独断的JAZZ批評 795.

BILL EVANS
EVANSがインタープレイにならないと思って、下駄を預けちゃったのかどうかは知らないけど・・・
EVANSの本気度を感じさせないアルバムだ

"AT SHELLY'S MANNE-HOLE"
BILL EVANS(p), CHUCK ISRAELS(b), LARRY BUNKER(ds)
1963年5月 ライヴ録音 (RIVERSIDE : 00025218626323)

久しぶりにEVANSのCDを買ってみた。1月からの予約CDが溜りに溜まって8枚もあるのに一向に入荷しない。だったら、すぐに入荷してすぐに聴けるCDが良いということで選んだのがこのアルバム。SCOTT LAFAROとのCDは何枚か持っていても、ISRAELSとのアルバムは初めてだ。盟友LAFAROを不慮の交通事故で亡くしたのが1961年だから、このアルバムはそれから2年後の録音となる。LAFAROの後任ベーシストを探していた時期でもある。

@"ISN'T IT ROMANTIC" LAFAROとのトリオと比べると非常にオーソドックスで「EVANSが弾いているよ」と言わないと分からないかもしれない。いい意味でも悪い意味でもLAFAROの影が大きすぎるんだよね。
A"THE BOY NEXT DOOR" 
ISRAELSのベース・ソロがフィーチャーされている。聴く側もLAFAROと比べてしまうので、気の毒だ。
B"WONDER WHY" 
EVANSのトリオというよりも、どこにでもいるトリオって気がしてしまう。
C"SWEDISH PASTRY" 
しかし、EVANSはISRAELSに随分沢山ベース・ソロを執らせるね。
D"OUR LOVE IS HERE TO STAY" 
私事だが、学生時代のバンドのオープニング・テーマに使っていた曲でとても懐かしい!
E"'ROUND MIDNIGHT" 
F"STELLA BY STARLIGHT" 
微妙にISRAELSの音程が悪い。こういうのって、気にしだすと気になって落ち着きが悪い。ここでもISRAELSの長尺ソロが聴けるけど、もうちょっとEVANSにピアノを弾いてほしいところだ。
G"ALL THE THINGS YOU ARE" 
ここでも長尺ベース・ソロ。はっきり言って、このベース・ソロは全然面白くない。終いにはEVANSがバッキングも止めてしまった。
H"BLUES IN “F” " 
結局、全部の曲でベース・ソロがある。

EVANSのトリオというと、どうしてもLAFAROのイメージで丁々発止のインタープレイを期待してしまう。が、ここでは丁々発止のインタープレイは聴けない。とにかく、ISRAELSのベース・ソロが多い。EVANSがインタープレイにならないと思って、下駄を預けちゃったのかどうかは知らないけど・・・。EVANSの本気度を感じさせないアルバムだ。
このアルバム、amazonで991円で買えた。にもかかわらず、翌日には1600円になっていた。こんな価格の変動ってないよなあと思いつつ、今日、確認したら、はたまた991円に戻っていた!
さらには、YouTubeで検索したらアルバム丸ごと全部アップされていた!これじゃあ、買う必要なかった!
とはいえ、ゲットしたCDの方が録音のみならず、演奏もよい気がするというのは負け惜しみか?!
ついでに、LAFARO〜MOTIANがサポートする"EXPLORATIONS"(JAZZ批評 158.)と"WALTZ FOR DEBBY"(JAZZ批評 17.)を引っ張り出して聴き比べてみた。やはり、EVANSの本気度が全開だ。   (2013.03.20)

試聴サイト :
 http://www.youtube.com/watch?v=87fnVWJXgjE



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