笹沢左保 小説リスト(仮作成版) 著作編

戸田和光 編


本リストについて

 例によって、私は笹沢左保の著書を系統だって読んでいない。これまで扱った作家の中では、それでも読んでいる方かとは思うが、著作数が多過ぎることもあって、まとめ読みなどは諦めてしまったからだ。
 ただ、これまで昭和三十年代デビューの作家のリストを幾つか作って来た身としては、次に作るなら、やはり笹沢だろうなー、とは思った。完全なリストなど作れないことは承知の上で、現時点で把握しているものをまとめてみてもいいかも、と思った次第である。

 笹沢のリストを作るのであれば、やはり、それなりのリスト数になってしまう。まあ、私なりに、笹沢の活動が把握しやすい形になっていればいいかな、と思いながら、順にまとめてみることにした。
 例によって、あちこちから資料を切り貼っただけなので、間違いがあるかも知れない。数が多過ぎて、正確な確認は最初から断念したためである。そんな訳で、確認が不十分な可能性があることを、予めお詫びしておきたい。

 誤記等のお粗末なミスがありましたら、ご指摘ください。


笹沢左保 著作リスト(シリーズ連作と、再編集短編集を除く)

 書名別題区分出版社出版年月文庫備考
1 招かれざる客 長編 講談社 1960年3月
2 霧に溶ける 長編 東都書房 1960年4月
3 結婚って何さ 長編 東都書房 1960年10月
4 人喰い 長編 光文社 1960年11月
5 死と挑戦 長編 浪速書房 1960年12月
6 真昼に別れるのはいや 長編 桃源社 1961年4月
7 白い獣 長編 浪速書房 1961年4月
8 お嫁にゆけない ▽夜の乱れ 短編 浪速書房 1961年7月 『夜の乱れ』は、1編少ない
9 十五年は長すぎる 短編 桃源社 1961年8月
10 影が見ていた ▽影は見ていた 長編 浪速書房 1961年9月
11 泡の女 長編 東都書房 1961年10月
12 空白の起点 長編 光文社 1961年11月
13 赤い誤算 短編 東京文芸社 1962年2月
14 第三の被害者 短編 東都書房 1962年6月
15 不安な証言 短編 東京文芸社 1962年8月
16 暗い傾斜 ▽暗鬼の旅路 長編 角川書店 1962年10月
17 翳った砂丘 長編 講談社 1962年11月
18 崩壊の夜 長編 新潮社 1962年12月
19 赤い氷河 長編 文芸春秋新社 1963年2月
20 揺れる視界 長編 東京文芸社 1963年2月
21 鏡のない部屋 短編 宝石社 1963年3月
22 夜の声 短編 アサヒ芸能出版 1963年4月
23 乾いた女 長編 浪速書房 1963年4月 合冊版『恐怖の終局』
24 炎の命乞い 短編 東京文芸社 1963年6月
25 乾いた空の流れ 短編 文芸春秋新社 1963年7月 (文庫版は1作品入れ替え)
26 青い終局 続・乾いた女 長編 浪速書房 1963年7月 合冊版『恐怖の終局』
27 背景のない夜 長編 集英社 1963年8月
28 笹沢左保新作中篇自選集 第1 短編 東都書房 1963年8月
29 突然の明日 長編 朝日新聞社 1963年11月
30 解剖結果 短編 アサヒ芸能出版 1963年11月
31 そこにある孤影 長編 学習研究社 1963年12月
32 盗作の風景 長編 光文社 1964年1月
33 天を突く石像 長編 東京文芸社 1964年1月
34 命を賭けた女 長編 浪速書房 1964年1月
35 笹沢左保新作中篇自選集 第2 短編 東都書房 1964年2月
36 アリバイ奪取 短編 東方社 1964年5月
37 火の虚像 →炎の虚像 ▽女のシナリオ 長編 光文社 1964年6月
38 一億人の中の二人 長編 桃源社 1964年8月
39 ふり向くな 長編 東京文芸社 1964年10月
40 死人狩り 長編 徳間書店 1965年1月
41 傷だらけの孤独 長編 芸文社 1965年1月
42 幻の島 長編 学習研究社 1965年2月
43 沖縄海賊 ▽海狼たちの夏 長編 光文社 1965年2月
44 やがて寂寞 短編 東方社 1965年4月
45 蜩が朝に鳴く 短編 浪速書房 1966年5月
46 愛と孤独と 短編 芸文社 1965年7月 (表題作以外再録)
47 誰もが信じられない 長編 東方社 1965年7月
48 孤愁の果て 短編 芸文社 1965年10月
49 明日まで待てない 長編 徳間書店 1965年11月
50 夜が溜息をつく →誠実な裏切り 長編 芸文社 1965年12月
51 暗い渚 連作 東栄堂 1966年1月
52 二人と二人の愛の物語 長編 集英社 1966年4月
53 美貌の影 長編 東都書房 1966年6月
54 孤独な彼らの恐しさ ▽凍りつく欲望 長編 東京文芸社 1966年10月
55 東へ走れ男と女 ▽残り香の女 長編 恒文社 1967年6月
56 明日に別れの接吻を 長編 東都書房 1967年10月
57 さよならの値打ちもない 長編 浪速書房 1968年5月
58 猛烈に不幸な朝 長編 読売新聞社 1968年6月
59 魔男 長編 日本文華社 1968年9月
60 生きて明日なく 短編 東京文芸社 1968年11月
61 敗北の幻影 短編 東京文芸社 1968年12月
