平成23年度 通常総会
第12回 全国大会
〔平成23年7月28日:東京都〕
第12回全国大会、「下水道展」と同会場で開催
全国市町村土壌浄化法連絡協議会の平成23年度(第12回)全国大会が、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催されました。東京ビッグサイトでは折から「下水道展 '11東京」が開催されており、当連絡協議会全国大会は下水道展と同じ会場で、同じ時期に開催という画期的な設定となりました。下水道展のパブリックゾーンでは、公共下水道に土壌浄化法を全国に先駆けて採用した会津坂下町が出展するなど、内容的にも当連絡協議会にとっては記念すべき全国大会となりました。

会津坂下町のブースの隣では、日本下水道事業団が「くらし寸断 東日本大震災による下水道の被災状況」と題して、被災各地の生々しい写真パネルを掲げ、押し寄せる津波のビデオ映像を流し続けていました。東日本大震災という未曾有の災害に直面して本全国大会の開催に関係者は逡巡したこと、それを乗り越えて開催にこぎつけたことは、稲垣事務局長の報告『土壌浄化法の新時代到来~東日本大震災が教えてくれたもの~』にある通りです。(詳細はこちら)

掲げたテーマは『「大震災からの復興における下水道事業の役割と責任」――。「今、われわれに何ができるか。何をすべきか」』を合言葉として、内閣府、総務省、環境省、国土交通省から各担当官のご出席をいただき、元日本下水道事業団理事長の中本至氏の基調講演、被災地福島県の下水道公社前副理事長・滝田久満氏の生々しい現地報告、市町村合併により、新たな下水道事業の展開に取り組む愛知県豊田市の小島郁夫下水道施設課長の報告など、充実したプログラムでの討議が約4時間にわたって展開されました。

司会の稲垣事務局長
南小国町 河津町長
会津坂下町 竹内町長

以下、その討議内容の概略を報告いたします。

大会は稲垣事務局長の司会で定刻の午後1時に開会。 会場となった101会議室は、ほぼ満席(100席)の盛況でした。まず、連絡協議会副会長で熊本県南小国町の河津修司町長が「この時期だからこそ重要な全国大会を開催します」と開会宣言を行いました。

続いて会長の竹内昰俊・福島県会津坂下町長が次のような挨拶をしました。「本日は日本全国、北海道から沖縄までの関係者、またお隣り韓国からのご参加もいただき、このように盛大な全国大会が開催されることは大きな喜びです。私は被災県である福島から参りましたが幸い、会津坂下町は地震による被害はほとんどなく、土壌浄化法で作った下水道は全く無事でした。しかし、多くの被災者を町内にお引き受けし、また原発事故による放射能汚染など、まだまだ先の見えない状況は続いております。災害からの復旧、復興はまだ始まったばかりです。その復興にあたって最大の課題は上下水道などライフラインです。わたしどもの下水道に関しては、今回下水道展のパブリックゾーンに会津坂下町として出展させていただきましたが、私たちの経験からも今こそ『土壌は素晴らしい自然エネルギー』ということを再確認し、災害からの復興に取り組んでいく心構えを作る場にこの全国大会をしたいと考えます」

基調講演の中本至氏は、連絡協議会にとって長年にわたってご教示をいただき、土壌浄化法の普及、推進に一方ならぬお力添えをいただいた方です。すでに下水道事業団理事長の職も退かれ、「郷顔」の号をもって、歌、俳句の制作に余念のない日常を送っておられるところ、「この非常時だからこそ、私の体験から話したい」と基調講演を引き受けてくださったという事情があります。下水道の普及、災害復旧に人生をかけてこられた中本氏ならではの貴重なお話が数々出て参りました。 (講演の内容はこちら)

「下水道行政の各省庁の施策について(伝達講習)」と銘打った次のプログラムは内閣府、総務省、環境省、国土交通省の4省庁からの報告でした。
 ・ 内閣府 地域活性化推進室  高橋亮介主査
 ・ 総務省 自治財政局公営企業課地域企業経営企画室  天野純之介下水道事業係長
 ・ 環境省 水・大気環境局水環境課  若公崇敏課長補佐
 ・ 国土交通省 水管理・国土保全局下水道部下水道事業課  神宮誠課長補佐
4氏がそれぞれの官庁を代表して水行政、とりわけ下水道の現況について話されました。
(伝達講習の内容はこちら)

休憩のあとは第2部として、福島県下水道公社・滝田久満前副理事長、ジャーナリスト・遠藤満雄氏、福島県金山町・長谷川律夫町長、愛知県豊田市下水道施設課・小島郁夫課長らの報告、講演が続きました。(講演の内容はこちら)

日本土壌浄化法ネットワーク
土橋理事長

最後に稲垣事務局長が「トリビア・土壌浄化法の創成あれこれ」と題して話されたあと、特定非営利活動法人日本土壌浄化法ネットワークの土橋金六理事長が閉会の挨拶をされ、閉会時間が大幅に超過してやきもきする事務局をしり目に、大会は午後5時半すぎ、無事終了いたしました。