立場から、男女同室での着替えや男女混合の騎馬戦が推進されてきたのか。
 男女同室での着替えや、混合の徒競走は、「男女を区別する必要がない」という主張の人々が推進してきたのだろうか。

 実際はまったく逆に、本来は、着替えなど当然、男女別室で行うべきなのに、
 「更衣室がないから…」
 「教室の余裕がないから…」
 「時間差で交代で着替えをすると、休み時間で間に合わなくなってしまうから…」
 「男女を分けると先生の目が行き届かなくなるから…」
などの理由、つまり、学校の施設の都合=不備や、教室でいっぺんに着替えさせた方が簡単だというような、先生の管理上の問題から、
 無頓着に、男女いっしょにさせてきたのではなかったか。
 それはむしろ、子どもの感情に対してあまりにも無関心だからであり、子どもたちの人権無視に他ならない。
 着替えは男女別の更衣室を設けるか、別室で行うのがあたりまえではないか。…少なくとも、小学校でも、中・高学年では別にすべきだろう。
 中学校でも更衣室を設けずに男女同室で着替え、などという無神経な対応でやってきた結果、
児童生徒は、登校時から制服の下に体操着を着てきたり、体育が終わって汗をかいても着替えないでずっと体操着でいるなどの“防衛策”を講じてきたのではないか。

 久喜市内では小学校7校で、プール後の着替えを男女いっしょの教室で行っている。
 その内、5校が3年生までいっしょ、3校では4年生までいっしょの教室で着替えている。
 いっしょに、同じ時間、同じ教室で着替えている。
 同じ部屋の中に男子児童がいても、女子児童も上半身ハダカにならざるを得ない。
 恥ずかしいと思う子は、タオルの中でうまく着替えたりしているのだが、
まだ“恥ずかしい”という感情を持たない?子は、男子児童がいても、ハダカになってしまっている。
 はたしてこれが教育的に適切な対応と言えるだろうか。

 学校側は、「子どもたち自身がいやだと言っていないから」と言い訳するのだが、
 子どもたちは微妙な年齢であって、「恥ずかしい」「いやだ」という感情を素直に口に出せないでいる子もいるだろう。
 「“恥ずかしい”などと口に出すこと自体が恥ずかしい」「後でからかわれるかも知れないから、ガマンする」という子もいるかもしれない。
 また、こうした問題が、多数決で決められることではないことも言うまでもない。
 「気にする子はほとんどいないから大した問題ではない」というとらえ方は誤りだと思う。
もし、たとえ1人でも、気にする子がいる可能性があったら、その感情に配慮するのがあたりまえだ。

 騎馬戦も、必要以上に身体を接触させることで、一部の児童に「いやだ」という感情を抱かせる恐れがあるとしたら、男女は別にすべきだろうう。
 これに関しては、文部科学省の設問自体がおかしい。
「基本的に男女別の騎馬で構成するようにしているが、騎馬の組数の関係から、やむを得ず一部に男女が一緒の騎馬になる場合」は男女混合でもいいというのだが、
これでは男女混合の組に回された児童生徒の感情は無視されてしまうではないか。
 久喜市内では騎馬戦の種目自体がほとんどない。小学校1校だけであって、それも混合ではない。

 着替えについては、久喜市の教育委員会や各学校の対応は「問題あり」と考えざるを得ない。
子どもたちの権利=人権を守るためにこそ、体育やプールの着替えは男女別室にするべきだ。本来は更衣室を設けるべきだ。 


選挙の入場券からも性別記載を削除
12定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』260号 2003/12/15

 久喜市は“性同一性障害者”の人権を守るために、124件の公文書で、性別記載を大幅に削除しました。しかし他市では「削除可」とされた文書が、久喜では「不可」とされたり、検討対象になっていなかったものもありました。そこで、福祉手当や特別障害者手当の申請書、入浴サービスやホームヘルプサービス申請書などの福祉関係の書類から性別欄を削除し、職員採用応募の履歴書などにも性別記載を不要とすることになりました。さらに今後も引き続き検討していって、可能な限り削除していく方針を明らかにしました。
 最大の問題だった、選挙投票所入場券は、県内でも草加市や新座市がすでに削除ずみ。全国で削除の動きが広がっています。久喜市はこれまで「削除できない」と言ってきましたが、9月議会で強く見直しを要求。検討した結果、今後、入場券の「男・女」記載はなくすことになりました。


