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手綱(たづな)、浴衣などとも言われますがいわゆるふんどしを付けます。古くは六尺でしたが、室町後期以降は割りふんどしという越中流のものを使います。端に紐が輪状に付いていてそれを首に引っかける、もしくは図のように先を2つに割って首の後ろで結びます。こうすると、用を足す場合に結びをゆるめれば、簡単に用が足せます。 |
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小袖を着ます。小袖は今の着物に似た仕立てで、その上から大口袴(おおぐちばかま)をはきます。全て左から手や足を通します。髷(まげ)を解いてざんばらにし、烏帽子(えぼし)をかぶり、鉢巻きを締めます。决拾(ゆがけ・弓駆とも)という、弓を引くときに使う革手袋を付けますが、これに限り右手から付けます。左手を先に付けてしまうと、右手に付ける時に紐などが締めにくいからです。高級武士は革の足袋をはきます。 |
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鎧直垂(よろいひたたれ)を着ます。鎧用に作られた袖口の狭い直垂で、袖口と袴の裾には絞れるように紐が付いています。 |
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左の片袖を脱いで左の前脇にたたみ込みます。右手の袖口、袴の両裾を絞り、裾はヒザまで上げ、足には脛巾(はばき)を付けます。脛巾は鎧直垂と共布で作り、脛当のような形で上下に紐が付いていて結び留めます。 |
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右手の袖口の絞り方は、紐の先に輪っかを作り、輪を中指に通して残りの紐は手首に回して結んでおきます。 |
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脛当を付けます。鎌倉時代までの脛当は図のような蝶番の付いた板を巻いて千鳥掛けという、交差させながら紐を掛けて固定するものでした。 |
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貫(つらぬき)という毛沓をはきます。左手に籠手(こて)を指します。肩まで引き上げて紐を右脇下で結んで固定します。右手に付けないのは、弓を引く手なので自由がきくようにするためです。 |
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脇楯(わいだて)を付けます。孔が2個の場合は脇楯の腰ひもを結び、中央部の鐶から紐を背の方から左肩に回して胸側に持ってきて鐶に結びます。この脇楯までを身に付けた状態を「小具足姿(こぐそくすがた)」と呼びます。準備態勢であり、休息時などの姿です。 |
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袖を付けます。受緒を肩上(わたがみ)の先へ、執加の緒を肩上中央へ、懸緒を総角(あげまき)へ、水呑の緒を総角付の鐶に結びます。水呑の緒は、前かがみで川の水などを飲む際に、袖が水につかってしまわないようにするために結ぶものです。 |
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胸板の上部にある笠鞐(かさこはぜ/上図)と、肩上の先にある責鞐(せめこはぜ/左の図参照)を掛け合わせて留め、胴を着用します。 |
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ここまでで左の図のような状態になります。 |
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引き合わせの緒を引き合わせ、手順8の脇楯(わいだて)の中央の鐶に前後から通し違えて結び、繰締の緒を左右に廻し分けて前で締めます。 |
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腰刀(こしがたな)を帯びます。下緒(さげお)を鞘や緒にからめて抜けぬようにします。その後太刀を佩き(はき)ます。 |
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箙(えびら)を付けます。これは矢を入れるものです。下にはドーナツ状のものが見えますが、これは弦巻(つるまき)といって、予備の弓の弦を巻いておくものです。箙を右腰に当てて紐を左、前へと回し、右へ回して箙に戻り、箙の右上に見える受けの緒に結びます。 |
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箙は矢の羽が左肩に来るように付けます。 |
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最後に兜(かぶと)をかぶります。兜には側面に1個ずつ計2個穴の空いたものと、2個ずつ計4個のものとがあり、この穴を響きの穴(ひびきのあな)と呼びます。上の図では響きの穴の上に鋲が見えますが、これを四天の鋲と呼びます。古くは響きの穴が2個で、下の図のように緒を付けて天辺の穴から烏帽子に包まれた髷(まげ)を出して兜を固定していましたが、髷を解いて烏帽子をかぶるようになると兜がぐらつくので穴を4個にし、髷を出す必要も無くなりました。四天の鋲は紐を打ち斬られぬためのものです。 |