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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 671号
2024年 5月 27日


671号ファイル

 『声と眼』
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 5月招集会議の議案と採決結果、各会派の賛否
5月15日

【5月招集会議】 定額減税・給付金 国の交付金23億円

 久喜市議会は通年議会制です。
5月15日に初日の招集会議が開かれ、議長選挙や委員会等の改選の後、一般会計補正予算など3議案が審議されました。

 補正予算のおもな事業は、
(1)岸田首相の目玉政策の「定額減税」で、国の所得税1人3万円減税に合わせて、24年度の市民税所得割が一律1万円減税となります。
対象者は納税義務者と配偶者など6万7900人です。
また税額が4万円に満たないで減税の恩恵を受けられない2万8000人を対象に、最大4万円が給付されます。
(2)子育て世帯に対する生活支援で、住民税非課税または均等割のみの3300世帯に10万円、18歳以下の子ども1人に5万円を給付します。
市民税減収分と給付金約20億円、子育て支援金の3億5600万円は、全額が国からの交付金で負担されます。

 これらの減税と給付金・支援金は今年度1回限りです。
こんな選挙前の単発のバラマキでなく、所得の再配分機能を強化した税制改革や消費税減税、恒久的な子育て支援制度の充実を進めていくべきではないでしょうか。

★政府は減税の恩恵を国民に実感させるために、定額減税額を給与明細に明記を義務付けるという。
今後、「子育て増税」を実施する際には、一人一人の「増税額」をわかりやすく明記してくれるのでしょうね。★

【5月招集会議】コロナワクチン 自己負担を導入

 久喜市議会は通年議会制です。5月15日に初日の招集会議が開かれ、議長選挙や委員会等の改選の後、一般会計補正予算など3議案が審議されました。
 補正予算のおもな事業の3つ目です。

(3)新型コロナワクチン接種は65歳以上の高齢者や60歳以上で重症化リスクの高い人3万人を対象に、年1回の定期接種となります。
これまで対象者に送付されていた個別通知や接種券は廃止され、集団接種もなくなるので、自分で個別の医療機関に予約しなければなりません。
全額国庫負担の制度も廃止され、一部自己負担が導入されます。
市は医師会と「自己負担3000円」で調整していますが、自己負担をできるだけ軽減するように求めました。


【5月招集会議】 公共施設の老朽化対策で改修工事

 久喜市議会は通年議会制です。5月15日に初日の招集会議が開かれ、議長選挙や委員会等の改選の後、一般会計補正予算など3議案が審議されました。
 補正予算のおもな事業の四つ目です。、

 (4)公共施設の老朽化対策で、鷲宮行政センター(旧総合支所)の外壁改修工事費1億円が計上され、8月くらいから着工します。
久喜中央コミセンの外壁改修の設計費も計上されましたが、工事は未定です。

 昨年度の点検で指摘された是正箇所について、今後、久喜東コミセンや青葉コミセンなどで改修を行う予定です。
この他に、久喜総合文化会館や菖蒲文化会館、栗橋文化会館などでも外壁のヒビ割れや屋上防水の劣化が指摘されていましたが、改修の見通しは不明です。

埼玉13区で、国民民主党の橋本さんを応援します

 岸田内閣の支持率は20%台で、自公政権に対する不信が高まっています。
自民党の裏金問題、政治資金パーティ券のキックバック、政党交付金を政策活動費に分配(?)したり、官房機密費を選挙資金にあてていた疑惑、脱税の疑惑すら指摘されています。
自民党が国会に提出した『改革案』は政治資金の透明化も政治改革も抜け穴だらけです。
もはやこのままでは政権維持は困難と見られています。

 埼玉13区(久喜市など7市町)では自民党の現職に対して野党から数人の候補者が予想されています。
私は国民民主党を支持してはいませんが、自民党に勝てる可能性のある野党の候補予定者として、小選挙区13区で橋本さんを応援することにしました。