62 桃色の策謀 短編 青樹社 1969年2月
63 陰獣の血 →魔性の誘惑 長編 東京文芸社 1969年2月
64 媚薬の報酬 短編 青樹社 1969年3月
65 憂愁の取引 短編 東京文芸社 1969年4月
66 孤愁の淫 →過去は雨のなかに佇む ▽愛された犯人 長編 双葉社 1969年5月
67 冷えた孤独 短編 秋田書店 1969年5月
68 破壊の季節 長編 文芸春秋 1969年5月
69 死を招く存在 短編 青樹社 1969年6月
70 挑戦の限界 短編 東京文芸社 1969年6月
71 死を流す青い河 短編 日本文華社 1969年7月
72 死神考 短編 青樹社 1969年9月
73 蒼い盲獣 →四月の危険な石 ▽見えない宝石 長編 日本文華社 1969年10月
74 闇からの声 短編 青樹社 1969年11月
75 山崎の電撃戦 →花落ちる 智将・明智光秀 ▽本能寺・山崎の戦い ▽逆臣・光秀の本懐 ドキュメント 新人物往来社 1970年4月
76 傷だらけの放浪 長編 講談社 1970年5月
77 3000キロの罠 長編 桃園書房 1970年10月
78 血文字を記すのは誰だ →血文字を記すは影 ▽影の追跡 長編 青樹社 1970年11月
79 見かえり峠の落日 連作 講談社 1970年12月
80 いつになく過去に涙を 長編 徳間書店 1971年1月
81 白昼の囚人 長編 講談社 1971年5月
82 雪に花散る奥州路 ▽裏切り街道 暗闇に泣く女 連作 文芸春秋 1971年8月
83 調子っぱずれの唄 →沈黙の追跡者 長編 桃園書房 1971年9月
84 透明の殺意 短編 青樹社 1971年9月
85 朝霧に消えた男 八州さま異聞 →文政・八州廻り秘録 連作 毎日新聞社 1972年3月
86 日曜日に朝はない 短編 毎日新聞社 1972年5月
87 四十八時間の告発 短編 毎日新聞社 1972年5月
88 真夜中の詩人 長編 中央公論社 1972年8月
89 地獄を嗤う日光路 ▽地獄街道 月夜に待つ女 連作 文芸春秋 1972年8月
90 現代股旅ヤロー →往け、孤独な風の如く 連作 徳間書店 1972年8月
91 血しぶきに煙る信州路 →旅鴉 短編 毎日新聞社 1972年9月
92 さすらい街道 長編 講談社 1972年10月
93 私説国定忠治 ▽天保・国定忠治無頼録 連作 中央公論社 1973年2月
94 闇の性 長編 祥伝社 1973年3月
95 黒の来訪者 短編 サンケイ新聞社出版局 1973年8月
96 孤独なる追跡 長編 集英社 1974年2月
97 血臭の男 →文久・清水の小政無頼剣 長編 祥伝社 1974年3月
98 絶望という道連れ 長編 サンケイ新聞社出版局 1974年5月
99 魔の流浪 長編 光文社 1974年7月
100 轢き逃げ家族 長編 光文社 1974年12月
101 風のように走った →天保・怪盗鼠小僧次郎吉 長編 東京文芸社 1974年12月
102 夕映えに死す 連作 東京文芸社 1975年3月
103 命売ります 連作 毎日新聞社 1975年4月
104 はみ出し刑事 連作 双葉社 1975年6月
105 三人の登場人物 長編 実業之日本社 1975年7月
106 大江戸火事秘録 →江戸大火・女人地獄 連作 新潮社 1975年7月
107 日本遊侠伝 連作 光文社 1975年12月
108 剣士燃え尽きて死す 人間・沖田総司 ▽沖田総司▽総司燃え尽きる 連作 新潮社 1975年12月
109 江戸女人絵巻 連作 実業之日本社 1976年3月
110 金曜日の女 長編 祥伝社 1976年3月
111 剣鬼啾々 連作 文芸春秋 1976年5月
112 他殺岬 長編 光文社 1976年7月
113 暴行 長編 徳間書店 1976年8月
114 遥かなりわが愛を ▽憑霊 長編 文芸春秋 1976年8月
115 若き柩 →青春の葬列 連作 光文社 1976年8月
116 悪魔たちの誘拐 長編 桃園書房 1976年9月
117 愛人関係 長編 光文社 1976年9月
118 13番目の証人 →Tの複写 長編 日本文華社 1976年10月
119 愛人ヨーコの遺書 長編 主婦の友社 1976年11月
120 眠れ、わが愛よ 長編 光文社 1977年1月
121 密殺海峡 長編 祥伝社 1977年3月
122 三種の神器殺人事件 →愛人はやさしく殺せ 長編 祥伝社 1977年4月
123 背後の笑顔 →裏切りの構図 長編 桃園書房 1977年6月
124 遥かなりわが叫び ▽警部の証言 長編 文芸春秋 1977年6月
125 魔家族 長編 徳間書店 1977年9月
126 午前零時の幻夢 短編 カイガイ出版 1977年10月 (大半が再録)
127 結婚関係 長編 集英社 1978年2月
128 骨肉の森 長編 文芸春秋 1978年5月
129 異常者 長編 サンケイ出版 1978年5月
130 墓場からのメッセージ →魔の不在証明 長編 青樹社 1978年6月
131 求婚の密室 長編 光文社 1978年7月
132 不倫岬 長編 光文社 1978年9月
133 拳銃 家族たちの戦後史 ▽疑心男女 連作 文芸春秋 1978年12月
134 断崖の愛人 長編 祥伝社 1979年3月
