サイレン
サイレンは2003年11月6日にPS2で発売された3Dアクションゲーム。
付近の人物や敵の視界を盗み見る視界ジャックと呼ばれるシステムが特徴。
主人公は、須田 恭也(すだ きょうや)
舞台は2003年=昭和78年(作中では「昭和」の年号が続いている)の羽生蛇村(はにゅうだむら)。※後述
過去に(1976年=昭和51年、8月3日)大規模な土砂災害が発生し、この村(当時は別の名前だったらしいが現在は残っていない)は甚大な被害をうけた。
また不幸な事件や事故がたびたび起こることからか、オカルトマニアには都市伝説や心霊的な噂話などが囁かれている土地となっている。
そんな村に様々な理由や立場で訪れた登場人物たち。
彼らは不幸にも異変に居合わせてしまったために巻き込まれることとなる。
8月3日午前0時、突如不気味なサイレンが鳴り響き、地震と共に村に災厄が降りかかった。
物語は、わずかの間に変わり果ててしまった村からの脱出を描く群像劇。
登場人物たちの短いシナリオが連続して紡がれていき、プレイヤーは物語を俯瞰的に捉えることができるようになっている。
一人一人からは断片的な情報しか判明しないが、それら全てが合わさった時に真相が見えてくる。
登場人物

「おまえ、じゃなくて須田恭也」
須田 恭也
性別:男 年齢:16歳 職業:高校生
通称SDK。
ゲーム中に手に入る学生手帳に挟まれているメモのURLを現実で調べると『オカルトランド画像掲示板』というサイトに繋がる。
そこには、SDKという人物の書き込みがありこの人物が須田恭也(SuDaKyouya)
さも閉鎖されてしまった普通のBBSに見えるが、ゲームに現実感を持たせるためにメーカーが用意したコンテンツ。
これにより恭也が羽生蛇村を訪れた理由が分かるようになっている。
メーカーのエンターテイメントっぷりに敬意の念をこめて、あえてSDKと呼ばれることが多い。
サイレン2でも隠しシナリオでも登場する。

「私を連れてけ」
神代 美耶子
性別:女 年齢:14歳 職業:ひきこもり
須田 恭也が保護することになる盲導犬を連れた盲目の少女。
強い幻視の力を持っており、他人や動物の視界を盗み見る事が出来るので生活に支障はない。
この力は視界ジャックというサイレンシリーズ独特のシステムとなっており、登場人物たちは全員この能力を得ることになる。
彼女の”特別”さは、物語を進めることで明かされる。

「消えたはずの村に、今度は消えたはずの病院か…」
竹内 多聞
性別:男 年齢:34歳 職業:大学講師
城聖大学で民俗学の講師をしている民俗学者であり、独特な宗教と歴史を持つ羽生蛇村には調査と研究のため訪れた。
考古学から宗教学、神話をはじめオカルティズムの類まで研究しており、先鋭的な理論展開は学会から異端視されている。
しかし彼は27年前土砂災害で地図から消え去った村のたった一人の生き残りで、そのとき目の当たりにした怪異の事をずっと気にかけていた。
27年ぶりに儀式が行われるという情報を得て同じことが起こりそうな予感がして、羽生蛇村へやってきた。
彼は民俗学者としての見地からこの村の秘密を解き明かそうと行動する。

「とにかく村の人探しましょう。きっと大騒ぎですよ?」
安野 依子
性別:女 年齢:22歳 職業:大学生
大学の4年生。1981年6月25日生まれ。竹内多聞を慕っており、半ば強引に竹内の調査に同行してきた。
直接操作するキャラクターではなく、同行者として上手く誘導していかなければならない。
足手まといポジションな事や空気を読まない発言によりウザいキャラ扱いされるが、常軌を逸している村において貴重な和み成分。

「海だ…村が…消えてる……」
牧野 慶
性別:男 年齢:27歳 職業:求導師
羽生蛇村に伝わる眞魚教(まなきょう)の祭司で『村人からは』求導師と呼ばれる。
性格や立場から武器を持つことが出来ず屍人には慎重に対応しなければならない。

「仕方ないですよ。慣れてないだから、こういうことに」
宮田 司朗
性別:男 年齢:27歳 職業:医師
冷酷で鬱屈した感情を抱えている人間のため、屍人に容赦がない。
屍人を解剖してどのくらい死なないのか試したりもするほど。
残虐性を示す単語の変わりに扱われる場合も多い。

