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環境問題・自然生態系のページ 2
2013/1〜2017

『声と眼』の記事を、課題別に整理して掲載しています。


【久喜宮代衛生組合】 し尿処理施設の故障で汚水処理ができない
 2017/12/28

  12月26日(火)の午後6時過ぎに衛生組合事務局から電話で、久喜宮代清掃センターのし尿処理施設の設備の故障(事故?)で、汚水処理ができなくなったという報告がありました。
 その後に、詳しい経過説明がメールで送られてきました。

 それによると、
(1)12月23日(土)の朝9時に、し尿処理施設の運転管理を委託している住友重機エンバイロメトの社員が出勤して、施設の配管から汚水が大量に漏れて施設内に浸水していることを発見した。
(2)事故が発生したのは23日の午前0時2分ごろと見られ、汚水を処理装置に送るポンプの故障警報と「投入ポンプA故障」が運転記録に記されていたが、夜間は無人のために対応できなかった。
(3)故障発生から数時間の間、汚水が漏出し続け、配管の下にあった配電盤にかかったため、電気機器がショートして機器が制御不能の状態になった。
(4)その後、運転停止、施設内の清掃、原因の調査と今後の対策を検討した。

【参照⇒たいへんだ! 故障(事故?)現場を見てきた】へのリンク

 この施設は最初の施設建設が1973年で、その後、83年に機能向上のために拡充され、さらに98年に汚水の処理能力を上げるために増設されています。
 今回故障したのはこの最後に増設した施設で、配管に生じた亀裂からし尿汚水が漏出しました。
 衛生組合では、整備から20年近くたって塩ビ管の劣化によるのではないかと推測しています。
 今後、配管や電気系統の機器を交換修理することになりますが、修理には3か月近くかかると予測されています。

 久喜宮代清掃センターのし尿処理施設は、久喜地区と宮代町の、生し尿、浄化槽汚泥、農村集落排水処理施設の汚泥を処理しています。
 住民生活に影響を及ぼすわけにはいきませんから、管内の家庭から収集してきた生し尿や浄化槽汚泥はタンクに投入していますが、処理はできない状態で、すぐにいっぱいになってしまいます。
 そのため当面、生し尿と浄化槽汚泥は、栗橋・鷲宮地区のし尿を処理している八甫清掃センターのし尿処理施設で処理することにし、1月4日からは八甫センターへ搬入する計画です。

 しかし、八甫センターのし尿処理施設(処理能力53kl/日)は、栗橋・鷲宮地区の日量30klのし尿処理をしているので、久喜市全域と宮代町のし尿や浄化槽汚泥、集落排水施設汚泥を全部処理する能力はありません。
 そこで、集落排水処理施設の汚泥処理をどうするか、今後検討することにしています。
 今回故障した施設の配管を、臨時に仮設で整備して、一部でも処理ができないかも検討しています。

【久喜宮代衛生組合議会】 衛生組合のごみの最終処分先は?
 『声と眼』542号 2017/12/7

 久喜宮代衛生組合では、ごみ焼却で発生する焼却灰、ばいじん、破砕残渣などの処理しきれないごみが年間約8000tも出ています。
本来は各自治体で出たごみはそれぞれの自治体が自分の区域内で処分するのが原則とされていますが、久喜市・宮代町の区域内では最終処分場を確保することができません。

 そこで一部は路盤材やセメント原料へと資源化している他、2016年度は約1300tを寄居町にある埼玉県環境整備センターや群馬県草津町の民間最終処分場に約4200万円を払って埋め立て処理しています。
衛生組合ではできるだけ埋め立てを減らすため、資源化量を年々拡大しています。
久喜宮代センターではこれまで草津町や寄居町で埋め立てていた焼却灰74tを、16年度は建設資材や路盤材等に資源化しました。
菖蒲センターも埋め立て量を610tから458tに減らして資源化を進めています。
衛生組合全体では、2016年度は最終処分場への埋め立て量は前年の1679tから20%減、資源化量は前年の3907tから4237tへ8%増となりました。

今後、最終処分量を減らすためにも、いっそうのごみ減量が至上命題です。

電力自由化で、電気料金軽減効果 5年間で1億5000万円
 『声と眼』542号 2017/12/1

 久喜市の公共施設で使用する電力は2011年までは当然のように東電から購入していました。
しかし同年3月11日の東電福島第1原発事故の後、私は将来に向かって原発で発電した電力を使わないため、また電力自由化の中で市の電気料金をできるだけ引き下げるために、東電以外の電力会社への契約切り替えを提言してきました。
市では2012年度から市庁舎や小中学校など24施設の電力購入を入札で新電力(当時は特定規模電気事業者)と契約、その後、文化会館・公民館・コミセンなども入札に切り替えてきました。
2015年からは45の公共施設の電力の一括入札を実施し、(株)Fパワーと契約しています。

 2016年度は48施設で電気料金は1億3110万3984円で、東電と契約した場合の試算と比較すると約5790万円安く、30%以上を軽減できました。
前年も4000万円以上の軽減効果をあげており、これまでの5年間の累積では約1億5000万円を節減できて、市の財政運営に貢献できたことになります。

2016年度 電気料金 東電との比較 軽減率
市庁舎・総合支所 2484万円 ▲889万円 ▲26.4%
小中学校20校 5036万円 ▲2493万円 ▲31.0%
公文書館など19施設 4337万円 ▲1718万円 ▲28.4%
鷲宮・菖蒲給食センター 902万円 ▲597万円 ▲39.8%
運動公園など 351万円 ▲94万円 ▲21.2%
48施設合計 1億3110万円 ▲5790万円 ▲30.6%

 昨年度からは電力購入が完全自由化され、小規模・低圧電力の施設も対象となりました。
そこで一昨年の市議会で、すべての施設の電力購入契約を見直すよう求めました。
市ではこれまで対象外だった小規模の公共施設111か所の内、東町集会所・本町集会所・地域交流センター・はなみずき会館・鷲宮児童館・第2庁舎の6施設を新電力に移行し、都市ガス系列の“サイサン”と2年間の電力購入契約を締結しました。
東電と比較して1年間の料金軽減効果は19万円でした。

 今後、残りの100か所あまりの公共施設についても東電からの契約切り替えを進めるよう求めています。
市では新電力各社に対して入札に参加するよう働きかけを行っていく方針です。

衛生組合も新電力に切り替え

 衛生組合でも久喜宮代清掃センター、菖蒲清掃センター、八甫清掃センターなどすべての施設の電力契約を、昨年度の途中から“ミツウロコグリーンエネルギー”に切り替えました。
その結果、電気料金は2014年度1億9620万円、15年度1億8470万円、16年度は1億5987万円に下がり、東電から購入した場合の料金試算と比較すると約475万円(▲2.9%)の軽減効果がありました。

★衛生組合が電力購入契約をした、ミツウロコグリーンはソーラー発電や風力発電などを主体とした電力会社で、この契約を通じて再生可能エネルギーの拡大にも貢献することができたことになります。★

【久喜宮代衛生組合議会】 生ごみ減容堆肥化事業は4年後に廃止へ
 『声と眼』541号 2017/11/18

 久喜宮代衛生組合は2003年から生ごみ堆肥化事業を進めてきました。現在は久喜・宮代地区のモデル世帯1万世帯を対象に、1日4tの生ごみを収集、処理しています。
生ごみ減容化(HDM)システムで24時間で90%が分解され、一部を堆肥化してモデル地区などに年間30〜40tを配布してきました。
衛生組合が減容・堆肥化に取り組んだのは、焼却炉の老朽化に対応するために燃やす量をできるだけ少なくする、また最終処分場がないので埋める量を減らすことなどが目的です。
組合ではこれを全市に拡げて“生ごみ全量堆肥化”を目標に掲げてきました。

 しかし一方で生ごみ処理のコスト比較では、減容・堆肥化は1tあたり5万1678円に対して、焼却では2万7772円ですむとされています。
衛生組合は7月に公表した「生ごみ減容・堆肥化事業の検証報告」で、こうしたコスト比較に加え、生ごみ分別と減容・堆肥化を全地区に拡げるために市民の理解を得るのは困難であるという結論を出しました。
5年後には久喜市で新しいごみ処理施設が稼働する予定なので、その前年で生ごみ減容・堆肥化事業は終了するとしています。

★生ごみ堆肥化に消極的な議員もいるが、何でもいっしょに燃やしてしまえばいいわけではない。
温暖化防止やリサイクルの視点から、バイオガス化などの生ごみ資源化を積極的に検討すべきだろう。★

【久喜宮代衛生組合議会】 衛生組合の災害対応マニュアルを策定
 『声と眼』541号 2017/11/17

 11月7日に衛生組合議会が開かれました。
私は一般質問で、生ごみリサイクル、衛生組合解散後のし尿処理、組合財産の処分、災害時の対応マニュアルについて質問しました。

 久喜市の防災計画では、風水害や震災時にごみ処理施設の緊急停止、処理施設の被害状況の把握調査、および復旧対策、災害によって発生したごみの実態調査、ごみ収集と処理計画の策定、人員と車両の確保、収集と処理を、衛生組合と連携しながら進めることになっています。
ところがこれまでの久喜宮代衛生組合の「ごみ処理基本計画」では災害時の対応については「災害時に多量に発生する廃棄物の処理、広域的な支援体制、公共用地を活用した仮置き場の確保」とだけしか書かれていませんでした。

 災害が起こった時にはもっと具体的に、だれがどのように判断して施設を緊急停止し、被害状況を調査・把握するのか、復旧対策をどのように作成して実行していくのか、指揮命令系統や職員の動員、委託業者との連絡や連携の方法、また災害で大量に発生する廃棄物をどのように収集・処理するのかなど、起こりうるケースを想定して事前にマニュアルを作っておかなければなりません。

 私は3月に開かれた衛生組合議会の一般質問で、衛生組合の災害対応マニュアル作成を提言し、当局から『策定を進める』と答弁がありました。
今回はその後の検討経過を明らかにするよう求めました。

 衛生組合当局からの答弁で、久喜市や宮代町とも協議しながら、震度5強以上の地震などを想定した災害時の対応について、施設の停止・調査・復旧、災害ごみの収集、職員の参集などのマニュアルの策定を進めていることが明らかにされました。
案ができた段階でパブリックコメントにかけて市民の意見を募集し、今年度中に策定していく予定です。

【一般質問】 久喜市街路樹管理指針で剪定方法は変わる?
 9月議会一般質問 『声と眼』538号 2017/9/23

久喜市の従来の街路樹管理は、夏の内に葉を落としてしまう、できるだけ枝を張らせない、丸太棒のような姿にしてしまう強剪定が主流でした。
今年3月に「街路樹管理指針」を策定し、今後は路線ごとの“目標樹形”を定め、夏期は軽剪定、冬期の強剪定という樹木管理の基本に沿って、樹木の生命力を活かした剪定方法に切り替えていくことになっています。
しかし実際には今夏の剪定は従来とほとんど変わっていないようです。
管理指針の趣旨を活かして、剪定を委託している造園業者への説明や研修を実施していくよう求めました。

【一般質問】 久喜市の街路樹管理がどう変わる?
 6月議会一般質問 『声と眼』533号 2017/6/20

 久喜市の街路樹はこれまで管理の効率化が最優先で、できるだけ枝を張らせない剪定方法がまかり通ってきました。
夏期に強剪定して枝葉をほとんど落としてしまい、プラタナスやイチョウ、サルスベリなどは丸太棒のような姿にされてきました。
本来は、都会の緑の保全や温暖化対策などの観点からはできるだけ自然樹形に近い剪定を行うべきで、市議会で何度も樹木管理のあり方を見直すよう求めてきて、やっと3月に市の新たな「街路樹管理指針」が策定されました。
管理方針として、路線ごとに周辺の住宅や交通にも配慮した「矯正型人口樹形」を基本に、「目標樹形」を定めて行くとしています。

 青葉のケヤキ通りは5年前に40年ぶりの大規模な剪定を行って以降も強剪定で枝落としされ、以前の“久喜市景観百選”の見る影もありません。
このケヤキ通りの街路樹の「目標樹形カード」を作成して街路樹の再生を進めていくよう求めました。
建設部長は今後は整枝剪定を進めていくと答弁しました。

 また今年度は、市役所通り(中央公民館付近)のクスノキの街路樹もついて「目標樹形カード」を作成し、路線ごとに順次進めていくと答弁しました。
これまで久喜市にはそうしたノウハウがまったくありませんから、職員の研修の強化も必要になってきます。