公文書から性別記載を削除へ
=性同一性障害者の人権を守る=
『声と眼』257−258号 2003/11/5

 9月議会で、印鑑登録および証明条例が改正され、印鑑登録証明書から男・女の性別記載を削除することになりました。久喜市では8月に、行政文書の性別記載の見直しを行った結果、124件の行政文書で、性別記載は必要ないということがわかり、削除されることになって、この中には、F公共施設予約サービス登録、F障害者手当申請、F紙おむつ申請、F介護保険受給資格証明、F配食サービス関係の書類、F保育園入園申込、Fスポーツ団体登録、F入学準備金貸付申請など、「なぜこんなものにまで、『男・女』を記入しなくちゃいけないの?」というものもたくさんありました。

性別記載のある行政文書 361件
性別記載を削除することになった 124件
削除しない 237件
削除しない理由 法で規定されている 178件
性別の区分が必要 59件

 こうした公文書の性別記載の見直し・削除は「性同一性障害」者に対する差別解消、人権を守るために、全国的に進められているもので、県内では新座市や草加市がすでに今年度から性別記載の大幅な見直しを実施しました。
 久喜市では、性別記載を削除する文書の内、印鑑登録条例改正の他、規則や要綱の改正で削除するものが107件、市長決裁で削除するものが17件としています。

選挙投票所入場券、性別記載そのまま
他市では削除しているのに…

 問題は、『削除しない』という結論になった237件の文書の中身です。−『書式が法律で規定されている』という178件については国の法律改正を待たなければなりませんが、残りの57件は久喜市行政が『事務遂行上、性別区分が必要』と判断したわけです。
 たとえば、選挙の投票所入場券の性別記載については、今回の総選挙では東京や神奈川などで10市以上が性別記載を削除しました。久喜市選挙管理委員会では『県内の市町村で統一様式を使っているため削除できない』としているのですが、同じ県内の草加市は統一地方選から、新座市は知事選から削除に踏み切っているのですから、この理由は明らかにウソ!! 議会で追及すると、選挙管理委員会は草加市などの例も知っていたことを認めた上で、『さらに検討する』と答弁しました。
 また、◆ホームヘルプサービス申請、◆ガイドヘルパー派遣対象者登録、◆ガイドヘルパーの登録申請、◆日常生活用具給付の申請など、他市では「削除」となったものが久喜では「削除しない」という結論になっています。これらについては、健康福祉委員会の審議で、部長が『人権問題であり、可能な限りの見直しを行っていく。もう一度見直しをしていきたい』と約束しました。
 さらには、◆戸籍や除籍の附票の交付申請、◆職員採用試験の応募申請、◆就学通知などは、他市で「削除」となったのに、久喜では検討項目にも入っていませんでした。
 本来なら、“差別を生まない、人権を守る”ためには、単に文書の性別記載を削除できるかどうかだけの検討ではなく、行政の事務手続き自体を見直して変更するべきです。しかし久喜市の場合、従来のやり方のままで記載欄を削除するかどうかを検討するという消極的な姿勢…。さらに全般的な積極的見直しを求めていきます。

「性同一性障害」は、生物学的な性と自己意識とが一致しない障害で、男性3万人に1人、女性10万人に1人と言われています。性適合手術も適正な治療法として認知され実施されていますが、本人の自己の性意識、外見と戸籍上の性別が異なったりして、社会的な差別と偏見にさらされているのが実状です。国会では今年7月に、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が議員立法で全会一致で可決成立し、条件付きながら戸籍上の性別変更も認められることになりました。
 そこで今、全国的の自治体で、公文書などからの性別記載の削除が進んでいます。特に選挙の際には、入場券に記載されている性別と外見が異なるためにトラブルが起きることもあり、投票所入場券への性別記載の削除が焦点のひとつになっています。

