独断的JAZZ批評 817.

JOHN NAZARENKO TRIO
手元にそっと置いておきたいアルバムだ
"WITH REUBEN ROGERS & ERIC HARLAND"
JOHN NAZARENKO(p), REUBEN ROGERS(b), ERIC HARLAND(ds)
2006年5月 スタジオ録音 (自主制作盤?)

JOHN NAZARENKOは初めて聴く。2006年録音と少し古めだが、メンバーが凄い。ベースにREUBEN ROGERS、ドラムスにERIC HARLANDという豪華メンバー。しかも、これが自主制作盤の匂いがプンプンするのだ。アルバム・タイトルを見てもメンバー紹介だけだからなあ!?
REUBEN ROGERSはお気に入りのベーシスト。最近ではLUIGI MARTINALEの"STRANGE DAYS"(JAZZ批評 812.)に参加していて素晴らしいプレイを披露しているし、2009年のERIC REEDの"SOMETHING BEAUTIFUL"(JAZZ批評 725.)も素晴らしかった。
ERIC HARLANDはREUBEN ROGERSと共にAARON GOLDBERGの"HOME"(JAZZ批評 623.)に参加している。これが2007年のことだから、本アルバムはその1年前の録音となる。
いずれにせよ、この豪華メンバーを率いてNAZARENKOがどんな演奏を聴かせてくれるのか楽しみだ。


@"BOUNCIN' WITH BUD" お馴染みのスタンダード化したハード・バップ・チューン。ベースがズンズン、ドラムスがチンチカ。凝ったことは一切なくてシンプルで楽しげだ。ROGERSのベースがキリッと締める。
A"INVITATION" 
HARLANDが多彩なドラミングを披露しているが、あくまでも、サポートに徹している。
B"BUT NOT FOR ME" 
このアルバムの中には有名なスタンダード・ナンバーがずらりと並んでいる。ここではしっとりとスロー・バラードで始まるが、後に、イン・テンポから4ビートを刻む。
C"ALL THE THINGS YOU ARE" 
この有名曲も奇は衒わずオーソドックスな演奏だ。躍動感に溢れるROGERSのベース・ソロは流石だ。
D"PAINT IT BLACK" 
この曲は珍しいね。イギリスのロック・バンド、ローリング・ストーズのMICK JAGGERの曲だからね。
E"IT'S A RAGGY WALTZ" 
F"GREEN DOLPHIN STREET" 
ベースの定型パターンが変わっているが、サビはちゃんと4ビートを刻んでいる。
G"BUT BEAUTIFUL" 
バラード。
H"HOW INSENSITIVE" 
当然のように軽いボサノバ・タッチ。
I"WISH YOU WERE HERE" 
最後はスローロック風の牧歌的な演奏。

多分、このアルバムは自主制作盤でしょう。だから、タイトルにはROGERSにHARLANDという二人の名前を配して箔を付けたかったのかもしれない。そういう意味では、現代ジャズ・シーンの強力サポートがいるのだから、NAZARENKOはもっと自由に暴れても良かった。少々、二人に遠慮したかな?とは言え、どの演奏も満足度の高い演奏だ。5つ星にはなれないが、手元にそっと置いておきたいアルバムだ。
実は2012年録音の新譜が近々リリースされるというので注文を入れた。ベースはPATT PENMANに替わっている。しばらく時間がかかると思っていたのだが早々に入荷した。順番にアップして行きたいと思う。   (2013.08.11)

試聴サイト : http://www.cdbaby.com/cd/johnnazarenko 
         http://www.youtube.com/watch?v=gTh8Ixwsrj0



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