「これから論文を書く若者のために」
出版後の進行状況

若手研究者のお経
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2/29(日)の進歩 続・白い巨塔 スキーに行こうと 思っていたけれど、異様に暖かくなり雨も降るという予報にやる気を無くし、家でごろごろ過ごした。せっかくだからとビーフシチューを作り、珍しくケーキな ど買ってきてのほほんだ。テレビにも飽き、本棚から見つけ出した「続・白い巨塔」を読み出した(なぜか、「白い巨塔」は無かった)。昭和 40 年代の現代劇だけれど、登場人物の話し方がずいぶん時代がかりな印象を受ける。あの頃は、こんな大袈裟な話し方をしていたのか? それと、「国立大学の教授は 12-13 万円の給料を取っている」と言われても、反応に苦しんでしまう。ともかく、早くテレビを追い抜こうと読書に勤しんだ(<-- 随分昔に読んだのだけれど、大まかなところしか覚えていない)。
2/28(土)の進歩 挑戦 ただ今、生命科学研究科の 旧態依然とした姿勢に敢然と闘いを挑んでいる。ああ、やっぱ、この子が側にいると落ち着くよ。
 しいちゃんが、論文を無事に投稿した模様だ。これにて全て完了、お疲れさまでした。必ず吉報を届けるので、信じて待っていておくれ。
 さ、ブランメル生態のサッカーの練習に行こう。エレベータを使うことは避け、人目に付かないよう階段で研究棟を出るのだ。
2/27(金)の進歩 異常な世界  前置き無しに問題。以下の二つの論文タイトルは、同じか違うか答えよ。

・Functional differentiation between the outer and the inner perianthes in Iris gracilipes (Iridaceae).
・FUNCTIONAL DIFFERENTIATION BETWEEN THE OUTER AND THE INNER PERIANTHES IN IRIS GRACILIPES (IRIDACEAE).

正解は「同じ」である。小文字を使っているか全部大文字で書いたかだけのものなのだから、同じに決まっている。ところが、生命科学研究科教務掛にはこの常 識が通用しない。「どこが同じなんですか?」と声を荒げるのだ。ちな みにこれはモリナガの修論のタイトルで、上は、「論文題目届け」に書いたもの、下は、提出した修論の表紙に書いたものである。他の学生の修論タイトルに対 しても同様で、論文題目届けで「、」「( )」(丸括弧)、修論表紙で「,」「[ ]」(鍵括弧)だと、「どこか同じなんですか」とキレる。そして学生を 教務係に呼びつけ、「論文題目訂正届け」を出させるか、修論表紙のタイトルを修正させるのだ。隅から隅まで時間の無駄、紙の無駄でしかない。教務係は、こ んなことをして、いったい何を得ようというのであろうか?モリナガへ、もめ事は広瀬さんが解決してくれた。心配無用。心配してもいいけど。
 昨夜は、修論の打ち上げにと、くにっち・しいちゃん・ひさし・私の四人で陸女寿司に行った(モリナガは病欠。いじわるして誘わなかったわけではない)。 陸女で美味しい寿司を頂いた後、街に繰り出して(陸女寿司は郊外にある)二次会・三次会と盛り上がり、帰宅したのは午前三時過ぎだった。楽しく、かつ充実 していた。みんなが、研究室を良くしようと心を砕いていることがわかった。そして、先輩としてどういうことをすれば良いのか、私はどう指導すべきかなどを 真剣に話し合った。三人とも、三年の間に大きく成長したなあと、もう感激。「先生、長生きして下さい。退官記念パーティーに駆けつけます」(注;まだまだ 先のこと)と激励され、楽しい昨夜を終えた。
 論文執筆のための文献読みをつらつらしながら、ヒラガ・ちのと研究計画の議論をした。りんかとも、メールで計画を練り始めた。
2/26(木)の進歩 訂正版 父と子、母と子の物語  2/24 の進歩に書いた「父と子、母と子の物語」に、間 違いがあった模様である。お詫びはせずに、訂正版をお届けする。

ヒラガ 「ただいまーー。正月も帰ったけどまた帰ってきたよ」 *正月にも帰省したらしい。
父・母 「いらっしゃい。」 *あまり帰ってこないので、よその子扱いされている(これは想像)。
ヒラガ 「さあ、テレビを見よう。」 *テレビを見ながら話したらしい。
父・母  じーっとテレビに見入る。
ヒラガ 「雑談もしようよ。」 *雑談中の話しだったらしい。
一同  「わいわい、ぺちゃくちゃ。わいわい、ぺちゃくちゃ。」
ヒラガ 「青年海外協力隊員を目指すことにしたよ。」
母    口を、ぱくぱくぱくぱく。 *母は面食らっていたらしい。
父   「デキちゃった結婚するのかと思った。」 *いらぬ心配をしたのは父だけらしい。

