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Seeing is believing. 更新日 2025年08月13日  

450    日記「花より団子(五七五日記)         rink      ウォーキングの記録(2016.10.23〜2020.11.01)           今日の日付 2025/08/13
我が畑・写真    畑の樹木配置図     耕作計画    耕作カレンダー      耕作記録    畑耕作日記      広島市の気温
   
   
 
 R07.08.21

 畑終え夕風すずし月見草

 緑陰に一息つけば日のかけら
 


 R07.08.14

 水羊羹勘違いしてかみ合わず

 冷奴思いするりと流されて

 自転車の群れ湧きでたり西日中

 夕風に人の気配あり青

 声変わりアイスクリーム食べている

 咲き満ちて白百日紅人をまつ
 


 R07.08.07

 見上げれば団栗小僧の笑顔あり

 夏草に人を拒めり猫の道

 樹から樹へ風のながるる晩夏かな

 逆光の風ひんやりと百日紅(サルスベリ)

 画用紙をはみ出す向日葵孫作品

 炎天や鴉も鳩もふり向かず
 


 R07.07.31

 選挙後のいろんな声や蝉しぐれ

 雉鳩の青葉がくれにしのび声

 炎天に自虐の一歩よろめきつ

 万博や夏の盛りの長きこと

 夏の朝犬に曳かれて速歩き
 


 R07.07.24

 雨が去り朝のあいさつ蝉の声

 蝉しぐれどっと沸きたつ応援歌

 空蝉や爪立てしかと大欅(おおけやき)

 選挙後のいろんな声や蝉しぐれ

 夏草や刈るたび土にしがみつく

 朝方の音に目覚めて喜雨となる
 


 R07.07.17

 冷奴わさび利かせて深呼吸

 芽掻きして指にトマトの青くさし

 収穫の日焼けの顔も持ち帰る

 葭雀(よしすずめ)すでに埋め立てせまりくる

 行きあいの風に浮かして行く日傘

 片蔭の一列なりて老い二人

 もぎたてのトマトの色をデザートに
 


 R07.07.10

 八十路爺いつもごみ出し半ズボン

 小判草小銭いっぱい音がする

 配達の音に目覚める夏暁かな

 見上げたる仔犬の鼻に夏の露

 夏シャツや怖さ知らずの若きころ

 炎昼の光に交じりてねむり入る
 


 R07.07.03

 老二人汗をまとひて畑手入れ

 朝ドラに汗も涙も流しつつ

 梅雨明て油断禁物吾が(つつが)

 たまゆらの涼しき風や網戸ごし

 昼寝覚め今は何どきここはどこ

 走り根に白き一群れ梅雨茸(つゆきのこ)
 


 R07.06.26

 白き風朝のみちづれ夏椿

 咲くよりも引き際潔し夏椿

 くちなしの花の香残す朝の雨

 鴉鳴く声よく透る梅雨晴間

 入院の記憶鮮やか夾竹桃
 


 R07.06.19

 かたばみの花見つけたり雨模様

 紫陽花や声かけたげに手をひろげ

 花の道黙して我も蝶となる

 かみ合わぬ会話もれ聞き梅雨ぐもり

 水羊羹内緒話は一寸だけ

 草刈機わめきちらして憂さはらす
 


 R07.06.12

 光り合う樟若葉も樟落葉も

 やわらかき木洩れ日苔に清和かな

 花南天こぼれすがしき路地を掃く

 金色の朝の日あびて枇杷熟るる

 小判草風にさらさら身を任せ

 傘持てば降る気配なき梅雨入かな
 


 R07.06.05

 今日もまた歩みとどめつ薔薇真紅

 小道来てどこか檸檬の香りする

 捨てられぬふと懐かしき更衣(ころもがえ)