★ある議員は委員会審議で「市民の中でごく少数の人のために、条例改正する必要はないのではないか」と発言。議員がこんな人権感覚でいいの?★


公文書の性別記載欄を削除へ
『声と眼』255号 2003/9/16

 性同一性障害者の人権を守るために、公文書から性別記載の削除が進められています。久喜市では361件の行政文書について検討した結果、124件で性別記載欄を削除することになりました。介護保険関係の書類など、“こんな書類にまで性別記入してたの?”とビックリするものもありました。
 印鑑登録申請書は条例改正で、その他は規則や要綱改正で性別欄を削除することになります。
★問題は、選挙の投票所入場券の性別記載−久喜市は「不可=削除できない」という判断ですが、県内でも新座市や草加市はすでに削除しているなど、全国的な流れになっており、久喜市の人権感覚が問われる問題になりそうです。


介護保険パンフで、HIV差別
9月定例市議会 猪股和雄の一般質問   『声と眼』238号 2002/11/5

 久喜市の介護福祉課で作成した、介護保険事業所のガイドブック(13年度版)で、HIV陽性者に対する差別・人権無視の記載がありました。
 介護福祉課が各事業所に行ったアンケートで『HIV陽性者への対応』を記入させた上、一部の事業所が、HIV陽性者(感染者)に対しては『介護サービスの提供をしない』『要相談』などときわめて差別的な対応を回答してきたのを、そのまま掲載して配布してしまいました。
HIVの感染源になるものは《感染者・エイズ患者の血液、精液、膣分泌液、母乳の4つだけ》、伝染性はきわめて弱く介護などによって感染することはありません。−それなのに、介護保険アンケートの中にHIV感染者の項目を入れ、一部の事業所が『介護拒否』とも言える回答をしてきたのを黙認してしまったことは、久喜市当局によるHIV差別と言って過言ではありません。また、福祉の仕事をしていて、HIVについての間違った知識・差別と偏見から介護拒否するような所は、介護サービスを提供する事業所としては失格です。
 久喜市は一昨年、「人権教育のための国連10年・久喜市行動計画」を策定し、その中で『HIV感染者等の人権』『HIV感染者等に対する理解を深め、偏見や差別を解消』を掲げているにもかかわらず、こんな差別がまかり通っている! 行政の人権感覚をこそ問うていきたいと思います。

★久喜市では今後、HIVについての啓発活動、特に介護保険事業所に対する知識の啓発に務めていくと言っています。…今までやっていなかった★



「奨学金制度拡充の意見書」を否決
各種学校や外国人・民族学校は奨学金の対象にしないという差別は許せない

2002/10/16

 9月定例市議会に提出された「奨学金制度の拡充を求める意見書」。公明党市議団からの提案である。
 政府に提出する意見書は、ほとんど政党が自分の党の政策を宣伝することを目的にして、国会レベルで党の上部機関で作っている法案や主張を、「意見書」という形にして出してくることが多い。
 この意見書も、公明党の政策そのものであった。
 それにしても通常なら、反対するような内容のものではない。
 しかし、久喜市議会では「反対多数」で否決された。なぜか。
@政府の行革・特殊法人の整理合理化により、「特殊法人・日本育英会」の廃止が決められた。これは政府与党、当然、公明党の責任も大きい。
 ところが、保護者や学生本人の声をあまりにも無視しているという批判が噴出して、「生活者の党」「弱者の味方」を自認する公明党も、このままではまずいと思って、あわてて、全国の自治体議会で、「新たな奨学金制度」を求める意見書を出してきている。それがこの意見書だ。
 しかし、自分たちで制度をつぶしておきながら、新たな制度を作らせるというアリバイ的な意見書を出すというのは、あまりにも国民をバカにした話ではないか。
 共産党は、中身は当然賛成だが、そうした公明党のやり口を認められないという立場で、採決では「退席」した。