 ともあれ街路樹管理の基本となる指針ができたので、緑の保全と樹木の生命力を活かした自然に近い形の樹木管理を進めるよう注視していきます。

【配付資料 青葉ケヤキ通りの街路樹へのリンク】

【2月市議会】 ごみ減量計画の推進強化を求める
『声と眼』528号  2017/3/24

 久喜市は2023年に菖蒲地区に新たなごみ処理施設を建設する計画で、現在の久喜宮代衛生組合を解散して久喜市単独のごみ処理行政に移行します。
今後のごみ処理行政の基本方針となる「久喜市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」が、2月議会で可決されました。
基本方針に、ごみの減量化と資源化の推進、適正なごみ処理事業の推進、計画的な施設整備の推進を規定し、基本的には衛生組合の施策を継承します。
ごみ減量化目標は、
(1)1人1日あたりの家庭系ごみ排出量 2014年度/479g→32年度/415g[13%以上削減]
(2)焼却処理量 1人1日あたり14年度/604g→32年度/542g[10%以上削減]
(3)資源化目標 リサイクル率14年度/32.3%→32年度/34.6%[2.3%アップ]などを掲げました。

 しかしこれらのごみ減量化の目標数値は、これまで衛生組合で取り組んできた減量目標に比べるときわめて控えめなものです。
2013年に衛生組合で策定したごみ処理基本計画では、
(1)1人1日あたりの家庭系ごみ排出量は27年度/300g[40%以上の削減]
(2)焼却処理量は27年度/425g[30%以上の削減]
(3)リサイクル率は27年度/50%以上をめざす、などとなっていました。
衛生組合の減量化の取り組みは着実に成果を上げてきましたが、新たな久喜市のごみ減量・資源化の目標数値はこれを後退させかねません。

 今後、ごみ分別・資源化のいっそうの徹底や生ごみ資源化の推進などによって、基本計画の見直しを進め、減量目標の強化に取り組むよう求めました。

久喜市の「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」の策定
ごみ減量・資源化の積極的な推進を求める

2017/3/17

 久喜市では菖蒲地区に新たなごみ処理施設を建設する計画です。
 これまでごみ処理行政を担ってきた久喜宮代衛生組合を解散して、市単独のごみ処理行政に移行します。
 それに伴って、久喜市、宮代町でそれぞれが「ごみ処理基本計画」を策定することになりまます。
 2013年に衛生組合で策定した「ごみ処理基本計画」は、現在開かれている衛生組合議会に「ごみ処理基本計画の廃止」に議案が提出されています。

議案35号 久喜市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画

猪股和雄

久喜市は平成35年、2023年に新たなごみ処理施設を建設する計画で、いわばその焼却炉の規模を決めていくために、どのようなごみ減量・資源化を進めていく、そのための基本的計画として、このごみ処理基本計画の策定が位置づけられています。

 最大の課題はごみ減量をどのように進めるかということです。
 計画の柱は、ごみの減量化と資源化の推進、適正なごみ処理事業の推進、計画的な施設整備の推進を掲げ、基本的には衛生組合の施策を引き継ぐとしています。
 ごみ減量化目標は、(1)1人1日あたりの家庭系ごみ排出量を、2014年度から32年度までで13%以上削減、(2)焼却処理量は10%以上削減、(3)資源化目標、リサイクル率は14年度/32.3%から32年度/34.6%にアップさせるなどの数値目標を掲げています。

 しかしこれらの数値目標は、これまで衛生組合で取り組んできたごみ減量目標に比べるときわめて控えめなものです。2013年に衛生組合で策定したごみ処理基本計画では、基準年度と目標年度は違いますが、(1)1人1日あたりの家庭系ごみ排出量は27年度までで40%以上の削減、(2)焼却処理量は27年度までで30%以上の削減、(3)リサイクル率は27年度に50%以上をめざすなどの意欲的かつ積極的な目標を掲げていました。

 実際に衛生組合の減量化の取り組みは着実に成果を上げてきていたわけですが、新たな久喜市のごみ減量・資源化の目標数値はこれを後退させかねません。
 委員会審議では、数値目標の基礎となる現状推移時のごみ処理量については、ごみ処理量の現状推移から、統計的に算出した数値であると説明されているのですが、現状では処理量が減らないで同じ水準で推移するというのは理解できません。
 特に、生ごみの減量については、現在の衛生組合で取り組んでいる生ごみ堆肥化から、堆肥化を含めてバイオガス化、飼料化、メタンガス発電など、他の減量化・資源化も検討するとしていて、不透明な点もありますが、燃やせるごみの大半を占める生ごみの減量をいかに進めるか、検討の余地があります。

 これらの施策によって、いかにごみの量を減らしていくか、燃やすごみの量を減らしていくことによって、中間処理施設の規模をできる限り小さくしていくことにつなげなければなりません。
 基本計画に書かれた減量目標の数値目標は、国、県の計画に沿ったものであるという説明もありましたが、久喜市として、頼積極的な減量目標を設定していく必要がある。
 それは地球温暖化防止、大量生産大量消費、大量廃棄、大量焼却の社会のあり方を見直していくことでもあります。
 もう一つは、衛生組合の基本計画で一つの柱としていたリサイクルプラザの建設が明記されていない。答弁で、kそれはごみ処理施設の整備に含まれているのだと説明されたので、早期に計画を策定していく必要がある。
これからリサイクルプラザを含めた、ごみ処理施設の整備計画を策定していくわけですが、今後のごみ処理基本計画の見直しの中で、さらに積極的なごみ減量、資源化政策を進める、具体的な計画を策定していくことを要望します。

新ごみ処理施設でもごみ減量徹底を
『声と眼』525号  2017/1/28

 久喜市では菖蒲地区に新たなごみ処理施設を建設する計画です。
それに伴い、これまでごみ処理行政を担ってきた久喜宮代衛生組合を解散して、市単独のごみ処理行政に移行します。
その後は宮代町のごみも「委託」で受け入れる方向で、12月13日に久喜市と宮代町の「基本協定書」が締結されました。

 その主な内容は、
(1)ごみ処理施設の建設用地は久喜市の負担で取得し、
(2)施設の建設費用は久喜市と宮代町で案分して負担する、
(3)新施設でのごみ処理と維持管理は久喜市が行い、宮代町はごみ処理業務を久喜市に委託して負担金を支払う、などとなっています。

 今後、2018年に施設の基本設計と環境アセスメントを実施して20年から着工し、23年度に稼働させる予定です。
市では新たな「ごみ処理基本計画」を策定中で、2032年までの長期的なごみ減量化目標が明らかになりました。
それによると、1人1日当たりの家庭系ごみは2014年比で13%以上削減、焼却処理量は10%以上削減、最終処分量は34%削減などとされています。
しかしこれまで衛生組合での「家庭系ごみ40%削減、焼却処理量30%削減」などの目標に比べるときわめて消極的な計画となっています。

 現在は3つの清掃センターの処理能力合計1日285トンに対して年間約4万トン(1日平均110トン)を焼却しています。
新施設の規模はこれから検討する予定ですが、ごみ減量の徹底で燃やす量を少なくして、できるだけ小規模な施設にするべきです。

【一般質問】 公園の樹木は伸びるがままに放置?
 11月議会一般質問 『声と眼』524号 2017/1/6

 一方で、一部の公園の樹木は伸び放題になっているところが多く見られます。
市街地の中にある吉羽や青葉・栗原地区などの公園では、ケヤキやシイの木、イチョウなどが10〜20mにも伸び、張り出した枝が道路も覆って、隣接する住宅地にまで落ち葉がふってきます。
住民からは「落ち葉がトイに詰まって雨が流れなくなってしまうので、トイに網をかぶせている」「住民たちで自主的に清掃しているが、何十枚もの燃やせるごみの袋を自分たちで持ち寄っている」という苦情も聞かれます。

 建設部長は「通行に支障になったり道路に張り出した枝の剪定、道路の見通しが悪い場合などには剪定している」と答弁しましたが、近隣住宅への迷惑についてはあまり考えていなかったようです。
今回の一般質問で取り上げた公園については、その後に一部の剪定が実施されました。今後も住民に迷惑をかけないような適切な維持管理が必要です。

 住民が集めた落ち葉は堆肥化するために農家で引き取っている地区もあります。
しかしごみとして出す場合には有料の燃やせるごみの袋に入れて出さなければなりません。
市では区長を通じて必要な枚数を配布していますが、実際には最小限しか配られないで自宅用に買った袋を使っている住民も多いのです。
住民は日常的にボランティアで清掃しているのですから、『余ったら家庭ごみを出すために使われてしまうんじゃないか』なんて心配をせずに十分に配布するべきです。
建設部長も区長会で話をすると答弁しました。

【一般質問】 街路樹の適切な維持管理を求める
 11月議会一般質問 『声と眼』524号 2017/1/5

 久喜市の街路樹管理は、市街地の中の緑を活かすというよりも、事実上、夏の時期に強剪定して枝を伸ばさない、葉を繁らせないというやり方が行われてきました。
落ち葉を散らさない、虫の発生防止、鳥が集まらないようにするなどのさまざまな理由を付けて、丸太棒のような街路樹が多く見られます。
私はこれまでの一般質問で何度も、市街地の緑の保全やCO2の吸収など本来の街路樹の目的を活かすために街路樹管理方法の見直しを求めてきました。

 市では現在、「街路樹管理指針」を策定中です。
今後、道路空間に適応したそれぞれの街路樹の樹高や樹形を想定し、自然樹形を基本とした「目標樹形」を作成して路線ごとの維持管理を進めていく方針も明らかにされています。
市では今年度、街路樹管理の先進地の視察も行ってきており、必要に応じて専門家の指導も得ながら進めていく考えです。

【一般質問】 新電力からの電力購入契約拡大を
 11月議会一般質問 『声と眼』524号 2017/1/4

 東日本大震災後に、市役所庁舎等の電力を東電以外の電力会社から購入するよう提言し、2012年から切り替えが進んできました。
15年には大規模公共施設をFパワーと3年間の契約を締結して、東電との契約よりも4500万円余(約25%)の電気料金を節減できました。
また昨年4月から電力小売り完全自由化に伴い、小規模低圧の公共施設111か所の内6か所を新電力に切り替えて、さらに電気料金の負担軽減を進めています。
しかし年度当初の時点では市に入札参加登録していた電力会社が少なかったので、100か所以上の公共施設は東電との契約を引き継いでいます。
これでは電力小売り完全自由化の目的を十分に活かせているとは言えません。

 来年度は残りの多くの小規模公共施設についても入札によって新電力との電力購入契約を進めていくように求めました。
市は安価な電力購入契約を締結していくために、新電力各社に対して料金プランを問い合わせるなど、積極的な働きかけを行っていくと答弁しました。│

環境に配慮した電力入札方式を提言

 大規模施設の電力購入契約は、3年契約が2017年で切れますが、その後の新たな契約を結ぶに当たっては、ただ安価なだけでなく、環境配慮契約法の趣旨に基づいて、二酸化炭素排出の少ない電力会社、新エネルギー導入状況などを考慮した総合入札方式を導入するよう提言しました。
春日部市ではすでに「電力調達に係る環境配慮方針」を策定しています。
久喜市も環境に優しい“グリーン電気”の導入を進めるべきです。
市も今後、環境配慮方針を策定して、グリーン電気の購入を進めると答弁しました。

新たなごみ処理施設の建設に伴い、久喜市と宮代町で協定書を締結
 2016/12/24

  12月20日の市議会終了後に全員協議会が開かれて、久喜市と宮代町の間で、新たなごみ処理施設およびし尿処理施設の建設費用等の負担に関して「協定書」を締結したことが報告されました。

「基本協定書」の主な内容

  ごみ処理施設の建設に必要な土地の取得は、久喜市が行う
 新施設の建設費用は、久喜市と宮代町で案分して負担する
 新施設におけるごみ処理と維持管理は久喜市が行い、宮代町は久喜市にごみ処理業務を委託して負担金を支払う
 現在の久喜宮代清掃センターの解体の実施および費用負担は、今後、久喜市と宮代町、衛生組合の3者で協議して決定する
 菖蒲清掃センター、八甫清掃センターの解体は久喜市の負担で実施する
 し尿処理については、久喜市と宮代町で別に協議を行う

 すでに久喜宮代衛生組合を解散して、久喜市単独のごみ処理に移行する方針が確定されています。
 そして久喜市では現在、単独でのごみ処理を前提として「ごみ処理基本計画」を策定を進めています。
 新ごみ処理施設は2023年(平成35年)に稼働する計画ですが、衛生組合はそれと同時に解散することになります。
 これまで、2015年/施設の基本計画を策定、16年/環境アセスメントを実施、17年/施設の基本設計、都市計画決定、20年/現在の菖蒲センターを解体、新施設に着工するという年次計画が発表されていましたが、すでにそれより2〜3年くらいの計画の遅れが出ています。
 環境経済部長の説明によると、2017年(平成29年)には施設整備の基本構想を策定し、この基本構想に基づき環境アセスメントを実施、その後に施設整備の基本計画の策定に着手する予定です。