 天辺に鳥のとごゑや走り梅雨

 軒下に吊るせば生る新玉葱

 道端の踏まれし夏草花付けて
 


 R07.05.29

 咲く花の白がちにして五月かな

 背すじからひんやりとして若葉風

 夏浅き木々吹き渡る風ありて

 新樹光 かつて痛めた膝なれど

 子雀と走る子たちの若葉かな

 ツピツピと鳴き声渡る夏の朝
 


 R07.05.22

 栃の花空の高くに朝日さす

 夏草を掻き分け流る風のあり

 樟若葉木洩れ日ゆるる雨上がり

 いきいきと孫の背透けて若葉雨

 薫風や駈けて行く子の軽やかに

 ベランダに新緑の風一人占め
 


 R07.05.15

 夜明けより雨しづかなり立夏過ぐ

 雑草の勢いわくわく夏は来ぬ

 幼子を待つは母ともあやめとも

 銀杏若葉よく似た分身従えて

 花つけて勢い見せる胡瓜苗

 柏餅母に供へて葉の香り
 


 R07.05.08

 朝散歩満天星白く揺れており満天星(ドウダン)=ドウダンツツジ

 雨も良し遅日の畑仕事かな

 もみじ饅頭に八十八夜のふるまい茶

 行く春や眼鏡の奥に目のかゆみ

 黄金週間ドラマ三昧疲れたり

 孫たちの四肢のびやかにみどりの日
 


 R07.05.01

 読みにくき地名に住みて山笑ふ

 風に揺れ電車見送る豆の花

 通い道標となり し花水木

 掘り出されとまどふ蚯蚓春日和

 久しぶり薬缶をみがく春日和

 電話口孫の声する日永かな
 


 R07.04.24

 朝ドラは明日が楽しみシクラメン

 枝先の主張はじまり木の芽吹き

 春の草匂いを探す犬に萌え

 春眠や落ちる刹那の自覚なし

 歩ききて白詰草の遊歩道

 この帽子季節はずれに山笑ふ
 


 R07.04.17

 菜の花に一時停止を促され

 新学年庭 に水仙咲きました

 菜の花や予報どおりの雨となる

 山桜吹かれて残る朝の月

 新聞を広げたままの春炬燵

 雨模様さっそく忙し初燕
 


 R07.04.10

 老いたれば記憶危うし木瓜の花

 ど真ん中 一花描いたチューリップ

 花冷や熱きコーヒー和みけり

 提灯の揺れる明かりに散る桜

 街中の音に令和のさくら散る

 桜まじトランプショック吹き荒れる
 


 R07.04.03

 あゆみ止め連翹の黄の垣根あり

 今日を終ふホーム出口に咲く椿

 カワラヒワ真澄の空に鳴き初めし

 電線に二羽づつ並ぶ春の鳥

 通り過ぎ馬酔木の香り気付きたり

 朝ざくら肩にポトリと雨しずく
 


 R07.03.27

 坂道のこの通学路を卒業す

 やはらかきおはぎを母に供えけり

 春分や寒さにまどう鴉ゐて

 たのまれし買物ついでに草餅も

 我が畑も日のあふれけり仏の座

 春休み将棋相手は塾の友
 


 R07.03.20

 晴れ晴れと枯れ枝ひろげ春の空

 散歩道光うみたる春の草

 迷いさまよふままの春の夢

 仏壇につんと沈丁匂ふなり

 に山茶花の花揺れている

 初蝶とおぼしき影の見えかくれ
 


 R07.03.13

 ベランダの鉢に花の芽春日かな

 草の芽や雨降るにつれ草となる

 やはらかき音したる春雨の朝

 オルゴール間延びしていて長閑なり

 山焼けし自宅も焼けて春の雨
 


幅11cmの雛飾り(うん十年前妻自作)

