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3・11 原発震災 《3》
2015/6/9〜

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 【9月市議会】 原発再稼働に反対の意見書に賛成
2015/10/1

 9月市議会最終日の9月29日、原発再稼働に反対する意見書に賛成討論をしました。
 提案は、共産党の杉野、渡辺、市民の政治の川辺でした。
 質疑はなし、賛成は市民の猪股、川辺、無会派の田中、共産党の4名の7名、反対は公明党の5名と新政久喜の14名の19名で、賛成少数で否決されました。


危険な原発再稼働はやめて、再生可能エネルギー推進を

猪股和雄

8月11日、川内原発1号機において、原発前集会や全国での抗議の声の中、新しい規制基準のもと全国初となる再稼働が行われました。すでにフル稼働、営業運転に移りました。
そして2号機にも燃料が搬入され、10月にも再稼働しようとしています。

 政府は、川内原発をはじめ、新規制基準を満たした原発を次々と再稼働する方針を打ち出しています。
あたかも規制委員会が安全を保障し、許可したかのように言われていますが、田中俊一・規制委員会委員長は繰り返し「新規性基準は安全を保障するものではない」と明言しています。住民の避難計画も審査の対象外です。

 特に川内原発については、地震や火山噴火への対策の不備が指摘され、周辺自治体の避難計画も不十分で、多くは机上の計画に過ぎないとも言われています。
その避難計画に基づく住民の避難訓練も行なわれていませんし、ヨウ素剤の配布も全住民にはできていません。
このような中で「適合」判断を下した原子力規制委員会、九州電力、政府、鹿児島県及び薩摩川内市は、厳しくその責任が問われなければなりません。

 全国の原発のうち、規制委員会が新基準を満たすと認めたのは、川内原発の他、高浜や伊方原発など計5機で、他に20機の審査が進められようとしています。

 福島原発事故では、多くの人々に人的にも物的にも深刻な被害をもたらしたにも関わらず、事業者である東京電力、また原発を建設したメーカーはひとりとして刑事責任を問われていません。
このような無責任体制が解決されないまま全国の原発の再稼働を行なえば、次の事故が起こりかねません。

 3・11から4年、原発の「安全神話」は崩壊し、再生可能エネルギーの重要性が広く認識され、大量のエネルギーを消費する社会のあり方も見直されてきました。
そして本日まですでに約2年間、日本社会は「原発ゼロ」状態を続けてきました。
日本経済も私たちの生活も、原発なしでやっていけることを実証してきたのです。
今回の再稼働は、新たな「安全神話」に基づき、福島原発事故の深刻な経験を無視し、原発から再生可能エネルギーへと転換しようとしてきたこれまでの私たちの取り組みを逆転させるものです。

 科学的・合理的根拠や必要性、緊急性のないまま川内原発が再稼働する必要はありません。
原発ではなく、新たな再生可能エネルギーや効率的なエネルギー利用を進めることによって、地域分散型の経済を発展させることを、あらためて目指すべきです。 

“震災復興資金の流用”は許されない
2015/6/27

  6月20日、東京の東村山で、「高まる資金流用への批判〜復興資金を被災地、被災者、避難者に戻せ!」という講演会が開かれました。

 被災地や被災者、避難者の支援のための復興資金が、全国の市町村の清掃工場のごみ焼却炉の建設の補助金として「流用」されていることが明らかになっています。
 震災復興資金は、そもそも被災地の復興を目的として、民主党政権下で予定されていた高速道路無料化や子ども手当の棚上げし、国民全部に増税(所得税25年間2.1%、住民税1人1000円・10年間。法人税も3年間10%増の予定だったが2年間で終了した)して、25兆円を確保したとされています。
 しかし実際には、被災地の復興の遅れが指摘され、最近では被災者や避難者への支援の切り捨てが打ち出されてきている一方で、復興資金が、大震災とは関係ない公共事業に使われているというのは、いったいどういうことでしょう。

 たとえば、2012年には東京都ふじみ野衛生組合の焼却炉建設に51億円、西秋川衛生組合に19億円、大阪府堺市のごみ焼却炉建設に86億円、富山県高岡地区広域事業組合の焼却炉建設に18億円(13年度にも36億円)、埼玉県川口市の焼却炉建設に36億円、等々です(講演会での環境ジャーナリスト青木泰氏の資料による)。

久喜の八甫清掃センターにも復興資金が流れた

 こうした復興資金の流用は、久喜市でも行われていました。
 久喜宮代衛生組合では、2014〜2015年度の2か年継続事業として、八甫清掃センターの焼却炉長寿命化工事を実施しました。
 八甫清掃センターの焼却炉は、震災で被害をこうむったわけでも何でもなく、老朽化対策の焼却炉使用期間の延命が目的でした。
 工事の総事業費10億9106万円で、2014年の当初予算編成時には、環境省の循環型社会形成推進交付金3分の1、残りの9割(約6億円)を地方債を発行し、1割を久喜市の一般財源で負担する計画でした。
 ところが、2014年度末になって、急に国から「復興資金の対象になった」という連絡が来て、久喜宮代衛生組合と久喜市が申請した形で、結局、工事費のほぼ全額が復興資金からの交付金でまかなわれることになりました。

 最終的に2年間で、環境省の循環型社会形成交付金(補助金)が3億3310万円、総務省の地方交付税復興特別交付金6億6620万円が復興資金から交付され、久喜市の負担は9175万円(内、地方債が6870万円)ですんだ計算になります。

 衛生組合議会および久喜市議会で、総務省からの地方交付税復興特別交付金から交付されるという補正予算が審議された際に、私は、「震災被害を受けていないのに、復興資金を流用することは許されない」として反対しました。
 その時には、復興資金の流用額は地方交付税復興特別交付金の2年間の合計で6億円と理解していたのですが、今回改めて調べてみて、環境省からの補助金も含めて、国からの交付金の全部(約10億円)が復興資金だったことがわかりました。
参照記事⇒復興予算の流用に反対 2015/4/5