135 地下水脈 ▽殺人者の扉 長編 光文社 1979年4月
136 衝動ゲーム ▽殺人ゲーム 連作 講談社 1979年5月
137 詩人の家 短編 文芸春秋 1979年6月
138 蜜の殺人者 長編 桃園書房 1979年7月
139 海の晩鐘 ▽墓標岬 長編 実業之日本社 1979年7月
140 無情岬 長編 光文社 1979年8月
141 新大岡政談 連作 新潮社 1979年10月
142 セブン殺人事件 連作 実業之日本社 1980年5月
143 大江戸無頼 →旗本奴一代 長編 広済堂出版 1980年5月
144 裸の家族 →裸の家 ▽地図にない家 長編 光文社 1980年5月
145 午後の死刑 短編 青樹社 1980年8月
146 まぼろしの旅路 ▽殺意を招く旅路 長編 弘済出版社 1980年11月
147 愛人物語 連作 文芸春秋 1980年9月
148 落日に男は生きた 長編 双葉社 1980年10月
149 逃亡岬 長編 光文社 1980年10月
150 恋はたまゆら →死神の舞 長編 実業之日本社 1980年11月
151 引返した時間 短編 青樹社 1980年12月
152 悪魔の部屋 長編 光文社 1981年1月
153 後ろ姿の聖像 →もしもお前が振り向いたら ▽魔の証言 長編 講談社 1981年2月
154 愛姦の道 長編 中央公論社 1981年2月
155 死んだ甲虫たち 短編 青樹社 1981年3月
156 その朝お前は何を見たか 長編 徳間書店 1981年5月
157 愛人岬 長編 光文社 1981年5月
158 どんでん返し 短編 徳間書店 1981年9月
159 悪魔の湖畔 長編 光文社 1981年11月
160 華やかな迷路 長編 実業之日本社 1982年1月
161 密会 長編 文芸春秋 1982年3月
162 華麗なる地平線 史詩浅井長政 →浅井長政の決断 賢愚の岐路 長編 中央公論社 1982年3月
163 同心暁蘭之介 →北町奉行・定廻り同心控 長編 サンケイ出版 1982年4月
164 背信の詩集 →悪魔の密会 長編 主婦と生活社 1982年4月
165 北風の伊三郎 長編 光風社出版 1982年5月
166 仮面の月光 ▽愛の殺人海峡 長編 角川書店 1982年5月
167 悪魔の関係 長編 光文社 1982年7月
168 戦国孤影 →軍師竹中半兵衛 長編 読売新聞社 1982年7月
169 悪魔の人質 長編 光文社 1982年11月
170 霧の中の天使 →霧の中の悪魔 長編 祥伝社 1983年1月
171 悪魔の沈黙 長編 光文社 1983年2月
172 闇の結婚 長編 角川書店 1983年4月
173 女は月曜日に泣く 長編 徳間書店 1983年6月
174 夫婦葬送 長編 朝日新聞社 1983年9月
175 悪魔の誘惑 長編 光文社 1983年10月
176 魔性の月光 長編 角川書店 1983年11月
177 同行者 →悪魔の道連れ 長編 光文社 1984年1月
178 日曜日には殺さない 長編 徳間書店 1984年1月
179 野望将軍 上/下 長編 集英社 1984年2月
180 殺人スクランブル →シェイクスピアの誘拐 短編 講談社 1984年3月
181 遅すぎた雨の火曜日 長編 徳間書店 1984年3月
182 十五階の地獄 長編 光文社 1984年6月
183 そして夢色の殺人 短編 徳間書店 1984年6月
184 血の海 長編 文芸春秋 1984年8月
185 夫と妻の時効 長編 角川書店 1984年11月
186 お前の名は地獄 長編 光文社 1985年1月
187 闇は水曜日に訪れる 長編 徳間書店 1985年4月
188 華麗なる鬼気 長編 角川書店 1985年6月
189 漂流島 長編 集英社 1985年8月
190 崩壊の家 長編 集英社 1985年9月
191 悪魔岬 長編 光文社 1985年9月
192 夢と承知で 鼠小僧と歴史上の男たち異聞 ▽大江戸龍虎伝 鼠小僧と遠山金四郎 長編 読売新聞社 1985年11月
193 少しだけの寄り道 長編 実業之日本社 1986年1月
194 美貌の鬼気 長編 角川書店 1986年1月
195 狂乱・春の夜の夢 →狂恋 二人の小町 長編 読売新聞社 1986年3月
196 純白の鬼気 長編 角川書店 1986年4月
197 霧の晴れた午後に死す 長編 サンケイ出版 1986年6月
198 血の砂丘 長編 光文社 1986年11月
199 今朝もまた夢 平手造酒外伝 長編 読売新聞社 1986年12月
200 ふり向けば霧 長編 祥伝社 1987年1月
201 女神の雪降る夜に死す 長編 サンケイ出版 1987年2月
202 時計の針がナイフに変わるとき ▽魔の予告時間 長編 講談社 1987年4月
203 情事の事情 →情事 (連作) ベストセラーズ 1987年5月
204 誘惑の鬼気 長編 角川書店 1987年6月
205 さらば土曜日の北風 ▽加害者の記念日 長編 徳間書店 1987年6月
206 残照岬 長編 光文社 1987年6月
207 真夜中に涙する太陽 長編 角川書店 1987年11月
208 ガラスの線路 長編 実業之日本社 1987年11月
