月に1回のペースで今年から始めた「JAZZ・大音量の会」は5回目を数えることになった。今回は素晴らしいスピーカーに巡り会えた。口径は小さいが、臨場感の溢れる素晴らしい音がした。まるで、ライブハウスで聴いているかのような錯覚を覚えてしまった。
今の若い人たちは生まれた時からヘッドホン・ステレオやMDウォークマンの音に慣らされてしまっていて、大音量で聴く音の広がりや奥行き、濃厚さを知らないのではないか。これは不幸なことだ。メーカーも安易に安っぽい音作りに専念した嫌いがある。結果的に、音を聴く道具はラジカセという底辺の商品にまで行き着いてしまった。チープな音の氾濫だ。
目を閉じて、この深く豊かな音を聴いてみて欲しいと思った。
1950年代のCDが活き活きと甦って聞こえる。KEITH JARRETT の息遣いまでもが生々しく聞こえてくる。
今回僕が持参したCDは以下の通り。
1.G FIVE "MEMPHIS UNDERGROUND"
2.CHICK COREA "REMEMBERING BUD POWELL"
3.GARY BURTON "DUSTER"
(JAZZ批評 74.)
4.KEITH JARRETT "FACING YOU"
(JAZZ批評 79.)
5.KENNY BARRON "LEMURIA-SEASCAPE"
(JAZZ批評 61.)
6.DON FRIEDMAN "THE DAYS OF WINE AND ROSES"
(JAZZ批評 55.)
7.ESBJORN SVENSSON "E.S.T.LIVE"
(JAZZ批評 81.)
各自が持ち寄ったCDの中から(原則的に)「これはと思う」1曲を聴くというシステムだ。
僕は普段、ピアノの以外の楽器を聴くというのは滅多にない。今回は、精神状態が少し熱く燃えるような演奏を欲していたので、珍しく1.と2.を取り出して持って行った。このホーンの入った演奏は特に音の伸びやかさとか艶やかさが普段聴いている音と違った。演奏自体が数段グレードの高いレベルまで昇華してしまった感じだ。
圧巻は4.のピアノ・ソロ。これは感動の1枚となった。JAZZ批評にこのあと追加したいと思う。
最近、買ったばかりの7.は時間切れで聴けなかったのが残念。次の機会に回そうと思う。
この他、仲間が持ち寄ってきたのは、
BILL EVANS, DUKE JORDAN, RICHARD WYANDS, BENNIE GREEN, BENNY GOLSON, DIANA
KRALL, BROWN/ROACH, MAL WALDRON/ARCHIE SHEPP などなど・・。
いい音で、しかも美味い酒を飲みながら聴くJAZZは最高に楽しい。
3時間の命の洗濯であった。 (2002.06.29.)