そうは言うものの、JACKY TERRASSONというピアニストの
才能には素晴らしいものを感じる
多分、次の世代のJAZZを引っ張っていく人だと思う
"ALIVE"
JACKY TERRASSON(p), UGONNA OKEGWO(b), LEON PARKER(ds)
1997年ライヴ録音(BLUE NOTE 7243 8 59651 2 8 )

最近、HMVの店頭に出かけても「これは!」というCD(PIANO TRIO盤)に出くわす確立が低くなっているような気がする。ちょっと寂しい。
新しいところでは前回紹介したBILL MAYSなんかは素晴らしいと思うけど、この1ヶ月間の新譜で見ると「JAZZ批評 126.」のMARK AANDERUDを含めて2枚程度と寂しい状態だ。

話は少しそれるがこのMARK AANDERUDは何回聴いても素晴らしい。特に5曲目の"FOROZEN DROPS"は毎日、何回となく聴いても、まだ飽きない。僕の感覚で言うと、多分、一生毎日聴いても飽きないと思う。近年の大傑作だと思っている。

脱線ついでに言うと、僕はほとんどJAZZの情報誌を読まない。たとえば「スイング・ジャ・・・」とか、「ジャズ・ラ・・」など。こういう雑誌のCD評は僕にとっては却って余分な情報となってしまうと考えた。「独断的JAZZ批評」とことわった以上、僕の独断で良いだろうと。だから、むしろ一切の情報を拒絶した方が自分の意見を率直に書けると思った。

僕の情報源はHMVの渋谷店。これは以前にも書いた。
品揃え、試聴盤の多さで他を圧倒している。基本的に自分の耳で確かめた上で、気に入ったものしか買わないことにしている。とは言うものの、ネット・ショッピングや中古で格安盤を「勘」で買ったりもする。こういう場合は、外れることの方が多いが。

最近、いい作品がないので、仕方がなく戸棚から未紹介の1枚をピックアップした。それがこのCD。
以前に紹介した"JACKY TERRASSON"(JAZZ批評 107.)や"SMILE"(JAZZ批評 120.) はなかなか素晴らしい作品だった。同じメンバーのライヴ盤ということなので、ネット・ショッピングで購入したが、ライヴ盤特有の音の荒さもあって、もうひとつの出来映えというのが素直な感想だ。

そうは言うものの、JACKY TERRASSONというピアニストの才能には素晴らしいものを感じる。多分、次の世代のJAZZを引っ張っていく人だと思う。その片鱗は"SMILE"の方に色濃く出ていると思う。

@"THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE" 邦題「昔は良かった」。ブルース。
A"CUMBA'S DANCE" カリプソ風。
B"SISTER CHERYL" 途中からやけに喧しい。最後はブロー気味。
C"SIMPLE THINGS" 

D"NATURE BOY" 繰り返されるベースのリズム・パターンの上で自由奔放で才気溢れる演奏。これは良いぞ!
E"LOVE FOR SALE" これも定型的なベース・パターンの上でやりたい放題。
F"FOG TAKING OVER NOE VALLY" 何でこうも定型パターンを繰り返すのか?いい加減にしてくれ!
G"THE THEME"
H"THERE'S NO DISAPPOINTMENT IN HEAVEN" 最後はしっとりと・・・。

ライヴならではの自由奔放さと観客の反応を楽しみながらの演奏と感じた。(2003.04.25)


JACKY TERRASSON

独断的JAZZ批評 131.