 R07.03.06

 春日和百舌鳥が枯木でひなたぼこ

 枝先によろめく百舌鳥の日永かな

 作ってくれた雛檀の中に母

 春の雨木々それぞれを奏でたり

 山茶花の散りては咲きし垣根かな

 啓蟄やパワーショベルに起こされて
 


 R07.02.27

 早春や送ることばを胸におき

 舞い落ちてこころ静かに春の雪

 春寒やアップロードでいきづまり

 遊び来しひたき畑の春日和

 畑仕事陽ざしの中に余寒あり
 


 R07.02.20

 竹林に舞う雪煙の春寒し

 風光る仔犬は何に誘われて

 下萌や散歩の名残犬の糞

 剪定の脚立とどかぬこの一枝

 一斉にヘッドライトの春浅し

 雨水なりほころび初める梅の花
 


 R07.02.13

 幼苗の力満ちくる木の芽時

 家計簿の計算合わぬ春寒し

 春の雪止みて夜空に星仰ぐ

 萌え日ざしまばゆき畑角

 控えめに点く廊下灯冴返る

 

 R07.02.06

 遊歩道仔犬はねはね春を待つ

 庭木いま花芽ちらほら春隣

 たより来て四温日和の風がふく

 節分や今年もそっと豆を蒔く

 立春の煌めく雨に浮かれけり

 水一杯錠剤飲みて寒明ける
 


 R07.01.30

 悴めばついて来る月悴めり

 冬晴や実るきんかん小道沿い

 窓際に香るものあり春近し

 公園の子らの声にも春近し

 剪りこみに思い広がる春仕度

 

1/19 全国男子駅伝(広島県4位)

 R07.01.23

 寒の雨背中をそっと濡らすほど

 寒鴉闇にニ言啼き交わす

 初場所やはく息荒き勝力士

 大寒に己いさめるひとり言

 悴みし十指なだめて走者待つ
 


 R07.01.16

 手を合わす瀬戸の島影初明り

 七種の揃わぬ粥の薄みどり

 寒暁や上弦ありて出勤す

 寒晴れや瀬戸の島まで透き透る

 冬椿日かげに赤の極まれる

 しんしんと枯木隅々寒波来る
 


 R07.01.09

 マンションの戸口それぞれ注連飾り

 葉牡丹の紅白渦が福を呼ぶ

 関門の階段登り初詣

 老いし身に元気でいてねとお年玉

 今年こそお会いしたいと年賀状

 そおれぞれの今年の笑顔初写真

 

 R07.01.02

 水洟やペンのインクも切れ切れに

 買い物の袋にあふる大晦日

 セーター の襟より出でたる八十代

 初夢の大蛇ぬるりと姿見せ

 手を合わす瀬戸の島影初明り

 カーテンを開けて屋並みに初明り
 


 R06.12.26

 落つる日に透けて眩しき冬木立

 朝六時ほの蒼き空月冴ゆる

 月光を透かして仰ぐ大冬木

 穏やかに見守りつづけ枯木星

 クリスマスソングもどきのハミングす

 

 R06.12.19

 読書する背より湯ざめの気配あり

 南天の実の輝きも十ニ月

 はい上がる朝の底冷遊歩道

 冬の朝山端より湧く薄明かり

 冬の月一人家路の足音に

 北風が吹き抜けてゆく通い道
 


 R06.12.12

 マスクして思いを語る眼の力

 我が顔を隠したつもり大マスク

 温かし路地裏落葉の吹きだまり

 冬の夜やまた読み返す新刊書

 煌めきつ枯葉夕日と舞いにけり

 昼寝毛布一枚そっとかけ
 


 R06.12.05

 北風に耐えて黙する園児たち

 木々浄む光のしずく冬の雨

 眠りつく街一望に冬の月

 底冷す遅いパソコンへそまがり

 塾帰りこんな日もある冬の暮

 遊ぶ子ら明日も約束冬の暮

 

 R06.11.28

 腰痛に返辞もつらき神無月

 古びたる紅葉明かりの住吉さん

 お待たせと母に供えし蜜柑かな

 蓋とればおでんぐつぐつまず大根

 時雨きて畑作業の背を濡らす

 これからは肌寒しこと目覚め時
 


 R06.11.21

 ひらひらの木の葉を追いて犬走る

 小春日や睡魔の底の闇深し

 呼ばれては生返事あり小春の日

 オリオンや寝起きまなこに冬来たる

 ハ十路坂花柊の散るごとし

 神社裏色づく柿を見つけたり
 


 R06.11.14

 新米と赤文字踊る陳列棚

 店先にやっと届きし今年米

 立冬の星の生れは梢より

 朝まだき金木犀のにほひけり

 朝寒や誰にも親しく会釈せり

 