という感じと想像するが、どうも味わいに欠けるな。
 彩子と石川の卒業研究発表会。お疲れさま。彩子の研究は、調べると面白そうなことがたくさんある。来年度に向けて楽しみが一杯だ。でも、盛りだくさん過 ぎて、一人でやるのは大変そう。さて、どうするか。
 りんか(来年度 M1)の研究材料のフキが、もう開花寸前という感じで大焦りだ。これだから地球温暖化は嫌なんだ(憤然)。
2/25(水)の進歩 御中 くにっちがとうとう、論文 を投稿するために英文校閲に出すことになった。校閲先は、当研究室御用達の NewDay School という英会話学校だ。封筒に原稿を入れて宛名書きをするくにっち。住所を縦書きにしたので、宛名も、

N
e
w
D
a
y
S
c
h
o
o
l

と縦書きにしていた。さらには「御中」と書いた。「御中と言えるようになったのか」と私が感心すると(さすが就職組)、「えー、くにっちさん、御中と言え るようになったんですか」と彩子もびっくりしていた。素直な後輩だねえ。
 今日もひたすら論文読みと論文集め。その合間に、みっちー(小黒君の仮称;来年度の卒業研究生)の卒業研究のテーマを話しあったり、宏太(現卒業研究 生)とデータ解析の相談をしたりした。
2/24(火)の進歩 父と子、母と子 これは、ヒラガ が語った、父と子、母と子の物語である。正月に帰省しなかったヒラガは、先週の末、久しぶりに実家に戻った。両親に話さなくてはいけないことがあったの だ。自分の進路についてだ。本当にやりたいことは何なのか、それを長く考え続けていたヒラガは、ようやく結論を見出した。

「青年海外協力隊員となって、海外で生態調査をしたい。」

両親は理解してくれるか ---------------。日本国内で就職するのとはわけが違う。危険を伴うこともあるだろう。赴任したら、当分日本に戻ることも無い。ヒラガは、 今、自分の前に座っている父と母から受けてきた暖かい愛情を思い出していた。余計な心配はかけたくない。しかし、決めた道だ。話を切り出すヒラガの表情か ら察したのか、両親は、緊張した面持ちで言葉に耳を傾けた。話し終わると、しばしの沈黙が部屋を包んだ。やがて父はふっと息を吐き、静かに言った。

