『リオ・グランデの砦』(Rio Grande)['50]
監督 ジョン・フォード

 騎兵隊三部作のアパッチ砦を観た際に「最終作『リオ・グランデの砦』を観たい思いが募った」と記したことからすると、少々当て外れに感じたが、『アパッチ砦』に次いで黄色いリボンと来ての本作ということでは、相応なのかもしれないと思い直した。

 騎兵隊は紛れもなく軍隊であり、戦死者や負傷兵、先住民捕虜を引き連れていることや決して白人ばかりで構成されているものではなく先住民兵が加わっていること、また、兵士たちの生活の場として子供たちをも引き連れている集団であることがオープニングから明示されていて感心した。軍政間の感覚の隔たりと不満も描かれていたように思う。西部劇という時代劇映画としてよりも、軍隊映画、軍人ものという側面を強く感じさせたのは、第二次大戦終結後五年足らずという製作時期によるものだろう。

 クインキャノン軍曹(ヴィクター・マクラグレン)が仕えていたのは、『黄色いリボン』のときとは違ってネイサン・ブリトル再任用中佐(ジョン・ウェイン)ではなく、『アパッチ砦』のカービー・ヨーク大尉と同名になるカービー・ヨーク中佐(ジョン・ウェイン)だったが、二人の間に浅からぬ因縁があるのは、ネイサン中佐のとき以上だったように思う。

 少々当てが外れたように感じたのは、本作が専ら、カービー夫妻とその一子ジェフ新兵にまつわる一家の物語を軸にしていたからだろう。だが、馬群の疾走感や、とても騎兵入隊する息子がいるようには見えないキャサリン(モーリン・オハラ)の、いくら洗濯に精出している姿を見せても生活感の漂わない風情に観惚れていた。当時、モーリン・オハラは何歳だったのだろうと調べてみたら、ジャスト三十歳。宜なるかなとの想いが湧いた。
by ヤマ

'22. 5.16. BSプレミアム録画



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