 R06.11.07

 週一の掃除を終えて秋の昼

 二人してどんぐりコロコロ老いにけり

 しばらくはオブジェの柿となりにけり

 きらめける銀杏並木の落葉道

 4Kにやまぬ戦禍の文化の日

 季語知るも作句の一歩文化の日
 


 R06.10.31

 鰯雲仰ぎ見とれてよろめきて

 裏山をどかりとまたぐ秋の虹

 秋の虹街は昭和の淡き色

 ゑのころに囁くごとく風の友

 花すすき朝日を受けて煌めきて

 朝日浴びしろがねゆるる風すすき
 


 R06.10.24

 秋の雨傘さす人にささぬ人

 傘忘れ秋の時雨と歩きけり

 予報聞き行くか行かぬか秋の雨

 秋晴や投票用紙届きけり

 今朝の道金木犀を折り返す

 

 R06.10.17

 暁光の木々を透かして秋気澄む

 椋鳥の群れ行く先は明の空

 秋しぐれ草木艶めく垣根かな

 暑き季を耐えてここに曼珠沙華

 ぽつぽつと咲きし白花曼珠沙華

 無花果や熟れぬそのまま蒼き空
 

早朝の街
 R06.10.10

 稜線につるべ落としの秋夕焼

 朝散歩諭され百舌の一声に

 朝まだきひときわしみる百舌鳥の声

 がらがらの一番電車秋気澄む

 早朝の窓に明かりの秋気かな

 暁光の木々を透かして秋気澄む
 


 R06.10.03

 揺れやまぬ仙人草の繚乱と

 コスモスや風の集まる街角に

 検査室尋ねさがして秋曇し

 涼風のささやきの中に耳澄ます

 秋暁を待てず目覚めて窓を開け

 子らの道秋夕焼につつまれて
 


 R06.09.26

 少年よ大志をいだけ雲の峰

 朝顔に見守られつつ出勤す

 地虫鳴く八十路の坂の眠れぬ夜

 お彼岸に母の好物おはぎ供え

 しろがねの芒はいつか風となる

 川土手の芒に朝の光あり
 


 R06.09.19

 林中や耳を澄ませば秋の声

 難聴にそっと聞こえる秋の声

 秋場所もなか日過ぎたり秋きづく

 朝顔の気儘に咲きし垣根かな

 夏雲のどこかほつれて秋の雲

 蒼天に秋曇ひそと広がりぬ
 


 R06.09.12

 夕焼に染まり溶けゆく帰り道

 精一杯儚さ知らず芙蓉咲く

 叱られて涙線ゆるむ鳳仙花

 目を細め日の出眩しき秋歩く

 まあまあと物忘るるも爽やかに

 折り紙が机にポツンと秋の昼
 


 R06.09.05

 山道になびきて気付く女郎花

 電車待つホームの端へ秋日傘

 台風のおこぼれ畑に雨残す

 裏山をゆっくり越えて秋がくる

 雨のあと木々に秋めく気配あり

 台風の去りて聞こゆる朝ちちろ
 


 R06.08.29

 樟の葉の息づくや処暑の雨

 歯の治療少し褒められ処暑の風

 ひと揺れの朝日に光る椿の実

 法師蝉子らの休みもあとわずか

 木漏れ日のすでに秋めく朝なりし

 つくつくし夕日に一声鳴き納め
 


 R06.08.22

 今もなお蝉の脱け殻終戦

 塀沿いの狭き片蔭恃みとす

 いつまでも続く残暑を呪ひけり

 すき焼きのどかと残暑の食卓に

 前庭の風に紫紺の桔梗咲く

 老いたれば弱気の便り秋の蝉
 


 R06.08.15

 立秋や起き出す前の裏通り

 この道を勇み足して今朝の秋

 しがらみを捨てた空蝉目の光る

 応援歌西日もろとも甲子園

 盆花は色淡き花に定まりぬ

 街角にひそと風呼ぶ凌霄花(凌霄花のうぜんかノウゼンカズラ)
 


