ハナノキ Acer pycnanthum K. Koch
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<概説>
 
ハナノキは日本固有の落葉高木で、本州中部地方の限られた湿地にのみ分布する絶滅危惧植物(VU)です。「花の木」という名は春に深紅の花を咲かせ、秋には鮮やかに紅葉する卓越した美しさに由来します。本種は第三紀の地層から化石が産出される起源の古い植物で、気候変動によって分布が縮小する中、日本では中部地方の低湿地群に遺存的に残ってきました。近年、湿地の開発などにより個体数は激減し、開花サイズに至るものは1500未満と推定されています(Saeki 2005)。長野県南部では、本種とその生育地である湿地の保護を目的として、「はなのき友の会」という市民団体が精力的に活動しています。 
  
ハナノキの紅葉
(2006年11月長野県飯田市にて)
 
ハナノキの自生地(岐阜県瑞浪市にて)

ハナノキの開花 雄木
(岐阜県恵那市にて)
 
ハナノキの葉の標本
 
ハナノキの生育地の分布

ハナノキについての詳細は以下の拙文をご参照ください。
Saeki 2006 Hananoki-no-Shizenshi.pdf へのリンク