久喜市議会議員 猪股和雄


【5月招集議会】 議長選挙 上條氏が再選、公明党との蜜月崩壊

 5月15日に開かれた市議会本会議で、正副議長選挙が行われました。
本来の議長の任期は4年ですが、最大会派が役職をたらい回ししていくために、2年ごとに交替する慣例を作っています。
これは、市民にも他の会派にも関係のない、多数会派の内部の都合による悪弊と言わざるを得ません。

 これまで最大会派のみらいと第2会派の公明党で議会のほとんどの役職を独占してきました。
今回は公明党が議長職を要求したのに対して、みらいが拒否して2会派の蜜月体制が崩壊しました。

【議長選挙の投票結果】
当選 上條(みらい) 12票 みらいの会+無会派・瀬田
岡崎(公明党) 5票 公明党
杉野(共産党) 2票 共産党 (石田議員は病気欠席)
白票 5票 市民の政治+無会派・宮崎と貴志  
【副議長選挙の投票結果】
当選 成田(みらい) 12票 みらいの会+無会派・瀬田
斎藤(公明党) 5票 公明党
渡辺(共産党) 2票 共産党 
白票 5票 市民の政治+無会派・宮崎と貴志  

その結果、正副議長、各委員会の正副委員長や一部事務組合等の議会人事でも、ほとんどの役職をみらいが独占しました。
公明党はすべての役職からはずれ、これまで岡崎議員が獲得していた監査委員も辞任しました。
もっともみらいの人数は11人だけですから人材不足の感は否めず、正副委員長等の兼職が増えた他、総務委員長は市民の政治を進める会の田村議員、教育環境委員会副委員長は無会派の貴志議員が選任されました。

 新しい議会の構成・委員会・一部事務組合等の役職が決まりました







久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 670号
2024年 5月 13日


670号ファイル

 『声と眼』
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 5月招集会議、6月定例会議の日程

【政務活動費】 市民の政治を進める会
 2023年度4期(2024年1~3月分の使途報告書)

生活保護世帯数が過去最多を更新 コロナ禍前から6年間の推移

 コロナが5類に移行しましたが、逆に生活保護の相談や申請は大幅に増えています。
コロナ禍では低所得世帯に対する生活支援が強化されてきましたが、そうした緊急対策が緩和されたため、再び生活困窮者が増えてきたと思われます。
社会福祉協議会の生活費特例貸付けが昨年で廃止されたことも影響しているようです。
大企業を中心に賃上げが進んでいるものの、インフレで実質賃金は低下し、中小零細企業や高齢者、母子家庭などで格差と貧困が広がっています。

 2023年度1年間で、市の生活支援課への相談件数は566件(前年比45件 8.6%増)、申請299件(同44件 17.3%増)、生活保護の新規開始214件(同41件 23.7%増)でした。
その結果、昨年12月の生活保護受給世帯数は過去最多の1422世帯(1842人)に達し、今年3月でも1421世帯(1837人)と高い水準で推移しています。

1年間の合計件数 年度末の実数
年度 相談件数 申請件数 決定
保護開始
生活保護
世帯数
生活保護
人数
2018 568 242 191 1321 1819
2019 479 201 154 1316 1775
2020 521 241 178 1336 1765
2021 537 252 174 1357 1777
2022 521 255 173 1378 1787
2023 566件 299件 214件 1421世帯 1837人

ひとり暮らし高齢者の生活窮迫が増加

 生活保護世帯の内訳では、高齢者世帯が52%を占め、特に高齢者ひとり暮らし世帯の生活保護が増えています。
高齢者夫婦で暮らしていてひとり暮らしになり、さらに年齢を重ねて働けなくなっていよい
よ生活が苦しくなっているのではないでしょうか。

24年3月
単身世帯数 2人以上の世帯数
高齢者 障害者 傷病者 その他 高齢者 障害者 傷病者 母子 その他
667 173 126 160 74 30 35 48 108
1126世帯(1126人) 295世帯(711人)

 社会福祉協議会でも困窮者自立支援事業を行っていて、毎月30~50件、1年間で515件の相談を受けました。
債務の相談89件、家賃や公共料金・医療費の支払いに関すること32件、就労の相談16件など多岐にわたり、返済不要の住居確保給付金の支給が31件にのぼりました。
生活保護にあたると判断されて、市の生活支援課を紹介されたケースも30件あり、その内の23件が生活保護を申請しています。