 R06.08.08

 垣根ごし燃え立ちてをり百日紅

 すててこや俺には俺の道がある

 書き出しは生きていますと夏見舞

 向日葵を空にあふれて描きけり

 並木道ふくらむ朝の蝉時雨

 夾竹桃あの日も熱く街揺るる
 

 
 R06.08.01

 老い二人ともにつまずく大暑かな

 賑やかし雀のおしゃべり大夏木

 裸にて老いさらばえて腹のでて

 日傘よりあふれんばかりの男の背

 電柱の影を背負いて炎暑ゆく

 大盛りの熟れすぎトマト買にけり
 

 
 R06.07.25

 青葉径ゆらめき渡る光あり

 初蝉やいきなり声を一にして

 立葵いずれ乗り越す反抗期

 梅雨明けの予報も知らず蝉が鳴く

 グラジオラス優しさゆえに折れやすし

 夏の霧みるみる街を隠しけり
 

 
 R06.07.18

 老いたれば固き南瓜を叩き割る

 冷蔵庫思いでとびら写真帖

 玉葱を一竿連ね大中小

 夏草や気の向くままに伸びてゆけ

 玄関の向ひの屋根に雲の峰

 少年の夢大きくて雲の峰
 

 

 R06.07.11

 夏蓬(なつよもぎ)小道抜け道曲がり角

 ざざと降り雨後の匂いの夏蓬

 花南天知らぬふりして零しけり

 夏草の隙間すきまに南瓜蔓

 あちこちに雄花ばかりの花南瓜

 網戸ごし内緒話の聞こえけり
 

 
 
 R06.07.04

 梅雨鴉鳴き声高く鷺応え

 愛用の日傘くるくる笑顔あり

 八十路して若き心の半ズボン

 わだかまり解けて四角の冷奴

 ベランダに竜舌蘭の風迎え

 夏蓬小道抜け道曲がり角
 

 
 R06.06.27

 拭えども吹き出す汗のとどまらず

 髪洗い今日のあれこれ御破算に

 団扇の手しばらく止まりまた扇ぐ

 さっぱりと疲れもろとも髪洗ふ

 ロシアティー香りの高き梅雨湿り

 妻病みて一人歩きの合歓の花
 

 
 R06.06.20

 荒れ畑に今年も青き額の花

 紫陽花の色に染まりし通い道

 汗拭いて今日の草刈ここまでに

 汗みどろ肌にはりつくシャツはがす

 店先で値札見ぬふり夏野菜

 刈るほどにたくましさ増す夏の草

 
 
 R06.06.13

 木々の葉に風のきらめき夏の朝

 急ぎ足何をしるべと蟻の道

 鉄路土手草の刈られて青き風

 こともなく舌につるりと水羊羹

 紫陽花の頃の裏道散歩道

 引き際の潔ぎよきこと夏椿
 

 
 R06.06.06

 頬骨の日焼も仕事の疲れかな

 古書開き紙のかおりや菜種梅雨

 安芸小富士姿隠せり菜種梅雨

 お色直しのブラインドに初夏の風

 木洩れ日に風描きたる若楓
 

 
 R06.05.30

 ももいろの守宮の腹の動きおる

 ひとくちのゼリーきらめき虹の色

 新樹より生れし風と語り合ふ

 朝ドラの若き主役や更衣

 まぎれなくカワラヒワ鳴き清和かな

 未完成の蜘蛛の囲くぐり夏畑
 

 
 R06.05.23

 栃咲くや広葉にとどむ雨光り

 夏浅しはや半袖の小学生

 新緑の木洩れ日ゆるる鳥の道

 素通りの電車見送る薄暑かな

 妻残し一人散歩の夏の朝

 
 