し尿処理の施設をどうするか

 なお、し尿処理は、現在は久喜地区と宮代町の処理は久喜宮代清掃センターで、鷲宮と栗橋地区のし尿は八甫清掃センターで、菖蒲地区のし尿は北本衛生組合で行っています。
 これを、市内のすべての地区のし尿を処理する施設をどこに建設していくのか、今後の検討課題にとして残されています。
 方法としては、(1)新たなごみ処理施設といっしょの地域に建設するのか、(2)あるいは八甫清掃センターのし尿処理施設を拡大して行うのか、(3)八甫センターのし尿処理施設をそのまま残して、新たに久喜地区と菖蒲地区、宮代町のし尿処理を行う施設を新たなごみ処理施設に併設して建設するのか、などが考えられます。

【久喜宮代衛生組合議会】 衛生組合のごみの最終処分先は?
 『声と眼』521号 2016/11/14

 久喜宮代衛生組合では、ごみ焼却で発生する焼却灰、ばいじん、破砕残渣などを埋立てなどによって最終処分しています。
本来は、各自治体で出たごみはそれぞれの自治体が自分の区域内で処分するのが原則とされています。
しかし久喜市・宮代町の区域内では最終処分場を確保することができないため、寄居町や群馬県草津町の最終処分場に搬出するなどして処理しています。
またできるだけ埋め立てを減らし、路盤材などに再利用する方法も拡大してきています。
今後、ごみの減量化によって最終処分量を減らすことが至上命題です。

 2015年度の焼却灰等の最終処分先と量は左表の通りです。
2015年度は埋立てや焼却が約1712tで前年度比339tの減。
路盤材やセメント原料へのリサイクルは3909tで305tの増となりました。
2015年度の最終処分先
《久喜宮代清掃センター》  処分量 単価(円) 処理金額
メルテック 小山市 焼却灰 605t 41,040 2483万
ばいじん 503t 55,080 2768万
太平洋セメント 熊谷市 焼却灰 726t 28,404 2063万
ウィズウェイストジャパン 草津町 焼却灰 24t 34,020 81万
草津町
銚子市
資源異物 229t 32,400 743万
埼玉県環境整備センター 寄居町 焼却灰 51t 23,306 118万
破砕残渣 299t 22,298 666万
ツネイシカムテック 寄居町 焼却灰 599t 25,466 1526万
親和企業 北茨城市 汚泥 50m3 50,220 251万
《菖蒲清掃センター》  
ウィズウェイストジャパン 草津町 焼却灰 271t 35,100 951万
ばいじん 184t 35,100 647万
草津町
銚子市
資源異物 41t 32,400 134万
埼玉県環境整備センター 寄居町 破砕残渣 115t 33,206 383万
ツネイシカムテック 寄居町 焼却灰 293t 30,456 892万
エコ計画 寄居町 廃プラスチック 29t 67,241 195万
《八甫清掃センター(栗橋・鷲宮地区)》  
太平洋セメント 熊谷市 焼却灰 335t 26,244 880万
ばいじん 848t 61,452 5212万
埼玉県環境整備センター 寄居町 破砕残渣 469t 22,460 1053万

【久喜宮代衛生組合議会】 資源ごみ、収集方式変更の進め方は
 『声と眼』521号 2016/11/12

 10月25日に久喜宮代衛生組合議会が開かれました。

 私は一般質問で、衛生組合で検討している資源ごみ(紙・布類)収集の全面民間化を進めるに当たって、久喜市との連携のあり方について質問しました。

 ごみ処理行政は、2023年には衛生組合を解散して久喜市の単独事業に移行することになっています。
9月市議会でも、衛生組合のこの方針を久喜市でどのように引き継いでいくかを質問したのですが、市当局としては衛生組合の取り組み状況を見て今後検討していくという答弁でした。
しかし久喜市と衛生組合はごみ行政を一体で進めているのですから、資源収集方式の変更についても考え方も一致していなければなりません。
衛生組合としても久喜市のごみ行政担当部署と密接な連携をとって進めるように求めました。

 衛生組合では資源ごみ収集を民間に移行するために、まずモデル地区を選定して数年間の実証実験を行っていく計画です。
来年4月から収集業者への説明に入る予定ですが、地域住民や区長会への説明も早期に行っていくように提案しました。

資源回収の民間化で経費削減効果

 現在は資源ごみは、衛生組合で月2回収集して有価物として売却しています。
その他にPTAなどの集団回収で業者に引き取ってもらう場合には、住民団体に1s7円の報償金を支出して活動費などに充てています。

 資源収集の民間化は、自治会・町内会などの住民団体が集めた資源ごみを業者と直接契約して売却することになります。
衛生組合からは住民団体に報償金を交付するとともに、資源回収業者にも市況に応じて奨励金を出します。
現在の衛生組合による資源収集では約7000万円の回収委託料がかかっていますが、公共回収をなくして、住民団体や業者に対する報償金・奨励金を出す方式に変更することによって、数千万円の経費が節減されると見込まれています。

事業系ごみ収集、小規模商店などに配慮を

 衛生組合のごみ処理は家庭系ごみは無料(指定袋代だけ)、事業系ごみは有料(10s200円)が原則です。
ただし久喜地区では、以前は小規模な事業者に限っては収集手数料(10s100円)を負担してもらって、一般家庭といっしょのごみ集積所に出すことも認めてきましたが、昨年10月からはいっさい集積所には出せないことになりました。
久喜地区では事業系ごみを出している約650社の内、昨年までは193社が一般のごみ集積所に出していましたが、現在では少ないごみでもすべて事業者の責任で衛生組合に自分で持ち込むか、収集専門の許可業者に依頼しなければならないことになっています。

 しかし個人商店など、一般家庭とほとんど同じかそれ以下しかごみが出ないような事業者まで、一律にごみ集積所に出すことを禁止してしまったことに対して、商店主などからの悲鳴の声も聞こえています。
小規模でごみの量も少ない事業者には何らかの配慮も必要ではないでしょうか。

電力自由化で、新電力に移行進む
 『声と眼』520号 2016/10/28

 久喜市では、市庁舎や小中学校は2012年から入札で東京電力以外の“特定規模電気事業者(PPS)から電力を購入、その後、文化会館・公民館・コミセン・ふれあいセンターなど比較的大規模な公共施設を入札に切り替えました。
昨年には45の公共施設の電力の一括入札を実施し、(株)Fパワーが落札して3年契約で電力を購入しています。
2015年度の45施設の電気料金は1億3666万円で、東電の料金と比較すると4556万円(25%)安く購入できました。

 昨年までは小規模施設は電力自由化の対象外とされていたので、残りの111の公共施設は東電との契約を継続していました。
今年度から電力購入が完全自由化され、すべての施設の電力購入を見直した結果、東町集会所・本町集会所・地域交流センター・はなみずき会館・鷲宮児童館・第2庁舎の6施設を新電力に移行しました。
都市ガス系列の(株)サイサンと2年間の電力購入契約を締結し、東電と比較して87万円の料金削減をはかることができました。
久喜市に入札参加登録している新電力5社の中で、今年は1社だけが見積もりを提出したので、東電よりも料金の低かった6施設だけを随意契約で契約しました。

2015年度料金(円) 東電料金試算 差額(削減効果) 割合
本庁舎
各総合支所
30,869,835 38,586,953 ▲ 7,717,118 ▲20.00%
小中学校34校 45,992,887 60,347,577 ▲ 14,354,690 ▲23.79%
公文書館
他17施設
44,562,465 62,622,892 ▲ 18,060,427 ▲28.84%
公文書館、3保健センター、あやめ会館、鷲宮福祉センター、農業者トレーニングセンター、菖蒲・栗橋文化会館、鷲宮東・西コミセン、しょうぶ会館、中央・森下・栗橋・鷲宮公民館、中央・鷲宮図書館、郷土資料館、ふれあいセンター 
給食センター
(鷲宮・菖蒲)
11,195,459 16,112,090 ▲ 4,916,631 ▲30.52%
運動公園
(鷲宮・青葉)
4,047,224 4,665,591 ▲ 618,367 ▲13.25%
136,667,870 182,335,103 ▲ 45,667,233 ▲25.05%

★2011年の福島第1原発事故後、私は久喜市の電力を東電以外に切り替えるよう提言して、2011年度中に入札が実施された。
それから6年間の電気料金削減効果は8千万円以上になる。★

クリーンエネルギーへの転換も進めるべき

 今後さらに新電力への電力購入切り替えを進めていくべきですが、ただ安ければいいというものでもありません。
「新電力」の中にも、石炭火力発電など旧来の化石燃料におもに依存している電力会社もあります。
それに対して、太陽光や風力発電などの持続可能な再生可能エネルギー・クリーンエネルギーの比率が高い電力会社もあります。
そうした“電気の質”にも配慮して環境に優しい電気を選ぶべきです。
経産省も電力会社に対して、電源構成やCO2排出係数を開示することが望ましいという見解を示しています。
さらに環境汚染物質、原発による放射性廃棄物排出量なども公表させるべきではないでしょうか。
 東京都内の50市区の電力購入の実態を調査してみました。
今年度、電力購入の入札を実施した自治体が90%、その際に金額だけでなく、「環境への配慮」も点数化して考慮する仕組みにした自治体が87%でした。
これらの自治体では環境配慮契約法(温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律)の趣旨を電力購入にも適用しています。

 久喜市の公共施設の電力購入も、さらに新電力への切り替え、特にクリーンエネルギーへの移行を進めるよう求めていきます。

【一般質問】 樹木の生命力を活かした街路樹管理を
9月議会一般質問 『声と眼』519号 2016/10/11

 樹木の剪定は夏期に整枝(軽)剪定、冬期に強剪定が基本と言われていますが、実際には久喜では毎年6〜9月に強剪定を行って、落葉樹は葉が散る前にほとんどの枝葉を落としてしまってきました。

 街路樹は景観の形成だけでなく、CO2の吸収と空気の浄化、地球温暖化防止の役割もあります。
久喜市の剪定方法を抜本的に見直す必要があります。自然樹形を活かした樹木管理、あるいは人口樹形であっても樹木の生命力を活かした樹木管理を行っていくべきです。
路線ごとに街路樹をどのような樹形にしていくか「目標樹形」を設定して、行政、業者、住民の共通理解を作っていくよう求めました。

 建設部長は『剪定の時期や方法など、どのような管理方法がよいのか検討していく、それぞれの街路樹の樹高や枝張り、樹種や周辺環境も考慮し、路線ごとに街路樹の管理方針を定めていく』と答弁しました。
また私は6月議会でも、久喜市の「街路樹管理指針」の策定を急ぐよう求めてきましたが、部長は今年度中に策定し、建設部だけでなく環境課や造園業者、自然保護団体などからも意見を聞いていく考えを明らかにしました。
久喜市の街路樹管理の見直しを進めるために、理想的な街路樹管理を行っている江戸川区のような先進自治体の視察や研修を行っていくことも約束しました。

 市内の多くの路線で、毎回同じ位置で枝を切られるためにコブだらけで、ほとんどの枝を落とされて丸太棒のようになった街路樹もたくさん見られます。
こうした街路樹としての役割を果たしていない木々の再生も必要です。
私は7月に江戸川区に視察に行ってきましたが、担当者は『樹木の生命力を活かし、コブを作らないような剪定をしている』と話していました。
久喜の街路樹の再生を求めていきます。

現場では相変わらずの強剪定で…

 6月議会で私と春山議員が、街路樹管理の方法を見直すように質問した直後の6月下旬、中央公民館付近のクスノキが強剪定されて、ほとんどの葉を落とされてしまいました。
今回も9月議会で、部長が「今後の街路樹剪定の方法の見直し」を答弁した後の下旬に、久喜駅西口広場の街路樹が強剪定されてまたまた枝葉を落としてしまいました。
広場を管理している都市整備課の課長に問い合わせると『市民まつりの前だからきれいにした』と言うのですが、街路樹の枝葉をほとんど落としてしまう理由にはなりません。
−これでは部長答弁と現場での実際の剪定が違いすぎます。
議会で「見直し」を答弁しても現場では旧態依然としたやり方が続いていく、久喜市の行政体質にも問題がありそうです。

【一般質問】 資源ごみ民間回収への移行をどう進めるか
9月議会一般質問 『声と眼』518号 2016/9/25

  久喜宮代衛生組合は2023年に解散して、久喜市・宮代町のそれぞれ独立のごみ処理行政に移行する計画です。
現在、衛生組合では、紙・布類の資源ごみの公共回収をやめて、全面的に民間回収に変更する方向で検討していて、2年後からモデル地区での実証実験を行っていく方向です。
この実証実験の経過も久喜市単独のごみ処理行政に引き継いで、市で実施することになります。
現在は衛生組合のごみ減量推進審議会で協議していますが、その審議経過を踏まえて密接な連携を取っていくよう求めました。