久喜市の生活保護基準=最低生活費

久喜市の生活保護の基準は、たとえば70歳代でひとり暮らしでは1か月6万9670円で、他に住宅扶助(家賃)が限度額3万7000円まで支給されます。
70代で2人暮らし世帯は最低生活費は月11万1200円で、他に住宅扶助が4万4000円です。
40代の親と小学生の母子家庭の場合の最低生活費は月約14万円(母子加算1万9000円、児童養育加算約1万円を含む)、他に住宅扶助が4万4000円です。
収入がこれを下回っている場合、生活保護に該当する可能性があります。
【貯金額、その他の条件によって保護を受けられない場合があります】。

★全国での生活保護世帯数は約165万人。
インフレで生活困難がいっそう深刻化する一方で、就労による自立が困難な高齢者世帯が増え続けているのだから、これからも生活保護世帯の増加は止まらない。★

圏央道の久喜東スマートインター構想

  3月6日、市議会圏央道対策特別委員会で、仮称・久喜東スマートインターチェンジ計画の進捗状況が報告されました。
市ではこれまで、『2024年度に国交省での「事業採択」をめざす』としてきましたが、今年度の採択は「不可能」という状況です。

 建設を計画している場所は、久喜駅東側の古利根川水処理センター(下水処理場)の東側、葛西用水と中落堀川の合流地点付近です。
久喜駅東口大通りを延伸し、葛西用水に架橋して杉戸町方面へ抜ける道路を新設して、圏央道の高架からスマートインターチェンジに下りる接続道路を整備する構想です。

 この計画はこれまで二転三転してきました。
2年前には、東京方面だけのハーフインターの設置が実現性が高いと説明されていました。
しかしハーフ規格の場合は、高架上に設置される料金所(分岐点)から一般道路に下りる接続道路(進入路)の工事費は地元負担となるので、市の財政負担が数十億円にのぼります。
むしろフル規格で整備すれば料金所は一般道との接続地点付近に設置しますから、市の財政負担は料金所~市道までの工事費だけ7600万円程度ですむので、この方式をめざすことに方針転換しました。

 しかし高架の本線からフル規格のインター建設は国の工事費が巨額にのぼるので、この方式での計画が事業採択される見通しはほとんどないと言われています。
国の負担区分を変更した場合には、総工事費118億円の内、市が半分近くの52億円を負担しなければなりません。
そこで市は今度は、「将来フル規格にすることを前提として、当面は東京方面だけのハーフ規格で整備する」ことで、再度の方針転換を図ろうとしています。
それでも総工事費は66億円にのぼり、市は31億円を負担することになります。

数十億を負担して インターが必要?

 そもそも5km以内に久喜インターと幸手インターがあるのに、久喜駅東側一帯の狭いエリアにインターは必要ありません。
また上り方面だけのインターを、巨額の財政負担をして誘致するメリットもありません。
久喜市にはそんな財政的余裕もありません。

 市長は選挙公約で久喜東スマートインターの建設を掲げたから、すでに市民の理解は得たと考えているのでしょうか。
最初は安くできるように見せかけておいて、いったん走り出したら、市の財政負担がいくら膨らんでも止めることはないということでしょうか。

 市は3月に幸手市や杉戸町、宮代町と「設置促進協議会」を発足させました。
しかし幸手や宮代・杉戸が建設費を財政負担してくれる約束はありません。
圏央道の側道は幸手市内は整備されていますが、久喜市内の通過部分は河川や鉄道などに橋脚が架かっていないので、側道がほとんど利用できません。
市民にとっては、幸手市内のように圏央道の側道をつなげた方が利便性は向上するのではないでしょうか。

★久喜東スマートインター計画は白紙に戻して見直すべきだ。
フルマラソン大会と同じように、疑問だらけで実現性の低い公約に固執して、人件費と事業費をこれ以上ムダ遣いするのはやめてほしい。★