VIT SVEC
ありがとう
ありがとう
ありがとう!
"LIVE AT PIN INN"
MATEJ BENKO(p), VIT SVEC(b), JAN LINHART(ds)
2007年5月12日 新宿 PIT INN ライヴ

PIT INNに行くのは何十年ぶりだろう。場所も新宿2丁目に移っており地図を頼りに出かけたものだ。
久々のライヴ・ハウスだったので、簡単に演奏までの経緯を書いておこう。
このチケットの発売を知ったのが3月の終わりごろだったように思う。メールで予約手続きをして前売り券2枚分、6000円を振り込んだ。じきに、チケットが郵送されてきた。予約番号は10、11番だったから早いほうだろう。昨夜、開場は19:30で、開演が20:00。19:30までに行っていると予約番号順に中に入れてくれる。前の番号の人が2人しかいなかったので、席は選り取りみどり。娘と相談して正面2列目に着席。真ん中のベースまで3mとない。右にドラムス、左にピアノが配置されている。
座席は全て正面を向いているし、二人でひとつの割合で小さなテーブルと灰皿が用意されている。食事はサンドイッチ程度の軽食しか用意されていないようだ。これも適切だ。ナイフやフォークの音がカチャカチャ言うのも興が醒めるというものだ。収容能力は80名くらいか。客層も本当のジャズ好きしか来ていないという感じ。南青山の BLUE NOTEのようにデート代わりにというような客層は見当たらなかった。

こんなに間近でジャズを聴けるのも久しぶりで、BLUE NOTE は会場がもっと広いのでこうはいかない。3000円(当日券は3500円)で1ドリンク付。僕はバーボンのオンザロックをゲット。心地良さに釣られて、結局、4杯も飲んでしまった。いやあ、いい演奏を聴くと酒が美味い!
5日前に行ったKEITH JARRETTの東京文化会館のコンサートはSS席で12000円だったから、一人で行けば4回分ということになる。やはり、大ホールのコンサート価格は高すぎるよね。


前置きが長くなった。では、本題。
結論からいうと、素晴らしいライヴだった。やはり生のジャズはこういう会場で聴くべきだと思った。PIT INN の音響システムも素晴らしく、ピアノ、ベース、ドラムスのバランスが実に良かった。流石、老舗だけのことはある。
勿論、演奏は最高!期待以上の出来映えであった。何よりも迫力に満ちたアコースティックな演奏が心に焼きついた。
演奏曲目はMATEJ BENKO の最新作"UNIVERSALITY"(JAZZ批評 391.)とVIT SVEC の話題作"KEPORKAK"(JAZZ批評 245.)からのピック・アップと新曲が3曲。


前半の部
"UNIVERSALITY"からのピック・アップで、7拍子の"ALL FOOL'S DAY"でスタート。前半の部ではそのほかに"KEPORKAK"から"INFORMATION NO.5, 6, 7"、"BLUES FOR MAICHAEL"、"FOLLOW THE WHALES"
例のイルカの鳴き声はベースのアルコとエフェクターで表現していた。水の中を空気が上がっていくゴボゴボという音もベースの箱の裏を擦って表現していた。これには驚いた。

後半の部
新曲が3曲、頭に披露された。2曲目は10拍子だったか?4、5曲目はCDで聴いた覚えのある曲だったが曲名は不明。(一夜明けたら、もうメロディが残っていない!)

アンコール
1曲目が"UNIVERSALITY"にも入っていた"SMOKE GETS IN YOUR EYES"、2曲目は、"BILLIE'S BOUNCE"だったと思う。

25分の休憩を挟んで終了が22:30頃だったから、締めて、2時間たっぷりと堪能できた。
若手ピアニスト、BENKOが提供する曲がほとんどだったようだが、結構、凝ったテーマが多い。仕掛けも多いので、奏者間のアイ・コンタクトが欠かせない。BENKOのピアノはテクニックはあるし、演奏に切れがあった。
ベースのSVECは流石と思わせるベース・ワークを聴かせてくれた。正確無比な音程と強靭なピチカート、そして、エモーショナルな演奏で感動した。このベーシスト、世界の5本の指に入るんではないだろうか。ドラムスのLINHARTも多彩なドラミングを披露してくれたが、特に、シンバル・ワークが繊細で素晴らしかった。
何はともあれ、大満足のライヴで「ありがとう、ありがとう、ありがとう」と3回ほど言いたい気分だ。ジャズを聴くならライヴ・ハウスだね。リーズナブルな値段に白熱の演奏で大満足!皆でPIT INNに行こう!!   (2007.05.13)

<2007.05.14 追記>
当HPの訪問者の方から曲名について教えていただきました。
後半の部の4曲目は"EVENING PRELUDE"で、5曲目は"ABSENCE"だそうです。そういえばそんな気もするのですが、既に記憶にはありません。
同じライヴを聴いていたというのは嬉しいですね。ありがとうございました!



独断的JAZZ批評 414.