「そんな話だったのか --------------。デキちゃった結婚するのかと 思った。

 ご子息の名誉のために言うと、そのような可能性は皆無である。 ファッションに目覚めたヒラガ(2/10 の進歩参照)と はいえ、デキ婚に至るまでには、目覚めなくてはいけないことがまだたくさんあるのだ。それにしても、ご両親二人とも同じことを思った(ヒラガ談)というのはすごいと思った。完。語 り:ヒラガ 脚色:酒井 青年海外協力隊の話は許しを得たそうである。目出度し目出度し。
 昨日に引き続き、佐々ちゃんのデータを論文にするための文献集めと文献読みを行った。そこへモリナガが、論文の改訂稿を持ってきた。議論を弱めて投稿す ることにした模様だ(2/20 の進歩参照)。くにっちも、昨日の私のコメントに従って改訂した修論を持ってきた。取り込んでいたので、「そこに置いておいて、読むかどうかわからないけ ど」と答えた。その後、卒業研究の発表をする彩子のスライドと宏太のデータにコメント。
2/23(月)の進歩 雪 雪が降っている。ほっとし た。昨日と一昨日の異様な暖かさに、「今年の冬は早や終わりか」と悲観してしまったのだ。まさに楽観は許されないが、とりあえず冬は続くと見たい。
 くにっちの修論の改訂稿を読んだ。審査の過程でいろいろ修正したので、私が最終検閲をする必要があったのだ。本人が温泉に遊びに行っていると思うと、どうもやる気が起きないなー。
 彩子の卒業研究のデータにもコメントした。花の大きさへの依存性に着目した各種解析をしてみてはどうかと意見を述べた。その後はひたすら、論文執筆のた めの文献集めをした。
2/22(日)の進歩 祝合格 熊ちゃんが、青年海外協 力隊の採用試験に合格した。おめでとう、良かったね。これで、私の研究室出身者の合格者は三人目、来年度に受験する学生も一人いる。青年海外協力隊への登竜門として、私の研究室は大きく羽ばたいていく。もう、 「来たれ若人!」って感じ。
 昨日、コブ斜面を滑りまくったせいか全身疲労で何もする気が起きない。惨敗する横浜 F マリノスをテレビで見たりしながら、ぼんやりと一日を過ごした。そういえば昨日は、ベガルタ仙台が福岡に 1-5 と惨敗。この時期に一喜一憂してもしょうがないけれど、いい気分はしない。3/13 には早くも J リーグが開幕し、仙台は横浜と対戦する。横浜と言っても、F マリノスではないんだよなあと、陥落の現実を改めて思い出してしまった。
2/21(土)の進歩 コブ斜面に進んで行く 一人で、 山形蔵王にスキーに行った。ブランメル生態のサッカーに行こと思っていたけれど、明日は天気が悪いとのことなので今日にしたのだ。みな同じことを考えたの か、ゲレンデはすごい人出だった。スキー教室に入ろうかと思ったけれど、どうせなら人の少ない時に(個人教授になりやすい)と、今日は入るのを止めにし た。その代わり、講習している側にすーっと寄って行って講師の話に聞き耳を立て、独り私もその通りに練習してみるという、内の学生が見たら嘆きそうなセコいことをした。さらに今日は、大森の壁とか中央 の壁とか、コブコブの斜面に進んで行ってしまった。信太郎に連れて行かれることはあっても自分から行くことなんてなかったのに、私もワルになったものよの う。コブ滑りは、前よりはましになったけれどまだ全然という感じ。でもなんか、面白くなってきてしまった。
 今日は、憤然とする暖かさだった。これでも冬か?という感じだ。雪はべちゃべちゃで快適感ゼロ。地球温暖化撲滅に向け、誓いを新たにした。
 録画しておいた、U23 日本代表対韓国代表の試合を見ようと思ったら、何故か録画に失敗していた。どうせ負けたんだろうとふて腐れたけど、快勝だったらしい。見られなくて悔し い!
2/20(金)の進歩 みんな合格おめでとう 修論生は 四人とも、修士最 終試験(修論発表会)に合格したらしい。このことを伝えたら、「やったーー!」とみんな喜んでいた。どうも、誰も知らなかったようだ。実は、私もちっとも 知らなかった。やはり、修論発表会終了後の会議をさぼったのはまず かったか。
 二年前の卒業研究生である佐々ちゃん(今は社会人として働いている)のデータを投稿論文にしようと立ち上がった。面白いデータなので、是非とも論文にし たいのだ。というわけで、文献を集め始めた。それにしても、文献集めは楽になった。大抵の文献は、コンピュータの前に座ったまま(PDF ファイルが)手に入るようになったのだから。製本された重い雑誌を抱えてコピーに駆けずり回った昔が嘘のようだ。
 モリナガと、修論のデータについて改めて議論した。一カ所気になるところがあり、もう一年データを取るべきか、それとも議論を弱めるべきか、非常に難し い判断を強いられている。普通なら(<-- 私基準)、知らんぷりして投稿してしまうところだけれど、真摯に科学するモリナガはとても偉いと思う。
2/19(木)の進歩 生きた心地せず 昨日のオマーン 戦は、修論発表のお疲れ会を兼ねて、セミナー室で飲みながらみんなで見た。ゴールをつまみに美味しい酒が飲めるかと思いきや、オマーンの堅い守りに手こ ずって点を取れない。ようやく PK を取ってさあ安心と思ったら、中村があっさり外してしまった。私はだんだん、「これはまずいのではないか」と思い出した。何しろ、点が入る気がしない。中 田も中村も高原も柳沢もしゃきっとしないし、山田と三都主の両翼はほとんど機能していない。一方、時より見せるオマーンの逆襲はスピードがあって怖い。後 半の半ば、ようやくスペースが出来だしてゴール前に迫るようになったけれど、やはり点が入らない。オマーンが引き分け狙いに転じたこともあり負けるとは思 わなかったけれど。このまま引き分けでもしてジーコが解任されれば、日本にとってはその方が良いかとさえ、私は考え出してしまった。しかーーし、ロスタイ ムに久保が冷静に決めてくれた。まさに値千金のゴールで、一次予選の見通しがぐっと良くなった。とは言っても、ジーコ監督のままではいつまで経ってもこの 繰り返しではないだろうか。川淵キャプテン、精 神安定剤を飲んで試合を見るなどという対症療法は止めて、根本的な治療(監督交代)を考えるべきだぞ。
 彩子の卒業研究のデータを見せて貰った。さらなるデータ解析について相談した。
2/18(水)の進歩 修士論文発表会  とうとう、修論 発表会の当日となった。一番手のくにっちは、やや緊張気味の話し方だったものの、立派に説明し通した。最後の謝辞のスライドでは、「これ論」の表紙(彼 は、表紙の右端の選手)の自分の姿を映していた。会場でただ一人、私だけがウケた。質疑応答では、占部さんの質問の意味を取り違え気弱に返答。その後急に 質問の意味を理解し、「説明のスライドを用意してきました」と胸を張った。わかりやすい奴だ。二人目のひさしは、時々言葉に詰まって冷や冷やさせた部分も あったものの、ちゃんとやり遂げた。15 分経過の鈴が鳴った時は(発表は 15 分)、昨日の練習で 19 分かかったことが頭を掠めたけれど、少々の超過で済んだ。三人目のしいちゃんは、最初から最後まで堂々としていて実に立派だった。大きくなったなあ。社会 人となって、会議でプレゼンテーションする姿が重なって見えた。四人目のモリナガも、堂々と発表を終えた。練習では、15 分 0 秒ちょうどで終了という快挙を成し遂げたモリナガ(しかし、その「ぴったし感」の割には大して意味が無い)。本番では 15 分を数秒切ったか? 質疑応答で、質問者の意図を捉え損ね難しく答えてしまったのが残念。
 終了後、しいちゃんとモリナガは、ビデオ制作会社の人にカメラの前でインタビューを受けた。生命科学研究科受験生に見せるプロモーションビデオを作るの だ。

