地域再生基盤整備の交付金について
内閣府 地域活性化推進室  高橋亮介主査
 
内閣府は平成17年度から、地域を再生するための基盤整備に交付金をだすという制度を進めてきております。これは省庁の壁を越え、具体的事業について特別措置として基金を交付するというものです。具体的には、道、汚水処理、港の3項目について、事業計画を出していただき、それに対して交付金を出すというもので、所管の官庁の調整も内閣府が行うというものです。現在は620億円の予算が準備され、全国で65の計画が対象に挙がっております。これはあくまでも地域の自主性、裁量性を優先させるもので、地域の自主性を発揮していただこうというものです。この事業は事業仕分けの対象になって、一時は中断していたのですが、今年度から復活しております。下水道の整備というのも、この2番目の「汚水処理」という項目に当てはまるわけで、この制度の対象になるわけです。 
災害復旧の予算について
総務省 自治財政局公営企業課地域企業経営企画室  天野純之介下水道事業係長
配布しました「地方財政関係資料」に従ってご説明します。まず、大震災前に策定した「平成23年度地方財政計画―公営企業繰出金―」の下水道区分は昨年度より200億円多い1兆5459億円です。また地方債計画は、大震災後改正を行いまして災害復旧事業に8780億円を計上しました。(昨年度は321億円) さらに6月1日付で「東日本大震災に係る地方公共企業施設の災害復旧事業等に対する地方財政措置等について」と題する「通知」を各都道府県、市区町村、指定都市担当課に対して発しまして、下水道事業に関しては合流式100人/ha以上から25人/ha未満までその復旧事業に国庫補助負担金の繰出の対象になることを通知いたしました。復旧にかかわる費用は、各地方自治体や事業者の負担ができるだけ小さくなるよう配慮したものです。災害復旧は総務省としても全力をあげて取り組んでいるところです。
アジア地域の生活排水への支援について
環境省 水・大気環境局水環境課  若公宗敏課長補佐
東日本大震災とは直接関係はないのですが、環境省がアジア地域で進めております生活排水対策について報告いたします。これは国連が2015年までに飲料水、生活排水の改善を行う、という計画に基づいて行っているものですが、本日は中国での例について報告させていただきます。中国・江蘇省で行った汚水処理のモデルケースについてです。これについては木村弘子さんの土壌浄化法を全面的に採用させていただくなど、多大な協力を頂きました。泰州市のモデルはすでに引き渡しも終わり、稼働をしておりますが、結果は満足のいくものです。中国ではさらにこうした施設を10数か所で展開する計画になっております。中国の他東南アジア、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどでもいわゆる海外水ビジネスの展開をはかるということで、計画を進めようとしているところです。
東日本大震災と下水道クイックプロジェクトについて
国土交通省 水管理・国土保全局下水道部下水道事業課  神宮誠課長補佐
お手元にお配りした資料に基づいて、説明させていただきます。まずは今回の大震災による下水道関係の被害状況についてです。被害状況は下水処理場と管渠に分けられますが、下水処理場では例として掲げました宮城県の南蒲生浄化センターのように壊滅的な被害を被ったところなど、当初は120か所から被害の報告がありました。南蒲生のような津波によって稼働停止に至った処理場は16か所、また、一部の機能停止は63か所に上りました。また管渠では、液状化などによって配管が損傷したり、マンホールが浮き上がったりの被害が生じて、下水道の使用不能に陥りました。千葉県の浦安市では34キロメートルにわたって被災し、被災直後は約1万2000世帯で下水道がまったく使用できない状態になりました。問題は復旧作業ですが、思ったより順調に進んでおりまして、下水処理場では、当初の16か所の処理場のうち13か所では何らかの処理を行って機能復帰を果たしておりまして、全体としては8割が正常化できたと思っております。次にクイックプロジェクトについてですが、われわれは「早期普及=整備=と早期復旧」ということで下水道のクイックプロジェクトを災害復旧にも適用したいと、今積極的に取り組んでいるところです。その象徴的な例として「露出配管」があります。これは会津坂下町などですでに採用されているところですが、工期を縮小し費用も削減できる「露出配管」を積極的に採用して普及と復旧を進めたいと思っております。このクイックプロジェクトの一般化へのご理解をさらに深めていただきたいと思っております。