戸田和光 編
笹沢リスト、その4である。ショートショートと犯人当て作品のリストである。
その1の著作リストでは、『妖女』1冊にしか対応しないが、その割には数が多いことに驚く人もいるかも知れない。そんな観点でご覧いただければ幸いである。
誤記等のお粗末なミスがありましたら、ご指摘ください。
作品名 | 収録誌紙 | 掲載年月 | 収録短編集 |
嘘 | サンケイスポーツ | 1963年2月26日 | 妖女 |
男の中の男 | サンケイスポーツ | 1963年3月5日 | 妖女 |
殺人計画 | サンケイスポーツ | 1963年3月12日 | 妖女 |
このあと | サンケイスポーツ | 1963年3月19日 | 妖女 |
隣人 | サンケイスポーツ | 1963年3月26日 | 妖女 |
運悪く | サンケイスポーツ | 1963年4月2日 | 妖女 |
裸体と笑い | サンケイスポーツ | 1963年4月9日 | |
最後の夜 | サンケイスポーツ | 1963年4月16日 | 妖女 |
縁 | サンケイスポーツ | 1963年4月23日 | 妖女 |
死んでしまいたい | サンケイスポーツ | 1963年4月30日 | 妖女 |
無意味な人生 | サンケイスポーツ | 1963年5月7日 | 妖女 |
溺死体 | サンケイスポーツ | 1963年5月14日 | 妖女 |
終着東京 | サンケイスポーツ | 1963年5月21日 | 妖女 |
証人 | サンケイスポーツ | 1963年5月28日 | 妖女 |
蛇 | サンケイスポーツ | 1963年6月4日 | 妖女 |
美しい女に会って | サンケイスポーツ | 1963年6月11日 | 妖女 |
未亡人 | サンケイスポーツ | 1963年6月18日 | 妖女 |
課長を殺る | サンケイスポーツ | 1963年6月25日 | 妖女 |
二歳半の記憶 | サンケイスポーツ | 1963年7月2日 | 妖女 |
別れ | サンケイスポーツ | 1963年7月9日 | 妖女 |
沈黙は続く | サンケイスポーツ | 1963年7月16日 | 妖女 |
貧しい家出人 | サンケイスポーツ | 1963年7月23日 | 妖女 |
眠らない男 | サンケイスポーツ | 1963年7月30日 | 妖女 |
良妻 | サンケイスポーツ | 1963年8月6日 | 妖女 |
自動車泥棒 | サンケイスポーツ | 1963年8月13日 | 妖女 |
夫婦喧嘩 | サンケイスポーツ | 1963年8月20日 | 妖女 |
すぎた思いやり | サンケイスポーツ | 1963年8月27日 | 妖女 |
誰も知らない | サンケイスポーツ | 1963年9月3日 | 妖女 |
同じ方法 | サンケイスポーツ | 1963年9月10日 | 妖女 |
その朝の手紙 | サンケイスポーツ | 1963年9月17日 | 妖女 |
哀れな二人 | サンケイスポーツ | 1963年9月24日 | 妖女 |
死を待つ女 | サンケイスポーツ | 1963年10月1日 | 妖女 |
最も哀れな女 | サンケイスポーツ | 1963年10月8日 | 妖女 |
髪の毛 | サンケイスポーツ | 1963年10月15日 | 妖女 |
運不運 | サンケイスポーツ | 1963年10月22日 | 妖女 |
レールの上で | サンケイスポーツ | 1963年10月29日 | 妖女 |
十五年前の女 | サンケイスポーツ | 1963年11月5日 | 妖女 |
介抱ドロ | サンケイスポーツ | 1963年11月12日 | 妖女 |
崖の花 | サンケイスポーツ | 1963年11月19日 | 妖女 |
手袋 | サンケイスポーツ | 1963年11月26日 | 妖女 |
裏切り者 | サンケイスポーツ | 1963年12月3日 | 妖女 |
裏と表 | サンケイスポーツ | 1963年12月10日 | 妖女 |
死んだはず | サンケイスポーツ | 1963年12月17日 | 妖女 |
贈りもの | サンケイスポーツ | 1963年12月24日 | 妖女 |
救ったのは誰か | サンケイスポーツ | 1963年12月31日 | 妖女 |
老人と手紙 | サンケイスポーツ | 1964年1月7日 | 妖女 |
そんなはずはない | サンケイスポーツ | 1964年1月14日 | 妖女 |