A本会議で、石川市議が、提案者の公明・岡崎氏に、「当然、各種学校やアメリカンスクール、朝鮮学校なども、奨学金の対象にするということでよいか」と質問。
 意見書案では、大学、短大、専門学校などの他、海外留学生、外国からの留学生や就学生も含め、「奨学金制度の拡充」を言っているので、当然、これまでの日本育英会では対象外だった(批判と、対象に入れるようにという要求が強まってきていた)これらも、含んでいく方向を考えていくという答弁が返ってくるだろうと思っていた。
 しかし、岡崎氏の答弁は「それらは考えていない」と断言。……勉強したいという学生に対して、あまりにも差別的な見解ではないか。
 学校教育法の、「学校」にあたるかどうか、各種学校というだけで差別的な扱いをすることは、認められない。
 それで、私たち大地と新政議員団は「反対」し、否決した。

賛成=10名 公明党(角田、柿沼、岡崎、戸ヶ崎)、新政会(原、岡崎)、市政会(須藤、岸、渋谷)、後上
反対=11名 新政議員団(町田、木村、金沢、川瀬、小河原、鈴木、新井、福垣、内田)、大地(石川、猪股)
退席 共産党(砂川、木下、木村)

 新政議員団の松村氏が議長で、共産党が「奨学金制度の拡充」それ自体は賛成(新政議員団も大地もそれは同じだが)なので、退席。1票差というきわどい否決だったが、
 このような差別的な意見書が否決されて本当によかった、と思う。

 なお、無会派の後上氏、市政会の渋谷議員は、議案提出の賛成議員に署名していて、採決でも賛成したのだが、本当にこんな差別的な中身を知った上で署名したのかどうか。
 後上氏は「当面は対象外という意味だと思う」と言い訳していたが、提出者の岡崎氏自身が「対象外」と言い切っているのだから、ごまかしでしかない。
 渋谷氏は新社会党だが、こんな差別的な政策に「賛成」なのか。そして新社会党の議員が、なぜこれほどに公明党を後押しするのか。
多分、2人とも、最初に公明党から、賛成議員の署名を依頼されたとき、意見書が実は差別的な内容を隠し持っていることを知らなかったのかもしれない(と信じたい)。
もしそうであれば、それがわかった時点で、自分の署名を取り消すべきだったろう。


人権無視の就学指導員会
埼玉県久喜市 猪股和雄
投稿/「月刊・人権と教育」325号に掲載
2000/11/30

 久喜市教育委員会は、障害児の就学について保護者の意向を尊重すると議会などでも公式に表明し、実際、保護者がきちんとその意志を固めて貫いていけば、教育委員会が養護学校を押し付けることはなくなってきているようだ。しかしそれにもかかわらず、教育委員会、就学指導委員会が「分離教育」に固執するその基本的姿勢は何ら変わっていない。
 久喜市公文書公開条例に基づいて、昨年の久喜市就学指導委員会のすべての会議録と審議資料、答申を公開させたところ、以下のようなことが明らかになった。
 市立小学校の在籍児童で就学指導委員会の審議対象児童は47名。その内訳は、通常学級に在籍児童15、特学在籍児童32名である。審議結果は、特学(知的)が適当と判断された児童27、特学(情緒)13、養護学校6、その他1。
 中学校では対象生徒が16名。内訳は通常学級に在籍1、特学に在籍15名。判断結果は、特学(知的)6、特学(情緒)6、養護学校2、となっている。
 普通学級が適当と判断された障害児はゼロ。対象とされた児童生徒は全員、現に久喜市立の地域の小中学校に通っていて、小中学校合わせて16名は通常学級で地域の子どもたちといっしょに学んできているにもかかわらず、その子どもたちをすべて、「通常学級は適当でない」「特学か養護が適当」と判断したというのだ。障害児が通常学級で学んできた中で、当然、学校や教師たちの努力やさまざまな配慮、工夫が行われてきて、障害児、回りの子どもたち、親、地域にとっても多くの成果をあげてきたはずなのに、久喜市の就学指導委はそれらの努力や成果を全否定したということになる。
 結果として、小学校の15人、中学校の1人は通常学級にそのまま残り、特学に在籍していた中の4人が養護学校へ通うことになった。つまり「追い出された」のだ。
 先にあげた小学校の児童中、「その他」というのは盲学校である。現在5年生のY君は1年生の時から通常学級で学んできた。私たちは初めから教科書の点訳を続け、昨年からは補助教員も配置されているにもかかわらず、就学指導委は「盲学校へ行け」と判断したのである。しかもご両親に確認したところ、昨年秋ごろ突然担任の先生から「来年はどうしますか」と聞かれ、質問の意図がよくわからないまま、「お願いします」と返事をしたという。実はこれが親の意向の確認だったらしい。就学指導委にかけられていたことはいっさい知らされていない。おそらくほとんどの児童生徒も同じだろうが、本人にも親にも無断で就学指導委にかけ、就学指導委としては本人(保護者)に面接もしないまま、一方的に特学か養護かの結論を出す−−こうした人権無視についても、今後問題にしていかなければなるまい。