【一般質問】 ビオトープ管理の改善、管理指針を
9月議会一般質問 『声と眼』518号 2016/9/24

 久喜市は、古久喜公園(北2丁目)、香取公園(久喜本)、沼井公園(桜田)を「多様な生態系」を実現するビオトープに指定していますが、必ずしも適切な管理ができているとは言えません。
古久喜公園は草木や樹木の繁茂、野鳥の営巣などで周辺住民からの苦情が大きくなってほとんどの樹木を伐採してしまいました。
沼井公園のビオトープでは、池の中に外来種のミドリガメが繁殖してしまっています。
植物をただ繁茂するにまかせておいたり、外来生物の繁殖を放置しておくのではなく、多様な生態系を生かしたビオトープとしての管理計画を策定していくべきです。
特に住宅地のまん中にある古久喜公園は、今後も全体をビオトープとして位置づけるのか、公園の一部を指定していくのか、近隣住民の理解も得ながら管理方針を立てていくよう求めました。

 学校ビオトープは、子どもたちが多様な生態系を学ぶことを目的に、久喜地区の全小学校と菖蒲、鷲宮地区を合わせて12校に設置されています。
地域住民の協力も得て良好に管理されている学校もありますが、一方ではセイタカアワダチソウやアメリカザリガニなどの外来生物が入り込んでしまっている学校もあります。
担当していた先生が異動したり保護者の協力体制が変わったりしても、適切な維持管理をしていけるように、学校ビオトープ管理指針(マニュアル)を作っていくように提言しました。

資源ごみの取り残しが増えている
『声と眼』515号 2016/8/4

 4月に資源ごみの回収日程が変更になってから、ごみの取り残しが増えています。
3月までは毎週1回の「資源ごみの日」に[びん・かん・ペットボトル、紙類、布類]のすべてをいっしょの日に出していました。
4月から[びん・かん・ペットボトル]は今までと同じ週1回ですが、[紙類、布・衣類]が月2回に減りました。
特に問題なのは[紙類]で、[ダンボール]と[新聞、雑誌・ざつがみ、紙パック]が別の日とされました。
同じ紙類でも種類によって回収日が違うというのが混乱の元になっているようです。
住民の皆さんも1〜2か月で慣れるだろうと思われていましたが、いまだに間違って出されたダンボールなどが取り残されているのを見かけます。

 衛生組合が、紙類などは回数を減らしても困ることはないだろうと判断して、毎週から月2回にしたことは理解できます。
しかしダンボールだけを別の日にしないで、紙類はすべていっしょの日にした方がわかりやすかったのではないでしょうか。

資源ごみは民間回収に移行の方向

 衛生組合では、将来的に資源ごみの回収を全面的に民間回収に移行する方向です。
昨年4月にごみ減量推進審議会に「資源物の回収(集団回収と公共回収)のあり方について」諮問して検討が進められており、11月にも答申が出る見通しです。

 現在、資源ごみは衛生組合で回収する他、PTAなどで行う集団回収に1q7円の報償金を出していて、昨年度は84団体に約1500万円を交付しました。
衛生組合では将来的に、[紙類・布類]を集団回収だけに一本化し、地域の自治会・町内会やPTAなどが民間の資源回収業者と直接に契約を結んで回収してもらう方式に変更する計画です。
衛生組合では現在の公共回収をやめることによって委託料1億円程度を削減することができると見込んでいます。

 ただし、現在は集団回収を行っている団体が少ないのですぐに移行はできません。
衛生組合では方針を確定した後、来年度に資源回収業者や区長会などに説明した上で、モデル地区の募集を行い、2018年度から4年程度の実証実験を行い、その後に全面的に移行する計画です。

資源ごみの民間回収実施までのタイムスケジュール
 2016年度  9〜2月 答申
・モデル地区実施方式の検討
・モデル地区募集の条件の検討
 2017年度  4〜8月 ・現行委託業者への説明
⇒実証実験の説明及び収入源に対する対応策の調整
・現行資源回収登録業者への確認・調整
⇒モデル地区実証実験の説明
 指定された方式での回収が可能か、ぎゅおしゃの条件を確認

・モデル地区実施方式の決定
・モデル地区での実証実験に係る要綱作成
・久喜市・宮代町担当課への説明
9月 ・久喜市・宮代町における区長会での説明
 9〜12月 ・モデル地区募集
1〜3月 ・モデル地区決定

・委託業者との調整(モデル地区内の行政回収停止)
・住民説明会
・公共施設への資源回収ボックスの設置検討
⇒自治会未加入者への対応
 モデル地区外住民にも排出ルートが増えるメリットがある
 2018年度 ・実証実験開始
 2018〜21年度 ・モデル地区や回収業者からの意見聴取
・上記意見等を受けの制度の見直し
 2022年度 ・実証実験結果のとりまとめ

・市町への業務引継
 2023年度以降  《それぞれの市町で、資源ごみの民間回収を本格実施へ》
 2023年度 菖蒲地区に新ごみ処理施設を建設・稼働久喜宮代衛生組合を解散久喜市単独でのごみ処理をスタート


青葉プラタナスの剪定に立ち会った
2016/7/15

 13日、青葉中央通りのプラタナスの剪定を行うというので、立ち会わせてもらった。
 市の道路河川課の話では、路線ごとに剪定を行う際に、造園業者と担当課の職員とで現場でまず1本のモデル木を選んで、枝をどの程度落とすのかを話し合いながら決めているという。
 この日はプラタナスの夏期剪定で、建設部長や課長、担当職員も立ち会って、2本のプラタナスを対照的な剪定のしかたで枝を落としていった。
 もちろん私(議員)は、切り方について直接に業者に指示する立場ではないから、基本的に口を出さない。
 剪定の現場でどのような手順で作業が進められているのか、職員が剪定方法に対して職員がどのように指示を出しているのか、業者がどのような考え方で枝を切っているのかを見させてもらったのである。

 青葉のプラタナス並木は、今年はまったく手入れしていないから、樹上の方も横にも枝が伸び放題に広がっていて、下の方にも細い枝が垂れ下がっていたり、人の歩く高さから枝が伸びていて、大いに通行の支障になっている。【写真・右】
 本来なら、歩行者に支障の出るような形に伸びた枝は、もっと早くに落とすべきであったろう。



 この日にモデルの木として選んだのは、下の 《A》 《B》 2本のプラタナスである。
 造園業者は最初、《A》 《B》それぞれについて2通りの剪定をするので、それを見てから他の木をどちらの方法にするか決めてくれといって、作業を開始した。
 業者の説明を聞いていると、《A》は本来の夏期剪定で、整枝剪定といって、伸びすぎた枝、形の悪い枝を落とす、卵形にするのが基本だという。
 《B》は本来は冬期に行う剪定で、中の方の枝も抜いていくやり方だという。



  《A》 《B》
(1)剪定前
(2)剪定後
(3)さらに、
下の枝を
落とした


 なるほど、《B》はこれから盛夏に向かうというのに、枝葉を全部落としてしまう、冬期に行うべき強剪定だ。
 しかし《A》だと、『剪定したという風に見えないで、住民からもっと切ってくれと苦情が来る』のだとも話していた。
 業者から、どちらにするか決めてくれと言われて、建設部長は《B》でやってくれと指示したのだが、結局これは、業者の意向を汲んで、従来どおりの剪定方法を採用したということになろう。
 業者は《A》の木も《B》と同じように剪定するかと聞いていたが、部長の判断で、《A》の木はこのまま残して、比較して経過を見ようということになった。

【樹木にはまったくの素人である私の素朴な疑問】

1.つまり造園業者としては、夏期は《A》の軽い整枝剪定が適していることがわかっていて、本来は冬期に行うべき強剪定を行っているわけだが、これは樹木にとって良いことかどうか。
 業者は「卵形が基本だ」と言っていたが、久喜の街路樹はほとんどが夏期に強剪定してしまうから、基本形である「卵形」の剪定は久喜ではしないわけだ。
 樹木の専門家である造園業者は、そういう剪定方法でかまわないと考えているのだろうか。
2. 《A》の(3)は、これから下の方に細い枝が出てきてまたまた通行の支障になりかねないので、さらに下の方の枝を落としてもらったのだが、これでも下に枝が出てくるという。
 それなら《B》の(2)も同じように下枝が出てくるのだろうが、歩行者の支障にならないような剪定の方法はないのだろうか、素朴な疑問だ。
3. 《A》《B》も、今回もこれまでと同じ場所で枝を落としているので、枝の先はコブになっていて、その内に、そのコブから細い枝が放射状に垂れ下がることになるのだが、専門家である造園業者が、毎回そうした剪定方法を行っているのはなぜだろうか。
4.造園業者は、住民から落ち葉が散る前に枝葉を落としてくれと言われるので、今の時期に全部落とすんだと説明していた。
 落ち葉を片付けるのは行政の責任ではないか(もちろん多くの地区で住民も協力している)。
 落ち葉が散って、市役所が片付けてくれないので住民に迷惑がかかるから、秋になる前に枝葉を全部落としてしまうというのは、街路樹管理行政としておかしくないか。
 これも、樹木の専門家である造園業者は、それが樹木に良いことと考えているのだろうか。
5.業者は何度も住民の意見、住民から苦情が来ると言っていたが、その「住民」というのはどれくらいの住民の意見を聞いているのだろうか。
 本当に住民のみんなが、夏の時期に枝葉を全部落としてしまうように望んでいるのだろうか。

青葉けやき通りから中央通り方向。
剪定前(6月13日)
青葉けやき通りから中央通り方向。
剪定後(6月15日)
街路樹の枝葉はほとんどなくなった。
道路の左側は剪定が終わった。
右側は剪定中、まもなく青々とした枝葉は消える。
(6月15日)

【一般質問】 街路樹剪定管理方法の見直しを求める
2016年6月議会、猪股の一般質問 『声と眼』514号 2016/7/11

 市内には、青葉けやき通り、青毛下早見線のイチョウ、久喜駅東口大通りや青葉中央通りのプラタナス、市役所通りのイチョウ、中央公民館付近のクスノキ、久喜駅西口大通りのユリノキ、他にもサルスベリやハナミズキの街路樹もあります。

 街路樹は街に潤いを与えるとともに、景観形成、空気の浄化(CO2の吸収と酸素の放出)、温暖化を防ぎ、ヒートアイランド化防止などの役割も持っています。
久喜市緑の基本計画でも「大気の浄化や騒音の軽減などの緩衝地帯としての役割」「街路沿いに連続する緑の帯が形成できるよう、街路樹の整備や沿道の緑化を推進」と位置づけています。
また市の「街路樹等管理条例施行規則」では、枝の剪定や枝落としは「樹木のもつ自然仕立てを基本とし、樹木固有の美しさを保つように行う」「生態系に配慮する」「けやき、いちょう、さくら等の樹高が高くなる落葉樹は、落葉したときの枝張りに配慮する」などと明記しています。

 しかし実際には、市内の多くの街路樹が、6〜8月の夏期に強剪定でほとんどの枝葉を落とされて、丸太棒のような姿にされてしまっています。
毎回同じ位置で枝を切るため、コブだらけになっているものも多くあります。
これでは「樹木の持つ自然樹形仕立て」を無視している上に、夏の暑い盛りに枝葉をほとんど落としてしまうのでは街路樹の役割を果たしているとはとうてい言えません。
執行部は「歩行者や車の通行に支障がある場合や倒木や枝の落下防止のために剪定している」と答えましたが、それなら丸太棒状にする必要はありません。

 埼玉県では「街路樹・樹形再生マニュアル」を策定しています。
久喜市も緑の基本計画で「街路樹管理指針」を作ることになっています。できるだけ樹木の本来の形の自然樹形を活かした街路樹管理を行っていくべきです。
そのためにも早急に「街路樹管理指針」の策定を進めるよう求めました。

★県の「街路樹マニュアル」には、夏期の強度の剪定は、樹木の栄養源である緑葉の切除であり、樹木の健康を損ね、緑陰などの街路樹機能に反するので、絶対やってはならないと書いてあるのだが…。★

【参照⇒Blogへのリンク】
 2015/12/10 久喜市の街路樹たち
 2016/ 6/29  この時期の強剪定 枝葉がスカスカになった
 2016/ 7/ 3  久喜市の街路樹たち・続編

【一般質問】 公共施設で新電力の契約促進を
11月議会、猪股の一般質問 『声と眼』504号 2016/1/4

 電力システム改革によって4月から電力の小売り全面自由化が始まります。
すべての家庭や事業所で低電圧、電灯部門まで自由に電力会社や料金メニューを選択できるようになります。

 私は2011年に市議会で、電力購入を東電以外の電力事業者(PPS)に切り替えるよう提案しました。
その後、高圧部門の市役所や小中学校など市直営の45か所の公共施設の電力を、3年間の長期継続契約でPPSに切り替えてきています。
昨年1年間では全部で東電から購入するよりも1717万円(約8%)安く契約できている計算です。
現在は残りの低電圧の111か所が東電から購入していますが、これらの施設も新電力を含めた入札による契約に移行していくよう提案しました。

