登山ルートの技術難易度

グレーディング簡易目安


日本の山岳における一般登山ルートを、これまでに1,000ルート以上歩いた経験をもとに、一般登山道の技術難易度を5段階で評価しています。 なお、小数点を含めた表記を用いることで、実質的には10段階相当の目安としてます。

※評価法はUSA・日本フリークライミング規格(リードクライミング規格)による分類を参考にしています。 本ページで用いる「技術難易度」は、一般登山道を対象としており、 フリークライミングのグレードとは直接対応するものではありません。ただし、地形の性質を分解するのに役立つため参考にし、 また下表にも対比を併記しています。

※各山の難易度は、ページトップにある地域別リストに記載しています。


⇒藪漕ぎレベルの基準
⇒お薦め度の基準

⇒総合難易度算出方法(難易度基準表)



技術難易度の基準

技術
難易度
難易度の目安 代表的な山例(一般ルートを示す)
幼稚園・小学校の遠足で歩くようなハイキングコースに相当

 登山道や遊歩道は公園並みに整備されており、道迷いの心配はほとんどない。 多少の段差や凹凸はあるものの、特別な技術を必要とする場面はない。 なお、段差がやや大きく、転倒の可能性が意識される場合は技術難易度1.5として評価している。
1.0 高尾山、筑波山、尾瀬ヶ原

1.5 美ヶ原、霧ケ峰、赤城山、金時山



フリークライミングのグレードにおける「クラス1」に相当し、手を使わずに歩行可能な地形である。
自然に触れ合うハイキングからトレッキング、軽登山に相当

 登山道には小規模なガレ場や岩場が現れ、状況によっては手を使って通過する場面がある。 また、浸水しない程度の沢の渡渉が含まれる場合もあり、自然地形を実感できる山行となる。

初心者が観光地の延長というイメージで臨むと、難しさに戸惑うこともあるため、基本的な登山装備を整えたうえで山行に臨みたい。

2.0 草津白根山、雲取山、富士山(夏)

2.5 至仏山、金峰山、丹沢山



フリークライミングのグレードにおける「クラス2」に相当し、手を使う場面があるものの、主に歩行によって通過可能な地形である。
自然を大満喫できる、本格的な登山に相当

 登山道にはガレ場や三点支持が必要となる切り立った岩場、急斜面の鎖場などが含まれ、地形に応じた確実な動作が求められる。

 適切な登山装備と基礎的な登山知識が不可欠であり、初心者は経験者と同行することが望ましい。 初心者のみのグループ行は不適であり、初心者の単独行は行うべきではない。
3.0 甲斐駒ケ岳、鳳凰山、常念岳

3.5 北岳、塩見岳、奥穂高岳、赤岳



3-3.5 樹林帯が中心の雪山についてもここに分類

フリークライミングのグレードにおける「クラス3」に相当し、手を使った登攀動作を伴う場面が含まれる地形である。
4 岩山や冬山、登攀要素を含む本格的な登山に相当

 注意を要する岩場や通行困難な断崖が存在し、ルートが不明瞭な区間では読図やルートファインディング能力が求められる。 コースによっては渡渉を伴うほか、初心者に対してはロープによる確保が必要となる場面も含まれる。

 十分な登山経験と山岳知識、技術および装備を備えていなければ、生命に関わるリスクが高いレベルである。 冬山においては、アイゼンおよびピッケルを正しく使用できる技術を前提とする。
4.0 槍ヶ岳、八ヶ岳縦走、八海山

4.5 剱岳、北ア大キレット、鋸岳


4-4.5 森林限界を越えた雪山

フリークライミングのグレードにおけるクラス4〜5.5に相当し、登攀要素や確保を前提とする地形が含まれる。
5 アルパインクライミングへの扉

 技術難易度5は、一般登山道における最難関クラスに位置付けられる。 これを超える技術5.5以上では、ロープやプロテクションを使用するバリエーションルート、難易度の高い沢登りルート、3000m級の山岳における厳冬期登山などが該当する。

 周囲や救助関係者に迷惑を掛けないためにも、十分な登山経験を積むか、クライミングジムや講習会等で必要な技術を習得したうえで臨みたい。

 ※ 本ページは一般登山道を対象としているため、技術難易度6以上の項目・解説は設けていない。
5.0 妙義山(金洞山)、ジャンダルム

5.5 戸隠連峰西岳の一部、鶏冠山第三岩峰

5.0〜 3000M級の厳冬期峰

フリークライミングのグレードにおけるクラス5.6(ボルダリング9級)以上に相当し、明確な登攀技術と確保を前提とする領域である。 このクラス以降では、健常な若年層であっても、体格や筋力にかかわらず「登れない」状況が現れ始める。

※ 以降などはツチフォトの対象外
6〜 北鎌尾根、源次郎尾根、厳冬期の穂高縦走



Notes



・技術難易度は、同じ山であっても天候・季節・登山ルートによって大きく変化する。 そのため、山名単位ではなく「ルート」および「季節」単位で難易度を記載している。

・標高の高い山では、夏山と冬山で難易度が大きく異なる。 このため冬季については、「冬」「厳冬期」「残雪期」などの表記を付し、夏山とは分けて評価している。

・冬季であっても、積雪がほとんどなく難易度が上がらないと判断される場合は、冬季表記(冬マーク)を付けていない。

※ 雪山は多くの場合、残雪期 → 初冬 → 厳冬期の順に難易度が高くなる。

・記載している難易度は、土砂崩れや登山道の荒廃などにより、実際の状況と異なる場合がある。

・「初級」「上級」「ベテラン」といった表記は、一般登山道を前提として評価している。  なお「玄人/ベテラン」は、アルパインルートにおける入門から初級レベルに相当する。



富士山の季節別難易度


富士山は登る季節により難易度に雲泥の差がある。

富士山の季節別難易度についてはこちらに詳しく記載した。



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