「生命科学研究科で印象に残ったことは?」「所属の名前が長くて覚えられないこと。」
「生命科学研究科の悪い所は?」「講義の質が酷い!」
「生命科学研究科への要望は?」「学生に関係する情報は、私たちにも知らせて欲しい。」

うむ、これでいい。正直、生命科学研究科は、人に自慢出来るところではない(断言)。ただし、編集する方は苦労するだろうな。個人的には、何度も NG を出されたのに、「優秀な指導教官(私のことだよーん)の元で研究を続けたい」という進学理由を言い続けたモリナガに感激した。いつ、違うことを言い出す かと思っていた。なのに、籍はこちらに置きつつも、来年度から他の研究所に移ってし まうというわからない人である。
2/17(火)の進歩 「りんか」と「ちの」 昨夜、鈴 木由佳さん(来年度 M1)の歓迎会を我が家でやった。会での最大の議題は、鈴木由佳さんと内野祐佳さん(来年度卒業研究生)の愛称をどうするかということであった。二人とも 下の名前は「ゆか」なので、区別しないといけないのだ。かといって、鈴木さん・内野さんと呼ぶのは論外である。私には、「○○さんとそのまま姓で呼ぶのは 他人の始まり」という信念があるのだ。協議の結果、鈴木さんの呼び名は「りんか」となった。「鈴木由佳 --> 鈴佳(すずか)--> 鈴はりんりん --> だから「りんか」」という由来である。かたや内野(うちの)さんは、「うっちー」「うっちゃん」を本人が拒否。「う」に対するこだわりを捨てるべきではな いかということで、「ちの」となった。
 修論生に朗報だ。修論発表の審査基準 ------- 唯一の審査基準 ------- は以下であるのだ。

「最終試験の成績は,研究の目的と方法が明確になっているか,その目的を達成するためになされた努力に基づいて判定する。」

つまり、目的と方法が明確であれば、結果はどうだっていい。結果無し でももちろん問題なしだ。さらには、研究目的の意義付けも不要である。目的を明確にしさえすれば、その目的の科学的重要度・面白さはどうだっていい。手法 も、明確でありさえすれば良く、的確である必要はない。発表用ファイルの正しい作り方:1) 太く大きな字で、研究の目的と方法を明確に書く。2) 目的の意義付け(どうしてやるのか)は説明しない。そんな暇があったら、目的と方法を繰り返し書いて、より明確にする。3) 結果も説明しない。その替わり、どれだけ努力をしたのかを走馬燈のように振り返る。
 明日はいよいよオマーン戦だ。油断大敵である。オマーンは韓国に 0-5 で負けたものの、ひょっとしたらわざとかもしれないのだ。なにしろ、2 失点はオウンゴール、1 失点は PK である。一点目のオウンゴールなんて、故意という気さえした。日本を油断させて、足下を掬おうという作戦ではないか。しかし裏を返せば、まともに闘っては 日本に勝てないという自信の無さの現れとも見て取れる。だから、油断をせずに勇気を持って闘えば日本は必ず勝てるのだ。
2/16(月)の進歩 鈴木さんの卒業論文発表会 来年 度に内の研究室の修士課程に入る鈴木由佳さん(現秋田県立大)が、卒業研究の発表をしに来てくれた。フキの性表現に関する研究で、雄花序・雌花序以外に、 雄雌花序があるというものだ。雄雌花序に適応的意義が見出せれば、すごく面白そうな研究になると思う。終了後、先輩たちに囲まれていろいろ議論。フキは来 月には咲くので、研究計画を早急に練らないといけないのだ。
 くにっち・モリナガ・ひさしの三人が、修論発表の練習をした。くにっちのは、一回目に比べすごくすっきりしていた。あと少々の直しで完璧だろう。モリナ ガもほぼ完成。モリナガの変わっているところは、「検討します」と騙くらかしておい て2/9 の進歩参照)、ちゃんと検討して直していることだ。ひさしは、ようやく今日一回目の 練習をした(先週土 曜日にやるはずだったのに延期となった。めっ!)。明日も続けて練習をして明後日の本番に臨むという、まるで欧州組のようなぶっつけ度である。
2/15(日)の進歩 家でゆっくり スキーに行くかど うか迷ったけれど、日本海側は大荒れの天気という予報で断念した。実際、仙台市内も風が強くて、スキー場は大変だろうなという感じだった。で、たまには家 でゆっくりしようと、おでんを作りながら DVD を見て過ごした。おでんは、どうしても多量に作り過ぎてしまうことがわかっているので、今日は、始めから鍋を二つ用意して作った(いつもは、作っているう ちに鍋に入りきらなくなって、鍋を増やす)。一人暮らしだというのに、二つの鍋にてんこ盛りのおでん。これから一週間はおでん三昧だ。
 オマーンが韓国に大敗した。しかし素直に信じてはいけない。どうも怪しい。日本を油断させるためにわざと大敗したのかもしれないぞ。ともかく、18 日は命を賭けて闘って欲しい。
2/14(土)の進歩 もうすぐ W 杯予選  何と来週水曜日に、W 杯の一次予選が始まってしまう。初戦はホームにオマーンを迎え撃つ。ジーコ日本、大丈夫かなあ? 欧州組は直前に合流だし、三都主は使い続けるし、イラク戦はしゃきっとしなかったし、オマーンは侮れないし。まさかとは思うけど、負けたりしたら大変だ ぞ。
 テレビ中継はどこがやるのだろう? 今週・先週の中継で、史上最悪の地位を確立したテレビ朝日だけは止めて貰いたい。とくに角澤アナは絶対に願い下げた。なにしろ、

