<概説>
アメリカハナノキは北アメリカ東部に広く分布する落葉高木です。アパラチア山脈から北側の地域では、「犬も歩けばアメリカハナノキにあたる」のではないかと思われるくらい、至るところに生えています(笑)。生育環境は、湿地からやや乾燥した平地林までとても幅広いです。葉の形の変異が大きく、亜種、変種、品種などが多く記載されています。その中でもAcer rubrum var. drummondiiおよびA. rubrum var. tridensはそれぞれ分布域の南西部、南東部にかたよって分布する傾向があります。特に注目すべき種内分類群といってよいでしょう。var. tridensの葉の形は、日本のハナノキとよく似ており、昔、この地を旅した三好学博士が「ハナノキじゃないかと思った」と書き残しています。(私も似たものをもってこられると、どちらがどちらか見分けられません!) |
アメリカハナノキ
(基本変種のAcer rubrum var. rubrum.
ミシガン州産. 葉が5-7裂し、鋸歯が細かい.) |
A. rubrum var. rubrum の自生地
(ミシガン州にて.やや乾燥した森林にも生育する..) |
A. rubrum var. rubrum の
自生地
(カナダオンタリオ州..ムースの親子とともに.)
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A. rubrum var. drummondii
(イリノイ州南部の沼沢地にて.) |
A. rubrum var. drummondii
(ルイジアナ州にて.葉裏に毛が密生する..) |
A. rubrum var. tridens
(フロリダ州にて. 常緑のシダや
エアープランツと生えていることもしばしば.) |
A. rubrum var. tridens
(ジョージア州にて.全体的に葉が小さく、先が3裂する. よく見ると日本のハナノキにそっくり!.)
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