 衛生組合の財政担当職員も、当時急に環境省から「震災の復旧・復興枠」に該当することになったという連絡が来て、なぜそうなるのか理由がわからなかったそうです。
 国が言ってきたことを断るわけにはいかなかったとしても、結果的に、久喜市が震災被害とは関係ない事業に、「震災復興」を目的とした財源の流用に荷担してしまったことになるわけで、『財政モラルの破綻』と言わざるを得ません。

 久喜宮代衛生組合に限らず、国が、全国自治体の焼却炉建設や改良工事に復興資金をばらまいている理由は何でしょうか。
 復興事業の遅れで復興資金が使い切れないでいる事実をごまかそうとしているのではないか、中身はないのに復興事業の支出金額だけ膨らませて見せかけの実績を上げようとする官僚の思惑、さらには焼却炉メーカーとの癒着などが指摘されています。

福島の被災者、避難者、子どもの支援を

 東日本大震災の後、私たちは「絆」ということばを掲げて、被災地の復興と、被災者、避難者支援に取り組んできました。
 宮城県や岩手県などの津波による被害に対しては、復興が進んできたと言われています。
 しかし福島県、特に福島第1原発の爆発・放射能の拡散で汚染された地域では、いまだ復興どころか除染さえ進まず、多くの避難者たちがふるさとへ帰れる見通しもまったく立たないでいます。
 しかし政府と福島県は、「除染」が進んでいるとされる地域で、年間20ミリシーベルト以下の区域は「避難指示解除準備区域」とされて、生活インフラの整備を進めて、自治体と住民の理解を得て避難指示を解除するとしています。
 放射線管理区域の線量が年間5ミリシーベルトですから、20ミリシーベルトというのは途方もない数値であって、人が生活していてはいけない汚染地域と言わざるを得ません。
 そこに住民を帰還させる(帰還を許可する)ことなどは、本来許されることではありません。
 にもかかわらず、政府と東電は避難者への住宅手当の支給打ち切りの方針を打ち出し、避難者の帰還を促進させようとしています。
 ましてや、復興財源の流用を大々的に進めておいて、一方では被災者や避難者への支援を打ち切るような政府のやり方に反対します。
 福島県内ではすでに126人にもおよぶ小児甲状腺がんの子どもたちが出ているにもかかわらず、政府も福島県も被ばくとの関係を否定しています。
 通常、小児甲状腺がんは100万人に1人の発生率と言われているのに、福島県におけるこの異常発生が、被ばくの影響でなければ何だと言うのでしょうか。
 被災者、避難者、特に子どもたちへの支援を強めるべきです。

福島原発震災情報連絡センターの総会に参加(5月30・31日)
2015/6/10

 5月30日、全国各地の自治体議員で作っている「福島原発震災情報連絡センター」の総会が福島県いわき市で開かれて、参加してきました。

 いまだに収束しない原発震災、ふるさとに戻れないでいる被災者たち。

 しかしその一方で、東電と政府、福島県は被災者たちの心情や子どもたちの被ばくの心配、健康被害を無視して「帰還」を促進し、避難者たちに対する支援を打ち切ろうとしています。
 何よりも、すでに子どもたちの甲状腺癌が多発している事実を認め、健康と命を守る取り組みが求められています。

「被災地の現状を知る」スタディバスツアー

 31日には被災地の現状を知ろうと、現地スタディ・バスツアーを実施しました。
 マイクロバスをチャーターして、全線開通した国道6号線を北上して、広野町、楢葉町、富岡町へ入り、津波で流された富岡駅跡まで行ってきました。


朝8時、バスツアー出発

0.09マイクロシーベルト、久喜と変わらない

国道6号線を北上、海に出た

0.12マイクロシーベルト、少し上がってきた

広野町の火力発電所の煙突が見える

もうすぐ楢葉町、国道は車の通行量が多い

0.22マイクロシーベルト

突然、除染土の仮置き場があった

「特定廃棄物保管場所」っていうんだ
久喜市は、校庭などで毎時0.23マイクロシーベルト以上となった場合に、面的な除染をするとしています。 

楢葉町 仮置き場があちこちにある

楢葉町、人も車もまったく見えない

除染作業員の宿舎には車がいっぱい

楢葉町天神崎から眼下に広がる仮置き場

楢葉町上繁岡の公式測定ポスト
0.416マイクロシーベルト

その周辺で、0.56マイクロシーベルト

とうとう、1マイクロシーベルト

白鳥の集まる池、今は人はだれも来ない

富岡町の市街地
金網で仕切られて立ち入り禁止

町で設置した測定ポスト
1.264マイクロシーベルト

富岡町の住宅地、まだ除染できていない

バスの窓から、3.12マイクロシーベルト
とうていバスからは降りられない

バスの中でも1マイクロシーベルトを超えた

津波で破壊されたそのままの商店
高放射線量の中で、復興は手つかず

「子どもたちの未来のために 東北電力」
電柱にはこんな宣伝文句が残っていた

富岡駅は津波で流された
ここは駅前広場だったところ

駅前商店街は4年前のまま
無人で、時間が止まったようだ
 宮城県や岩手県、福島でもいわき市などでは復興が進んでいるとされている。
 しかし放射能汚染地域が津波だけの被災地と違うところは、除染作業が済まない限り、人は立ち入れない、「復興」へと進むことすらできないということだ。
 今回、除染作業がわずかずつでも進んでいる帰還困難区域の外側をまわってきたが、人もいない、車も通らない町並みにやりきれない思いがした。