・試合展開を実況することが仕事だというのに、話すことの 90 % は試合展開と関係ないこと。「平山効果」だの「中村俊輔の登場はいつか」だの「弟分 U23 は」だの。まったくもって、騒音でしかない。
・選手を覚えておいて、ボールに関与している選手の名前を言うことが、実況で一番大切なこと。ところが角澤アナは、イラク選手をほとんと覚えていなかっ た。「ドリブルするイラク代表」とか(名前を言えというの)「23 番 ………○○選手」とか(記憶を辿るな)とか。はっきりいって、プロのアナウンサー の仕事ではない。

今週の中継を見ながら、テレビ朝日の中継は絶対見ないと誓ってしまった。
 最適な卵の大きさの論文を一通り改訂し終えた。共著者の原田さんに原稿を送り意見を待つ。さっさと投稿してしまいたいものだ。その後、たまっていたエ ディターの仕事をこなした。
 ブランメル生態のサッカーに行った。どんどん、知らない人が増えている。「あの人誰?」と聞くと「知らない」という答えがけっこう返ってくるので、みん な知らないままにやっているみたい。
2/13(金)の進歩 祝アクセプト  Behavioral Ecology and Sociobiology に投稿していた友蔵の論文がアクセプトされた。おめでとう。いろいろ苦労もあったけれど、通ってしまえばみんな良い想い出に変わる(かな?)。これに勢い づいて、次の論文も頑張っておくれ。
 三上らの博士論文発表会があった。お疲れさま、そして合格おめでとう。
 しいちゃんが、修論発表の練習をした(二回目)。一回目に比べ、驚くほどわかりやすくなっていた。この調子で本番もゴーだ!
 生命科学研究科(私の所属)の研究科長から直々の電話があった。「(大学に)犬を連れてくるそうだけれど、それは止めて欲しい。そりゃそうでしょ」との ことだ。じゅりを可愛がってくれている皆様方、もう連れてくることは出来なくなりました。さようなら。私も来るのを止めようかな。
2/12(木)の進歩 プレーリー 来年度研究室に入 る、小黒君・内野さんと重要な議論をした。愛称をどうするかということだ。かつて、「しんすけ」「友蔵」と好き勝手な名を付けてきた反省から、本人の意向 を聞くようにしているのだ。小黒君曰く、「「プ レーリー」と呼ぶ同級生がいます」。ウケた。雰囲気が似ていなくもない。しかし実は、私の講義で「オグロプレーリードック」というのが出てきて、 それ以来、「小黒プレーリー」ということらしい。さ、小黒君の呼び名はどうなるのか、しばらく目が離せないぞ。一方の内野さんは、下の名前で「ゆか」と呼 ばれているらしい。しかし来年度から、「ゆか」がもう一人入ってくるんだよね。さて、こちらもどうなるか。注1;これらは、真面目に研究の話をした後の会 話である。と、私らしくもない注意書きをする。注2;私たちが話しているとき、ヤスムラが、隣室にさーっと入ってこちらを覗き(ドアが開いていた)、また さーっと去っていった。この行動には目的があったと認む。
 日刊スポーツより。ベガルタ仙台のベルデニック監督は理論派で、選手はかなり頭を使わされるらしい。そして、キャンプ当初に風邪で倒れる選手が続出した のは、「知恵熱」によるものだそうだ。こら君達、大丈夫かね。
2/11(水)の進歩 最高のスキー日より 信太郎・し いちゃん・ヒラガ・私の四人で、山形蔵王にスキーに行った。信太郎が、上級者用の立派な板を持ってきていて、私に貸してくれた。持ってみると、私が普段 使っている初心者用に比べすごく重い。禁断の世界に入ってしまいそうだ(<-- 新しい板が欲しくなる)。
 今日は快晴で、最高のスキー日よりだった。さっそく頂上へ登り、青空に映えわたる樹氷を楽しんだ。しいちゃんは、携帯で樹氷の写真を撮ってくにっちに 送った。先月くにっちと来たときは、山頂はガスで視界が悪くて、「これじゃ樹氷じゃないですよね」とくにっちは言っていた(じゃ、何なんだ?)。ならば と、「この美しい樹氷を見ようよ。12 時に、サンライズゲレンデで待ってるね」とメールに添えた。しかし返事が来ない。サンライズゲレンデにも現れない。後で判明したことであるが、携帯の電池 が切れていたそうである。きっとわざとだ。そして二人だけの世界に浸っていたんだ。くにっち、ひどーい。
 スキーの講習を受けている高校生の団体を見て、「よく、(生徒が先生の)言うこと聞きますね」とヒラガが不思議そうに言う。「僕が高校生の時は、「つま んねー、スキーやらせろ」って感じで、言うこと聞きませんでしたよ」とのことだ。そうなのか、ヒラガの意外な一面を見た。と、今度は、小さな子がハの字で 直滑降で滑り降りていた。私が、「子どもってああいうの多いよね」と言うと、ヒラガは、「僕も大学一年までああでした」と答える。言うことを聞かないからだ。