 市では、これまで市の電力契約の入札に参加してきた新電力に対して、低電圧部門への参入状況を調査、今後提示される料金プランなども検討した上で対応していく方針です。
今後、すべての公共施設の電力入札に新電力の参入を求め、市にとって有利な条件で電力購入を勧めていくべきです。

 また、地球温暖化対策のためにできるだけ温室効果ガス排出量の少ない電力会社を選択するべきです。
現在の契約先であるFーPowerのCO2排出量は1kWhあたり0.000398dで、東電の0.000496dよりもCO2排出量が少なくなっています。
さらに、再生可能エネルギーの発電割合の高い電力会社を選ぶことも検討するよう求めましたが、数値が公表されていないのでむずかしいという答弁でした。

 一方、市役所の事務事業の中で排出される温室効果ガス削減については、「地球温暖化防止率先実行計画」に取り組んでいます。
2016年度の排出量は10年比で10%削減を達成しています。
これもさらに積極的な計画に見直すよう求めました。

 埼玉県では県内事業所の温室効果ガス排出削減の取り組みの報告制度があります。
久喜市内の企業の温室効果ガス排出の状況や削減の取り組みとその効果などについて把握するよう求め、市でも今後、これらの把握に努めていくと答弁しました。

【一般質問】 市内の温室効果ガス排出削減の強化を
11月議会、猪股の一般質問 『声と眼』504号 2016/1/1

 COP21(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)で「パリ協定」が採択され、世界全体の温室効果ガス排出量を今世紀後半には排出を実質ゼロにすることなどで合意しました。
日本では2030年に13年比26%削減(1990年比では18%削減)を表明していますが、世界全体で2050年までに50%削減が必要という目標から見ればきわめて不十分です。

 久喜市は環境基本計画で、2022年までに2009年比で久喜市全体の温室効果ガス排出量をを25%(90年比では9%)削減するという目標を掲げています。
しかし現実には90年の排出量推計が79万トンだったのに対し、09年85万トン、12年には104万トン(90年比31%増、09年比22%増)と排出量が増え続けていて、削減どころではないというのが現実です。
2022年の久喜市の排出量の目標は68万トンですから、現状から30%以上を削減しなければなりません。

 市では排出量の増加の原因を、世帯数の増加や電力使用量の増加、自動車台数の増加などが影響していると説明しています。
今後、市民生活や交通、企業活動などから排出される市全体の温室効果ガス削減に取り組んでいくとしていますが、実際には「排出量の抑制は厳しい状況にある」という答弁で、現状のままでは削減は困難だと言わざるを得ません。
これまで久喜市の環境基本計画では、地球温暖化対策として温室効果ガスの排出削減目標の数値は示されているものの、具体的な削減計画が策定されていませんでした。

 今後、市民とともに温室効果ガス削減の取組を進めていくためには、たとえば家庭部門でどのような取り組みを行って何%削減できるのか、交通や産業部門の取り組みで何%くらいの削減ができるのかなどの具体的な分析が必要です。
それらの取り組みの積み重ねによって、2022年(あとたった6年後!)までに25%削減していくというロードマップを策定して市民とともに取り組んでいくことが重要です。
地球温暖化対策推進法では、各自治体が「実行計画・区域施策編」の策定を進めることになっていて、県内ですでに11市が策定しています。久喜市も早急に策定して、市民に知らせていくよう提言しました。

 一方、市役所の事務事業の中で排出される温室効果ガス削減については、「地球温暖化防止率先実行計画」に取り組んでいます。
2016年度の排出量は10年比で10%削減を達成しています。
これもさらに積極的な計画に見直すよう求めました。

 埼玉県では県内事業所の温室効果ガス排出削減の取り組みの報告制度があります。
久喜市内の企業の温室効果ガス排出の状況や削減の取り組みとその効果などについて把握するよう求め、市でも今後、これらの把握に努めていくと答弁しました。

衛生組合周辺住民の“過去の負荷”に金銭補償へ
2015/10/3

 9月30日に久喜宮代衛生組合議会が開会され、会議の冒頭に、組合監理者(田中久喜市長)から、周辺地区住民との「協定書」締結の報告がありました。
 久喜宮代衛生組合は1961年に現在の場所で事業を開始し、焼却炉とし尿処理施設を稼働してきましたが、この間、周辺地区の住民に対してさまざまな迷惑や被害をもたらしてきました。
 当初は、焼却灰(燃え残り残渣)や処理しきれなかったし尿を周辺の農地に埋めてしまったり、交通問題、臭気、有害物質の飛散、ダイオキシン濃度の高さなども問題になりました。
 地区住民からは、こうした迷惑(過去の負荷)に対して謝罪と補償の要求、移転を求める意見も出されてきました。
 2002年には老朽化した焼却炉を更新する方針で、2007年までに現在地周辺に新設炉を建設する計画を作りましたが、住民との話し合いが進まないで結局実施できませんでした。
 2013年に策定した新たな計画で、2019年までに新設炉を建設する方針を決めたものの、この計画も周辺地区住民との話し合いができないまま、これも事実上破綻状態になっていました。

 その後、昨年9月になって、新たなごみ処理施設の建設方針が発表されました。
 現在の久喜宮代センター、八甫センター、菖蒲センターの3つの焼却炉を統合する形で、菖蒲地区に新焼却施設を建設する。
 2023(平成35)年度に稼働させる計画で、その段階で、久喜宮代衛生組合は解散して、久喜市単独のごみ処理事業に移行することも決まりました。

 こうした新たな計画に向けて、現在の久喜宮代センター周辺住民に対する“過去の負荷”をどう解決するのか、話し合いが進められてきましたが、周辺4地区の内の3地区との間で基本的な合意に達しました。
 この日に発表された「久喜宮代清掃センター周辺地区との地域環境整備に関する協定書(最終案)」によると、各地区に金銭(補助金)を交付することになっていて、事実上の“過去の負荷”に対する金銭補償ということのようです。

 その概要は、

久喜宮代清掃センター周辺地区との地域環境整備に関する協定書(最終案)

 久喜宮代衛生組合と周辺地区(住民)は、久喜宮代清掃センターが今後稼働していくにあたっての相互の理解と協力を行っていくことを前提に、地域環境の整備等に関して、協定を締結する。
1.衛生組合は周辺地区(住民)に対して、地域環境の整備に資する補助制度を整備する。
2.補助対象事業は、「地域の環境の維持または向上に資する事業」
  金額は、2017〜2023(平成29〜33)年度の5年間で700万円
3.衛生組合は周辺地区(住民)に対して、誠意を持って対応する。
(1)将来、清掃センターの機能を停止し、その一部または全部を撤去する際は、法令に従い適正に処理すること
(2)撤去の跡地について、その利用計画について説明すること
4.周辺地区(住民)は、2に掲げる内容を受け入れ、今後いっさいの衛生組合に対する要求は行わないことに同意する。
(以下、略)

 宮代側の沖の山地区、久喜市側の下早見地区、太田袋地区は了解したものの、宮代台地区とはいまだに合意に至っていません。
 なお、沖の山地区は清掃センターの地元で、最も被害を受けてきた地区であることから、地区固有の問題もあるとされています。 

【参照】 ⇒協定書(最終案)PDF

【久喜宮代衛生組合】 震災復興予算の“流用”はすべきでない
2015/4/5

久喜宮代衛生組合議会に、2014年度一般会計補正予算が提案されましたが、その中で、八甫清掃センターの焼却設備大規模改修の財源の変更が計上されました。

 八甫の焼却炉大規模改修は、老朽化した焼却炉の「長寿命化工事」として、2013年度からの2か年継続で実施されています。
 これは久喜宮代衛生組合の負担と、国からの一部補助金も受けながら実施すべきものですが、国から新たに3億5700万円の交付金が支出されることになったため、衛生組合の負担をその分だけ減額することになりました。
 国からの交付金増額の名目は、東日本大震災の復興事業の一環で、「震災復興特別交付金」となっています。
 八甫の焼却炉の老朽化は、東日本大震災の被害とはまったく関係がないのに、なぜ「震災復興交付金」が公布されることになったのでしょうか。

 久喜市内では南栗橋で大震災の時に液状化が起きたため、久喜市全体が「震災被害地」と認定され、震災被害とは無関係の八甫の焼却炉に対しても復興予算が下りてくることになったのです。
 しかしこの復興予算は、復興増税の負担も入っていて、純粋に復興事業のために使うべきです。

 私は、福島などの震災被災地での復興もまだ十分に進んでいないのに、国の復興予算を復興事業以外に“流用”するなどは認められないと考えて、この補正予算に反対しました。
 残念ながら反対したのは私1人で、他の議員は全員が賛成したのですが、これが「震災復興事業」でないことがわかっているのに、名目が違っても、国がくれるお金はもらっておけということでしょうか。

 実は、2013年度の補正予算でも、同じ八甫焼の却炉の改修工事に国から1億9000万円の復興特別交付金が入ってきていて、私は昨年も同じことを指摘して採決では反対しました。
 2年間で合わせると、久喜だけで5億5000万円もの復興予算が、震災と関係のない事業に使われていることになるのですが、こうした復興予算のスジの通らないバラマキが、全国ではどれほどに上っているのでしょうか。

【衛生組合議会】 報酬支給条例の改正など
2015/4/4

  3月10日、24日に久喜宮代衛生組合定例議会が開かれ、新年度予算など、7議案を可決・決定しました。

正副管理者、議員、監査委員などの報酬支給規定を変更

 衛生組合では、正副管理者(久喜市長と宮代町長)の給与、議員、監査委員・公平員などの報酬は「年額」支給となっています。

 年度途中で就任・辞職した場合には、議員については「月割り」で支給するとなっていましたが、正副管理者や監査委員などは月割り規定そのものがありませんでした。
 このため、途中で交代した場合に、何月分まで支払うのか、はっきり決まっていませんでした。
 かつて正副管理者が交代したときには、交代した月の分が前任者と新任者に重複して支払われたこともありました。
 そこで、私は昨年の議会で、これらをはっきりと月割りの規定に改めるように提言していましたが、この指摘を受けて、今後は「月割り」支給に変更する条例改正案が提案され、可決しました。

 ただし、監査委員と公平委員は、実質的に1年間に1〜2日の勤務しかないため、月割り規定にしても、実際には1日の勤務しないのに何か月分かの報酬(月割り額)が支払われることも出てきます。
 これは明らかに不合理な規定ですから、勤務した日だけ報酬を支給する「日額」規定に改めるべきであると指摘しました。
 衛生組合事務局としても、次回の衛生組合議会で「日額支給規定」に再度改正する考えです。

財政調整基金条例が提案され、可決しました

 自治体には、財政に余裕がある年に積み立て、不足する年に取り崩して財源を調整するための、「財政調整基金」の設置が義務づけられています。
 地方財政法第7条では、「地方公共団体は、各会計年度において歳入歳出の決算上剰余金を生じた場合においては、当該剰余金のうち2分の1を下らない金額は、これを剰余金を生じた翌翌年度までに、積み立て、又は償還期限を繰り上げて行なう地方債の償還の財源に充てなければならない。」と規定されていますが、これまで衛生組合では、こうした剰余金の積み立てを行っていませんでした。

 私は昨年の議会で、これは地方財政法違反になるのではないかと指摘したところ、当局としても、新年度から財政調整基金を設置して、剰余金を積み立てる方針を明らかにしていました。
 これに基づいて、今回の議会に「衛生組合財政調整基金条例」が提案され、決定されました。



 3月10日に一般質問が行われ、私は5項目の質問を行いました。

【委託収集事業者・作業員へのごみ減量への取り組み強化を】

 久喜宮代衛生組合のごみ収集業務は、菖蒲や鷲宮・栗橋地区では合併前からすべて委託事業者が行い、久喜地区・宮代町地区でも委託化が進んでいます。

 委託している民間業者は、単に集積所に出されたごみを集めてくればよいというのではなく、衛生組合のごみ減量の取り組みに協力する責務があります。
 たとえば住民のごみの出し方や分別が間違っていた場合、それを指導することも収集業者の仕事の中には入っているはずです。
 そこで私は、衛生組合が、
(1)委託している収集事業者および作業員に対して、衛生組合のごみ収集業務やごみ減量への取り組みについての研修を徹底すること
(2)また、委託事業者に対する契約書や仕様書の中で、「ごみ減量への協力」や住民への分別指導も明記するよう求めました。
 衛生組合事務局は、今後、作業員全員に対する研修強化や「仕様書」への明記について改善する方針を明らかにしました。

【生ごみ専用袋の配布方法を改善します】

 久喜地区と宮代町地区の一部の約1万世帯をモデル地区として、生ごみだけの分別収集を行っています。
 そのための生ごみ専用袋を、衛生組合が作成して配布していますが、これまで必要以上に配布しすぎて、各家庭で大量に余ってしまっています。
 昨年の衛生組合議会で、余っている生ごみ専用袋の回収、今後は必要な分を調査して配布するように求めてきました。
 新年度に向けて、モデル地区の区長から必要枚数を申告してもらって、配布することになります。