209 終りなき鬼気 長編 角川書店 1988年1月
210 霧の鬼畜 長編 祥伝社 1988年2月
211 あれはブローニュの森 →危険な関係 長編 集英社 1988年7月
212 夜の目撃者 短編 光文社 1988年8月
213 背中の眼 短編 光文社 1988年9月
214 真夜中の残光 長編 角川書店 1988年10月
215 天鬼秘剣 長編 新潮社 1988年11月
216 悪女木曜日に死す 長編 徳間書店 1988年11月
217 霧の女 ▽女たちの迷路 長編 祥伝社 1988年12月
218 薄氷の沼 長編 実業之日本社 1989年2月
219 骨牌の城 長編 光文社 1989年4月
220 霧の晩餐 四重交換殺人事件 ▽殺意の雨宿り 長編 祥伝社 1989年5月
221 紫陽花いろの朝に死す 長編 角川書店 1989年5月
222 俳人一茶捕物帳 →俳人一茶捕物帳 痩蛙の巻 連作 光文社 1989年9月
223 情婦 短編 光文社 1989年9月
224 魔炎の顔 長編 角川書店 1989年10月
225 サンセット刑事 長編 光文社 1989年11月
226 闇に踊る女 短編 光文社 1989年12月
227 一茶人情捕物帳 →俳人一茶捕物帳 明月の巻 連作 光文社 1989年12月
228 影絵の愛 長編 実業之日本社 1990年1月
229 悪魔の剃刀 長編 光文社 1990年3月
230 霧の疑惑 長編 祥伝社 1990年3月
231 夢剣 短編 光文社 1990年6月
232 愛人 短編 光文社 1990年7月
233 アリバイの唄 長編 講談社 1990年7月
234 夜明け 長編 講談社 1990年9月
235 地獄の愛 短編 光文社 1990年9月
236 悲劇は睫毛よ →悪魔の情事 長編 実業之日本社 1990年10月
237 妖女 SS 光文社 1990年10月
238 一千キロ、剣が疾る →直飛脚疾る 連作 光文社 1990年10月
239 風聞 長編 徳間書店 1990年11月
240 日暮れて道を急ぐ 長編 角川書店 1990年11月
241 膝に目薬 悪女の微笑 →悪魔の微笑 長編 祥伝社 1990年11月
242 昼下がり 長編 講談社 1991年2月
243 突然の妻 長編 徳間書店 1991年6月
244 夕暮れ 長編 講談社 1991年8月
245 短編 光文社 1991年9月
246 疫病神呑太 →疫病神捕物帳 連作 徳間書店 1991年10月
247 青い春の雨 新・一茶捕物帳 連作 角川書店 1991年10月
248 追越禁止 ▽夢心地の迷路 長編 講談社 1991年11月
249 兇人 →多重人格 短編 徳間書店 1992年2月
250 女の決闘 長編 実業之日本社 1992年6月
251 一方通行 長編 講談社 1992年7月
252 溺れる女 短編 光文社 1992年9月
253 新・一茶捕物帳 三日月に哭く 連作 角川書店 1993年1月
254 玄白歌麿捕物帳 連作 光文社 1993年2月
255 殺人者 女を休んだ三人 長編 光文社 1993年2月
256 家光謀殺 東海道の攻防十五日 長編 文芸春秋 1993年3月
257 恐怖の報酬 →恐怖の結婚 長編 祥伝社 1993年7月
258 見られる女 短編 光文社 1993年9月
259 女の戦争 →なめられた女 長編 実業之日本社 1993年10月
260 取調室 静かなる死闘 長編 光文社 1993年11月
261 危険な隣人 長編 徳間書店 1994年9月
262 悪魔の処刑 長編 光文社 1994年10月
263 求愛 →悪魔の求愛 長編 角川書店 1994年11月
264 家康誅殺始末記 長編 双葉社 1994年12月
265 女人切腹 短編 光文社 1995年1月
266 静かなる刑事 連作 徳間書店 1995年2月
267 殺したい女 長編 広済堂出版 1995年5月
268 死体遺棄現場 →取調室2 死体遺棄現場 長編 光文社 1995年5月
269 地獄の女殺し 玄白歌麿捕物帳 連作 光文社 1995年9月
270 通りすぎた夜 短編 光文社 1996年5月
271 女人狂乱 延命院事件 長編 産経新聞ニュースサービス 1996年7月
272 連鎖の追跡 長編 実業之日本社 1996年7月
273 悪魔の階段 長編 光文社 1996年8月
274 真犯人 連作 徳間書店 1996年12月
275 敵は鬼畜 →取調室3 敵は鬼畜 長編 光文社 1997年5月
276 小早川秀秋の悲劇 長編 双葉社 1997年10月
277 十九歳の葬式 長編 読売新聞社 1997年12月
278 疫病神捕物帳 降って来た赤ン坊  連作 徳間書店 1998年7月
279 水木警部補の敗北 長編 光文社 1998年8月
280 死の追走 次は誰か 短編 講談社 1999年10月
281 お不動さん絹蔵捕物帖 連作 光文社 2000年4月
282 生存する幽霊 長編 徳間書店 2000年7月
283 定廻り同心 謎解き控 連作 祥伝社 2001年1月
284 遥かなり蒼天 短編 文芸春秋 2002年12月
285 定廻り同心 最後の謎解き 連作 祥伝社 2002年12月
286 海賊船幽霊丸 連作 光文社 2003年10月