灰色の村 | サンケイスポーツ | 1964年1月21日 | 妖女 |
待って下さい | サンケイスポーツ | 1964年1月28日 | 妖女 |
明日になれば | サンケイスポーツ | 1964年2月4日 | 妖女 |
早まった | サンケイスポーツ | 1964年2月11日 | 妖女 |
理由でない理由 | サンケイスポーツ | 1964年2月18日 | 妖女 |
幻の機 | サンケイスポーツ | 1964年2月25日 | 妖女 |
あとは書けない話 | 朝日新聞 | 1962年12月5日 | 妖女 |
大都会 | 朝日新聞 | 1970年5月23日 | |
男の悲哀 | 朝日新聞 | 1970年6月27日 | |
もしもあのとき | 朝日新聞 | 1970年8月1日 | |
消えた乗客 | 朝日新聞 | 1970年9月5日 | |
秋の雨 | 朝日新聞 | 1970年10月10日 | |
大違い | 朝日新聞 | 1970年11月14日 | |
哀しい顔 | 朝日新聞 | 1970年12月19日 | |
重要な電話 | 朝日新聞 | 1971年1月30日 | |
妻の機転 | 朝日新聞 | 1971年3月6日 | |
脅迫者 | 朝日新聞 | 1971年4月10日 | |
助けて | 朝日新聞 | 1971年5月15日 | |
宗旨替え | 朝日新聞 | 1971年6月19日 | |
百通の遺書 | 朝日新聞 | 1971年7月31日 | |
空腹 | 朝日新聞 | 1971年9月11日 | |
男の意地 | 朝日新聞 | 1971年10月23日 | |
決闘の川 | 朝日新聞 | 1971年11月27日 | |
若い男と女の話 | CAR | 1967年10月 | |
姑と嫁 | CAR | 1967年11月 | |
スリと社長の話 | CAR | 1967年12月 | |
ホステスと紳士の話 | CAR | 1968年2月 | |
雪が降る町での話 | CAR | 1968年3月 | |
看護婦と若者の話 | CAR | 1968年4月 | |
真相の傷跡 | 労働文化 | 1963年9月 | |
小さな親切 | 労働文化 | 1963年10月 | |
勤続三十年 | 労働文化 | 1963年11月 | |
金が欲しい | 労働文化 | 1963年12月 | |
パパは風 | 女性自身 | 1966年9月5日 | |
結婚前夜 | 女性自身 | 1967年9月4日 | |
待つ | 女性自身 | 1968年4月15日 | |
人生の浜辺 | 女性自身 | 1968年8月19日 | |
月光に消える | 女性自身 | 1969年7月5日 | |
悪妻 | 小説中央公論 | 1961年10月 | 妖女 |
女を憎むな | 漫画アサヒ | 1963年2月 | 妖女 |
灰と女たち | 宝石 | 1963年6月 | 妖女 |
残酷 | 別冊漫画サンデー | 1963年10月 | 妖女 |
FC444444A | 漫画読本 | 1965年9月 | 妖女 |
水 | 話の特集 | 1967年6月 | 妖女 |
再会 | ボーテ | 1968年8月 | 妖女 |
真知子の決心 | 魚菜 | 1968年9月 | 妖女 |
情事の絵本 | pocketパンチOH! | 1969年7月 | 妖女 |
夜行列車の女 | 郵政 | 1969年7月 | 妖女 |
完全な敗北 | マントップ | 1970年12月 | 妖女 |
蚊帳の中 | 週刊サンケイ | 1974年8月 | 妖女 |
何処だろう | 中日新聞 | 1961年5月28日 | |
自分を知らない女 | 家の光 | 1963年6月 | |
赤い空 | 増刊小説クラブ | 1966年8月 | |
ある別離 | 北国新聞 | 1970年3月15日 | |
密告の論理 | 話の特集 | 1970年6月 | |
雪と夫婦 | 公明新聞 | 1971年1月1日 | |
消耗 | pocketパンチ | 1976年8月 | |
塩むすび | 読売新聞(西部/夕刊) | 1989年1月14日 | |
死活 | 小説新潮 | 1996年1月 | |
不潔 | 西日本新聞 | 1997年1月10日 |
