アコースティック・ギターの醸し出す温かみのある音色とハーモニーが右脳を刺激する納得の4曲
"THIEVES AND POETS"
John McLaughlin acoustic guitar
(Title Track, Track 1):Paul Meyer (clarinet), Viktoria Mullova (violin), Matt Haimovitz (cello), Philippe Loli (guitar), Bruno Frumento (timpani) and the orchestra"I Pommeriggi Musicali di MIilano"
All other tracks (Tracks 2-5), the Aighetta Quartet:Olivier Fautrat(acoustic guitar), Francois Szonyi(acoustic guitar), Alexandre Del Fa(acoustic guitar), Philippe Loli( acoustic guitar) Helmut Schartlmueller(acoustic bass guitar)
2002年スタジオ録音(UNIVERSAL 0602498010754)

前回紹介したMIROSLAV VITOUSのアルバムに参加していたギターリストがこのJOHN McLAUGHLINだった。たまたま、次の独断的JAZZ批評に紹介するアルバムをHMVで物色していたらこのアルバムと出くわした。久しぶりのギター・アルバムでもあるし、一聴、アコースティック・ギターのアルバムのようでもあるし購入することにした。

@"THIEVES AND POETS" PART 1 
APART 2 
BPART 3 
ストリング・オーケストラをバックにした演奏。3つのパートからなるMcLaughlinのオリジナル組曲。何かとてもクラシックを聴いているような気分になる。ジャズというよりクラシックと言った方が的確かもしれない。McLaughlinのテクニックは凄い。オーケストラを向こうに回して独壇場とも言えるギターを披露しているが、ジャズ好きの僕としてはもうひとつ心に響くものを感じない。

C"MY FOOLISH HEART" この曲を含めた残りのスタンダード・ナンバー4曲はストリング・オーケストラが抜けてギター・カルテットをバックに演奏している。だから、ドラムスもピアノもない。必然的にギター・アンサンブルになっていて迫力には欠けるが、曲の良さと相俟って、アコースティック・ギターの美しい音色を存分に楽しむことが出来る。
この曲は本当に美しい曲だ。何といってもBILL EVANS(JAZZ批評 17.)の名演を思い出さずにいられない。
D"THE DOLPHIN" 
E"STELLA BY STARLIGHT" スタンダード・ナンバーとして多くのプレイヤーが取り上げる名曲。
F"MY ROMANCE"
 McLaughlinのノリノリの演奏が聴ける。同じくEVANS(JAZZ批評 142.)の名演もある。

C〜Fのギター・アンサンブルの4曲はアコースティック・ギターのファンならずとも満足するに違いない。アコースティック・ギターの醸し出す温かみのある音色とハーモニーが右脳を刺激する納得の4曲。   (2003.10.26)



JOHN McLAUGHLIN

独断的JAZZ批評 160.