人権教育の10年久喜市行動計画
『声と眼』187号 2000/4/24

 3月31日に同和対策審議会が開かれ、『人権教育のための国連10年・久喜市行動計画案』について協議しました。
 94年の国連総会で《人権教育のための国連10年》への取り組みを決議。政府は97年に国内行動計画を策定。久喜市では98年に推進本部を設置。久喜市行動計画の策定を進め、4月からはこれまでの同和対策室を、あらゆる人権・差別問題に取り組むために《人権推進課》に拡充しました。
 行動計画は、@同和問題をはじめ、A女性…男女共同参画社会の実現、B子ども…子ども自身が権利主体、C高齢者の社会参加・いきがい・権利擁護、D障害者の完全参加と平等、E民族としてのアイヌの人々、アイヌ文化の尊重、F在日のすべての外国人、GHIV感染者、ハンセン病などへの正しい知識と偏見・差別の解消、H刑を終えて出所した人の人権・社会復帰の支援、さらに、Iプライバシーの保護、地域の慣行や因習による差別の解消、犯罪被害者への支援などのあらゆる人権問題について、学校、行政、地域社会、企業・団体での取り組みを進めることを確認。今後さらに年次的な実施計画を策定していく方針です。

 審議会や市議会、関係団体との協議で、多くの意見や要望が反映されましたが、今後、職員採用の外国人採用、障害者の採用の拡大、女性議会や外国人議会なども課題です。『同和対策事業審議会』の名称変更(たとえば『人権推進…審議会』?)も話題に上っています。

同和対策審議会委員を公募
『声と眼』187号 2000/4/24

 現在の審議会委員の任期は6月まで。新しい委員を募集しています。【公募人数4人】 ◆審議会は同和問題、女性、子ども、高齢者、障害者、外国人等のあらゆる人権問題について審議します。当面の課題は「実施計画」。◆年齢は20〜70歳未満。◆任期=2年間。◆応募期限=5月22日。◆問い合わせは人権推進課へ。


★久喜市同和対策審議会の会長になりました
                  1999.8.5

8月5日、久喜市同和対策審議会が開かれました。市議会選出の2議員(一人は会長を務めていた)が統一自治体選挙で辞めて、欠員になっていたため、新たに市議会から、私と町田議員が同和対策審議会委員に選任されました。
会長の選任にあたって、会長は代々、議員が努めてきたという慣例!!で、私が推薦されてお受けしました。
私は以前、社会党時代に部落解放推進委員などをしていたこともあり、これまで議会でも人権や差別の問題は特に取り組んできましたから、胴体新委員には希望してなったのですが、いきなり会長にというのは、ちょっとびっくり。
本来、議員が会長になると言う慣例自体おかしなもの。いやそれ以前に、あて職的に議会から2名(外に行政からも2名)という選任の仕方そのものもおかしい。
任期は来年6月までで、1年間だけならということで引き受けましたが、今後、こうしたやり方も見直して行くべきです。解放同盟から選任されている副会長さんともお話しして、もっと市民からの選任枠を増やさせていくことや、広く人権問題を審議していかなければならないのではないか、そんな考え方で一致しました。

