独断的JAZZ批評 891.

JOSHUA REDMAN
知的な印象のREDMANのサックスにはピアノとかギターといったハーモニー楽器が加わったほうが本来の味が出るではないだろうか?
"TRIOS LIVE"
JOSHUA REDMAN(ts, ss), MATT PENMAN(b:1,5,6,7)REUBEN ROGERS(b:2,3,4), GREGORY HUTCHINSON(ds)
2009年10月(1,5,6,7 ), 2013年2月(2,3,4) ライヴ録音 
(NONE SUCH : 7559-79561-7)


普段は滅多に聴かないテナーサックス・トリオ。尤も、アルバム自体のリリース数が少ないから滅多に聴かないのは道理ってもんだ。
最近では2年ほど前にMAX IONATAの"KIND OF TRIO"(JAZZ批評 755.)を紹介しているが、ここでも、REUBEN ROGERSが参加しているのが面白いところだ。まあ、この時の印象としてはハーモニー楽器がない演奏の難しさを書いている。
本アルバムは2回のライヴ演奏をピックアップしたものだ。一つが2009年10月のJAZZ STANDARD (NEW YORK)のライヴでベースにはMATT PENMAN、もうひとつが2013年2月のBLUES ALLEY (WASHINGTON)のライヴでベースにはREUBEN ROGERSが参加している。
JOSHUA REDMANと言えば、"JAMES FARM"(JAZZ批評 722.)とかBRAD MEHLDAUとの"HIGHWAY RIDER"(JAZZ批評 615.)を思い出すが、どちらかというと知的であるが観念的という印象だった。


@"MORITAT(MACK THE KNIFE" 
聞古されたスタンダードをハーモニー楽器なしで演奏するというのはどうなんだろう?はっきり言って、確実に何かが足りない。言うまでもなくハーモニーだ!ここはPENMANがベースを担当。12分の長丁場だけど退屈至極。HUTCHINSONのドラムスは輝いているね。
A"NEVER LET ME GO" 
REDMANの腕の見せ所なんだろうけど・・・。
B"SOUL DANCE" 
ここではソプラノサックスを手にとっている。
C"ACT NATURAL" 
ROGERSのベース・ソロも用意されているがいつもの輝きがないね。途中でREDMANが絶叫するが、似合わないなあ。長尺の12分!フーッ!ライヴ会場のオーディエンスは拍手喝采だけど・・・。
D"MANTRA #5" 
このトラックもソプラノサックス。聴いていて面白いと感ずるのはHUTCHINSONのドラミングだ。
E"TRINKLE, TINKLE" 
REDMANがいきなり激しくブローして始まるT. MONKの曲。HUTCHINSONが大いに暴れまくる。
F"THE OCEAN"
 サックス・トリオの演奏に集まったオーディエンスだからやんやの喝采があっても何も不思議ではない。この演奏が一番のノリノリ状態で、これはいいと思う。
 
かつて、サックス・トリオにはSONNY ROLLINS〜RAY BROWN〜SHELLY MANNEの"WAY OUT WEST"やELVIN JONES〜JOE FARRELL〜JIMMY GARRISONの"PUTTIN' IT TOGETHER"という歴史的名盤もあった。不思議とハーモニー楽器がなくても音楽として完成していたと思う。
ということで、改めてYouTubeで聴き比べてみた。やはり、感ずるのは3人が構築した音楽の完成度の違いなのかも知れない。
知的な印象のREDMANのサックスにはピアノとかギターといったハーモニー楽器が加わったほうが本来の味が出るではないだろうか?   (2014.08.09)

試聴サイト : https://www.youtube.com/watch?v=C6_oWFSNczQ
参考サイト : https://www.youtube.com/watch?v=L4dZV3U1ZsU&list=RDL4dZV3U1ZsU#t=54
        : https://www.youtube.com/watch?v=SkScWpUGDck


.