母乳育児について

 まずはじめに、母乳育児というものは個人差や価値観もあり、人それぞれです。人がこうしているから絶対私も・・・・!などと気にすることはありません。大雑把に言って母乳育児! とこだわらなくてもいいと思います。ただはじめからミルクにするのではなく、誰もがはじめは出が悪いのだから病院や助産院にいる助産師の援助を受けて、すこしがんばってみてもいいと思います。母乳育児も病院の入院中はうまくいっていても、退院後子供と二人で向き合っていると、絶えず泣かれる声にイライラしたり、絶えず泣かれるから「足りないんじゃないか?」などと不安に思う気持ちが、かえって平穏にいっていた母乳育児がしんどくなってくる。

 私には2才離れの3人のわんぱく男児がいます。上の2人の子は、ミルクと母乳の混合で育てました。主人を含めまわりから子供が泣く声に「母乳が足りないんじゃないの?ミルクを足したら?」と何度も言う声に負けてしまいました。それでも自分自身の気持ちから一番下の子は、完全な母乳育児で3才をすぎても飲んでいました。近年ミルクも成分的には向上しておりますし、混合に関して後悔はありませんが、しかし、今から思うと母乳育児を続ける秘訣ってこの声との戦いのように思います。
ママはいつだって、母乳が足りているのかどうか不安にさいなまれているのだからゆっくり見守ってあげてほしいと思います。母乳だけでがんばろうと思っているママもすごい! と思うけど、どうにもならなくて不安で何とかしてほしい・・・と思うときは、私はちょっとだけ自分自身を落ち着かせるためにもミルクを補足していいと思う。
 ただその時の乳房の状態によっては、ミルクを補足することで痛みを生じることもあるので、一度近くの助産師若しくは助産院・助産所に相談してほしいと思います。
自分もそうだったから、ママたちの母乳育児に対する懸命な気持ちがよく伝わってきます。同じ主婦として、母として、そして助産師としてママたちを応援したいです。
 乳腺炎や母乳不足、その他などで助産院に通うのだって、パパたちが外で一生懸命にお仕事をしてくれたお金で来るのだから指導する側もお金を支払う側もありがたく使わなければいけないし、そのために自分なりに一生懸命に勉強して少しでも乳房トラブルにならないように気をつけていかなければいけません。
基本的に母乳に関して助産院は乳房トラブルがなければ通う必要はないと思います。
いろいろなトラブルがあった時に対処法などを学び取ることができて、いざという時にいくところです。だって金銭的にも体力的にも大変でしょう?
 分泌不足も、とにかく何度も何度も赤ちゃんにすわせ、精神的にリラックスし、バランスのよい食事を取り、水分をたくさんとればある程度のりこえられるものです。
電話相談でまれに「おっぱいがまずいと言われた・・。」といった話しも耳にしますがそんなことはありません。
赤ちゃんがママのおっぱいをよろこんでのんでいればそれでいいんです。
“まずい” と言われて決して落ち込むことはありません。
 母として一生に一度あるいは二度くらいしか巡ってはこない、人によってはわずか1~2年の母乳育児ですから、自分と赤ちゃんの無理のない最善の道を、ひとりだけで考えず身近なパパや市の保健師・助産師に相談してみることも大切です。
 助産院に通うメリットは、ただマッサージを受けるのではなく、どうしてこうなったのか?もしまたこうなったらおうちでどうしたらいいのか?など児を中心とした家族の生活環境の相談や赤ちゃんの状態だけでなく自分自身が母として共に一歩一歩成長できることにあります。
「助産院に行ってみてもらえば?」と言ってくれるご家族のためにも送り迎えをしてくれるご主人のためにも金銭的にも体力的にも理解してくれ、頑張っていける“あなたの助産院”を見つけてほしいと思います。
 当院でも、初めて乳腺炎などで来院されても時間をかけ、細かく指導させていただいているために、それ以後何度も乳腺炎を起こしていても自分で自宅で治しているお母さんも大勢います。
 吸えない などの赤ちゃんに関しましても、必ず赤ちゃんも一緒に連れて来院して頂き、母子と共に何時間かかっても指導させて頂いております。
 最後に、私たちもママたちの気持ちを存分にキャッチできるように心に瞳を持ち、助産院の真の本質を探究し、頑張っていきたいと思います。私たちに、こんな母乳育児をしたいという声を聞かせてください。
   ママと赤ちゃんの絆を心より見守っております。