 まずは、シンプルにオリジナル著作のリストを並べてみる。先行のリストにほぼほぼ準拠しているが、備考欄にある通り、若干、敢えて入れてみた、というものもあるので、ご注意されたい。
 別題の欄は、かなり恣意的な記載になっている。“→”は、初の文庫化の際に変更したものなど、ある程度作家本人が自ら行なったと思われる改題を示す。一方、“▽”は、二次文庫化など、作家の了解はあったと思われるが、積極的に変更したのではないように感じたものを記した。あくまで、別題の書名を列記することを主眼にした項目で、“→”や“▽”は便宜的なマークであることをお断りしておく。
 文庫の列は、“―”は文庫版が存在していない(私が確認していない)もの、“☆”は文庫オリジナルで刊行され、単行本が存在していないことを示す。この後の、再編集短編集リストを入れる関係で、追加したものである。
 ――見て分かる通り、文庫化されていないものは、大半が中期までの短編集なのだが、長編では1冊だけ、『一億人の中の二人』の文庫版を確認できていない。ンな訳はあるまい、と思うのだが、ここでは素直に、そのまま表記している。見落としがあれば、ご指摘ください。

笹沢左保 著作リスト(再編集短編集)

書名出版社出版年月備考
銀座心中 芸文社 1965年9月 新書版
六本木心中 日本文華社 1968年1月 新書版
六本木心中 角川書店 1971年5月 日本文華社版とは収録作が異なる
不倫 徳間書店 1984年7月
復讐 徳間書店 1984年8月
偽装 徳間書店 1984年12月
逆転 徳間書店 1985年2月
対決 徳間書店 1985年4月
宿命 徳間書店 1985年6月
危険な符号 徳間書店 1988年10月
過去を連れた女 角川書店 1988年5月
影の落ちた道 角川書店 1988年10月
愛すれど殺意 天山出版 1991年1月
愛なき旅路 天山出版 1991年5月 新書版
真夜中の旅程 飛天出版 1994年3月 『愛なき旅路』の文庫化
魔の夜 祥伝社 1990年10月
白い悲鳴 祥伝社 1991年6月
闇の埋葬 祥伝社 1992年4月
闇にもつれる 祥伝社 1993年4月
渇愛 祥伝社 1993年12月
ささやかな復讐 光文社 1988年12月
媚薬 光文社 1992年2月
邪魔者 光文社 1994年12月
誘う女 光文社 1995年6月
女を見て死ね 光文社 2000年10月