「人権教育のための国連10年久喜市行動計画」

なお、久喜市では「久喜市人権教育のための国連10年推進本部」が昨年12月に設置されました。
現在、「人権教育のための国連10年久喜市行動計画」の策定作業が行われていて、9月か10月には素案を提示するということですので、同対審はもちろん、広く市民的な議論にしていく必要があると思います。


条例の差別的表現、ようやく削除
『声と眼』 1999/3/1 No.162

 市の4つの条例の中の『精神薄弱』の用語が『知的障害』に変更されます。国の「精神薄弱の用語の整理のための法改正」を受けてようやく改正することになったのですが、すでに各地の先進的な自治体では変更が進んでいました。久喜市でも“差別的表現”に対して積極的な問題意識をもって、進んで改善していくべきではなかったでしょうか。条例以外の要綱・要領・規則などについてもどうなっているか、チェックする必要があります。


12月定例市議会
“異常者の犯罪”は差別的な俗説
『声と眼』1999/1/11 No.159

公明が提案した「犯罪被害者救済制度の充実に関する意見書」は補償給付の充実や社会的支援策を国に求める、当然の内容なのですが、理由を述べた前文に『異常者等による犯罪』との説明が。−現実社会では何らかの原因で“普通の市民”が犯罪を犯してしまうことが多く、社会的背景を考慮しなければならない場合もあります。“精神異常者の犯罪が多い”という俗説や、残虐な事件を“異常者の犯行”などとひとくくりにしてしまうことは、偏見と差別の助長につながります。
 この「異常者」の表現について説明を求めたところ、提案者の戸ヶ崎市議が「差別的な用語・表現で不適切だった。この語を削除します」と陳謝しました。このような差別的な偏見・誤解はまだまだ根強く、そのつど指摘してただしていかなければなりません。


精神障害者への差別、今でも

障害者一般に対する理解は一応進んだといわれている。
しかし、精神障害者に対する差別と偏見は、まだまだ多い。

特に問題なのは、精神障害者福祉を進める立場の行政(お役人)が、精神障害者について知らないことだ。知らないから、自分(たち)が差別をしていることに気がつかない。
久喜市で昨年発生した“差別公文書”はその典型だろう。そして、各地の自治体においても、こうした差別条文がいまだに残されていて、実際に運用されているのではないか。

あからさまな精神障害者差別−私の一般質問から−
1998.3.16 『声と眼』141号

 市の「子育て支援総合計画策定懇話会」の傍聴人に関する要領(今年1月正式決定)に、“傍聴を許さない”者の筆頭に「(1) 精神に異常があると認められる者」という規定が!!
@精神異常という言葉自体が差別・蔑視的な死語【障害者基本法では「精神障害者」となっている】で、A傍聴希望者に対して「精神に異常があるかどうか」を職員や懇話会会長が判断するなどは論外。B精神障害者も一市民として当然持っている市政参加の権利を、行政が奪うことは許されません。精神障害者は治療を受けながら普通の社会生活を送っているのです。
 よりによって市の福祉部の担当者が、こんな精神障害者に対する2重・3重の差別規定を作っておいて、しかも指摘されるまでその差別性に気が付かない!【精神障害者はわけもわからず騒いで審議を妨害しかねないとでも思っていた?】 障害者に対する認識の欠如と理解不足は明らかです。差別される側の気持ちを思うことができないとしたら、福祉を担当する資格はありません。
 市長が「弁解の余地はない。このようなことが2度と起きないようにしていく。心から関係者におわびしたい」、福祉部長も「障害者、関係者にご迷惑をおかけしたことを心からおわびします。基本的人権に関わる問題であり、職員の研修や啓蒙啓発、資質の向上に努めていく」と謝罪の意志を表明しました。しかし本当に反省するなら、広報等で市民に対して事実を明らかにし、関係者にこそ謝るべきなのに、議会で頭を下げるだけですませてしまうのは、謝る相手が違うのでは?
 さらに、市のすべての傍聴に関する規定を点検するよう求めたところ、他に、教育委員会や学区審議会の傍聴規則にも「精神に異常…」の規定が残っていたことが判明。これらも直ちに削除することになりました。


