おしろてつお

リンク


茨城県立水戸第一高校

知道会

東京知道会



故郷に必要なのは、幼少期に遊べる野山、そして川です。特に街の中を流れる川が重要です。本当は「街の中を川が流れる」のではなく、「川の周囲に街ができた」のです。

神戸は山と海にはさまれ、一見、自然が豊かなようですが、子供が遊ぶ範囲には雑草すら生えていない。公園や道路は落ち葉を嫌うので、腐葉土はなく、アリもいません。このような環境で育った子供が、技術者になるのは恐ろしいことです。東灘区の街中で、唯一、自然らしきものを体験できる場所が川です。

しかし、今の東灘区内の天上川や高橋川は単なる排水溝です。芦屋川や住吉川のように親水公園化し、市民が散歩を楽しめるようにしないともったいない。

私は、日本を代表する人たちに数多く会ってきました。役に立ったこととして、幼少期に野山で遊んだ体験を語る人は多いのですが、反対に塾通いを誇る人はほとんどいませんでした。田舎者ほど故郷への思いが強いのですが、それは田舎者だからではなく、幼少期に五感を使い野山でしっかり遊んでいるからでしょう。

東灘区を流れる川は、洪水を防ぐための排水性が優先されてしまうのは仕方がないことですが、それでも川面に接することができるぐらいの親水公園化は、お金さえかければできるはずです。都賀川のような水難事故の恐れもありますが、水害は天気予報によって、ほぼ確実に事前避難ができます。

美しい川は、街の魅力向上にもつながります。100年後、200年後につながる投資です。日本は清流が当たり前になっていますが、世界的に見て、これほどきれいな淡水に恵まれた国は珍しい。それは、日本が、地殻変動によって、温帯の海上に突き出た島国だからです。

山岳部に降った雪や雨が、腐葉土などでろ過され、せせらぎで浄化される。それを実感するためには、幼少期に、自然の川に接することが必要です。川掃除は、子どもたちにとっても楽しい体験になります。


(難易度:高、短期的効果:小、長期的効果:大)




おしろてつおおしろてつお