本文へスキップ
 
姫達磨之図ひめだるまのず


KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


表紙
設立の趣旨 全作品目録
精選作品目録 絵画作品目録 編者  







(達磨大師之像)
(達磨之像)



色紙。昭和52年。1葉。縦27cm 横24cm。(背景を削除)










玩具や模様として在る達磨を正面から図版のように丁寧に描写しています。顔面は円形の輪郭線の中に、細長い引目、貴人の眉、額に掛かる頭髪、小さな口元、顎の顎線に貴人の品格ある女性像で玩具の輪郭です、胴面に描かれた菊花が大きく鮮やかな模様として描かれています。顔面が優美で繊細、胴面が大胆に華やかな達摩像です。
同じ形態で張り子の達磨も作って楽しい幼児教育の教材とした事もありました。 面壁九年の達磨大師を作者は玩具的素材として面白く、大和絵の優美な人物画として華麗に、水墨画の禅宗人物画と威厳と公案しても創造した多様多面に敬服します。
大和絵の画法は作者が兵役除隊後に東京で活躍していた同郷の乾南陽日本画家の門下で修練しています。南陽先生の親類が東京美術学校の関係者で従人として教場で生徒と机を並べて制作したそうです、並び居る生徒と違い抜群の技量で有ったそうです。教場を覗いた正木校長にも「良い筋をしている」と褒められたそうです。教場で「四季山水図」「鳥獣戯画」「信貴山縁起絵巻」等の模写もしています。勉学も関東大震災に因り高知に帰る契機と成っています。 東京では佐田家年(台湾銀行理事、土佐出生)氏の書生として住み、沢山の蔵書を読書したそうです。


作品を創造するのが作家ですが、作品が作家の手を離れたら、その時から作品は作品の運命を歩みます。

生死無常の情感こそ矛盾です。この矛盾を、人間的愛情による調和の上に処理する事こそ知性だと思うのです。人は死という事によって、生を強く知る事が出来ます。

仕合(シアワ)せである時に、不仕合にならないように祈り、不仕合である時に仕合を願うのです。この時に無常という事を知る事が出来ます。不仕合を知らない事が不仕合せです。








  • ホームページの著作権は熙生紫花美術館に属します。無断で転用しないで下さい。