 今日は、信太郎師匠に、コブの滑り方を特訓して貰った。横倉ゲレンデにコブ練習用のコース(人工的に作ったコブが連なる)があったので、まずはそこで滑 り方を教わった。最初はまったく駄目だったけれど、その内に何とかなるようになった。そして今度は、大森の小壁に行って本物のコブに挑戦した。しかしてん で駄目だった。コブを制覇する日ははるか遠くにありそうだ。
 重い板でたっぷり滑ったので、今日はかなり疲れた。ビールを飲みながら、U23 日本代表対ロシア A 代表の試合を見ていたら、気づくと寝ていた。明日は筋肉痛か?
2/10(火)の進歩 ヒラガ、生まれ 変わるか? かねてからの約束通り、彩子が、ファッションセン ターしまむらにヒラガを連れて行った模様だ。目的はもちろん、服装に無頓着なヒラガの精神を叩き直し、上から下まで完璧な安さでコーディネー トすることだ。服購入の予算がいくらか気になるところだが、しまむらなら、5000 円もあれば買い放題である。ヒラガ、華麗なる変身を遂げるのか! 生まれ変わったヒラガは、友蔵 の日記で堂々公開のことと思う。ああ、楽しみだ。
 今日も一日論文読み。だんだん、どうでも良くなってきた。
2/9(月)の進歩 修論発表練習  しいちゃん・くにっ ち・モリナガの三人が、修論発表の練習をした。しいちゃんのは、一昨日かなり情報を削ったつもりだったけど、もう一削り足りなかったか。花の高さの話を 削って、すっきりすることになった。くにっちのは、情報量としては適正だったけれど、ところどころ分かり難いところがあり、議論が紛糾した。そして、ミヤ マタムラソウの写真をネットから勝手に取ってきたことを気にして、「肖像権の問題どうなるんでしょうね?」。肖像権じゃなくて著作権だ。モリナガは、こう直したらどうかと指摘されると、 「検討します」とぴしゃりと答える。「この答え方なら、議論がすぐ済んでいいですね」とヒラガが感心していた。でもモリナガは、「質疑応答になると冷たく なっちゃう」と反省模様だった。ま、三人とも今日が初めての練習。通例、回を重ねるごとにびっくりするほど上手くなっていくので、心配無用だろう(通例だ よ、あくまでも)。練習終了後、ヒラガと三年生が、くにっちにわからなかった点を質問していた。それに答えようと関連論文を出すくにっち。見ると、使用済みの紙に論文を印刷している。関係ない文字が印刷してあって読みにくいっ たらありゃしない。「これ、大した論文じゃないので構わないんです」と無礼な弁護をするくにっちであった。
 自分の論文を改訂するために、関連論文を今日も読んだ。方向は固まってきたけれど、もうちょい改訂には時間がかかりそうだ。
2/8 (日)の進歩 信太郎と遭遇 一人で山形蔵王にスキーに行った。先週スキー教室で習ったことを復習したかったのだ。一人でいろいろ 練習してみたけれど、うまく出来ているような出来ていないような。試しに急な斜面を滑ってみると、なんか前と変わらない、というよりかえって下手になって いる感じだった。これだから、趣味において努力するのは嫌なのだと憤慨した。でも一方で、いろいろ練習するのが楽しくもあった。午後二時頃、サンライズゲ レンデのリフトに乗っていたら、下からストックを振っている人がいた。私には関係ないだろうと思ったが、よく見ると信太郎(スキーの名手;研究室の卒業 生)だった。広い蔵王スキー場、しかも変装している(帽子を被ってゴーグルを付けている)のに良く会えたものだ。「一所懸命練習している人がいるので誰か なと思ったら先生でした」とのことだ。それからは、みっちり三時間、信太郎が特訓をしてくれた。非常に充実した内容で、とてもためになった。この三時間で 得たものは、私が三年間、彼に教えたものをはるかに上回るものであっ た。信太郎、どうもありがとう。また教えておくれ。
2/7(土)の進歩 平穏な一日 孫の手で背中を掻いて いたらしいちゃんが来た。幸せな風景だ。そして、修論発表用のスライドを見せて貰った。どう考えても時間超過しそうなので、一緒に情報削減をした。
 今日も論文読み。外国人の論文は、調査場所がどの国・地域か書いてないことが多く困る。
