CHRIS NEVILLE
部屋中の窓を開け放って爽やかな風を感じながら、ついでに、ビールでも口にしながら聴くのが最適だと思う
"LOOK, STOP & LISTEN"
CHRIS NEVILLE(p) JAMES CAMMACK(b), DAVE BOWLER(ds)
1997年6月(TRIO), 1999年5月(
DUOCFI / SOLOK) スタジオ録音 (EVENING STAR ES-105) 

DISKNOTEのウェブ・サイトに記載された「ピアノトリオ大推薦盤 とうとう再入荷」のコピーに、ついつい食指が動いてしまうのはピアノ・トリオ・フリークの哀しい性だろうか?なかなか入手できないとなれば余計に欲しくなるのがユーザー心理。
録音は8年前の1997年だ。ジャケットから受ける印象はインテリジェンスのある叙情的なピアニストと思っていたが、意外や、結構芯のあるガッツ溢れるプレイも披露している。これは拾い物だった。トリオとしてのバランスも良い。特にベースのCAMMACKとの相性がピッタリだ。従い、3曲入っているデュオがなかなかイケル。JAZZ批評 259.のBILL MAYS "ONE TO ONE 2"にも通ずる明るさと温かみのある演奏が幸せな気分をより一層増幅してくれる。

@"LOOK, STOP AND LISTEN" 洒落たテーマ。TADD DAMERONの曲。このトリオの真髄はこういう明るい曲にあるのだろう。CAMMACKのベース・ソロもノリノリで楽しさ一杯。約3分と短い。謂わば、イントロ。
A"IMAGINATION" 
この曲もテーマがユニークで楽しい。VAN HEUSENの曲。3者のコンビネーションもグッドだ。
B"YOU, ONLY YOU" 
BENNY CATERの明るい曲想のテーマ。このベーシスト、CAMMACKは良く歌っていて良いと思う。
C"JUST SQUEEZE ME" デュオ。小粋で楽しい。曲を書いたD.ELLINGTONも本望だろう。ベース・ソロも楽しい。

D"SUMMER FANTASY" CHRIS NEVILLEのオリジナル。これもテーマがいいね。
E"PEOPLE TIME" 
BENNY CATERの名曲。かつて、STAN GETZが最期のライヴであまりにも哀しい名演を披露した。JAZZ批評 231.は誰もが涙するアルバムだ。
F"ALONE TOGETHER" デュオ。密度の高さでトリオに引けをとらない。ベースが4ビートを刻みピアノがスウィング。テーマの後はベースのソロ。

G"LES FLEURS" NEVILLEのオリジナル。ボサノバ調。南カルフォルニアって感じかなあ。
H"GEE BABY, AIN'T I GOOD TO YOU" 
I"LIEBESLIED" 
J"IN A DARKENED ROOM" これもNEVILLEのオリジナル。
3人が一体となって繰り広げるハード・プレイ。
K"BLUE MONK" しっとり系のブルースに仕上げてみたと。

このアルバム、ほんの少しピアノが軽い。だから、リラックスした気分で聴くのが一番だろう。部屋中の窓を開け放って爽やかな風を感じながら、ついでに、ビールでも口にしながら聴くのが最適だと思う。人生、明るく楽しくやろうじゃないですか・・・そういういう感じ。   (2005.07.08)



独断的JAZZ批評 279.