笹沢左保 長編リスト(仮作成版)

戸田和光 編


本リストについて

 笹沢リスト、その2である。初出を付した、長編リストとなる。
 随時、その1の著作リストも参照しながら、ご覧いただきたい。

 誤記等のお粗末なミスがありましたら、ご指摘ください。


笹沢左保 長編リスト

書名初出誌紙連載開始年月日連載終了年月日初出タイトル
招かれざる客 書き下ろし
霧に溶ける 書き下ろし
結婚って何さ 書き下ろし
人喰い 書き下ろし
死と挑戦 週刊漫画TIMES 1960年8月10日 1960年12月7日 狂った真昼
真昼に別れるのはいや 書き下ろし
白い獣 週刊漫画TIMES 1960年12月14日 1961年5月3日
影が見ていた 週刊漫画TIMES 1961年5月10日 1961年9月6日
泡の女 書き下ろし
空白の起点 宝石 1961年8月 1961年11月 孤愁の起点
暗い傾斜 宝石 1962年3月 1962年9月
翳った砂丘 講談倶楽部 1962年7月 1962年12月
崩壊の夜 アサヒ芸能 1962年4月22日 1962年9月14日
赤い氷河 書き下ろし
揺れる視界 漫画サンデー 1962年8月29日 1963年1月23日
乾いた女 週刊漫画TIMES 1962年9月5日 1962年12月29日 プレイボーイ(前半)
青い終局 続・乾いた女 週刊漫画TIMES 1963年1月5日 1963年5月11日 プレイボーイ(後半)
背景のない夜 明星 1961年9月 1962年8月 夜がまた来る
突然の明日 週刊朝日 1963年3月8日 1963年9月27日
そこにある孤影 美しい女性 1963年1月 1963年12月
盗作の風景 宝石 1963年5月 1964年2月
天を突く石像 1963年1月 1963年12月
命を賭けた女 週刊漫画TIMES 1963年5月18日 1963年12月7日 続・プレイボーイ
火の虚像 書き下ろし
一億人の中の二人 漫画文芸 1963年9月 1964年6月
ふり向くな 神戸新聞 1963年6月25日 1964年4月18日
死人狩り 平凡パンチ 1964年5月11日 1964年11月9日
傷だらけの孤独 週刊芸能天国/漫画天国 1964年3月27日 1964年11月13日
幻の島 書き下ろし
沖縄海賊
誰もが信じられない
明日まで待てない アサヒ芸能 1965年5月2日 1965年9月19日
夜が溜息をつく 週刊実話 1965年4月19日 1965年11月8日
二人と二人の愛の物語 女性セブン 1965年8月25日 1966年3月30日
美貌の影 東京スポーツ 1965年5月11日 1966年3月15日
孤独な彼らの恐しさ
東へ走れ男と女 週刊F6セブン 1966年7月16日 1967年4月22日
明日に別れの接吻を 書き下ろし
さよならの値打ちもない 推理界 1967年7月 1968年4月
猛烈に不幸な朝 書き下ろし
魔男 漫画天国 1965年10月29日
陰獣の血 週刊実話 1968年5月6日 1968年12月16日 悪血
孤愁の淫 推理ストーリー 1968年12月
破壊の季節 小説エース 1969年4月
蒼い盲獣 週刊話題news 1969年4月17日 1969年10月16日
傷だらけの放浪 推理文学 1970年1月 旅人の主題
3000キロの罠 小説club 1970年7月 1970年10月 三〇〇〇キロの罠
血文字を記すのは誰だ 週刊実話 1970年1月19日 1970年8月24日 血文字を記すのは誰か
いつになく過去に涙を 勝利 1970年5月 1970年6月
白昼の囚人 週刊現代 1970年7月23日 1971年3月25日
調子っぱずれの唄 小説club 1971年4月 1971年7月
真夜中の詩人 赤旗日曜版 1971年3月21日 1971年12月19日
さすらい街道 山陽新聞 1970年10月22日 1971年8月20日
闇の性 スポーツニッポン 1972年2月1日 1972年7月31日 貞操強盗
孤独なる追跡 週刊明星 1972年8月27日 1973年11月18日
血臭の男 週刊ポスト 1973年1月1日 1973年12月21日 黒い稲妻を背に受けて
絶望という道連れ 週刊サンケイ 1973年4月6日 1974年3月29日
魔の流浪 小説宝石 1973年2月 1973年11月
轢き逃げ家族 女性自身 1973年12月12日 1974年9月26日 突如として男が
風のように走った 京都新聞 1973年2月16日 1974年2月19日
三人の登場人物 週刊小説 1974年9月27日 1974年11月15日
金曜日の女 GORO 1974年8月8日 1975年9月11日 金曜日はかったるい
他殺岬 書き下ろし
暴行 問題小説 1976年2月 1976年7月
遥かなりわが愛を オール讀物 1976年3月 1976年6月 暁の狩人