 R06.05.16

 フレームに蝶のアリバイ無かりけり

 尾の青き蜥蜴するりと消えにけり

 この花ははたらき蜂にゆずるなり

 青々と南瓜畑に五月来る

 とねりこのかげをくぐりて青葉風

 老いぬれば夢に起こされ朝寝覚
 

 
 R06.05.09

 晴天に鈴懸若葉の舞うごとし

 背伸びて大空巡る端午かな

 風に乗り時に逆らふ蝶々かな

 花あやめきりりと正しき立ち姿

 花水木迷うことなき道しるべ
 


散歩友達の豆柴犬「あんずちゃん」

 R06.05.02

 やわらかきパンフルートに春の雨

 春暁や妻の寝顔に音おさえ

 さまよいて疲れて覚めて春の夢

 帰り道冷たき背ナの春しぐれ

 御幸川を狭しと泳ぐ鯉幟
 

 
 R06.04.25

 前屈に老いの奮闘山笑ふ

 大晴に渡る風あり樟(くす)若葉

 この街の勝手知ったる燕来る

 地震あり言われて気づく日永かな

 横になり義父の夢見しうまごやし

 朝霞あるべき方に安芸小富士
 

 
 R06.04.18

 笑顔よき幼子に咲くチューリップ

 豆の花再出発のクラス替え

 経過よしたった一言さくら餅

 約束は無口の内に豆の花

 散歩道さつきあかりに足早し

 春落葉踏めば応ふる語りあり
 

 
 R06.04.11

 連翹の黄なる日々の冷たけれ

 空ながめすること忘れ春なかば

 道端を生くると決めしたんぽぽ黄

 雨に濡れ木木の芽吹きの音を聞く

 むらにすずろに咲きし木瓜の花
 

 
 R06.04.04

 園児らの卒園間近草青む

 春のヴァイオリンのソナタやさし

 空ながめすること忘れて春なかば

 老いてなほ幼きころの里桜

 たんぽぽや子らの抜け径帰り道

 
 
 R06.03.28

 仰ぐ顔ともに涙の卒業歌

 ぎこちなく鳴き鶯の聞きにけり

 ささやかに汐の香ありて彼岸西風

 畑仕事のんびりながめ花なずな

 雪柳ゆれて お隣り人気配なし

 雨上がり山桜桃の花の白ひかる
 

 
 R06.03.21

 菜の花や優しき母の観世音

 いそがしや木の芽草の芽湧き出る

 かたくなに吹く風信じて辛夷咲く

 春場所のおのれのしこ名信夫山

 囀りに堤辛夷の目覚めたり
 


ヒイラギナンテン

 R06.03.14

 南天の尖る葉先に春光る

 南天の花をかくまう春の刺

 汐風に吹かるるままの黄水仙

 ふるさとの香りの波や黄水仙

 夜明け前歩みをてらす春の月

 
 
 R06.03.07

 咲いて沈丁開いて日々新た

 下萌を踏みていたづらごころあり

 裏山のしづかにけぶる春の雪

 東風吹けば大股小股背を押され

 啓蟄や蚯蚓(みみず)そろりと起こされて

 日溜りにしかと伸びくるシクラメン
 


セグロセキレイ

 R06.02.29

 ゴミ箱へシュート決まらず日脚伸ぶ

 晴れ二月我誕生日ともかくも

 セキレイを捕らえしレンズ風光る

 にまみれここに今年も蓬(よもぎ)萌ゆ

 山茶花の垣根のつづく散歩道
 

 
 R06.02.22

 電話する声の高ぶり梅の花

 お茶をする春待つ心あるときに

 くしゃみして力満ちくる木の芽時

 ほんとうに雨の一日春めけり

 八十路坂楽しくいきて春めけり
 

 
 R06.02.15

 フェルメール少女の瞳冴返る

 剪定の枝をとばしてしばし眺む

 梅だよりまだ来ぬ枝を仰ぎ見る

 議員席にも春寒のありにけり

 踏み出せば背なに余寒はりつきし

 
 