【福島第1原発事故による放射能対策の費用を、東電から全額賠償させるべき】

 これまで、ごみ焼却灰の中から放射性物質が検出されたため、全国各地で、最終処分場への埋め立てができなくなって、敷地内に保管せざるをえなくなった自治体も出ました。
 久喜宮代衛生組合でも、焼却灰の検査などでかかった費用を、東電に請求していますが、いまだに全額は補償されていません。
 引き続き東電の責任で全額補償させるように求めました。
参照⇒久喜宮代衛生組合における放射能測定結果
参照⇒これまでの衛生組合から東電への請求と支払いの状況

【久喜宮代衛生組合議会】 臨時議会で職員給与改定と補正予算を可決
2015/1/19

 1月16日、久喜宮代衛生組合の臨時議会が開かれ、議案2件が可決されました。
 議案1件目は、職員の給与条例の改正で、昨年の人事院勧告に準じて、市の職員給与と同じに職員の給与を引き上げるもので、期末勤勉手当も0.15か月分引き上げられ、年間で現在の3.95か月分から4.1か月分となりました。
 2件目は、一般会計補正予算で、給与改定関連分が約460万円の増額、衛生組合事務局の機構改革に伴う事務室の改修工事や備品購入、コンピュータシステム改修などの費用127万円の増額、東電の電気料金値上げによる光熱水費1730万円の増額となっています。
 一方で、年度末が近づいて事業費がほぼ確定したため、不用額を整理して、塵芥処理費4487万円の減額などで、総額では1623万円の減額補正で一般会計総額は39億1420万円になりました。

 私は補正予算について、光熱水費増額の理由、機構改革や事務棟改修の内容など6項目の質疑を行いました。
 2議案とも、討論はなく、全員賛成で可決されました。

久喜市・宮代町の負担割合基準を変更

 議会終了後に、執行部から、衛生組合の経費負担基準の変更について説明がありました。
 久喜宮代衛生組合は1961(昭和36)年の組合発足当時の人口比率に基づいて、全経費を久喜市3分の2、宮代町3分の1の割合で負担してきました。
 その後の50年間で人口比率は少しずつ変化してきましたが、負担割合はずっと「2対1」に据え置いてきました。
 5年前の久喜市の合併で、人口比率は大きく変わりましたが、久喜市と宮代町のごみ・し尿を処理している久喜宮代清掃センターの共通経費部分だけを「2対1」の負担割合で据え置いています。
 菖蒲清掃センターと八甫清掃センターの経費は、当然ながら久喜市が全額を負担しています。

 しかし久喜市と宮代町の人口割合の変化が次第に大きくなってきたことや、計算が複雑になっていることから、両市町で協議し、新年度から負担基準を変更することになりました。
 新負担基準は、基本的に、人口割90%、均等割10%となります。
 ただし「人口割」の基礎人口については、議会や事務職員の人件費・システム管理経費などの組合全体の共通経費は「久喜全域の人口:宮代町人口」で算定し、久喜宮代清掃センターの運営経費については「久喜地区の人口:宮代町人口」で算定します。

 ちなみに、2014年度当初予算における負担金は、久喜宮代清掃センター分の経費の内、久喜市が10億2028万円、宮代町4億9890万円でしたが、新基準で算定すると、宮代町負担金が200万円くらい減額となる見通しです。

 2014年度当初予算で、菖蒲センター経費2億9297万円、八甫センター経費9億7771万円は久喜市が負担しています。

紙・布類の収集回数を統一、久喜宮代地区で回数減

 衛生組合でごみ収集回数の統一を検討してきましたが、2016(平成28)年4月から、資源物の内の紙類と布類についてだけ月2回に統一することになりました。
 現在は、久喜宮代センター管内(久喜地区と宮代町)で週1回の収集ですが、月2回に減ることになります。

 また、紙類、布類以外では、資源物のビン、缶も、久喜宮代センター管内は週1回、菖蒲、八甫センター管内は月2回となっていますが、これらは当面はこれまで通りです。
 ペットボトルも久喜宮代センターと八甫センターが週1回、菖蒲が月2回ですが、これも変更はありません。 

【一般質問】  ごみ減量・再資源化の基本を堅持すべき
11月議会、猪股の一般質問 『声と眼』484号 2014/12/21

 久喜市は2023年に菖蒲地区に新しいごみ処理施設を建設し、これまでの久喜宮代清掃センター、八甫センター、菖蒲センターの3焼却施設を廃止して菖蒲地区に集約する計画です。
また、宮代町と協議した結果、これまでの久喜宮代衛生組合を解消して久喜市単独のごみ処理行政に移行し、宮代町のごみは委託という形で受け入れることになりました。
−今回の一般質問で、今後のごみ処理の基本方針についてただしました。

 市では今後、2015年度から市民参加の検討委員会を設置して「ごみ処理基本計画」を策定していきます。
17年度に環境アセスメント、用地測量と買収、ごみ処理施設の基本計画策定、20年度から旧施設の解体と建設工事、2023年度に施設の稼働をめざしていきます。
新施設が完成する9年後には衛生組合を解散することがほぼ決まったことになります。

 これまで久喜宮代衛生組合で『ごみ減量化・資源化の推進』『生ごみ全量堆肥化をめざす』『できるだけ燃やす量や埋め立てる量を少なくする』というごみ処理の基本方針を作り上げてきました。
私はこうしたごみ処理行政の考え方を、今後のごみ処理行政の基本として引き継ぎ、活かしていくべきであると主張しました。
市長は「これまでの経験を十分に活かして取り組んでいく」と答弁しましたが、ごみ減量・できるだけ燃やす量を少なくする基本原則、『生ごみ全量堆肥化』の方針を今後も堅持していくのかについては、明確な答弁がありませんでした。

 最新鋭炉を導入すれば金属でも何でも投入して処理できるとされていますが、一方でごみ減量に逆行するという指摘もあります。
私たちはこれまで大量生産・大量消費・大量廃棄の社会のあり方に対する反省から、ごみ減量を進めてきました。
将来の久喜市のごみ行政がこの流れを逆行させてはいけません。

久喜宮代衛生組合は9年後に解散へ
2014/11/26

 11月20日に市議会全員協議会が開かれ、市長から今後の久喜宮代衛生組合のあり方について報告がありました。

 久喜市は2023年に菖蒲地区に新しいごみ処理施設を建設し、これまでの久喜宮代清掃センター、八甫センター、菖蒲センターの3焼却施設を廃止して1か所に集約する計画です。
それに伴い、宮代町と共同で行っているごみ処理をどうするか、衛生組合を継続するのか、久喜市単独のごみ処理行政に転換するのかが問題になっていました。
 久喜市長としては、「宮代町がどうしたいのか、早期に方向を出してほしい」と、側にボールを投げた状態で、宮代町の意向が焦点になっていました。

 宮代町長と議会で協議した結果、宮代町としてこれまでの久喜宮代衛生組合を解消するという結論になったということです。
これまでの両市町の共同のごみ処理から、宮代町のごみを久喜市のごみ処理施設に委託して処理する方法に転換することになりました。

 これにより、衛生組合は新施設が完成する9年後には解散することがほぼ決まったことになります。
これまで久喜と宮代で協力して『ごみ減量化・資源化の推進』『生ごみ全量堆肥化をめざす』『できるだけ燃やす量や埋め立てる量を少なくする』というごみ処理の基本方針を作り上げてきました。
この基本方針を、その後の久喜市単独のごみ処理行政でも引き継いでいかなければなりません。

 【久喜宮代衛生組合議会】 猪股の一般質問(3)
『声と眼』482号 2014/11/12

ごみ・資源の収集回数を“統一”へ

 衛生組合ではごみ収集回数の統一を検討しています。
現在は「燃やせるごみ」が週2回、「資源プラスチック類」が週1回、「燃やせないごみ」は月1回でQ全地区で同じですが、その他の資源回収は久喜宮代地区は週1回、菖蒲・八甫地区は月2回です。
ごみ減量等審議会で検討してきた結果、「資源物(紙・布類・びん・カン・ペットボトル)」のいずれも「月2回」で統一することになりました。
久喜宮代地区では収集回数が減ることになります。
私は審議会の結論を早期に市民に知らせ、意見を聞いた上で決定するよう求めました。
当局はこのまま正式決定し、2016年から実施に移す予定です。

ごみ減量審議会の日程を市民に知らせて

 ごみ減量審議会はこれまで指定袋の導入や収集回数の統一などを審議してきました。
原則公開で誰でも傍聴できますが、日程は開催間近になってから衛生組合のホームページに掲載されるだけで、ほとんど市民には知らされていません。
実際には半年くらい先までの開催予定が決まっているのですから、『衛生組合だより』などで積極的に知らせるべきです。

★久喜宮代衛生組合議会も年間の開催計画(予定)が決まっています。
これまで積極的に広報してきませんでしたが、『衛生組合だより』やホームページで積極的に知らせるよう求めました。★

 【久喜宮代衛生組合議会】 猪股の一般質問(2)
『声と眼』482号 2014/11/11

 10月1日に開かれた衛生組合議会での、猪股の一般質問の報告です。【『声と眼』481号の続き】 

生ごみ専用袋・ごみ指定袋の流用は

 衛生組合では台所資源収集(堆肥化)モデル地区の1万世帯に「生ごみ専用袋」を、区長を通じて無料で配布しています。
しかし実際に台所資源の分別収集に参加しているのは2分の1にとどまっており、協力している家庭でも専用袋が余ってしまっています。
不足しないように、あらかじめ多めに配布しているのが実情のようです。
モデル地区の市民からは余った生ごみ専用袋を、資源リサイクル(プラスチックなど)を出すのに使ってもいいかという問い合わせが寄せられていますが、衛生組合では他のごみの袋には使わずに、「ごみ」として出すよう指導しています。
しかし未使用の生ごみ専用袋をそのままごみにしてしまっていいのでしょうか。

 私は一般質問で、余った生ごみ専用袋を資源リサイクルを入れて出すのを認めるよう提案しました。

 また、「燃やせるごみ」「燃やせないごみ」は色分けされた指定袋で出すことになっていますが、指定袋は普通のビニル袋よりも安く買えることもあるので、これを資源リサイクルごみを出すのに使ってもいいのではないかと問題提起しました。
現実には指定袋に資源ごみを入れて出した場合、分別はきちんとできていても置いていかれてしまいます。

 衛生組合は、袋の流用を認めてしまうとごみ分別が崩れるのを心配しているようです。
しかし燃やせるごみと生ごみ、燃やせないごみ、資源リサイクルはそれぞれ収集日が違うのですから、中身を間違える心配はありません。
もっと柔軟に、指定袋を資源ごみを出すのに流用してもいいのではないでしょうか。
以前に視察に行った藤沢市や大和市、三鷹市などでは、可燃ごみと不燃ごみの有料指定袋は色で区別はしていなくて共通でした。
久喜宮代衛生組合でも、指定袋を色別に分ける必要はないと思います。

 【久喜宮代衛生組合議会】 新しいごみ処理施設の建設計画は
衛生組合議会の一般質問 『声と眼』480号 2014/10/22

 衛生組合議会で、ごみ処理施設の新設(久喜宮代センターと八甫センター焼却炉の廃止、菖蒲センターへ統合)の計画を明らかにするよう求めました。

 答弁によると、
(1)新施設は2023(平成35)年に稼働させる、
(2)そのためには、2015年/施設の基本計画を策定、16年/環境アセスメントを実施、17年/施設の基本設計、都市計画決定、20年/現在の菖蒲センターを解体、新施設に着工する、
(3)これまで通りにごみ減量の取り組みを進め、久喜市と宮代町のごみ1日処理量112トンを想定し、焼却炉の処理能力を150トンとする、
(4)これまで長期計画では焼却施設、リサイクルプラザなども管内に2か所を設置するとしていたが、1か所に集約する、D新施設は発電や余熱利用施設を併設し、隣接地に整備する予定の市民の森・緑の公園の熱帯植物館にも利用する、E建設費用は焼却炉の方式によって異なるが94〜114億円、リサイクルプラザなどの施設に23億円、その他に粗大ごみ処理施設の建設も進める
−−これらの計画は久喜宮代衛生組合の事務局ではなく久喜市環境課で検討されているものです。

 新施設建設の前提として、長期的なごみ処理行政を、
(1)久喜市単独で行うか、
(2)これまで通りに宮代町との共同で行うか、
(3)施設を久喜市が建てて宮代町のごみも受け入れる形で行うのか、決めなければなりません。
しかしいまだにこうしたごみ処理行政のあり方についての結論が出ていません。
市長は「急ぐんです」と言っていますが、宮代町との協議もこれから行う段階です。
久喜市としてどのような方向を打ち出していくのか早急に検討するべきです。

処理方式も変わる! ごみ減量は?