2/6(金)の進歩 じゅり、困る じゅりが「きゅい ん」と悲鳴を上げた。見ると、左後足を左耳に当てたまま固まっている。耳を掻いていて、爪で傷でも付けたのだろうか?  いつまでもその姿勢のままなので、どうしたのかと耳をさわってみた。と、毛玉に爪が 引っかかって取れなくなっていた。それで困っていた模様である。留守中にこうなったら大変だ、もっと手入れをしようと思った。
 三年生の小黒君も、来年度から私の研究室に入ることになった。テーマはすでに絞れていて、植物と食害昆虫の関係を調べる。歓迎! 頑張って、充実した研究室生活を送っておくれ。
 恐れていた通り、白い巨塔の良心派医師、里美助教授の家庭が崩壊の兆しを見せている(2003/11/21 の進歩参照)。医療裁判で患者側の証人に立つという夫に、「大学を追われるかも知れない。何 のためにあなたを支えてきたの」と妻がプッツンだ。大学を追われ妻子も去ってでは、いくら何でも災難と思う。でも、視聴者はあなたを応援しているぞ! ちなみに熊ちゃんは、被告側の弁護士が「いけてる」そうである。
 白い巨塔を見ていて、何年か前の東北大の総長選挙のことを思いだした。医学部が K 教授を押し立て、全学の有権者に K 教授推薦文を送って来た。と、しばらくして、医学部の人(教授だったか助教授だったか?)から、「私は K 教授を支持しません」という実名入りの手紙が来た(ほんとに)。私 の所に来るくらいだからこの方、全有権者に同じ手紙を送ったのだろう。すごいことをする人もいるもんだと感心した。今も元気に医学部で働いていらっしゃる か、大変気になるところである。
 昨日に引き続き、自分の論文改訂のための関連論文集めと読み込みを行った。
2/5(木)の進歩 冷却期間は大切だ 14 分でリジェクトされた自分の論文の改訂に取り組んだ。読み直してみると確かに、現実の生物と 関連づけた議論が不足している感じだ。関連論文を読みながら、考察をどう改訂するか思案した。改めて思ったのは、久しぶりに自分の論文を読むと問題点が見 えてくるということ。やはり冷却期間は大切だ。くにっちの修論を今日久しぶりに読んだときも、問題点がいっぱい見えてきたし(<-- 最終提出までに、もうちょい直そうね)。
 たけしが、「ベガルタ仙 台2004年J2優勝大作戦(その3)」を書いた。読み応えがある。仙台サポーターは必読と思う。
 ストロベリーコーンズが、ベガルタ仙台のユニフォームスポンサーから撤退した模様だ。この会社は、仙台が J1 に上がったらスポンサーとなり、降格したら去っていったというわけである。つまり、良 い時だけ寄ってくるダニということだ。もう二度と、ストロベリーコーンズのピザは食べない。注;カニトップも撤退したけれど、この会社は、 J1 なんて夢物語という苦しい時代に仙台を支えてくれた。その点、ストロベリーコーンズとは大違いである。
2/4(水)の進歩 祝、更迭 久しぶりにベガルタ仙台 の HP を見たら、とても良い知 らせが載っていた。世間のひんしゅくを買っていた斎藤広報が更迭されたのだ。----------- 数日前、ベガルタ仙台の紹介番組を CS で見た(J リーグ 28 という番組で、各クラブを紹介しているもの)。他のクラブはクラブハウスを必ず紹介しているのに、仙台では何故か紹介されなかった。その替わり、 「立ち入り禁止」という帯がクラブハウスの周りに張り巡らされているのが映った。何がお気に召さないのか、マスコミを締め出しているのだ。ファンにクラブ のことを知って貰う良い機会だ というのに(呆れ)。それをやったのが、斎藤広報である(2003/12/8 の進歩も参 照)。鈴木武一も クビにしたし、名川新社長、案外期待出来そうだ。
 月初めの談話会。修論生は一様に達成感溢れる表情だった。しかしまだ終わりではない。9 日に一斉に発表練習することになった。本番での発表時間は、発表 15 分+質疑応答 5 分である。くにっちは、「発表 12 分+質疑応答 3 分という噂を聞いたんですけど」と疑問を呈した。そして、「この噂、どこから流れたんでしょうねえ。ひょっとして自分で流したのかな」と、わけのわからないことを言っていた。
 友蔵の論文改訂稿にコメント。レフリーの指摘に従い、モデル解析の部分を削った。苦渋の決断ではあるが、やむなしか。
 三年生の内野さんと加藤君が研究室に来た。酒井研に配属希望とのこと。よくいらっしゃいました。歓迎します。共に頑張って、輝かしい研究室生活にしよ う。