 R06.02.08

 三寒の四温の畑待ち遠し

 三寒の玉葱畑は四温晴れ

 節分やメヌエット聴きに鬼も来た

 立春や世界地図には水あふる

 寒月光じっと見つめる子犬撫づ

 
 
 R06.02.01

 冬天に透けゐる月の柔らぎし

 親しさのほど良き距離や冬の鳥 

 五線譜に止まる小鳥の冬景色

 ざれや手入れなき畑声もなし

 寒の月雲の波間をさまようて
 

 
 R06.01.25

 厳寒や空に爆音ぶきみなり

 暖冬や白梅ちらとつぼむなり

 角曲がり歩く蝋梅の咲く小道

 冬の川たえず淋しき流れあり

 寒雀地球鼓動をふところに

 傘持たずとこや飛び込む冬の雨
 

 
 R06.01.18

 心まで悴んでいる夜明けかな

 寒の内朝の快晴鴉啼く

 北風に顔真っすぐと立ち向かふ

 なげきつつ蒲団引き上ぐ寒夜かな

 窓閉めていっそう淋し寒夕焼
 

 
 R06.01.11

 古里の小さき社へ初詣

 孫たちもここまで育ちお年玉

 掛軸に妻の流儀の淑気満つ

 七草の粥の湯気立つ椀二つ

 初茜八十路を迎え引き締まり

 
 
 R06.01.01

 辰の年空粛々と御元日

 掛軸に辰の昇れるお正月

 正月の明るき月と朝散歩

 あわれわが白髪乱れて初写真
 

 
 R05.12.31

 見えにくい眼鏡拭きつつ年惜しむ

 古暦読むに読まれぬ走り書き

 散歩犬じゃれて甘えて年の暮

 冬耕や隣家の影にせかされて

 日記書き卯の年閉める大晦日
 

 
 R05.12.27

 初雪や二人の道の夜明けかな

 葉牡丹のちぢれっぱなし冬花壇

 夜明け前寝ぼけ眼にオリオン座

 寒暁のカエデの小径星冴ゆる

 老い二人二日分のおでん鍋
 
 R05.12.20

 ゆたゆたと街灯ゆがみて冬の川

 重たげにたなびく冬雲朝茜

 北風も味方にせんとボール追う

 冬の雨音なる鍋の湯気上げて

 動き出す気配なき空冬の雲

 葉牡丹の渦に笑顔の声を聞く
 

 
 R05.12.13

 庭掃きしあとに一葉柿落葉

 我が人生なりゆきまかせの木の葉髪

 また一つ逆光に散る冬紅葉

 枯葉踏み音の弾けて浮かれけり

 寒暁や瀬戸に踏み立つ小富士見え
 
 R05.12.06

 しみじみと幸せくるくる林檎むく

 陽を跳ねて踏み来し銀杏落葉道

 冬耕のはや翳りくる里の畑

 そこはかと哀しきものよ時雨寒

 夕暮れて星のかがやき冬めけり

 
 R05.11.29

 伯父の忌の遠きまなざし小春の縁

 畑一人小春の日ざし連れ歩く

 青空をときおりこぼす時雨雲

 語りつつ水洟ずるり吾不覚

 最終戦迎えんとする枯木立

 枯木立勝利の予感秘めてをり
 

 
 R05.11.22

 職なくもコートの中に己れあり

 住吉の土手の柿の実夕日色

 荒れ畑や暮色にとけて水木の実

 蒼天に色づく蜜柑万歩計

 紅葉散り天つく木立のシルエット

 