順番は、同一誌紙に読切連載されたものをまず並べ、次いで、『妖女』掲載のものを初出順にならべ、その後に単行本未収録のものを同じく初出順に並べた。なお、特にサンケイスポーツ初出の作品について、『妖女』掲載にあたってタイトルが修正されたものがあるようだが(「最も哀れな女」←「最も哀れな者」、「灰色の村」←「灰色の部落」、など)、初出確認には余り影響しないので、初出題の方を省略している。ご注意いただきたい。
短編集のページに書いたが、基本的には、短編集に収録されたものは、ここでは除いている。ショートショート集である『妖女』に収録されたものと、単行本未収録で短い作品を並べた、と思っていただければいいと思う。実際、感覚的に短いと思ったものを機械的に並べたものの、実際に活字にすると案外長いものもあるかも知れない。
笹沢自身は、ショートショートは苦手だと語っていたそうだが、その割には作品数は案外と多い。もう一冊、余裕でショートショート集を編めた気もするが、実現しなかったのは何故だろうか……。
作品名 | 収録誌紙 | 掲載年月日 | 連載終了年月日 |
雛の女 | スリラー街 | 1962年3月15日 | |
赤のある死角 | 別冊小説宝石 | 1967年7月 | 1967年8月 |
殺し屋は三枚目 | 漫画読本 | 1961年11月 | |
人間みな嘘つき | 漫画読本 | 1965年2月 | |
愚かなる殺人者 | 漫画読本 | 1966年2月 | |
トイレットの効用 | 漫画読本 | 1966年9月 | |
男も女も容赦はしない | 漫画読本 | 1967年8月 | |
獣宿 | 紳士読本 | 1962年5月 | |
被害者不明 | 紳士読本 | 1962年6月 | |
死の踊り | 紳士読本 | 1962年7月 | |
私は殺された | スポーツニッポン(大阪) | 1965年11月20日 | 1965年11月21日 |
暗黒の証言 | スポーツニッポン(大阪) | 1965年12月18日 | 1965年12月19日 |
雪と足跡 | スポーツニッポン(大阪) | 1966年1月22日 | 1966年1月23日 |
大男の死 | スポーツニッポン(大阪) | 1966年2月19日 | 1966年2月20日 |
三本のマッチ | スポーツニッポン(大阪) | 1966年3月26日 | 1966年3月27日 |
幻の記憶 | 女性自身 | 1965年3月1日 | |
残るのは12時間 | 女性自身 | 1967年12月4日 | |
真珠の首飾り | 女性自身 | 1968年7月8日 | |
空白の容器 | 女性自身 | 1971年1月9日 | 1971年1月16日 |
孤独な誘惑者 | 別冊女性自身 | 1968年7月 |
最初に、アンソロジーに収録された、正統的な犯人当て小説2編を並べているが、その後は、犯人当て小説と呼ぶべきか、推理クイズと呼ぶべきか迷うものとなるので、同一誌紙に連載された順に便宜的に並べた。ただ、《女性自身》は、不定期に犯人当てが企画された際に、その都度執筆したもので、同じ企画とも呼びにくいので、注意されたい。
なお、後半の推理クイズ18編については、上記は出題編の日付けで、その後、別の日に正解が掲載されている。終了年月日が掲載されているのも、出題編が2回に分載されたもので、終了日に解決編が載っている訳ではないことに注意されたい。
正しくは、それも書くべきなのかも知れないが、個人的に、推理クイズの正解は小説ではないことが多い、という認識があって、敢えてリスト化する際は省いている。ご注意されたい。
個人的に、今回笹沢作品リストを作っていて、最も驚いたのは、これかも知れない。犯人当てを20編書いているのに、1編も自身の単行本に入れていなかったとは、さすがに思わなかった。アンソロジーには収録されているから、決して出来が悪いわけではないと思うのだが、あるいは「雛の女」を執筆した際のエピソード(推理作家協会の正月例会で出題された際、自身の用意した結末よりも、星新一の解答の方が出来が良かったため、作者自らそちらを採用してしまった――というもの。多少脚色されていると思うが、犯人当てでは時々聞く話ではあるから、事実ではあったのだろう)のように、作者自らは犯人当てに自信がなかったのかも知れない。
個人的には、最も読みたい笹沢作品拾遺集はこのジャンルなのだが、例によって、今後編まれる可能性は殆どないのかも知れない。もったいないなあ、とは思うのだが。
とりあえず、上げるだけあげますが、随時直して行きます。
こんなリストでも、多少は何らかの参考になると信じて……。
戸田和光