 新施設ができると、ごみ処理方式も大きく変わります。特に久喜宮代センターの管内ではこれまでダイオキシン対策と焼却量を削減するために、プラスチック類はすべて燃やせないごみに分別してきましたが、新施設ではプラスチック類も焼却が可能になります。
従って容器包装リサイクルに該当するものだけを分別し、それ以外のプラスチック類は燃やせるごみとして収集することになると考えられます。
しかしその場合でも、これまでの分別・リサイクルを推進し、『ごみ減量、できるだけ燃やさないごみ処理行政』の基本方針を堅持していくべきです。

 これまで“生ごみ全量堆肥化”をめざして、久喜と宮代地区の一部のモデル地区で台所資源の分別収集と堆肥化を実施し、長期計画では管内の2か所で生ごみ処理施設を建設することになっていました。
新しい体制のもとで、引き続き生ごみの堆肥化の取り組みを拡大していくべきですが、生ごみ処理施設も1か所に集約するのか、分散して建設していくのかを検討する必要があります。

 また久喜宮代センター焼却炉の老朽化が進んでいて、これまでの計画では5年後に更新の予定でした。
今から9年間も使用に耐えられるのか心配です。

 【一般質問】 下水処理場周辺で悪臭の苦情が広がっている
2014年9月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』479号 2014/9/12

 古利根川水処理センター周辺の吉羽、西、東3丁目などの住民から悪臭の苦情が出ています。
下水処理場が発生源と思われますが、原因などははっきりわかっていません。
市の環境課には昨年2〜3件、今年は2件の苦情が市に寄せられていますが、市は苦情があるたびに水処理センターに通報して対応を依頼するにとどまっています。
水処理センターからは『苦情のたびに原因を調査して対策を取っている。監視体制を強化している』という回答が来ていますが、実際にはあまり改善されていないようです。

 市は悪臭がどの地域に広がっているのかを調査し、住民の立場に立って水処理センターに対して対策を求めるべきです。
さらに水処理センターでの原因調査や具体的な対応策を明らかにさせ、それを住民に報告するよう求めました。
市は、『市民の立場に立って悪臭対策を求めていく。パトロールして監視を強化していく。住民から苦情があればすぐに現地に出向いて調査する』と答弁しました。

菖蒲地区に新焼却施設を建設へ
2014/9/3

  9月2日の本会議終了後に議員全員協議会が開かれ、菖蒲の台地区にごみ焼却施設を建設する方針が公表されました。

 現在、久喜宮代衛生組合は久喜宮代清掃センター、八甫清掃センター、菖蒲清掃センターの3か所の焼却施設が稼働しています。
 久喜宮代センターの焼却炉(旧久喜市と宮代町のごみを処理)は建設後40年が経過、また八甫清掃センターの焼却炉(栗橋と鷲宮地区のごみを処理)も建設後26年が経過して、いずれも著しく老朽化が進んでいます。
 それぞれ大規模改修を行って延命させてきましたが、もう限界に近く、早急な立て替えが必要な状態になっています。

 衛生組合の計画では、久喜宮代センターについては2016年度から新焼却炉の建設工事に着手して2019年度には稼働させ、その後に、八甫センターと菖蒲センターを統合して新焼却炉を建設することになっていました。

 久喜宮代センターの建て替えについては、すでに10年前に現在地周辺で新焼却施設を建設する方針を決まていましたが、周辺住民の反対が強くて協議そのものができない状態で、建設の見通しはまったく立っていませんでした。
 このままでは2019年度の稼働は不可能になって、久喜宮代センターの焼却炉の運転自体ができなくなる恐れも指摘されていました。

 私は久喜市議会や衛生組合の議会で何度もこの問題を取り上げ、地元住民との協議再開に市長のリーダーシップを発揮するよう求めてきていました。
 また今年2月の市議会代表質問や衛生組合議会では、現在地周辺での立て替えが困難であれば、他の地区に3つの焼却施設の統合も検討するべきではないかと提言しました。
 衛生組合執行部からは、今年度に現在のごみ処理基本計画の見直しを進めていくという答弁もありました。

 一方で今年3月に、菖蒲の台地区の住民から、菖蒲清掃センターの建て替えと合わせて周辺への大規模な公園整備を求める『要望書』が提出されたのを受けて、市では住民との話し合いを進めてきました。
 その結果、現在3か所で行っているごみ処理を統合して、台地区に新焼却施設を建設することで住民との合意が成立し、8月31日には関係住民や地権者らを対象とした“住民説明会”で事業推進の理解が得られたとされています。
 この間、6月議会には地元の青木議員が「菖蒲清掃センターの建て替え」を求める一般質問を行っていました。

現在の3つの焼却炉を1か所に統合

 市の説明によると、新焼却施設は1日焼却能力150トン(75トン炉を2基)、熱エネルギー回収施設(ごみ発電)を併設、他に、資源ごみの回収と選別を行う施設、リサイクルプラザを建設し、2023(平成35)年度に稼働させる計画です。

 現在は、久喜宮代センターの焼却炉が150トン、八甫センターが105トン(週5日間の運転)、菖蒲センターが30トン(1日8時間運転)ですが、衛生組合ではこれまで一貫してごみ減量に取り組んできて、実際には3つの焼却炉を合わせても1日平均 100トン前後の焼却ですんでおます。
 “生ごみの全量堆肥化”などでごみ減量を着実に進めていけば、もっと小規模の施設ですむだろうと考えられます。

 今後、(1)現在の久喜宮代清掃センターの老朽焼却炉をこのまま10年近くも運転を続けることができるのか、炉を延命させるための再度の工事が必要になるのか、(2)久喜宮代衛生組合を存続するのか、久喜市単独で行うのか、(3)ごみ減量のいっそうの推進が必須の課題ですが、そのために“生ごみ全量堆肥化”の施設をどのように配置していくかなどが課題になってきます。
 具体的には「ごみ処理基本計画」の見直し作業を進めていく中で検討することになりますが、10月1日と15日に開かれる衛生組合議会で議論が行われます。

地図の上方(北側)は、清久大池(釣堀)と清久工業団地

赤枠が新焼却施設用地、緑色は市民の森(公園)予定地、右側(東側)は久喜菖蒲工業団地 

【久喜宮代衛生組合議会】 一般会計予算を可決
2014/3/30

  3月12日、26日に久喜宮代衛生組合議会が開かれ、2014年度一般会計予算などを審議し、可決されました。

 一般会計予算では、栗橋鷲宮地区のごみ処理をしている八甫清掃センターの基幹的設備改良工事費5億4858万円が計上されています。
 これは2013年度からの2か年で11億円の継続事業で、焼却炉の大規模改修を行っているもので、これにより老朽化した施設を今後10年程度の延命をはかることができるとされています。

久喜宮代センターの焼却炉新設の見通しが立たない!?

 久喜宮代センターの焼却炉も老朽化が進んでいて、2006年に大規模改修を行っています。
 衛生組合では昨年、「ごみ処理基本計画」を策定し、新焼却炉建設計画を決定していて、2019年には新設路を稼働させる計画ですが、実際には地元住民との話し合いが全く進んでいないため、計画通りの建設はほとんど絶望的な見通しになっています。
 計画では、2014年度中に住民同意を得て用地確保を完了させ、2015年までに生活環境影響調査、焼却炉の基本設計と都市計画決定を行い、202016年度には建設工事に着手することになっているのですが、地元住民組織は「現在地(周辺)での建設に反対」を決議していて、全く話し合いにも入れない状態です。

 衛生組合議会の一般質問などで、私はこれまで何度も当局に対し、建設計画の見通しを明らかにするよう求めてきていますが、事務当局もまた衛生組合管理者である田中市長も、「話し合いを行っていくよう努力する」と言うばかりで、見通しを明らかにしようとしていません。

 26日の議案質疑で、私の再三の質疑に対して、ようやく衛生組合事務局長が困難な状況であることを認め、2014年度中に話し合いには入れなかった場合には、15、16年度でごみ処理基本計画自体の見直しを行っていくと答弁しました。
 しかし、このまま久喜宮代センターの焼却炉の更新ができない状態に追い込まれれば、久喜市のごみ処理そのものが破綻しかねません。
 現在の焼却炉を再度の大規模改修を行って10年くらい延命させて、その間に別の建設地を探すのか、それとも久喜宮代清掃センターの更新は不可能と判断して、現在の3か所の焼却炉を1か所または2か所に統合して新焼却炉を建設するのか、早期に方針を決めなければなりません。
 田中管理者(市長)の政治決断が求められています。

震災復興予算を無関係な公共事業に“流用”!?

 26日の本会議に急遽、2013年度の一般会計補正予算が追加提案されました。
 八甫清掃センターの焼却設備大規模改修の財源として、国から、久喜市に対する地方交付税交付金1億9000万円の増額が認められたため、これを衛生組合に拠出して、地方債の発行を減額するという内容です。
 しかし、久喜市に対する地方交付税交付金の増額の名目は「震災復興特別交付金」となっているのですが、八甫清掃センターの大規模改修は“老朽化”によるものであって、東日本大震災で壊れたわけではなく、国の震災復興の予算をこれにあてるのはおかしな話です。

 南栗橋地区の液状化で住宅が被害を受けたので、久喜市が「特定被災地」の指定を受けているからといって、震災と無関係な公共事業に震災復興特別会計の財政を使うのはスジが通りません。
 この復興特別交付金は、国から協議が持ち込まれて、久喜市から復興特別交付金の交付を“申請”して認められたものだそうですが、国が震災復興予算を計画通りに使い切れないで余ってしまっているので、無理矢理に予算を消化するために、関係ない公共事業でも復興予算を流用するのを奨励しているということになります。

 復興予算の一部は国民に対する“復興増税”であるにもかかわらず、東日本大震災の被災地の復興の遅れが明らかになっている中で、このような復興予算の流用は認められません。
 私はこの補正予算案に反対しました。

 他の全議員(共産党議員も含めて)は、この補正予算に賛成していたのですが、このような復興予算の“流用”であっても、久喜市に交付金が入ってくればいい、それで問題ないと考えているのでしょうか。

【一般質問】  原発に依存しない持続可能な社会へ
2014年2月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』470号 2014/3/11

 2011年に、市の公共施設の電力購入契約を東電以外の電力会社に切り替えるように提案しました。その後、市役所や小中学校など条件の合う46の公共施設で東電以外から電力を購入しています。
 市の公共施設への太陽光発電システムを設置も進められていて、2013年度までに16施設、14年度には東鷲宮小の学童保育施設に設置していく予定が明らかにされました。2022年までに30施設に設置する計画ですが、民間資金を導入して設置計画を前倒しで進めるよう提案しました。
 多くの自治体では、公共施設の屋根を民間事業者に貸して太陽光発電を拡大しています。10数年後に減価償却が終わった段階で設備を市に移管して、その後の売電は市の収入になる仕組みで、市の財政負担なしで再生可能エネルギーの拡大を促進して市の収入贈にもつながります。−残念ながら市は『将来のメンテナンスや撤去費用もかかるので研究していきたい』ときわめて消極的な答弁に終始しました。

ごみ収集回数を減らす方向で検討か
『声と眼』467号 2014/1/14

 久喜宮代衛生組合のごみ減量等推進審議会で、ごみ収集回数の見直しが検討されています。
12月の審議会で地域のごみ減量推進員のアンケート結果が公表されました。
656名の内、回答者358名(54.6%)で、それによると、

(1)燃やせるごみ(現在は週2回)…「収集回数を減らせない」が80%で、半数が「保管スペースがない」「集積所に置ききれなくなる」と答えています。
(2)燃やせないごみ(現在は月1回)…全体では「回数を減らせる」が51%で、久喜・宮代地区では60%を超えました。菖蒲・八甫センター地区では容器包装以外のプラスチックを「燃やせないごみ」で収集しているため、「減らせる」は40%にとどまりました。
(3)有害ごみ(月1回)…「回数を減らせる」が74%で、「2か月に1回」の回答が多数を占めています。
(4)プラスチック類(週1回)…「回数を減らせない」が80%を占めました。現在、分別方式が地区によって異なり、菖蒲・八甫は容器包装プラスチックだけを分別し、硬質プラスチックは「燃やせないごみ」です。久喜・宮代地区はプラスチック全体を分別していて量も多く、90%近くが「減らせない」と答えています。
(5)資源類(現在は久喜宮代地区で週1回、菖蒲・八甫地区で月2回)…紙類、布類、ビン、カンはいずれも半数以上が「回数を減らせる」と回答、資源集団回収に出す家庭が多いと見られます。一方、ペットボトルは「減らせない」が過半数を占めました。

審議会委員からは、『ごみ減量のために収集回数を減らすべきだ』という強い意見が出る一方で、『収集回数を減らすだけでは、トータルではごみ排出量は大きくは変わらないから、収集委託料も減らないのではないか』という見方もあります。