悪魔たちの誘拐 別冊小説club 1975年9月 1976年6月
愛人関係 女性セブン 1975年6月8日 1976年1月7日 愛人生活
13番目の証人 週刊話題news/話題スペシャル 1975年10月9日 1976年7月15日
愛人ヨーコの遺書 AI 1976年8月 1976年11月
眠れ、わが愛よ 小説推理 1975年7月 1976年2月 眠れ、わが友よ
密殺海峡 赤旗 1975年4月19日 1976年2月12日 彼女は汚れた
三種の神器殺人事件 小説サンデー毎日 1976年5月 1977年3月 三種の神器に見た
背後の笑顔 小説club 1976年8月 1977年4月
遥かなりわが叫び 週刊文春 1976年8月5日 1977年4月7日
魔家族 問題小説 1977年6月 1977年10月 愛と哀の間
結婚関係 東京新聞 1976年9月27日 1977年9月29日
骨肉の森 サンケイ新聞 1977年4月8日 1978年2月8日
異常者 週刊サンケイ 1977年5月12日 1978年3月23日
墓場からのメッセージ 小説サンデー毎日 1975年3月 1975年12月
求婚の密室 小説宝石 1978年4月 1978年6月
不倫岬 書き下ろし
断崖の愛人 女性セブン 1978年2月23日 1979年3月1日
地下水脈 小説推理 1977年9月 1978年4月
蜜の殺人者 月刊小説 1978年9月 1979年6月
海の晩鐘 週刊小説 1978年10月27日 1979年2月2日 絶望岬
無情岬 小説宝石 1979年2月 1979年8月
大江戸無頼 信濃毎日新聞 1978年6月6日 1979年5月16日 男ありて
裸の家族 小説推理 1979年7月 1980年2月 裸の家
まぼろしの旅路 旅の手帖 1977年4月 1979年3月
落日に男は生きた 週刊大衆 1979年10月25日 1980年7月31日
逃亡岬 書き下ろし
恋はたまゆら 週刊小説 1979年7月6日 1980年3月7日 永遠のたまゆら
悪魔の部屋 夕刊フジ 1980年4月15日 1980年12月7日
後ろ姿の聖像 小説現代 1980年6月 1980年8月 もしもお前が振り向いたら
愛姦の道 別冊婦人公論 1981年1月
その朝お前は何を見たか 書き下ろし
愛人岬 女性自身 1980年7月10日 1981年5月7日
悪魔の湖畔 週刊平凡 1980年5月14日 1981年4月30日 哀湖さらば
華やかな迷路 週刊小説 1981年1月9日 1981年10月23日 華やかな追跡
密会 オール読物 1981年2月 1982年1月
華麗なる地平線 史詩浅井長政 歴史と人物 1978年1月 1978年12月
同心暁蘭之介 週刊サンケイ 1981年8月13日 1982年3月18日
背信の詩集 主婦と生活 1981年1月 1981年12月
北風の伊三郎 東京スポーツ 1978年4月2日 1978年10月25日 股旅五三〇キロ
仮面の月光 野性時代 1982年1月 1982年6月
悪魔の関係 日刊スポーツ 1981年10月6日 1982年4月7日
戦国孤影 週刊読売 1981年4月12日 1982年4月4日
悪魔の人質 小説宝石 1981年10月 1982年8月
霧の中の天使 微笑 1981年8月29日 1982年12月25日
悪魔の沈黙 週刊宝石 1982年5月29日 1983年1月14日
闇の結婚 公明新聞日曜版 1982年3月28日 1983年3月13日
女は月曜日に泣く 東京タイムズ 1983年2月24日 1983年5月16日
夫婦葬送 週刊朝日 1982年6月18日 1983年4月29日
悪魔の誘惑 夕刊フジ 1982年9月21日 1983年5月22日 未完の誘惑
魔性の月光 野性時代 1982年9月 1983年12月
同行者 小説宝石 1983年9月 1983年12月
日曜日には殺さない 問題小説 1983年2月 1984年1月
野望将軍 上/下 山陽新聞 1982年3月16日 1983年1月31日
遅すぎた雨の火曜日 アサヒ芸能 1983年5月5日 1983年12月29日
十五階の地獄 宝石 1983年3月 1983年12月 歓喜黒白
血の海 オール讀物 1984年3月 1984年7月
夫と妻の時効 月刊カドカワ 1983年5月 1984年8月
お前の名は地獄 週刊時事 1984年4月7日 1984年11月10日
闇は水曜日に訪れる アサヒ芸能 1984年8月23日 1985年3月21日
華麗なる鬼気 スポーツニッポン 1984年4月1日 1984年10月15日 華やかな鬼気
漂流島 ジャイアンツ 1976年4月 1978年4月
崩壊の家 京都新聞 1983年11月18日 1984年9月5日 嵐は金曜日の夜に
悪魔岬 書き下ろし
夢と承知で 鼠小僧と歴史上の男たち異聞 読売新聞 1984年8月21日 1985年8月10日
