マフラー交換など
RT125Dはマイナーなバイクの為、専用で販売されているマフラーはHYOSUNGのSUPER SOUND スリップオンや輸入品 などのサイレンサーしかありません。
また、ワンオフマフラー製作は高価(5〜10万円)で、基本的にバイク持込みが条件ですが、近所にワンオフマフラーを作ってくれるショップが無いので不可能…。
そこで、バイクの形&エンジンの排気口(向き)がRT125Dに似ている、SUZUKI バンバン200の社外マフラー(BEAMS SS300ソニック)を流用してRT125Dへ取り付けたので、その方法を紹介します。
しかし、この方法は下記の2つの条件が必須です!原則、溶接以外の加工は全て自分で行うので、この条件を満足出来ない場合は、素直にワンオフマフラー製作をショップへ依頼するか、またはマフラー交換は諦めてください。
また、溶接以外の加工(パイプの切断や研削)をお店に依頼することも可能ですが、加工作業はかなり高価ですので、結果的にワンオフマフラーを製作した方が安かった…って事にならないように注意してください。
・条件1…ある程度の金属加工技術がある(グランダーなどの電動工具が使える)
・条件2…近所にマフラーを溶接してくれる店がある、または自分で溶接が出来る
ワンオフマフラー製作(ダウンマフラーの流用取り付け)
- Step1
- BEAMS SS300バンバン200用マフラー&材料の準備
(購入時の状態)
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(30°ステンレス パイプ)
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(フランジパイプ)
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右の写真がサイレンサーとエキパイです。これ以外にマフラーステーやガスケットなどが付属してますが、RT125Dには全く合いません。
なお、下記の材料を別途準備します。
ちなみにバイプは
Wirus Winで購入しました。
●ステンレス パイプ
・外径:38.0mm/曲げ角度30°
・厚み1.5mm・素材:ステンレス
●フランジパイプ
・外径42.7mm・全長14.5mm
・厚み2.0mm・素材:ステンレス
●ガスケット(エンジン側)
・レットバロンで購入できます。
●液体ガスケット
・バイク用品店で購入できます。
- Step2
- エキパイの切断
(切断後の状態)
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RT125Dのエンジン排気口の正面にはフレームがあり、このフレームにエキパイが干渉する為、このままでは取り付けが不可能です。
その為、フランジ接続部(エキパイの曲がり始めの部分)をグラインダーなどで切断します。
- Step3
- パイプの切断
(溶接前のパイプとフランジパイプ)
パイプの右側がエンジン側で 左側がサイレンサー側です。 |
純正のマフラーを取り外し、別途購入しておいた30°のステンレスパイプをエンジンの排気口に合わせ、フレームなどに干渉しないところで慎重に切断します。
コツは最初は長めに切断し、現物と合わせながら少しづつ短くしていくと上手に出来ます。
- Step4
- パイプとフランジパイプの溶接
フランジパイプにパイプを差込み、内面を隅肉溶接します。
なお、フランジパイプとパイプの隙間が多かったので、フランジパイプに切り込み(軸方向)を入れて、少しフランジパイプの径を小さくしてから溶接しました。
ちなみにエンジンの排気口の内径は42.5mmなので、フランジパイプの外径はそれ以下にする必要があります。
- Step5
- フランジの加工
フランジはバンバン200のマフラーに付属していたものを使用しました。
しかし、ボルトの取り付け穴が微妙に合わなかったので、右写真の通り、片方のボルト穴の一部をグラインダーでカットして使用しました。
- Step6
- 仮組み
溶接したパイプをエンジンに取り付け、エキパイ・サイレンサーを仮組みします。
仮組みはサイレンサー・エキパイがブレーキやフレームに干渉しないように注意する必要があります。
なお、パイプとエキパイの接合部分(後で溶接する部分)は、グランダーでパイプ&エキパイを少しづつ削りながら、ピッタリ接合面を合わせる必要があります。(ピッタリ合わせないと溶接が出来ない)
- Step7
- エキパイの溶接
仮組みが終わったら、パイプとエキパイを溶接します。
溶接は仮組みの状態のままで点付け溶接を行い、その後、エキパイをエンジンから取り外して周溶接を行います。
右の写真は周溶接が完了した状態の写真です。
- Step8
- マフラーの取り付け
新しいガスケットをエンジンに取り付け、溶接が完了したエキパイをエンジンに取り付けます。
その後、エキパイとサイレンサーの接合部に液体ガスケットを塗布してサイレンサーを取り付けます。
- Step9
- マフラーステーの製作
バンバン200のマフラーに付属していたマフラーステーから、ボルトキャップのみを切り出し、それに鉄棒を溶接してステーを製作し取り付けました。
なお、ボルトキャップと鉄棒の材質はステンレスではなく炭素鋼です。
- Step10
- マフラー交換完了
右の写真がマフラーを装着した状態です。
なお、今回の溶接作業は全て近所の
「K-max Speed」と言うカスタムショップ(車が専門)で行って頂きました!