2/3(火)の進歩 スキー教室に入る 何を儚んだの か、スキー教室に入ってしまった。暁子に「入れ入れ」と勧めていたら、私も一緒に入ることになったのだ。平日のため入校者は少なく、私も暁子も(クラスが 違った)一対一の個人教授という厚遇となった。初めから個人教授を頼むと値段が五倍になるのだから超ラッキーだ。で、入ってとてもよかった。自分の滑り方 の悪いところを指摘してくれて、それを直す訓練をしてくれた。教室に入らなかったら、気づかずに悪い滑り方のまま人生を送っていたであろう。練習方法もわ かったので、独習も出来る。これからは、躊躇せずにもっと気軽に教室に入ろうと思った。
 午前でスキーを切り上げ、じゅりと一緒に車で仙台に戻った(暁子は、電車で横浜へ帰った)。途中、「花と緑と石油の里」という看板を車窓に見ながら、ひたすら車を走らせた。七時 頃に帰宅。何だかんだで楽しかった。来年もまた行こうかなという気になってしまった。
2/2(月)の進歩 最悪、雨のスキー場 天気予報が雨 というのは知っていた。しかしここは真冬のスキー場、まさか雨は降らないだろうと思っていた。ところが、朝、池の平スキー場に車で向かう時には本当に小雨 が降り出した。「ゲレンデはきっと雪」と願い込んだが、着いてみると、冷たい小雨がぴちぴちと頬を打った。真冬だというのに信じられない。一刻も早く地球 温暖化を撲滅しないと地球は終わりだ。雪質も悪くスキーが滑らない。なんか腹が立って来た。楽しみにしていたスキー温泉旅行だというのに。と、向こうの方 の山に、別のスキー場が見えた。標高も高く、あそこなら雨ではなく雪で、雪質も良いかも知れない。聞くと、斑尾スキー場だそうだ。30 分くらいで行けそうなので行ってみることにした。しかし斑尾に着いてみると、雪質こそましだったもの、やはり雨が降っていた。なんなんだよ、これー。それ でも頑張って斑尾でしばし滑った。しかしその内に飽きて来て、「赤倉温泉スキー場(池の平とは別の所)に戻ろう」ということになった。赤倉観光ホテルゲレ ンデに戻り、一時間ほど滑降。でもやはり雨が降っている。「もういいや」とふて腐れ、四時過ぎに早々に引き上げたのであった。思えば、池の平 -> 斑尾 -> 赤倉と、一日に三つのスキー場をはしごしたことになる。これも全て、地球温暖化のせいだ。
 スキーを終え宿の部屋に戻ると、お留守番をしていたじゅりが飛び出して来た。気のせいか、じゅりの身体が奇麗になっている。ルームサービスが、部屋だけ でなくじゅりまで奇麗にしていってくれたのか?だとしたら、素晴らしいサービスだ。
2/1(日)の進歩 じゅり、そりにびびる 早朝、横浜 を出発して赤倉温泉へと向かった。11 時前に赤倉に到着し、宿にじゅりを預け昼食を摂り、ゲレンデへと向かった。赤倉温泉スキー場の案内図を見ると、初級ゲレンデが少なくて中級・上級ゲレンデ が多い。山形蔵王は初級ゲレンデが多くて、中級ゲレンデは本当に厳しいので、赤倉は恐いのかと少々怯んでいた。ところが滑ってみると、赤倉の中級ゲレンデ は山形蔵王なら初級ゲレンデという感じであった。「初級ゲレンデの女王」暁 子も、中級ゲレンデが似合いだしてしまった。すっかり舐めきった私たちは、「かんらかんら、片腹痛いわ」と山の上の方の中級ゲレンデへと行った。ところが そこは正しかった。コブコブの斜面で、コブの滑り方を修得していない私たちは、「悪かった」の心一杯にどうにか滑り降りた。今度信太郎に、コブの滑り方を 特訓してもらおう。
 スキーが終わった後、宿にあったそりを借りて、じゅりを連れてゲレンデに行った。まずは、私がじゅりを抱っこしてそりに乗り、ゆるい坂を滑ってみた。ス ピードが出てくると、じゅりが急に怖がり出し、私が足でブレーキをかけて雪が身体に飛び散って来たらもう大変。後ろを向いて私によじ登ろうとした。ま、最 初は慣れていないからと思い、今度は、暁子がじゅりを抱っこして滑ろうとした。しかし、初めから前を向こうとしない。そして、横を向いたまま知らんぷりで 滑り降りた。三回目に、また私がじゅりを抱っこしてそりに乗った。むりやり前を向かせようとしたら、じゅりが抵抗して仰向けになってしまった。構わず ゴー! 滑り出したら、またしても私によじ登ろうとした。そんなに恐いの?じゅりにしたら、自分が動いているという意識はないので、恐いもの(景色)が自分に向 かって突進してくるという感じなのだろうか? しかしこれで終わりではない。そう、単独滑走だ。非常にゆるい所で、じゅりだけをそりに乗せそうっと滑らせようとした。回りで見ていた人から、「あー、ア イフルだ」と期待の声がかかる。しかしじゅりは、ちょっと滑ったらすぐにそりから降りてしまった。何度か試してもすぐに降りてしまう。回りの人の、「あ あ、駄目だ」という暖かい声とともに、じゅりのそり初挑戦は終わったのだった。じゅり、明日こそ頑張ろう。