少しだけの寄り道 週刊小説 1985年4月5日 1985年11月8日
美貌の鬼気 月刊カドカワ 1984年12月 1986年1月 内ポケットの女
狂乱・春の夜の夢 週刊読売 1985年5月19日 1986年1月12日
純白の鬼気 野性時代 1985年8月 1986年4月
霧の晴れた午後に死す 週刊サンケイ 1985年9月19日 1986年4月24日
血の砂丘 小説宝石 1986年1月 1986年10月
今朝もまた夢 平手造酒外伝 報知新聞 1986年3月1日 1986年8月31日
ふり向けば霧 小説NON 1986年9月 1987年1月 霧の鎖
女神の雪降る夜に死す 小説WOO 1986年5月 1986年11月
時計の針がナイフに変わるとき 小説現代 1987年1月 1987年4月
誘惑の鬼気 話のチャンネル 1986年3月21日 1987年4月17日 帰らない冬の日
さらば土曜日の北風 問題小説 1987年1月 1987年5月
残照岬 家の光 1985年7月 1987年4月 朝の消滅
真夜中に涙する太陽 野性時代 1987年11月 1987年12月 あなたは真夜中に涙する太陽を見たことがあるか
ガラスの線路 週刊小説 1987年3月20日 1987年10月30日 線路
終りなき鬼気 野性時代 1987年3月 1987年10月
霧の鬼畜 小説NON 1987年4月 1988年2月
あれはブローニュの森 書き下ろし
真夜中の残光 野性時代 1988年6月 1988年8月
天鬼秘剣 小説新潮 1988年5月 1988年9月 天の餓鬼
悪女木曜日に死す 問題小説 1988年8月 1988年12月
霧の女 小説NON 1988年5月 1988年11月 赤い霧の女
薄氷の沼 週刊小説 1988年5月27日 1988年12月23日
骨牌の城 小説宝石 1988年11月 1989年2月
霧の晩餐 四重交換殺人事件 小説NON 1989年2月 1989年5月
紫陽花いろの朝に死す 野性時代 1988年12月 1989年5月
魔炎の顔 文庫書き下ろし
サンセット刑事 書き下ろし
影絵の愛 週刊小説 1989年5月12日 1989年12月8日 刹那の思慕
悪魔の剃刀 週刊宝石 1989年8月10日 1990年3月29日
霧の疑惑 小説NON 1989年8月 1990年3月 愛と霧の別離
アリバイの唄 書き下ろし
夜明け 小説現代 1990年5月 1990年7月
悲劇は睫毛よ 週刊小説 1990年5月25日 1990年8月31日
風聞 問題小説 1990年5月 1990年10月
日暮れて道を急ぐ 野性時代 1989年9月 1990年10月
膝に目薬 悪女の微笑 小説NON 1990年7月 1990年12月
昼下がり 増刊小説現代 1990年10月 昼下り
突然の妻 スポーツニッポン 1990年10月1日 1991年3月31日 突然
夕暮れ 増刊小説現代 1991年4月
追越禁止 荘内日報 1990年8月4日 1991年4月8日 夢心地の反乱
女の決闘 週刊小説 1991年9月27日 1992年4月24日
一方通行 増刊小説現代 1992年4月
殺人者 女を休んだ三人 小説宝石 1992年7月 1993年2月 女を休んだ三人
家光謀殺 東海道の攻防十五日 静岡新聞(夕刊) 1991年5月7日 1992年5月9日 暗闘 雨夜の月
恐怖の報酬 書き下ろし
女の戦争 週刊小説 1993年1月8日 1993年8月6日
取調室 静かなる死闘 小説宝石 1993年9月 1993年10月
危険な隣人 熊本日日新聞 1993年8月5日 1994年5月22日
悪魔の処刑 文庫書き下ろし
求愛 野性時代/小説王 1993年7月 1994年5月
家康誅殺始末記 小説推理 1993年3月 1994年10月 星を数える城
殺したい女 小説club 1994年7月 1995年4月 華麗なる凶器
死体遺棄現場 小説宝石 1994年12月 1995年4月 事件現場
女人狂乱 延命院事件 サンケイスポーツ 1995年7月 1996年2月
連鎖の追跡 週刊小説 1995年10月27日 1996年5月24日
悪魔の階段 週刊宝石 1995年10月26日 1996年8月22日
敵は鬼畜 小説宝石 1996年12月 1997年4月
小早川秀秋の悲劇 小説推理 1996年10月 1997年5月 重臣遁走
十九歳の葬式 週刊読売 1997年3月9日 1997年11月16日
水木警部補の敗北 小説宝石 1998年4月 1998年7月
生存する幽霊 問題小説 1999年7月 2000年4月
歴史と旅 1983年1月 1984年2月 風雲街道
情事の事情 平凡パンチ 1969年6月10日 1969年10月27日 俺が愛した悪女
真田十勇士 月刊小説 1979年7月 1982年5月 真田十勇士
徳川幕閣盛衰記 小説NON 1992年8月 1997年8月 幕閣盛衰記 失脚