「私恩田美奈の妹です。理沙です」
恩田 理沙&美奈
性別:女 年齢:21歳 職業:家事手伝い/看護師
理沙は双子の姉である美奈に会うためにやって来た。
しかも双子ゆえか二人は幻視(視界ジャック)で強烈につながり、意識や記憶も同調できるようだ。

「じゃあ先生はお母さんになってあげる、春海ちゃんの」
高遠 玲子
性別:女 年齢:29歳 職業:小学校教師
通称、先生。
四方田 春海という少女を守り行動する。
春海の事を守る姿からは、担任の先生だからという理由では説明できないほど強い想いを感じさせる。

「この音こわい… 何かの鳴き声みたい」
前田 知子
性別:女 年齢14:歳 職業:中学生
赤いジャージ姿が愛らしい中学生の女の子。
異変の影響で両親とはぐれてしまい、両親を求めてさまよい歩く。

「空気が、騒がしいな」
志村 晃
性別:男 年齢:70歳 職業:猟師
村に住む漁師で、初期装備で猟銃を所持している。
厭世的な台詞が多く、天涯孤独な老人。
村と距離をとって山にこもってで暮らしていたが、生来の勘のよさから異変を感じ取り村に向かう。

「どっかでカメラ回してんじゃないでしょうね!」
美浜 奈保子
性別:女 年齢:28歳 職業:レポーター
本名は、田中奈保子。姓が違うが結婚しているわけではない。
グラビアアイドル出身のTVレポーターで、村には番組の収録に訪れた。
アーカイブを見ると26歳として活動しているようだが、プレイヤーにはメニュー画面から実年齢が28歳だとバレバレだった。

「先生。春海怖いよ。みんなどうしちゃったの?」
四方田 春海
性別:女 年齢:10歳 職業:小学生
事故で両親をなくし事故のショックで心を閉ざしてしまっている少女。
わずかながら生まれつき幻視が出来、そのことで悩んでいたが誰にも相談できないでいる。
献身的に面倒を見てくれる担任の高遠先生には心を開きつつあるようだったが先生ともども異変に巻き込まれてしまった。
サイレンの音と共に一変した世界は過酷なまでの運命を彼女に課す。
■敵
屍人(しびと)と呼ばれる不死の化物が徘徊している。
知性を感じさせないのろのろした動きとうめき声。
ひたすら繰り返す反復した行動。
絶対に生きているとは思えない肌の色と、目や口から垂れ流れる赤い液体・・・。
その姿に驚き、怯えているばかりではいられない。
なぜなら生存者を見つけたら問答無用で襲い掛かってくるからだ。
ダメージを与えて行動不能にしても一時的なことで、時間がたつと回復し再び襲ってくる。
屍人は決して生きてはいないが、死ぬこともないのだ。
バラバラになるまで解剖しても、時間がたてば元通り。焼却しても無駄なようだ。
恐らくまともな手段では葬ることは出来ない。
『通常状態』、物音を聞きつけた時の『警戒状態』、生存者を発見した時の『戦闘状態』、見失った時の『警戒状態』、警戒を解いて『通常状態』への移行など、その行動パターンは実に細かく作ってある。
知性がありいろいろな台詞を話すのだが、衝撃的な台詞が多く突っ込みどころが満載。
「かくれてないで、でてきなさい」とか、「はるみちゃんの、においがするぞお」など。
屍人を化物だと説明したが、”彼ら”は普通に生活している。
人間を襲ってくるのは、逆に屍人からは人間が化物に見えるかららしい。
イメージとしてはバイオハザードの洋館のゾンビたちが、かゆ・・・うま・・・の状態で生活しているのを想像してもらえば・・・。
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ごめん、気持ち悪いね。
■羽生蛇村
モデルとなった都市伝説がある。
杉沢村伝説 - Wikipedia
概要を抜粋。
「かつて青森県の山中に杉沢村という村があり、昭和の初期、突然発狂したひとりの村人が、村民全員を殺して自らも命を絶つ、という事件が起きた。誰もいなくなった村は、隣村に編入され廃村となり地図や県の公式文書から消去された。しかし、その廃墟は、悪霊の棲み家となって現在も存在し、そこを訪れた者は二度と戻っては来られない」、というもの。
物語が進むにつれて、羽生蛇村に伝わる伝承などが判明していく等は、パニックモノというよりも伝奇モノとしての側面が強い。
このゲームのキャッチコピーは
どうあがいても、絶望。