 
 R05.11.15

 なんとなくせかされ始む冬仕度

 たじろぎしこのめひしばの草もみぢ

 色づきて若気の至り柚子たわわ

 枯葉舞い小犬もワルツ舞い踊り

 冬耕や一人となりて貫きて

 
 R05.11.08

 餌を探し撃たれる熊やそぞろ寒

 遠山に雲の切れ端暮の秋

 晩秋やテールランプの街角に

 幾とせか妻と二人の冬隣

 清々し風に従ふ枯葉かな
 

 
 R05.11.01

 いつになく読み進むなり夜長かな

 すきあらば金色づくし泡立草

 秋夕焼ひときわ冴える街路灯

 ゑのころのひと群れ揺れて月夜かな

 ためらいつ散歩にさそう朝寒し

 

 
 R05.10.25

 ふと匂う厠(かわや)あたりに金木犀

 漆黒の闇の重さに蚯蚓(みみず)鳴く

 子らの背につるべ落しの秋日かな

 妻みつめ尾をふる犬の秋うらら

 上階に物の音する秋の暮
 
 
 R05.10.18

 秋風のひとすじ走る萱の径

 爽やかや河口をわたる風の声

 静けさに話声あり秋の夜

 澄む秋のモーツアルトをジャズに聴く

 古き家からめ捕ったり蔦紅葉
 

 
 R05.10.11

 黒揚羽秋風に乗り流れゆく

 黎明の川面の揺らぎ秋の風

 朝の日をまとふ芒の風に揺れ

 秋の川流れをなぞり鴨下る

 音ともにどこから流る秋の川
 

 
 R05.10.04

 この道の赤の彩り彼岸花

 熱気秘め彼岸花咲く秋となる

 彼岸花咲いて長袖着て歩く

 道端にすくっと立ちて彼岸花

 
 R06.05.27

 鴨来たり御幸の川面光りけり

 爽やかやどこぞの婆の笑顔の目

 名月のうさぎ語る子うべなへり

 いつまでも数え直しの夜長かな

 黒揚羽秋風に乗り流れゆく
 
 
 R05.09.20

 住吉の男掃く庭秋気澄み

 道の返の目立たぬ秋の草ばかり

 旅人は名もなき花や秋の草

 爽やかやどこぞの婆の笑顔の目

 艶めきて我に光を椿の実
 

 
 R05.09.20

 秋場所や一気突き押し貴景勝

 大空に動物探し秋の雲

 足とめて樹間に秋の声を聞く

 蓑虫のどこから来たか秋の声

 コスモスの色のゆらぎに風光る
 

 
 R05.09.13

 一斉に電車に手を振る泡立草

 荒れもせず台風の余波心地よく

 コスモスを揺らしてゆきし散歩道

 朝日受けのぞく銀杏三つ四つ

 木々の間を光となりて群れとんぼ
 

 
 R05.09.04

 寝転べばまぶたの奥の花火かな

 秋めくといふ言の葉に励まされ (稲畑廣太郎)

 路地裏に秋めく風を探しけり

 夕風の参道ゆくや萩の花

 祈りこそ身ほとりにあり法師蝉
 

 
 R05.08.31

 闇こそは虫の声聞くコンサート

 思ひあり心にしみる虫のこゑ

 聞こえずも闇夜に聞きし虫の声

 真夜中の庭に満載虫の声

 夕間暮れ遊び過ぎたりきりぎりす
 

 
 R05.08.23

 老いたれば秋暁待てず目覚めけり

 魚焼く匂いただよう秋の朝

 観察記届きし秋の夜明けかな

 めざむれば初秋の朝を迎えけり
 

 
 R05.08.09

 夏暁や快きこと歩くこと

 いつまでも残暑和らぐ気配なし

 残暑なほ孫の首筋汗流る

 背伸びする入道雲の残暑かな

 
 R05.08.02

 入道雲古屋根踏みて立ち上がる

 雲の峰バックに聳え構図よし

 天を裂く若き拳や雲の峰

 どこまでも越すに越されぬ雲の峰

 
 R05.07.26

 爪たてて空蝉一つすがりけり

 手に置けば空蝉の目のきらめきて

 しっかりと網戸にすがる蝉の殻

 空蝉に登る気力を残しけり

 いさましき欅大樹の蝉しぐれ
 

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