 長編の初出リストである。著作リストの長編とあるものだけを抽出して、そのままの順番で並べた。別題や、初刊年月は、著作リストを随時参照していただきたい。
 初出誌紙の欄が空欄のものは、現時点で初出が特定できていないものである。(『沖縄海賊』、『誰もが信じられない』、『孤独な彼らの恐しさ』、『明日に別れの接吻を』がそれにあたる)

 後期の著作は、かなり丁寧に書誌情報が載っているので、特定も容易だが、昭和40年代までは殆ど書かれていなかったため、初出不明のものがかなり残っている。こうなると、手元の資料も殆ど参考にならない。結局、4編が初出不明のままとなっているのが情けないところだ。『沖縄海賊』あたりは書き下ろしかなあ、という気もするのだが、初刊で書いてくれていないので、断定もできなかった。その他、「書き下ろし」としたが、実は違うものもあるかも知れない。この点は、書誌研究の泣き所である。

 一方、『風雲街道』が連載された後に書籍化されたか分からなかった。この頃の笹沢であれば、連載が終わったらすぐ書籍になっていると思うのだが、違うのだろうか。この辺り、私が見落としている可能性もあるが、後期に初出不明の本がないので、大いに迷うところだ。

 『情事の事情』以降は、長編ではないが、初出掲出上、ここでは、長編と同じ扱いにする方が分かりやすいと思ったものを並べた。『情事の事情』は、連作掌編なので個々の年月日は不要だと思ったもの。『真田十勇士』以降は、複数冊に渡るが一つの長編というしかないか、と思ったものを並べた。この辺りは、私の事務上でこうしている、とご理解いただきたい。
 一方、『奥州路・七日の疾走』は、間違いなく長編ではあるが、この一作だけを抜くと却って判りにくいと思うので、ここには入れません(連作のページに入れます)。

 また、笹沢の長編連載(特に、雑誌掲載のもの)については、途中休載というケースが案外と多い。ひと月だけ載らない、ということもあれば、二、三ヶ月に渡って休載、ということもあった。が、それを細かく書くと分かりにくいし、ここでは連載開始と連載終了のみを記す、ということをしている。ご注意されたい。

 なお、新聞連載については、特に地方紙では、複数の新聞に少しずつ日がずれて掲載されるのが普通だった(『晴闘 雨夜の月』は静岡新聞にしか掲載されていなかったようだから、いろいろ例外はあるが)。従って、ここには代表として一つ挙げただけで、この新聞がその中で一番早かった――ということまでは確認していない。この種の書誌リストの基本了解のつもりだが、念のために書いておく。
 しかし、こうして見ると、新聞連載も多いし、週刊漫画雑誌や実話系の週刊誌にもかなりの作品を連載している事が分かる。昭和30年代デビューの作家には普通のことだったのかも知れないが、今の人間が書誌研究をしようとすると、大きな壁だよね、これも。


 とりあえず、上げるだけあげますが、随時直して行きます。
 こんなリストでも、多少は何らかの参考になると信じて……。


戻る

戸田和光