 ここには、再編集の短編集を並べた。ここに並べた本でないと読めない、という作品はないが、上記の通り、中期までの短編集は文庫化されているものが極めて少ないので、これらに収められた短編を手っ取り早く読むには、こちらに並べた著書で読むしかない、というものになる。
 備考欄で、“新書版”としていないものは、すべて文庫版である。刊行年を見れば分かる通り、初期の短編集を文庫化する代わりに、昭和の終わりから平成にかけて、作品を編み直した短編集が続々と刊行されたことが分かる。そんな訳で、見やすさを優先して、刊行年ではなく、出版社の並びを優先してみた。

笹沢左保 著作リスト(シリーズ連作)

シリーズ書名別題出版社出版年月備考
木枯し紋次郎 赦免花は散った 講談社 1971年8月
女人講の闇を裂く 講談社 1971年12月
六地蔵の影を斬る 講談社 1972年3月
暁の追分に立つ 講談社 1972年8月
夜泣石は霧にぬれた 講談社 1972年10月
怨念坂を螢が越えた 講談社 1973年2月
笛が流れた雁坂峠 講談社 1973年6月
木枯し紋次郎 1 (霧雨に二度哭いた) 講談社 1976年1月
木枯し紋次郎 2 (命は一度捨てるもの) 講談社 1976年4月
木枯し紋次郎 3 (三途の川は独りで渡れ) 講談社 1977年9月
木枯し紋次郎 4 (二度と拝めぬ三日月) 講談社 1977年11月
奥州路・七日の疾走 講談社 1978年9月
新・木枯し紋次郎 舞って散った峠花 講談社 1988年9月
木枯し紋次郎 1 (赦免花は散った) 光文社 1997年1月 再編全集
木枯し紋次郎 2 (女人講の闇を裂く) 光文社 1997年2月
木枯し紋次郎 3 (六地蔵の影を斬る) 光文社 1997年3月
木枯し紋次郎 4 (無縁仏に明日をみた) 光文社 1997年4月
木枯し紋次郎 5 (夜泣石は霧に濡れた) 光文社 1997年5月
木枯し紋次郎 6 (上州新田郡三日月村) 光文社 1997年6月
木枯し紋次郎 7 (木枯しは三度吹く) 光文社 1997年7月
木枯し紋次郎 8 (命は一度捨てるもの) 光文社 1997年8月
木枯し紋次郎 9 (三途の川は独りで渡れ) 光文社 1997年9月
木枯し紋次郎 10 (虚空に賭けた賽一つ) 光文社 1997年1月
木枯し紋次郎 11 (お百度に心で詫びた紋次郎) 光文社 1997年11月
木枯し紋次郎 12 (奥州路・七日の疾走) 光文社 1997年12月
木枯し紋次郎 13 (人斬りに紋日は暮れた) 光文社 1998年1月
木枯し紋次郎 14 (女の向こうは一本道) 光文社 1998年2月
木枯し紋次郎 15 (さらば峠の紋次郎) 光文社 1998年3月
帰って来た木枯し紋次郎 新潮社 1996年3月 文庫化
帰って来た紋次郎 同じく人殺し 新潮社 1996年12月
帰って来た紋次郎 かどわかし 新潮社 1997年9月
帰って来た紋次郎 さらば手鞠唄 新潮社 1998年4月
帰って来た紋次郎 悪女を斬るとき 新潮社 1999年2月
帰って来た紋次郎 最後の峠越え 新潮社 1999年7月
宮本武蔵 宮本武蔵 1 (武蔵敗れたり) 文芸春秋 1990年1月
宮本武蔵 2 (われ邪心ありき) 文芸春秋 1990年2月
宮本武蔵 3 (汚名晴らすに及ばず) 文芸春秋 1990年3月
宮本武蔵 4 (わが威光尊ぶべし) 文芸春秋 1990年8月
宮本武蔵 5 (われ死するなり) 文芸春秋 1991年2月
宮本武蔵 6 (縁断ちがたし) 文芸春秋 1991年8月
宮本武蔵 7 (疑心恐るべし) 文芸春秋 1992年3月
宮本武蔵 8 (われに兵法のみ) 文芸春秋 1992年8月
宮本武蔵 9 (女人忘れまじ) 文芸春秋 1993年5月
宮本武蔵 10 (信為すべし) 文芸春秋 1994年2月
宮本武蔵 11 (わが心安からず) 文芸春秋 1994年7月
宮本武蔵 12 (殺生に相違なし) 文芸春秋 1995年2月
宮本武蔵 13 (ただ独り歩め) 文芸春秋 1995年7月
宮本武蔵 14 (おのれも敵もなく) 文芸春秋 1995年12月
宮本武蔵 15 (兵法は不滅なり) 文芸春秋 1996年6月
宮本武蔵 1 (天の巻) 文芸春秋 1996年1月 再編全集
宮本武蔵 2 (地の巻) 文芸春秋 1996年1月
宮本武蔵 3 (水の巻) 文芸春秋 1996年11月
宮本武蔵 4 (火の巻) 文芸春秋 1996年11月
宮本武蔵 5 (風の巻) 文芸春秋 1996年12月
宮本武蔵 6 (空の巻) 文芸春秋 1996年12月
宮本武蔵 7 (霊の巻) 文芸春秋 1997年1月