久喜宮代衛生組合議会の一般質問
『声と眼』464号 2013/11/13

 11月13日、久喜宮代衛生組合議会が開かれ、私は次の3項目について一般質問を行いました。

久喜宮代の焼却炉立て替えの見通し

 久喜宮代清掃センターの焼却炉は老朽化が進んでいて2007年に大規模改修を行ったものの、“延命”は10年が限界とされていて、新焼却施設建設のタイムリミットが迫っています。]
昨年策定した「ごみ処理基本計画」の中で、現在地周辺に2016年度着工、18年度には完成させる方針を決定しました。そのためには来年度までに住民同意と用地買収を終わらせなければなりませんが、いまだに周辺住民との話し合いにも入れていません。
そこで建て替え計画の見通しを明らかにするよう求めました。

衛生組合事務局では『現状では来年度までの用地確保は困難だが、同意を得るよう努力していく』と答弁、田中市長(衛生組合管理者)も『宮代町とともに最大限の努力をしていく』と答えましたが、実際にはまったく見通しは立っていません。
来年度に用地確保ができなければ、再度計画の見直しが必要になります。
事務局では『(現在の焼却炉で)大規模改修後10〜15年はもつのかな』とはなはだ心許ないホンネも漏らしていますが、これではあまりにも無責任です。
久喜市のごみ処理をパンクさせないためには、建設地の選定などの建設計画をすべてやり直さなくてはならない事態も考えられます。

収集回数の減は慎重に検討すべき

 衛生組合ではごみ減量審議会に「家庭系ごみの収集回数のあり方」を諮問し、ごみの収集回数を全体的に減らしていく方向で審議が進められています。
来年4月くらいまでに答申を得て、2015年4月からから実施する予定です。

現在の収集回数は、燃やせるごみは全地区とも週2回、燃やせないごみは月1回で同じですが、[資源リサイクル]は久喜地区と宮代町が毎週1回に対して、栗橋・鷲宮と菖蒲地区は月2回と少なく設定されています。他にも地区によって違いがあります。
ごみ処理基本計画では「収集サービスの向上」と書かれていて、これは住民の利便のために収集回数を増やすと理解されていました。
当局は『減らすもの、変わらないもの、場合によっては増やすものもあるかもしれない。地域の実情もふまえて結論を出していく』と、現状では“白紙”のような答弁をしていましたが、実際には収集にかかる財政効率を理由に減らす方向です。

 これまで久喜・宮代地区と栗橋・鷲宮地区、菖蒲地区でごみの収集回数が違っていたのは、地域によって資源集団回収の取り組みに差があったり、久喜・宮代ではプラスチック全般を分別回収しているのに対して、栗橋・鷲宮、菖蒲では容器包装プラスチックだけを分別回収しているなど、回収方法の違いもあります。
地域によって背景が異なっている実情を無視して、早期に収集回数を減らして少ない方に合わせてしまうのはむりがあります。
審議会で答申が出ればそれで決定ではなくて、住民の意向調査も行いながら、時間をかけて検討していくとともに、市民に対してていねいに説明するべきです。

 一方、マイバッグ運動やごみ減量の取り組みが進んで、レジ袋やプラスチックごみ、資源ごみ、燃やせないごみなどの総量が大きく減っていけば、収集回数を減らすことも可能となります。
当面はそうした条件作りを先行させるべきではないでしょうか。

紙おむつを指定袋の対象からはずすべき

 7月に神奈川県の藤沢市と大和市を視察しました。両市とも燃やせるごみ・燃やせないごみの収集は有料ですが、紙オムツは福祉の観点から、また枝葉は緑化推進という目的から、有料の対象から除外し、指定袋に入れないで収集していました。

 久喜市でも「ごみ減量の推進」を目的に、燃やせるごみは有料の指定袋に入れることを義務づけていますが、現実的に考えても有料化したからといって紙オムツの使用量を減らすことができないのは明らかです。
少子高齢化社会における福祉政策として、紙オムツの収集は「無料」とし、指定袋に入れないでも回収するよう提案しました。

 当局は『現在は紙オムツは生活必需品であり、有料化によって減量していくのは困難である。福祉政策としての側面が大きい。指定袋に入れないで収集することについて、久喜市・宮代町の福祉担当課と協議していく』と答弁しました。



 一般質問に立ったのは、今回は猪股、園部と共産党の木村、山下(宮代)の4名だけでした。

★衛生組合議会の2日目の本会議は27日に議案質疑を行うが、議案質疑を行う議員もいつもたいへん少ない。もっとがんばらないと議員も責任を果たせない。★

【一般質問】 衛生組合の焼却炉新設の取り組み
2013年6月議会・猪股の一般質問 『声と眼』458号 2013/7/26

 久喜宮代衛生組合は今年3月に「ごみ処理基本計画」を策定して、現在の久喜宮代清掃センターの焼却炉を現在地(付近)で建て替えて2019年度には稼働させる計画を決めました。
そのためには今年度から地域住民の同意と用地確保、施設の基本計画の策定、来年度には環境アセスメントに着手して、3年後の2016年には工事に着工しなければなりません。

 久喜宮代清掃センターの焼却炉は1号炉は建設後38年、2号炉も33年を経過し、5年前に大規模改修をしたものの老朽化が進んでいて、焼却炉の更新はぎりぎりの事態に追い込まれています。

 しかし建設予定地である現在の焼却炉の周辺住民との話し合いは事実上ストップしており、近い内に住民合意が得られる保証はありません。
もう衛生組合事務局の対応にまかせておける段階ではなく、組合管理者である田中市長自身が直接住民との話し合いに乗り出していくことが求められています。
そこで市長の見解をただしたのですが、市長は宮代町長と協議しながらあくまでも予定通り進めていくと建前的な答弁に終わりました。
もしも新焼却炉の建設が進まなければ、衛生組合のごみ処理事業自体がパンクしかねませんから、市長の政治的責任が問われます。

【一般質問】 地域の清掃活動に、市が指定袋を配布
2013年6月議会・猪股の一般質問 『声と眼』458号 2013/7/25

 昨年4月から、久喜地区では燃やせるごみと燃やせないごみは有料の「指定袋」に入れて出すことになりました。
それによって住民が近所の公園や道路などをボランティアで清掃した際のごみや落ち葉も指定袋に入れなければならなくなりました。
こうした公共の場所のごみについては、市が指定袋を提供することにし、さらに区長を通じても配布していますが、十分に理解されていない例もあったようです。

 地域の住民からは、公園や道路のごみを出すのにも指定袋を自分で買って出さなければならないのかという疑問の声が出ていました。
また区長さんから『市から配布された指定袋はゴミゼロ運動や道路愛護月間などの活動に使う』と説明されたという声もありましたが、これは誤解です。

 市では基本的に、住民の自主的な清掃活動に対しては、個人であっても申し出に応じて必要なだけの指定袋を配布することにしています。
また区長を通じて配布した袋も、ゴミゼロ運動の時だけでなく、日常的な清掃活動で使っていいと説明しているそうです。
住民や区長によって理解の仕方に差があるようなので、市では、公共の場所の清掃に橋が配布した指定袋を使っていただくよう、改めて周知を図っていくと答弁しました。

【一般質問】 小型家電リサイクルの推進を
2013年6月議会・猪股の一般質問 『声と眼』457号 2013/7/5


 小型家電リサイクル法が4月に施行されました。
レアメタルなどの再資源化促進のために、各自治体で携帯電話やデジカメ、ゲーム機、電話機などの家電製品回収制度を作っています。
久喜市でも積極的に回収に取り組んでいくべきです。

 今のところ久喜市では独自の回収は実施しないで、久喜宮代衛生組合で燃やせないごみを回収した中から小型家電を取り出す“ピックアップ回収”方式で進めていく考えです。
しかし衛生組合まかせではなくて、市としても積極的に小型家電回収の取り組みを進めるべきではないでしょうか。

 たとえば、使えなくなった小型家電の回収箱を、市役所や公共施設に設置したり、市民祭などのイベントで回収コーナーを設置してはどうでしょう。
市民は衛生組合のごみ収集に出してもいいし、公共施設の回収箱に入れたりイベントの際に持ってくるなど、多様な回収の仕組みを作っていけば、小型家電リサイクルの効果がさらに上がるのではないでしょうか。
衛生組合と市が協力して、いろいろな回収方式を組み合わせて実施していくよう提案しました。

【久喜宮代衛生組合】 ごみ減量化へ「ごみ処理基本計画」を策定
『声と眼』452号 2013/4/8

 久喜宮代衛生組合議会は久喜市9名、宮代町5名の議員で構成されています。
3月13日に一般質問、26日に議案質疑が行われましたが、一般質問は猪股と共産党の2議員、議案質疑は猪股と共産党の2人、宮代の公明党議員だけで低調でした。
議案は新年度一般会計予算の他、「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」などが可決されました。

 衛生組合ではごみ減量化に向けて、10月からごみ処理手数料を改定します。
久喜宮代センターと八甫センターで家庭からの持ち込みごみを有料化(集積所に出せばこれまで通り無料)、事業系ごみの処理手数料を値上げします。
特に事業所に対してはこれまでも企業責任での自家処理や減量指導を強化してきていて、手数料改定に伴って8%程度のごみ減量になると見込んでいます。

 ごみ処理基本計画は2013〜27年度までの15年間の長期計画で、ごみ減量・資源化の推進、最終処分量の削減などの環境負荷の低減、老朽化した焼却炉の更新が柱です。
15年間で、
(1)1人1日あたりの家庭系ごみを40%以上削減(2012年度510g→27年度300g)、
(2)1人1日あたりの焼却処理量を30%以上削減(同607g→425g)、
(3)最終処分量を35%以上削減(同2555t→1660t)、
(4)衛生組合全体のリサイクル率(22年度32.2%)を50%以上に引き上げるなどの具体的な数値目標を定めました。
そのために、これまでも進めてきた家庭系ごみのリサイクル・分別の徹底、事業系ごみの減量指導の強化に加えて、久喜市と宮代町全域での生ごみの全量堆肥化、現在のごみ集積所方式から戸別収集方式への変更の検討、さらに家庭系ごみ処理の有料化も検討するとしています。

 久喜宮代センターの焼却炉は老朽化であと数年しかもちません。そこで2018年度までに現在地で建て替え、菖蒲と八甫センターの焼却炉は24年度までに統合して建て替えます。
生ごみ堆肥化は現在は久喜宮代センター管内のモデル地区1万世帯だけで実施していますが、2016年度から地区全体に広げ、菖蒲・栗橋・鷲宮地区も23年度から全量を堆肥化する計画です。
これによって焼却処理量を2割以上減らすことができます。

【一般質問】 公共施設のエコ化計画を作るべき
2013年2月議会・猪股の一般質問 『声と眼』452号 2013/4/4

 市はこれまでも公共施設でのLED照明などの省エネルギー機器への更新を進めてきています。
ところが、新年度の予算査定で、総合支所や中央公民館で当初に予算要求をしていたLED照明設置などが見送られてしまいました。
市は財政状況などを判断して、これらの省エネ設備の設置を先送りしたと説明しています。
しかしこれらは市にとっての電気代や維持管理費の軽減だけでなく、地域社会全体の省エネ、CO2削減にもつながるものです。
市の「環境基本計画」でもLED照明の設置を現在の12施設から、10年間で46施設に増やすとしているのですから、他の公共事業よりも優先して取り組むべきではなかったでしょうか。

 また同じく「環境基本計画」では太陽光発電システムの設置を現在の9施設から10年間で30施設に拡大するという目標を掲げていますが、具体的にどこの施設にいつ頃というような設置計画ができていません。
太陽光発電システムをはじめとして、雨水貯留施設、LED照明、ガスエアコンへの切り替えなど、省エネルギー設備の導入を計画的に進めるよう求めました。

【一般質問】 けやき通り、適切な街路樹管理を
2012年11月議会・猪股の一般質問 『声と眼』448号 2013/1/15

 昨年、青葉けやき通りで40年ぶりに大規模な剪定を行い、現状はかつての景観百選の見る影もありません。
街路樹は自然樹林とは違いますから、今後、けやき並木の景観を取り戻せるかどうか、市の街路樹管理方針が問われています。

 私は今回の一般質問で、行政の適切な街路樹管理の方法を研究するよう求めました。周辺の住宅に迷惑をかけないように、枝を上方や住宅側にはなるべく伸ばさせない、車道上を枝葉が覆ってい以前の姿に近い形で毎年の剪定を行う、けやきの自然樹形を生かしていくなどの注文を付けました。けやき通りくらいの幅の道路で大きな並木の管理はむずかしいのは確かですが、市では新年度に近隣住民との話し合いをしていく計画です。


ご意見や情報はこちらへ
tomoni@eagle.ocn.ne.jp

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