「今どき、精神障害者の政治参加を排除する規程」
「週間金曜日」への投稿

すでに死語になっていたはずの「精神異常」なる語が、今年1月、久喜市の公式文書に復活。市民の抗議で2月には削除された。
 「久喜市子育て支援総合計画策定懇話会傍聴人に関する要領」に、「次の各号に該当するものは、傍聴を許さない」として、その筆頭に「(1)精神に異常があると認められる者」という規程が設けられていたのである。
 「精神異常」という用語自体、行政行為による差別と偏見を助長するものだ。行政が市民に対して“精神に異常があるかどうか”を判断できるはずもない。
 根本的な問題。この要領は、精神障害者は精神障害者であるがゆえに「傍聴を許さない」と規定しているのだ。精神障害者が持っている一市民としての権利を侵す、「行政権力による制度としての精神障害者差別」に他ならない。今どきよりによって福祉行政担当者が、こんな差別規程を作成したというのは信じがたいことだ。
 市議会で市長は「弁解の余地はない。心から関係者におわびしたい」と述べたが、経過を広報等で明らかにすべきという要求にはついに応えなかった。当事者に対してではなく、議会で頭を下げてすませてしまおうというわけだ。
 また、すべての審議会等の傍聴規程を総点検した結果、教育委員会傍聴規則などにも「精神に異常…」の規程がみつかった。これらは60年代に作られてそのまま残っていたものだが、「直ちに削除する」ことになった。


「特別養子」って知ってますか?

特別養子の問題はなかなか表面化しにくい。社会問題化させるためには、当事者はその子が養子であるということを明らかにしなければならないが、どうしても“この子の将来を考えて”あからさまにはできないでいるのが実状だ。
それでも、私のごく身近なところで起こったこの問題。勤務先である埼玉県の教育局とは、組合や職場の理解と協力を得て、問題を明らかにし、交渉して、一定の現実的な解決を図ることができた。
さらに一般化して、久喜市に対しても同様の見解を引き出そうとしたのだが、“法の壁”、実際には法解釈の壁に突き当たってしまった。「子」についての政府の法解釈を変えさせなければならないのだが、国会で問題化させるにはどうしたらいいのだろう。

“特別養子”にも平等に育児休業を−私の一般質問から−
1998.8.3 『声と眼』150号

 労働者には育児休業や育児時間を取得する権利が保障されています。対象となるのは法律上の親子関係にある“子”となっており、これには養子も当然含まれています。
 養子には“特別養子”という制度があります。これは戸籍に“実の親”との関係が記載されず、法律上、完全に実の親子関係と同様の扱いになるものですが、裁判所での審理に1〜2年くらいかかることも。その間いっしょに暮らしているのに、戸籍上は“子”でないため、育児休業の対象にされません。
 この時期は子どもにとっては親子関係を形成する大切な時期だからこそ育児休業制度があるのであって、《戸籍上は“子”とされていなくても、特別養子を申請して審判途中である子供》の親についても、他の子どもと同じに育児休業制度を認めるべきです。昨年、埼玉県教育局で、特別養子を申請中の“子”について人道上の見地から“介護休暇”の名目で認められた例がありましたが、“特例”の結論が出るまでに半年以上かかり、実際には3か月しかとれませんでした。
 申し立てがあってからでは遅いのであって事前に条例改正か、“特例”の判断を示しておくよう求めましたが、当局は「人道上の問題である」としながら「対応できない」という答弁。人道上の問題であればなおさら、市長が“高度の人道上の決断”で認めていくべきです。子どもはすべて平等なのですから。


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