宮本武蔵 8 (玄の巻) 文芸春秋 1997年1月
真田十勇士 笹沢版真田十勇士 天の巻 桃園書房 1980年9月
笹沢版真田十勇士 地の巻 桃園書房 1980年11月
笹沢版真田十勇士 風の巻 桃園書房 1981年5月
真田十勇士 巻の1 (猿飛佐助諸国漫遊) 光文社 1989年1月 再編全集
真田十勇士 巻の2 (大暴れ三好清海入道) 光文社 1989年2月
真田十勇士 巻の3 (才蔵宮本武蔵を破る) 光文社 1989年3月
真田十勇士 巻の4 (真田幸村大坂城入城) 光文社 1989年4月
真田十勇士 巻の5 (戦場に散った勇士たち) 光文社 1989年5月
徳川幕閣盛衰記 失脚 徳川幕閣盛衰記 1 祥伝社 1993年12月
失脚 徳川幕閣盛衰記 2 祥伝社 1994年9月
失脚 徳川幕閣盛衰記 3 祥伝社 1995年4月
失脚 徳川幕閣盛衰記 4 祥伝社 1996年3月
失脚 徳川幕閣盛衰記 5 祥伝社 1996年12月
失脚 徳川幕閣盛衰記 6 祥伝社 1997年9月
野望の下馬将軍 徳川幕閣盛衰記 上 祥伝社 2002年1月 再編全集
将軍吉宗の陰謀 徳川幕閣盛衰記 中 祥伝社 2002年3月
黒船擾乱 徳川幕閣盛衰記 下 祥伝社 2002年5月
音なし源捕物帳 音なし源捕物帳 光文社 1979年2月
花嫁狂乱 富士見書房 1987年12月 再編全集
湯治場の女 富士見書房 1988年2月
盗まれた片腕 富士見書房 1988年3月
猫の幽霊 富士見書房 1988年4月
浮世絵の女 富士見書房 1988年5月
闇狩り人犯科帳 祥伝社 1996年12月 文庫再編
闇狩り人犯科帳 盗まれた片腕編 祥伝社 1997年7月
闇狩り人犯科帳 嘲笑う墓編 祥伝社 1997年12月
闇狩り人犯科帳 浮世絵の女 祥伝社 1998年6月
姫四郎 乙姫悪業一代 東京文芸社 1974年10月
東海道つむじ風 姫四郎流れ旅 光風社出版 1980年1月 再編全集
中仙道はぐれ鳥 姫四郎流れ旅 光風社出版 1980年11月
日光道狂い花 姫四郎流れ旅 光風社出版 1981年1月
甲州道しぐれ笠 姫四郎流れ旅 光風社出版 1981年1月
裏街道片われ月 姫四郎流れ旅 光風社出版 1982年7月
嘉永二年の帝王切開 姫四郎医術道中1 徳間書店 1990年3月 文庫化
嘉永三年の全身麻酔 姫四郎医術道中2 徳間書店 1990年4月
嘉永四年の予防接種 姫四郎医術道中3 徳間書店 1990年5月
嘉永五年の人工呼吸 姫四郎医術道中4 徳間書店 1990年6月
嘉永六年のアルコール中毒 姫四郎医術道中5 徳間書店 1990年7月
お庭番 相模の国に斬る 潮出版社 1972年5月
薩摩の国に殪す 潮出版社 1972年6月
寛政・お庭番秘聞 ▽影は走る 祥伝社 1988年3月 文庫化にあたり合冊
日暮妖之介 日暮妖之介・暁に去る 実業之日本社 1972年6月
日暮妖之介・辻に断つ 実業之日本社 1972年11月
日暮妖之介 流れ星破れ編笠 集英社 1981年1月 文庫化にあたり合冊
お助け同心 お助け同心巡廻簿 産経新聞社 1992年10月
八丁堀・お助け同心秘聞 不義密通編 祥伝社 1995年1月 文庫化にあたり分冊
八丁堀・お助け同心秘聞 御定法破り編 祥伝社 1996年2月
地獄の辰 地獄の辰・無残捕物控 →首なし地蔵は語らず▽地獄の辰犯科帳 光文社 1972年7月 文庫化
続地獄の辰・無残捕物控 →岡っ引きが十手を捨てた▽地獄の辰無残帳 光文社 1972年12月
東海道・無頼旅 地獄の辰 →明日は冥土か京の夢▽地獄の辰非道帳 光文社 1975年2月
無宿人御子神の丈吉 無宿人御子神の丈吉 上 →無宿人御子神の丈吉<1> 講談社 1972年2月 文庫化
無宿人御子神の丈吉 中 →無宿人御子神の丈吉<2> 講談社 1972年8月
無宿人御子神の丈吉 下の1 →無宿人御子神の丈吉<3> 講談社 1973年5月
無宿人御子神の丈吉 下の2 →無宿人御子神の丈吉<4> 講談社 1973年5月
潮来の伊太郎 大利根の闇に消えた 読売新聞社 1973年10月 文庫化
決闘・箱根山三枚橋 読売新聞社 1974年4月
半身のお紺 半身のお紺 1 お怨み申しません →女無宿人非情旅 講談社 1974年9月 文庫化
半身のお紺 2 さだめが憎い →女無宿人無残剣 講談社 1974年9月
半身のお紺 3 醒めて疼きます →女無宿人愛憎行 講談社 1975年4月
九鬼真十郎 江戸の夕霧に消ゆ 追放者・九鬼真十郎1 桃園書房 1978年8月 文庫化
美女か狐か峠みち 追放者・九鬼真十郎2 桃園書房 1978年11月

