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達磨大師之像 だるまたいしのぞう

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KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


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(姫達磨之図) (姫達磨)


紙本墨画淡彩。 昭和63年。1幅。縦64.5cm 横31.5cm。



晩年に描いた達磨大師像です。太い墨線で衣の輪郭線を描写した膨(フク)よかな顔相と体躯で、 鋭い眼光で遠方に何かを観据えているようです。赤ら顔で鼻も太く豊かに、口も固く閉じ、頭も豊かに広く、 耳も大きく異形の相で意志の強固さを表現した像です。背景には微かに光背の様に円形の輪郭線があります。 後光に照らし出された達磨像に人間が悟りを得た平安な姿を観るようです。
作者は晩年になると芸術に就いて悟りの境地を得た様でした。 座禅に就いて、座禅は僧侶や世俗の生活に於いても簡便な修行方策だと認めていました。然し画家は画家の座禅を模索すべきだと話してくれました。
作者が時を得て朋を得た時は紫花人形の作者との運命的邂逅でした。この頃に制作された作品は将に作者の生涯最高の美の頂点を極めた傑作として伝世されたいものです。


雪舟の「慧可断臂図」を観て思いました。座禅をしている達磨大師にはもう背中で慧可を感じています。慧可か腕を切って大師に捧げたという事は、一切の己の自我を断ち切って無になったと解釈するのです。此処に初めて、師と弟子の関係が生まれて来るのです。

道を学ぶ、道を示す、即ち教育参学者は社会生活が進展する為に欠くことのできない、根源的な機能として、重要なものである。道を如何にして行なはしめるか、教への重大性がある。

歳が寄ると死が間近になります。死を如何に心安らかに迎える事が出来るとは、如何に日常に豊かな人間らしい生活をしたいかという事です。
死が不安な人間は、 やたらと人々に不平や不満を言う事になります。死が生に結び付くよう考える事は難しい事です。

兵隊に行く前でした。禅寺で老師に「風の色は何色か」と尋ねられ、「石山の石より白し秋の風」と答えると、老師はただ頷きました。






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