対応も親切で、私の要望通りに作業を行って頂き非常に感謝しています!
フレーム切断&テールランプとウインカーの移設
上の写真を見ても分かると思いますが、せっかくダウンマフラーに換えたので、リアのカウル&キャリアを取り外したところ、リアのフレーム長過ぎてカッコ悪い…。
その為、ここは思い切ってリアのフレームを切断し、テールランプやウインカーをシートの後方へ移設してみました!
- Step1
- ウインカーの移設先
右の写真の通り、ウインカーはシートの後方へ移設します。
なお、リアカウル取り付け用のビス穴を利用し、別途ステー作って取り付けを行います。
- Step2
- リアの配線端子を全て外す
まずはウインカー&テールランプの端子を全て取り外し、ウインカー&テールランプをバイクから外します。
なお、配線は後で元に戻すので、端子の接続状態をメモしておくと良いです。
- Step3
- ウインカーステーの製作
縦40mm×横20mm×厚み3mmのL字型のアルミアングルを加工して、ウインカーのステーを作ります。
二つ並んでいる穴がウインカー取り付け用の穴です。
- Step4
- ウインカーの取り付け
製作したアルミステーにウインカーを取り付けて、その後にバイクへ取り付けを行います。
右の写真が取り付けた状態です。
- Step5
- フレームの切断
Step4で取り付けたウインカーとテールランプ&フェンダーを取り外し、いよいよフレームをグラインダーで切断します。
右の写真がフレーム切断前後の写真です。
- Step6
- フェンダーの切断
フェンダーの後方を切断します。
私はシート固定用のボルト穴の後を切断しました。(右写真の位置)
切断したらフェンダーを復旧します。
- Step7
- フェンダーレスキットの装着
シート後方のボルト穴(キャリアを固定していたボルト穴)を利用して、アルミ板を固定した後、その下にフェンダーレスキットをボルトで固定しました。
- Step8
- ウインカー及び配線の復旧
右の写真がウインカー・配線・シートを復旧した状態です。
なお、フレームを切断した端部は、塗装をした後に「釣り竿用のゴムキャップ」を取り付けました。
以上でフレーム切断に伴う作業は終了です。リア部分がだいぶスッキリしましたね!
フロントフェンダー交換
リアのオレンジ色のカウルを取り外したら、フロントフェンダーのオレンジがやけに浮いてる感じがしたので、フェンダーの色をブラックに変更してみました!
なお、ブラックのフェンダーはHYOSUNGの純正品を購入して取り付けました。
- Step1
- フロントフェンダー(オレンジ)の取り外し
右写真
○のボルトを外し、フェンダーをバイクから取り外します。
- Step2
- フロントフェンダー(ブラック)の取り付け
ブラックのフェンダーを取り付けます。
このフェンダーはHYOSUNGの純正品です。
なお、このフェンダーは日本に在庫がなく、韓国から取り寄せた為、納期は約1ヶ月掛かりました…。
完成
(作業後の写真)
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右の写真の通り、ノーマルと比べると全く別のバイクみたいに仕上がりました!
なお、今回の費用は約4万円程度掛かってしまいましたが、ワンオフマフラーに比べれば遥かに安く上がったと思います。
【合計費用】
1. BEAMS SS300マフラー
(バンバン200用) \21750
2. 曲げパイプ
パイプ径38.0mm/曲げ角度30° \2414
3. フランジパイプ
外径42.7mm・厚み2.0mm \630
4. ガスケット \250
5. 液体ガスケット \500
6. マフラーステーの鉄棒 \60
7. アルミのL字型アングル \500
8. アルミの板(残材) \0
9. フロントフェンダー(ブラック) \4500
10. 溶接作業の合計 \10000
合計 \40,604