 著作のリスト化にあたり、まず迷ったのが、このシリーズ連作の扱いだった。
 笹沢の著書は380冊とされていて、その一覧は『定廻り同心 最後の謎解き』に並べられている。それを見て、個人的に「あれェ?」と思ったのだ。つまり、シリーズ連作の数え方に違和感を覚えたのである。これらシリーズ連作は、すべて文庫化されているのだが、作品数をカウントする際に、何をカウントするかで、冊数が大幅に変わってしまうからだ。
 実際の著作数は、個人的にはどうでもいい(380冊にはエッセイ集も含まれているが、それは個人的にリスト化対象とはしていないので――)のだけれど、見た人が分かりやすいリストにしようとすると、ただ、この著書リストに準じる訳にはいかないと思ったのだ。そんな訳で、これだけ、他の作品リストとは分ける、という対応をしてみた。
 分かる通り、シリーズ連作は、特に文庫化の際に、大幅に再編されている。その際にもいくつかのパターンがあり、単行本の1冊を文庫2冊に分けたり、単行本の2冊を文庫1冊にしたり、全体を再編して冊数が増えたり、逆に再編して冊数が減ったり……。それを全部特記すると複雑になるので、ただシリーズごとに並べる、ということをしている。
 念のために補足すると、“木枯し紋次郎”は、講談社初刊のものは、光文社文庫化に際して再編され冊数が増えたが、新潮社初刊のものは、そのまま文庫化された。“宮本武蔵”は、文庫化にあたっての再編で、単行本15冊が文庫8冊になった。逆に“真田十勇士”は、文庫化にあたっての再編で、単行本3冊が文庫5冊になった。一方、リストの“地獄の辰”以降のものは、文庫化にあたり改題等はされているが、再編等はされていないので、下段にまとめて並べている。
 やや悩ましいのが、“音なし源”と“姫四郎”シリーズか。いずれも、ポツンと1冊単発で刊行された後で、改めて全集として編まれたものだ。そのため、前述の380冊のリストでも、数合わせのために、全集刊行された際に1冊だけリストに入れない、ということをしているようだ。(まあ、姫四郎シリーズの方は、1冊分を書いて刊行した後で、改めて新シリーズを加えて、先行のものと合わせて再編集したものと思われるから、仕方ない面はあるだろうが、音なし源シリーズは、執筆と刊行で時期がズレているはずだから、不思議な形態にも思える。何故こんな刊行となったのだろう……)

 とりあえず、上げるだけあげますが、随時直して行きます。
 こんなリストでも、多少は何らかの参考になると信じて……。


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戸田和光